昨日カイロ大学が小池都知事の卒業について声明を出し、1976年に卒業されたことが明確になった。
実はこれ以前にも小池氏は卒業証書を公開されているが、都知事選を控え、学歴詐称疑惑を書き立てるマスコミが現れた。
STAP細胞の騒動の時に博士の学位ですら、いい加減な審査が行われていたことが明らかになったのに、なぜこれほどまで学歴や肩書を騒ぐのか。もうそろそろ社会における実績で評価する時代になっても良いのではないか。
当方は中部大学で工学博士の学位を授与されたが、実は某国立T大で学位論文を英文でまとめている。しかし、その途中でFD事件をゴム会社が隠蔽化するという事態に写真会社へ転職した。
ところが、である。実はゴム会社から小生が学位取得にあたりT大には奨学寄付金が支払われていたので、T大の某先生から転職先の写真会社からも奨学寄付金を収めてください、と言われた。
学位も金次第という噂を聞いていたが、露骨に言われたので、学位審査を辞退する、と申し出て、T大の学位取得をあきらめた。論文のひな型のコピーを頂く程度の指導で、ひな型となった実用性のない論文よりも立派な事業になった内容を英文の論文としてまとめられただけでも、満足だった。さらにこの下書きさえも何らアドバイスをいただいていない。
奨学金50万円程度でもよいと言われたが、奨学金以外にも、実験に全く貢献していなかったO助教授が当方のデータを勝手に使い論文を投稿していた問題にも結論が出ていなかったので、学位そのものもあきらめた。
しかし、高純度SiCの研究については学会発表を行っており、無機高分子と有機高分子をリアクティブブレンドでポリマーアロイにしてセラミックス前駆体に用いるという手法は、当時斬新な研究で、それなりに当方は研究者として学会で知られていた。
そして、ある先生からT大の学位取得について聞かれたときに、一部始終をお話したら、O先生ならありうる話だが大問題となるので言わない方が良い、と口止めされた。30年ほど前の話である。
口止めをされた先生が、中部大学を改めてご紹介くださり、試験を受けたりせっかく英文でまとめた学位を日本語でまとめなおしたりと、散々な苦労の末に学位を取得した。
学位取得は大したことないですよ、と謙遜される人がいるが、当方はとてもそのような言い方はできない。もっともT大で取得していたら、今頃そのように言っていたかもしれないが、普通に学位審査を受けて取得するならば大変な苦労を伴う。
苦労が報われ感動したのは、審査料の8万円ぽっきりで学位取得ができたことだ。当方から主査の先生に、T大から請求された金額程度は準備していますが、とお尋ねしたら、学位はお金でとれるものではない、とたしなめられ、胸が熱くなった。
それだけではない。マントや帽子など貸与されて学位授与式が盛大に行われ、ささやかなお祝いまでして頂いた。もしT大で学位を取得していたらここまでの思い出深い学位授与式はしていただけなかっただろう。
写真会社で部下一人を博士に育てたが、仕事の都合もあって、学位授与式には参加しなかったという。大学から連絡がなかったうえに、部下もその日のことを報告してくれなかったので、かわいそうなことをした。
小池氏の卒業証書がなぜこれほど問題になるのかわからない。それよりも小保方氏の学位の行方や当方の学位取得の経緯の方が大問題である。当方の学位の経緯については30年前公開された論文にもその痕跡が残っている。
もう30年たったので当方の学位取得における問題を公開したが、小池氏の卒業問題は、当方の学位取得の経緯に比べれば、大した問題ではないと思うのだが。それに、小池氏の卒業は、もう40年以上前の話だ。
週刊誌を読むと4年間在籍していた事実を記者は認めており、卒業証書が怪しい、という内容である。4年間授業を受けられていた様子なども書かれており、それだけで当方などは十分だと思う。
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タイヤのゴムは、ゴムの高分子を加硫して製造される。加硫を簡単に説明すれば、ゴムの高分子の一部を互いに反応させて網目状にするプロセスである。
ゴムは、加硫してはじめてゴム弾性を示すが、加硫しなければ流動するので用途が限られる。
その昔、ゴムとイオウを混ぜた状態で暖炉の近くに置いていたら、流動性が無くなり硬いゴムとなったので加硫という反応が技術開発された。
昔は、ゴムと言えば加硫ゴムだけだったが、最近は、熱可塑性エラストマーというゴムと樹脂のハーフ高分子もゴムとして普及している。
この熱可塑性エラストマー(TPE)は二軸混練機で製造されるので加硫ゴムよりも安価である。車のワイパーのゴムは、高級車でない限り、TPEが使われている。
