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2020.05/20 ゾルをミセルに用いる

界面活性剤は、親水基の構造部分と疎水基の構造部分でできており、水の中では、親水基で水との界面を形成し、疎水基部分を内側にした球体で分散している。

 

水に界面活性剤が分散し、形成されたこのような構造をミセルと呼ぶが、疎水基の凝集している内面には、水に溶けない油を溶かし込むことができる。

 

すなわち、洗剤で衣類の汚れを取ることができるのは、洗剤が界面活性剤でできており、水に分散してミセルを形成するからである。

 

これは、界面活性剤の教科書に書かれた説明である。さらに教科書には親水基と疎水基の比率、これをHLB値と呼び、界面活性剤の特性を表す指標である、と図とともに丁寧な説明が書かれている。

 

研究をする場合にはこれでよいかもしれないが、技術開発で二律背反問題を解いたりするときには、この説明が新しいアイデアを阻害したりする。

 

そもそも界面科学の形式知では、まだその十分な体系が出来上がっていないことを知るべきである。

 

この件について語りだすと、この欄では不足するので、この程度にしておくが、界面科学の進歩は著しいが、その体系に技術者は疑問を持ったほうが良いことを指摘しておく。

 

さて、界面科学で説明しにくいものに洗剤がある。洗剤には界面活性剤が含まれているが、界面活性剤以外の物質も含まれている。

 

形式知の体系からはこのような書き出しとなってしまうが、洗剤について書かれた古い教科書には、これも界面活性剤であるような書き方がされている。

 

ただし、このような教科書は、もはや黄ばんで古紙独特の香りがするが、同時に新しいアイデアを刺激する。

 

古紙の匂いを我慢して読み進めると、ゾルでミセルを安定に形成する方法のアイデアが生まれる。

 

これは21世紀の新しいアイデア、とある科学雑誌(Langmuir)に論文が載っていた。当方らのグループではこの論文よりも早く技術開発し、高分子学会技術賞に推薦されたが、某大学教授に、そんなことは新しくない、と言われ落選している。

 

その教授の名誉のために名前を伏せるが、例えばシリカゾルでミセルを形成し、ラテックスを重合するという技術は、1990年代では世界初の技術だった。

 

大学の先生は、本来知の歴史に精通していなければいけないはずだが、このような先生もおられるので注意を要する。

 

新型コロナウィルスのコメントではワイドショーに怪しい先生が出てきたりしているが、肩書に騙されてはいけない。

 

世の中には、当方のゴム会社の指導社員のように肩書では評価できない凄腕の技術者がいることを忘れてはいけない。ちなみに、彼はレオロジストでありながら1970年末にダッシュポットとバネのモデルの終焉とそれに代わる概念を指導してくださった。

 

当方は、その概念で最近混練に関する実務書を執筆(ゴムタイムズ社刊)している。今月中に限り、申し込まれた方には、送料と消費税をサービスした価格にて提供します。

 

コロナ禍でセミナーがすべて無くなり売り上げが激減したのでその対策としてのサービス販売です。消費税10%と送料が安くなるので昼食一食分お得なお値段です。個人購入の場合にはかなりお買い得感があるかと思います。この機会にぜひ1冊ご購入ください。

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2020.05/18 CASE

このコロナ禍で自動車各社が大変である。ゴーン氏が「日産はあと2年で倒産する」と言い出しているが、無責任な発言である。

 

日産自動車と言えば、昨年までの数年間日本市場に新車の発売は少なく、カーディーラーも大変だったようだ。また、国内の新車販売は、3位に転落している。

 

この6月にはジュークの後継としてキックスと呼ばれる新車が発売されるが、この車はすでに海外で販売されてきた車なので、まったくの新車ではない。

 

夏過ぎにはワールドプレミアムとしてアリアと呼ばれる車が、世界に先駆け日本で発売予定と噂されているが、日本におけるキックスは、この導入の役割を担うのだろうか。

 

そのため、eーPOWERと呼ばれる、電気自動車の雰囲気を味わえる、いわゆるハイブリッドエンジンとは異なる動力(エンジンで発電しながらモーターを回すので電気自動車)を搭載予定と言われている。

 

