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2022.10/25 DXの進展で整ったMI環境

データサイエンスを活用しているMIは、約30年前に登場し無償配布されているプログラミング言語Pythonとその豊富なライブラリーを用いて研究できる。


この言語はスクリプト言語であり、初心者用とされたBASICよりも習得しやすい。例えばプログラミング言語を使うためにあらかじめ覚えなければいけないコマンド、予約語の数は、BASICの場合70以上存在するが、Pythonではたったの33語である。


さらに変数を定義する時のルールも含めプログラミングが易しいだけでなく、データサイエンスや機械学習を実行するときに必要となるプログラム要素あるいはソフトウェアーの部品とも呼べるプログラム(モジュール)を集めたライブラリーまで豊富に無償提供されている。

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そして、この無償ライブラリーから必要なモジュールを抜き出し、プログラムの部品として貼りつける簡単なコーディング作業により、高度なプログラムを誰でもコーディングできる。グラフ化の無償モジュールもあるので、演算結果をグラフ化する作業も容易である。


また、これも無償で提供されるJupyter Notebookという開発環境を用いれば、各種解析用ライブラリーを使った演算結果をグラフ化してインタラクティブに確認しながらプログラミング作業が可能である。


すなわち、データサイエンスの優れたプログラミング環境をDXの進展で誰でも無償で利用できる時代となった。


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2022.10/24 MIに対する誤解(3)

汎用ゴムの混練ではほとんど影響しない作業手順が、樹脂補強ゴムではその物性に影響を与える手順が存在した。この体験は、高分子材料を仕事としてスタートした新入社員にとって重要な経験となった。


この経験がきっかけとなり30年後にカオス混合装置を発明することになるのだが、この指導社員無くしてカオス混合装置は生まれなかったと思う。また彼は、この科学で理解しにくい現象について当方に学んでほしかった、と独自の仮説とカオス混合の存在を教えてくださった。


この学びの成果は大きく、1年の予定のテーマを3か月で仕上げる原動力となった。しかし、そもそも3か月でできるようなテーマを何故1年間のテーマとしたのか。


それは指導社員が開発していた樹脂補強ゴムはベスト配合ではなかったからだ。それを指導社員は気づいており、配合とプロセシングの最適化を行う必要から1年という開発期間を設定している。


そして指導社員は1年間の報告書の内容をすでに用意していた。その報告書を見せられた当方は、単なる混練の作業者として仕事をすればよい状態か、と指導社員に不満を述べている。


指導社員は、データ駆動の実験法で短期間に成果を出す方法もある、と教えてくれた。すなわち1年間の計画は、科学的方法で進める計画だったが、データ駆動の実験を行えば1か月でできるだろうと。そして当方は実際に短期間に樹脂補強ゴムを開発できて耐久実験まで完了している。


この実話から、シミュレーションとは何か、デ ータサイエンスとは何かを考える毎日となった。ちなみに指導社員は物理が専門で化学は専門外の方だった。


(注)3か月で仕上げて評価されるのかと思っていたら、業務は科学の成果では無いと評価されず職場異動となった。樹脂補強ゴムの配合技術は後工程の防振ゴム事業部隊へ移管され、技術テーマとして推進され某自動車のエンジンマウントとして実用化された。当方はポリウレタン難燃化技術を研究しているグループへ異動となった。指導社員は新たなテーマ企画が業務となった。研究所ではモノを作ることよりも研究成果が求められていた。新入社員のタイヤ軽量化という研修テーマではデータサイエンスで軽量化到達推定値を求め軽量タイヤを指導社員が試作したところCTOからその発表会で「大馬鹿もの(研究成果であって技術成果ではない)」と叱られ、研究所では技術であって科学ではないと評価されず、頭が混乱するような社会人スタートとなった。また、半年の新入社員研修を終えた配属日に転職した友人がいた。彼とは同部屋であり、退職願を提出する前日の夜、転職理由が科学技術のない会社だったので科学技術について話し合った。1980年代は科学論がブームになり始めた時で多数の著書が発売されていた。イムレラカトシュ「科学の方法」は、その科学論に影響をあたえた専門書であり、アメリカではトランスサイエンスという言葉が誕生している。