そのほかに、シリコーンLIMSから製造されるシリコーンゴムは、大半がスタティックミキサーで混練されており、プロセスコストは安い。
シリコーンゴムについて、昔は加硫ゴムだけだったので高級品以外使用されていなかったが、最近はシリコーンLIMSの普及でゲーム機のカバーなどにも使われるようになった。
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ゴム会社に入社したときに、なぜゴムを二軸混練機で練らないのか、という議論があった。
ちなみにタイヤ用の高性能ゴムは、当時より40年以上経っても、効率の悪いバンバリーとロールによるプロセスで今でも混練されている。
それなりの工夫をすれば、二軸混練機でもゴムを混練することは可能であるが、「それなりの工夫」が大変なので、バンバリーとロールで混練している。
二軸混練機を用いてプロセスを設計すれば、バンバリーとロールを用いた場合よりもコストダウンが可能であるが、高性能のゴムを製造する場合には、それができない。
身の周りにはゴム製品が多いが、運動性能についてそれほど高い要求が無ければ、二軸混練機を用いたプロセスでも製造可能で、ゴムの種類によっては、スタティックミキサーで済ませている場合もある。
このことから、二軸混練機の混練性能がバンバリーとロールを組み合わせた場合よりも低いことを理解できるが、それぞれの混練時間を考慮すると、この両者のプロセスに極端な性能差があるわけではない。
そのため、40年以上前にはゴム会社で二軸混練機に触れる機会は無かったが、最近は工程にそれを見つけることができる。
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無機材料科学は20世紀にほぼその体系は出来上がったが、高分子材料科学は、ダッシュポットとバネのモデルのレオロジーが破綻したように、現在もその体系を模索中である。
そもそも科学の一分野としての化学は、非平衡状態についてまだその体系が出来上がっていない。統計熱力学で議論できるという人がいるが、それはほんの狭い領域だけである。
実務の世界、例えば高分子材料の世界では、非平衡プロセスで材料が作り出される。そして製造された材料の品質は、結晶状態ではなく非晶部分で左右される。
実用化されている無機材料の物性が結晶の特性で品質が決まってくるのと比べると、高分子の世界では、話が複雑というよりも形式知が無いので科学的議論さえできないケースが多い。
これら以外に、例えば力学物性を取り上げても高分子材料では科学的にそれを議論できない場合も出てくる。
それゆえ、その材料設計には、どうしても経験知や暗黙知を動員する必要が出てくる。
最近アカデミアの世界でマテリアルインフォマティクスという概念が出てきたのはこのような背景があるのでは、と思っている。
ゴムタイムズ社から発刊された小生の著書では、マテリアルインフォマティクスも意識した事例を紹介しているのでご興味のある方はコロナサービス期間中に購入されると消費税と送料分安くなります。
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竹内まりやのプラスティック・ラブが世界中で大流行だという。山下達郎や荒井由実も再流行しているという。
シティーポップとして昔日本でヒットしていた曲の多くが今世界で流行している理由を何となく理解できる。
シティーポップが流行していた時の日本は、JAPAN AS No.1ともてはやされ、セラミックスフィーバーが最盛期となり、その数年後にはクリントン政権によるナノテク戦略を実行させるほどの輝きや力が溢れていた。
すなわち、バブルがはじける前の日本の輝きが、今の世界に求められているのだろう。これはコロナ禍ゆえのことではなく、数年前から世界で起き始めた潮流である。それがコロナで暗い世相となり、さらにこの潮流が速くなった。
あまり指摘される人はいないが、植木等のスーダラ節からシティーポップへの大衆音楽の潮流は、日本独特の文化あるいは社会風土ゆえであり、中国や韓国、あるいは欧米では見られない。
日本人はバブル崩壊で自信を喪失し失われた10年と言われた時代をそのまま引きずり、今や失われた30年とまで揶揄する人がいる。
実際に、世界のGDPは増加しているにもかかわらず、日本は停滞したままでコロナ禍に突入している。これは、ひとえに政治家や実業界における日本のリーダー層の責任である。
企業においては、東芝や日産自動車、東電など日本を代表する企業のトップのだらしなさが、ニュースで報じられた。