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2022.10/23 配合設計(3)

当方の配合設計の考え方は、技術者としてスタートした時の指導社員から強く影響を受けている。彼が、混練の神様のようなレオロジストで関数電卓を使いシミュレーションを行うような人だったから、化学系の配合屋と少し異なる。


まずプロセス条件から考えてゆく。具体的に言えば、プロセスから生じる制約条件を考慮して配合設計を行う。タグチメソッドでは制御因子の水準を幅広く設定するとよい、と指導されるが、プロセスの制約を考えず制御因子を決めるのは愚かである。


ところで、プロセスの制約から配合因子が影響を受けるケースではどうするか。このときプロセスにおける配合因子の挙動をチェックできる指標を入れた実験を必ず一水準入れる。プロセスの制約からその配合因子をあきらめるような配合設計を行わない。


こうすることにより、配合系の特徴が明確になる。データサイエンスにありがたみを感じるのは、公開されている多量のデータから自分が設計している配合系の特徴が明らかになった時である。


配合設計をいつでも新しいコンセプトで行っているとは限らない。従来の配合系を参考に設計したり、習慣に従い、比例計算だけを行いボーっと配合設計している場合もある。


アカデミアよりもアカデミックな研究所で見かけたゴム配合設計者の中には、グラフを書くためだけに配合設計している人がいたが、これはボーっと何も考えずに配合設計している人と変わらない。


ゴム配合の物性に与える影響を知っているならば、グラフを想像する前に考えなければいけないことがある。それは、ブリードアウトの問題、あるいは、物質の分散状態と拡散の問題である。


配合したい物質の機能に着目することは重要だが、その副作用を見落としてはいけない。副作用がある時にはその副作用を抑制する方法も配合設計時に考え、システム設計しなければいけない。


いろいろ考えてうまくコンセプトをまとめられない時がある。そのようなときは、データ駆動の実験を行いながら考える。例えば高純度SiC前駆体の配合設計やPETボトル再生材を80%含む樹脂はじめどこから考えたらよいのか難しい問題の成果は、50年近く前からデータ駆動の実験で成果を出している。


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カテゴリー : 一般 電気/電子材料 高分子

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2022.10/22 MIに対する誤解(2)

新入社員テーマの企画は指導社員が立案したものである。指導社員は前年にダッシュポットとバネのモデルのシミュレーションを行い、理想的な防止ゴム材料の設計を提案していた。


報告書には、難しい常微分方程式が並び、粘弾性のシミュレーション結果が示され、それを実現する樹脂補強ゴムの配合設計までなされていた。


そして、それが1年間の新入社員テーマとして認められ、新入社員の業務は、量産品質の最適化とあった。すなわち、理想的な樹脂補強ゴムがすでに見つかったことになっていた。


指導社員から最初に指示されたのは、指導社員が発明した樹脂補強サンプルと同じものができるようにバンバリーとロール混練技術の腕を磨くことだった。


詳細を省くが同じものができるまで1週間ほどかかったが、一般のゴムならば1日の練習で目標を達成できていた。すなわち、レシピに書かれた条件で混練を行っても、樹脂補強ゴムのロール混練では作業者のスキルがコンパウンド性能に大きく影響していた。


指導社員は、その原因を御存じだったが、最初は何も教えてくれなかった。とにかく真似をすることを求められた。指導社員の作成したサンプルと同じサンプルができるようになったときに、ロール混練においてどの手順が問題だったのか説明をしてくれたのだが、十分に納得できる解説だった。


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2022.10/21 MIに対する誤解(1)

MI(マテリアルインフォマティクス)を真剣に研究されている方もおられるので書きにくいが、当方の材料開発経験から、MIの問題を学んでいただきたい。


新入社員の時に1年間の予定で与えられたテーマを3か月で仕上げ、某社のエンジンマウントに採用が決まるという成果を出した体験談を書く。


このテーマは当方の材料開発人生に大きな影響を与えたテーマであり、データ駆動の実験という科学の方法とは異なる手法を学んだ重要なテーマだった。


当方が優秀だったのではなく指導社員が粘弾性の神様と称しても良いようなレオロジストであり、混練技術者だったおかげである。ただし、所属していたのがアカデミアよりもアカデミックな研究所だったので彼は技術者の顔を隠して仕事をされていた。