政治の世界では、民主党政権による訳の分からない時代で東日本大震災の混乱につながった。そして、緊急事態宣言下に、余人に代えがたい黒川氏による賭け麻雀である。
検察庁は面白い組織で、これだけの不祥事でも直属の上司が謝罪しないだけでなく、公務員としての報酬は減額なしである。退職金は約7000万円支払われるという。
日本の有権者や株主は、今一度リーダーがこのままでよいのかよく調べなければいけない。シティーポップが流行していた時の日本のリーダーは、皆夢を持っていた。
ゴム会社の故服部社長は熱い夢を酒を飲みながら語ってくれた。トップリーダーの賭け麻雀に対してお咎めなしの検察により告発されて犯罪者にはなったが、田中角栄は列島改造論で地方創生の夢を語っていた。
結果として悪人とされても、国家のためにリーダーシップが発揮されていた時代である。
私腹を肥やしたゴーンだけならばよいが、悪人が本当の悪人ではますます日本は悪くなる。7000万円の退職金を悪びれることなく受け取るのは、本質的にゴーンと変わらない。
このようなリーダーが何ら反省することも無く、またそれを促すような処罰も無い状態を寛容な社会と大衆は捉えず憤りや怒りを持つようになってゆく。シティーポップとは、お互いを信頼している大衆が安心して輝けた時代に生まれた音楽である。
植木等のスーダラ節に代表される無責任男から、井上陽水の今降っている雨を前に傘が無いことが社会問題よりも大きな問題という世界観、そして都会暮らしの若い女性による自由恋愛、いずれも現代や未来に何の心配もないから生まれた歌である。
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界面活性剤は、親水基の構造部分と疎水基の構造部分でできており、水の中では、親水基で水との界面を形成し、疎水基部分を内側にした球体で分散している。
水に界面活性剤が分散し、形成されたこのような構造をミセルと呼ぶが、疎水基の凝集している内面には、水に溶けない油を溶かし込むことができる。
すなわち、洗剤で衣類の汚れを取ることができるのは、洗剤が界面活性剤でできており、水に分散してミセルを形成するからである。
これは、界面活性剤の教科書に書かれた説明である。さらに教科書には親水基と疎水基の比率、これをHLB値と呼び、界面活性剤の特性を表す指標である、と図とともに丁寧な説明が書かれている。
研究をする場合にはこれでよいかもしれないが、技術開発で二律背反問題を解いたりするときには、この説明が新しいアイデアを阻害したりする。
そもそも界面科学の形式知では、まだその十分な体系が出来上がっていないことを知るべきである。
この件について語りだすと、この欄では不足するので、この程度にしておくが、界面科学の進歩は著しいが、その体系に技術者は疑問を持ったほうが良いことを指摘しておく。
さて、界面科学で説明しにくいものに洗剤がある。洗剤には界面活性剤が含まれているが、界面活性剤以外の物質も含まれている。
形式知の体系からはこのような書き出しとなってしまうが、洗剤について書かれた古い教科書には、これも界面活性剤であるような書き方がされている。
ただし、このような教科書は、もはや黄ばんで古紙独特の香りがするが、同時に新しいアイデアを刺激する。
古紙の匂いを我慢して読み進めると、ゾルでミセルを安定に形成する方法のアイデアが生まれる。
これは21世紀の新しいアイデア、とある科学雑誌(Langmuir)に論文が載っていた。当方らのグループではこの論文よりも早く技術開発し、高分子学会技術賞に推薦されたが、某大学教授に、そんなことは新しくない、と言われ落選している。
その教授の名誉のために名前を伏せるが、例えばシリカゾルでミセルを形成し、ラテックスを重合するという技術は、1990年代では世界初の技術だった。
大学の先生は、本来知の歴史に精通していなければいけないはずだが、このような先生もおられるので注意を要する。
新型コロナウィルスのコメントではワイドショーに怪しい先生が出てきたりしているが、肩書に騙されてはいけない。
世の中には、当方のゴム会社の指導社員のように肩書では評価できない凄腕の技術者がいることを忘れてはいけない。ちなみに、彼はレオロジストでありながら1970年末にダッシュポットとバネのモデルの終焉とそれに代わる概念を指導してくださった。
当方は、その概念で最近混練に関する実務書を執筆(ゴムタイムズ社刊)している。今月中に限り、申し込まれた方には、送料と消費税をサービスした価格にて提供します。
コロナ禍でセミナーがすべて無くなり売り上げが激減したのでその対策としてのサービス販売です。消費税10%と送料が安くなるので昼食一食分お得なお値段です。個人購入の場合にはかなりお買い得感があるかと思います。この機会にぜひ1冊ご購入ください。
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このコロナ禍で自動車各社が大変である。ゴーン氏が「日産はあと2年で倒産する」と言い出しているが、無責任な発言である。
日産自動車と言えば、昨年までの数年間日本市場に新車の発売は少なく、カーディーラーも大変だったようだ。また、国内の新車販売は、3位に転落している。
この6月にはジュークの後継としてキックスと呼ばれる新車が発売されるが、この車はすでに海外で販売されてきた車なので、まったくの新車ではない。
夏過ぎにはワールドプレミアムとしてアリアと呼ばれる車が、世界に先駆け日本で発売予定と噂されているが、日本におけるキックスは、この導入の役割を担うのだろうか。
そのため、eーPOWERと呼ばれる、電気自動車の雰囲気を味わえる、いわゆるハイブリッドエンジンとは異なる動力(エンジンで発電しながらモーターを回すので電気自動車)を搭載予定と言われている。
また、標準でディスプレーが装着され、携帯電話との連携はじめ、コミュニケーションツールとして工夫されているらしい。
すなわちアリアはCASEを具現化した新世代4駆として位置づけられており、その良さをキックスで先駆けてユーザーに見てもらおうというわけだ。
自動車各社は、今CASEのコンセプトで開発を進めているが、国内においては、スカイラインで自動運転レベル2を日産は実現(注)し、アリアでも同等以上の自動運転機能となる、とモーターショーで発表された。
国内でCASEのコンセプトをいち早く実現している日産だが、ゴーン問題とこのコロナ禍で倒産が噂されるような経営状態となった。ルノーとの関係など考慮すると悲惨なケースとならないよう、経営者は頑張ってほしい。
(注)高速道路で手放し、居眠り運転はできない。この意味で完全な自動運転ではない。この車でよそ見をしたり、目をつぶっていたりしていると、車に叱られる。プロパイロットは、スカイラインハイブリッドのみの設定であり、一番ホットな400Rには搭載されていない。またオプション設定もされていない。プロパイロット2.0が交通標識も認識し、制限速度を遵守して動作するので、400Rに搭載しないのは納得できる。自動運転を体験するならハイブリッドスカイラインだが、400Rは、GT-Rより安いハイパフォーマンスカーであり、試乗するとアクセルを踏み込んだ時のわくわく感はこちらの方が自動運転よりも高い。
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高性能なカメラ機能を持ったスマートフォンの普及で、コンパクトデジタルカメラは絶滅危惧種となり、一部のメーカー以外開発をやめてしまった。今デジタルカメラと言えば一眼カメラを意味すると勘違いされている方もいるようだ。
この一眼カメラも、ミラーの動作するタイプがミラーレス台頭で岐路にあるらしい。ミラーレスについてはソニーが戦いを仕掛け、ミラーレス一眼ではソニーがトップに立っただけでなく、一眼デジタル部門でも首位ではないか、と言われている。
もちろんミラー付き一眼レフデジカメだけを見れば、キャノン・ニコンの順位は変わらずだが、とにかくミノルタ時代から思えばこのような順位の変化に驚いている。
さて、ミラーレスもミラー付きも含め一眼デジカメの性能だが、A4サイズの写真を撮る、ということだけを考えれば10年前の一眼デジカメでもスマートフォンより良い写真が撮れる。
写真画像に直接影響のある10年間の変化は、高精細化と高感度化で、A4サイズに限れば高精細化の御利益はほとんどない。画像素子の高感度対応については、ストロボ使用で補うことが可能である。
すなわちそれなりの写真の知識があれば、10年前のAPS-Cサイズで1400万画素のセンサーを搭載したデジカメで、今でも十分きれいな写真を撮影可能だ。
しかし、最新のミラーレスデジイチを一度使用するとこの便利さの誘惑で10年前のデジイチを使う気が起きなくなる。
最近、わざわざ10年前のデジイチを持ち出して猫を追いかけているが、うまく撮れたときの感動が新鮮である。
時代遅れの機械を使いこなす楽しみかもしれないが、銀塩まで戻る気持ちはさすがに起きない。このようなところにイノベーションとは何かという答えがある。
残念なのは、この2ケ月間街ネコが見当たらなくなった。恐らくコロナウィルスの影響かもしれないが、事務所と自宅の往復の様変わりにびっくりしている。決算を本日完了できるので明日から当方もSTAY HOME.