さて、樹脂補強ゴムとは、加硫ゴムでは限界のあったゴム物性の問題を解決した新素材である。今ならば、二軸混練機を用いた動的加硫によるTPEが相当するが、いかなるTPEよりも物性が優れた樹脂とゴムの複合材料だった。


この優れた物性は、絶対に二軸混練機では到達できないレベルであり、バンバリーとロールによる混練と金型内における加硫というプロセスで初めて実現できた。


同一処方の加硫ゴムの配合を二軸混練機でプロセシングしても性能の良い樹脂補強ゴムとはならない。バンバリーとロール混練で、さらにロール混練もある条件で行われた時のみ優れた物性となった。


まず、このような材料をMIにより予測することなど難しいだろうし、シミュレーションでも難しいだろう。実際に指導社員もバネとダッシュポットのモデルで物性のシミュレーションを行っているが、それは材料の目標であり、どのように材料を創造するか(How to)までシミュレーションは教えてくれなかった。


(注)弊社では、無機材料から有機材料まで豊富な材料開発の経験からHOW TOを見つけ出す手法までご指導しております。


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2022.10/20 実験のやり方

科学技術が叫ばれていた20世紀の実験のやり方は単純だった。仮説を設定し、仮説の正しさを確認するために実験を行えばよかった。名探偵ホームズと同じである。


仮説を設定する作業は、大卒でなければできない難易度の高い業務だと言っていたゴム会社の研究所の主任研究員は、この小説を読んでいなかったに違いない。


当方の指導社員は、研究所の科学一色の風土を批判していた。そして、ものを創り出すためにはもう一つの実験のやり方があると、データ駆動の方法を教えてくれたが、研究所内では馬鹿にされるから話すなと言っていた。


電気粘性流体の耐久性問題では、データサイエンスによるカタログ整理とデータ駆動の方法で問題を解き、実験データを示したのだが、馬鹿にされるどころか、FDを壊されたり、机の上にナイフが乗っていたりと大変な騒ぎになっている。


昔、小指を立てて、「私、これで会社を辞めました」というコマーシャルがあったが、当方の人生では「データ駆動の実験で問題解決したために会社を辞めました」というおかしなことになっている。


今は、アカデミアでもデータ駆動の実験やらAIやら、昔のゴム会社の研究所員ならば軽蔑したであろう手法が行われているので、時代が変わった、と感じている。


科学の方法とデータ駆動という今流行の方法の二刀流で40年以上研究開発を行ってきたが、まずモノを創り出してから科学の研究を行う、という指導社員の名言は今の時代に価値ある言葉だと思っている。


二刀流の成果として、データ駆動の実験が決め手となった成果は、樹脂補強ゴムの開発、燃焼時にガラスを生成して難燃化する手法、高純度SiC前駆体合成、SiC切削チップ、電気粘性流体などゴム会社の成果の大半である。写真会社では、科学が好まれた風土だったので転職者という立場で指導社員の忠告を守った。しかし、タグチメソッドの導入が行われたので、管理者として堂々とデータ駆動の実験を指導できた。酸化スズゾルを用いた帯電防止層はじめ担当した業務で、できると判断した業務すべてについて商品化された。データ駆動の実験の凄いところである。科学の方法では、どれほど優秀な人でも否定証明に走ったらモノはできないことを知っておくべきである。電気粘性流体の耐久性問題では京大博士はじめ高偏差値スタッフによる否定証明が1年かけて行われたが、最近では理研のSTAP細胞騒動が有名である。故ドラッカーが「優秀な人がしばしば成果をだせないのは、ーーー」と言っていたことと同じである。イムレラカトシュは科学で完璧な方法とは否定証明であると語っている。


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2022.10/19 DXの進展と材料開発(1)

デジタルトランスフォーメーション(DX)の進展により、業務フローの改善が進行している。それは、マイコンの普及により1980年代に起きた「パソコン革命」よりも激しく、科学と非科学の境界までも見えなくした。


1980年代のデジタルイノベーションは、ワープロ「一太郎」や表計算ソフト「LOTUS123」の普及による職場のOA化に留まったが、今起きているDXは、マテリアルインフォマティクス(以下MI)にみられるように、アカデミアの科学観まで変革している。


すなわち、ビッグデータを用いたデータマイニングにより新たな知を見出そうとする活動は、まず仮説を設定し、その真偽を実験で確認する科学の方法と異なっている。


ドラム缶一杯のフグの卵巣を下関港から名古屋まで運び、テトロドトキシンの構造解析を行った研究では、専門外であっても1匹のフグに含まれる毒の量が微量ゆえに研究に必要な量を確保するためのドラム缶作業と納得できる。


ところが、AIを機械学習で鍛えるために使用されるデータ量について、そのロジックを知らないならばヤマカンに頼る研究と誤解されるかもしれない。


さらにその作業の結果、当たり前の知が得られたとなれば先人は大笑いするだろう。しかし、定型化された高分子の分類法も無く、それゆえ科学でサポートされた明確な体系も存在しない高分子材料では、MIにより得られた知が当たり前であっても、それは科学と異なる方法で科学と同様の結果が得られたという大切な証拠となる。しかし、企業の研究開発では、それが事業の利益に結びつかなければ意味が無い。


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2022.10/18 MS-エクセルとPython

技術者で実験データを整理するためにMS-エクセル(以下エクセル)を用いている人は多いだろう。エクセルを使えばタグチメソッドも楽勝である。


また、単相関であればソルバーを持ちいてすぐに結果を出せる。しかし、多変量解析となるとVBを立ち上げる必要がある。それでも一応エクセルで多変量解析ができる、と言っても良いだろう。


ところが多変量解析を行うならばPythonを用いた方がプログラミングは楽である。無償ライブラリーを用いて簡単にできるだけでなく、複数のエクセルデータを取り込み解析可能である。


VBでもそのようにプログラムすればよいだけであるが、問題はその障壁である。おそらく、プログラミングの容易性でもPythonに軍配が上がる。


10年ほど前まではVBかC#が常識だったエクセルのデータ整理だが、いまやPythonのほうが便利である。そこでエクセルとPythonをどのように使用してデータサイエンスを現在のワークフローに取り込んだらよいのかセミナーを企画した(セミナー募集サイト参照)。


このセミナーでは、複数のエクセルファイルのデータを処理可能なPythonのプログラムを参加者に配布して、データサイエンスの手法を解説する。


高分子材料でマテリアルインフォマティクスが盛んであるが、もし過去のエクセルファイルに眠るデータの活用が可能であれば、データサイエンスの手法をそのまま使用して解析したほうが有益な情報が得られる。


当方は2005年に古いエクセルファイルのデータを整理して、カオス混合装置を発明している。AIなど用いず、自分の頭脳で十分なのだ。ただし、プログラミングはC#で行っているが、今ならばPythonだろう。

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2022.10/17 DXの進展とデータ解析

DXの進展により、プログラミング環境が充実した話を紹介している。登場して30年経過したPythonの無料ライブラリーを用いてAIまでできてしまう。


そのAIを用いて高分子分野には、公開されたビッグデータを活用したマテリアルインフォマティクス(MI)が注目を集めてきたが、がっかりしている人は多いのではないか。


当方は「花王のパソコン革命」(タイトルが間違っているかもしれない)という書籍が発売された時代からデータサイエンスに取り組み、それを用いた高分子の問題解決を実践してきた(この数年のMIと異なり、データサイエンスで新材料が開発された事例は多い)。


そして、ラテン方格を用いて、フェノール樹脂とポリエチルシリケートの反応条件を求め、それに成功すると、高純度SiC半導体治工具事業を提案している。


このような50年近くの実体験から、アカデミアから起きたMIについて冷ややかな目でその成果を眺めてきた。先月末から、当方が考えるDX時代のデータサイエンスによる高分子材料の問題解決法のセミナーを始めたが、参加者が少ない。