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コロナ対策は、都市封鎖など経済にダメージを与えるような手段を取らないように試行錯誤しながら進めている、とNHKの特番で語られていたが、20世紀には科学こそ命のような狂信的な科学者ばかりでこのような言葉を科学者から聞いたことが無かった。
21世紀になり、科学が成熟し、ようやく科学の方法に対する見直しを行うような動きが出てきた。マテリアルインフォマティクスもそのようなムーブメントの一つだ。
ところで、高純度SiCの前駆体を合成するときに、フェノール樹脂とポリエチルシリケートとのリアクティブブレンドを行う。
このリアクティブブレンドで問題となるのが、非相溶系を均一にどのように混合するのか、という点である。
有機高分子と無機高分子のブレンドであり、フローリー・ハギンズ理論のχは、反応の温度領域で1以上になる。フェノール樹脂の最大耐熱温度450℃までポリエチルシリケートが安定と仮定しOCTAでΧの温度依存性シミュレーションを行っても1より下がらない。
実際に液状のフェノール樹脂とポリエチルシリケートとをスタティックミキサーでブレンドしても組成比がばらついた不均一な液状物が出てくるだけだ。
剪断力によるブレンドでは粘度比が1を越えるとキャピラリー数が増大化し、微細で均一なブレンドが困難なことが知られている。
混練に関する教科書にはこのグラフが載っている有名な形式知であるが、2000年に推進されたNEDO高分子精密制御プロジェクトの成果によると、1000回転以上の高速剪断攪拌を行うとナノオーダーまで微細化されるという結果が示された。
生産用の二軸混練機ではこのような高速剪断攪拌が不可能なので、混練の教科書を書き直す必要はなさそうだが、科学の形式知とはこのような側面があることを学ぶ必要がある。
すなわち、従来の科学の形式知は、「できた」事実によりひっくり返るリスクが存在し、否定証明だけが唯一の完璧な科学の結論を導き出す方法だというイムレラカトシュの言葉を思い出すとよい。完璧な否定証明による科学の結論でも「できた」事実には否定されるのだ。
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新型コロナウィルスの猛威が世界中でおさまらない。中国ではすでに収束化し、武漢の都市封鎖が解除されたというが、現地も含め信じている人が少ない。
さて、ウィルスに対して科学的な対応は、人類がそのウィルスに対して免疫を獲得することだと言われている。
さらに、全員が獲得する必要が無く、免疫者の無限クラスターができる約7割の人類が獲得すればよいことが研究により示されている。
またこの研究については、他のウィルスで実証されており、真理として定着しているという。
この科学の真理に従えば、皆が感染するような行動が求められるが、ウィルスに感染すると一定数の割合で死者が出たり、重篤な肺炎を引き起こすということで、感染しないほうが良い。
免疫を獲得するためには、ウィルスに感染する必要があるが、ウィルスに感染すると病気になったり死んだりする可能性があるので、感染しないほうが良い、このような矛盾した事象の対立を二律背反と言う。
人類は、これまで科学の真理と二律背反となる事象に対して、技術を開発して対応してきた。ただし、科学で解明されていない問題でも、技術が生まれている事実に気がつく必要がある。
例えば、ウィルスの流行に対する二律背反を解決するためにワクチンを開発しているが、これは唯一の方法ではない。
ワクチンを科学の成果と思われている人がいるかもしれないが、これは二律背反を解決するための一つの技術成果である。技術成果だから、本当に効果があるかどうか慎重に科学的審判を下せるように実験を行う必要がある。
科学の成果は、ワクチンにより免疫が獲得されるメカニズムを明らかにしたことである。
ゆえに、ワクチンが効果的と分かっても、科学の真理を導き出すようにすぐに開発できず、時間がかかる。
ウィルスの代わりに、流行しているウィルスに対応可能な免疫を獲得できるようなワクチンを開発するにはどうしても試行錯誤的になるのだ。
すなわち、新型コロナウィルスに対抗できるワクチンを作るためにある期間の技術開発が必要になる。
ところで、ウィルスに人類が対抗する方法はワクチンしかないように思われているが、今回の新型コロナウィルスでは不思議なことに、感染しても重症化しない人が一定数、しかも7割以上いることが分かってきた。
やや荒っぽい方法になるが、この機能に着目すると、感染して重症化する人を選別して隔離し治療を行うが、感染して重症化しない人を放置して無限クラスターを形成する対策がある。
これをうまく行うには、感染している人を見つけようと積極的に感染しているかどうかの検査をしないで、発熱して重症化しそうな人だけを探し出して検査すればよいのだ。
ところが一定数の重症化する人が集中的に現れると医療崩壊を起こすので、満遍なく救済するにはどうしたら良いのか。
これはドッジボールと同じで、可能な限り人類がウィルスから逃げ回ればよい。うまく逃げ回る方法の一つが、今回の場合は壇蜜ならぬ3密なのだろう。
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