1万円という低価格のセミナーなので企画が悪いと判断して、今新たな企画を練り直している。エクセルのデータをどのように処理するのか、など基本的なデータの扱い方から解説するセミナーを準備したので、特に部下のデータ整理が乱雑で困っている管理職は、ぜひ期待していただきたい。


カオス混合の発明を目指したきっかけは、6年間T社と旧ミノルタがPPSの押出成形について研究してきた膨大なデータの見直しである。エクセル形式で残っていたデータを解析してびっくりしたのは、コンパウンドの進歩が全然なかった事実(注)である。


データサイエンスを駆使して多数のエクセルデータを解析したところ、押出成形の無意味で無駄な開発が明らかとなり、デジタル発想で混練技術の見直しに着手している。


そして、たった半年でそれまでと不連続な技術により問題解決している。このとき多数のエクセルデータはC#により整理解析されたが、今ならPythonで誰でもできる(ゴム会社でも写真会社でも公開してこなかった実務ノウハウだ。ゴム会社を転職しなければならくなったのがこのような科学とは異なる技術開発哲学によるノウハウや解析技術が原因だったので、公開することをためらってきた。ドストエフスキーの心境を思う時、科学と技術の思想上の乖離は時として当方の転職のような悲劇が生まれるので、その公開にはリスクがある。しかし、DXがここまで進展した今ならばリスクも少ないと判断し、セミナーの企画をしている)。


(注)科学の発想では生み出すことができないカオス混合技術を発明したのは2005年であり、その後ミッドレンジの複写機の中間転写ベルトが2010年までポリイミドからPPSへ置き換える開発が進められている。これは、特許検索でカオス混合を検索していただけば明らかとなるが、T社からその後カオス混合に関する特許が多数出願されるので当方の仕事をそこから想像することができる。半年でカオス混合プラントを建設した話などコンパウンド技術をご存知の方ならば信じられないかも知らないが、事実である。中古機を集め根津にあるブリヂストン時代からお世話になってきたK社にお願いして実現できた開発である。大手ゼネコンにお願いしていたらこのような短期間の仕事はできない。いざという時のK社については弊社にお問い合わせください。


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2022.10/16 AIに対する誤解(2)

今世間で注目を集めているAIのほとんどは、オブジェクト指向プログミング手法でプログラムされている。映画「マトリックス」で注目を集めたエージェント指向プログラミング技術は未完成である。


また、機械学習といっても自律的に学習できない。その様子は「AI美空ひばり」で公開されたが、気がついている人は少ないかもしれない。


美空ひばり独特のこぶしの再現がなかなかできなくて、プログラマーがロジックや教師データを見直しプログラミングしている姿がTVに映し出されたのだが、AIといっても人間の頭脳で活動している一部分を繰り返し自動化しただけのおもちゃである。


NHKの番組では、プログラマーが汗を流し、天童よしみも汗を流し、そして出来上がったAI美空ひばりの歌声を聞いて観客は涙を流した。プログラマーと天童よしみの努力で導き出した涙であって、AIが自律的に感動を引き出したのではない。


機械学習でも深層学習が今注目を集めているが、これにしても各ニューロン間のつながりに重みづけを行ってゆくだけであり、また、その信頼性を上げるために質の高い大量の教師データが必要になる。


深層学習の成果は、実は人間でも出すことができる。逆に高分子材料のような未解明の情報が多い場合には、人間のヒューリスティックな判断によりデータサイエンスから導かれた結果を結論したほうが正しい成果を導き出す。


例えば、40年以上前の話になるが、電気粘性流体の耐久性問題について、科学的に界面活性剤で解決できない、と結論された問題について、データサイエンスにより一晩でその問題を界面活性剤により解いている。


AIでも科学的に当たり前な成果しか出せないのでこれと同じようなことがマテリアルインフォマティクスを導入した企業でも起きているように思う。もしMIで悩まれている方は弊社にご相談ください。


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