また、標準でディスプレーが装着され、携帯電話との連携はじめ、コミュニケーションツールとして工夫されているらしい。

 

すなわちアリアはCASEを具現化した新世代4駆として位置づけられており、その良さをキックスで先駆けてユーザーに見てもらおうというわけだ。

 

自動車各社は、今CASEのコンセプトで開発を進めているが、国内においては、スカイラインで自動運転レベル2を日産は実現(注)し、アリアでも同等以上の自動運転機能となる、とモーターショーで発表された。

 

国内でCASEのコンセプトをいち早く実現している日産だが、ゴーン問題とこのコロナ禍で倒産が噂されるような経営状態となった。ルノーとの関係など考慮すると悲惨なケースとならないよう、経営者は頑張ってほしい。

 

(注)高速道路で手放し、居眠り運転はできない。この意味で完全な自動運転ではない。この車でよそ見をしたり、目をつぶっていたりしていると、車に叱られる。プロパイロットは、スカイラインハイブリッドのみの設定であり、一番ホットな400Rには搭載されていない。またオプション設定もされていない。プロパイロット2.0が交通標識も認識し、制限速度を遵守して動作するので、400Rに搭載しないのは納得できる。自動運転を体験するならハイブリッドスカイラインだが、400Rは、GT-Rより安いハイパフォーマンスカーであり、試乗するとアクセルを踏み込んだ時のわくわく感はこちらの方が自動運転よりも高い。

 

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2020.04/30 デジタルカメラ

高性能なカメラ機能を持ったスマートフォンの普及で、コンパクトデジタルカメラは絶滅危惧種となり、一部のメーカー以外開発をやめてしまった。今デジタルカメラと言えば一眼カメラを意味すると勘違いされている方もいるようだ。

 

この一眼カメラも、ミラーの動作するタイプがミラーレス台頭で岐路にあるらしい。ミラーレスについてはソニーが戦いを仕掛け、ミラーレス一眼ではソニーがトップに立っただけでなく、一眼デジタル部門でも首位ではないか、と言われている。

 

もちろんミラー付き一眼レフデジカメだけを見れば、キャノン・ニコンの順位は変わらずだが、とにかくミノルタ時代から思えばこのような順位の変化に驚いている。

 

さて、ミラーレスもミラー付きも含め一眼デジカメの性能だが、A4サイズの写真を撮る、ということだけを考えれば10年前の一眼デジカメでもスマートフォンより良い写真が撮れる。

 

写真画像に直接影響のある10年間の変化は、高精細化と高感度化で、A4サイズに限れば高精細化の御利益はほとんどない。画像素子の高感度対応については、ストロボ使用で補うことが可能である。

 

すなわちそれなりの写真の知識があれば、10年前のAPS-Cサイズで1400万画素のセンサーを搭載したデジカメで、今でも十分きれいな写真を撮影可能だ。

 

しかし、最新のミラーレスデジイチを一度使用するとこの便利さの誘惑で10年前のデジイチを使う気が起きなくなる。

 

最近、わざわざ10年前のデジイチを持ち出して猫を追いかけているが、うまく撮れたときの感動が新鮮である。

 

時代遅れの機械を使いこなす楽しみかもしれないが、銀塩まで戻る気持ちはさすがに起きない。このようなところにイノベーションとは何かという答えがある。

 

残念なのは、この2ケ月間街ネコが見当たらなくなった。恐らくコロナウィルスの影響かもしれないが、事務所と自宅の往復の様変わりにびっくりしている。決算を本日完了できるので明日から当方もSTAY HOME.

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2020.04/17 試行錯誤(1)

コロナ対策は、都市封鎖など経済にダメージを与えるような手段を取らないように試行錯誤しながら進めている、とNHKの特番で語られていたが、20世紀には科学こそ命のような狂信的な科学者ばかりでこのような言葉を科学者から聞いたことが無かった。

 

21世紀になり、科学が成熟し、ようやく科学の方法に対する見直しを行うような動きが出てきた。マテリアルインフォマティクスもそのようなムーブメントの一つだ。

 

ところで、高純度SiCの前駆体を合成するときに、フェノール樹脂とポリエチルシリケートとのリアクティブブレンドを行う。

 

このリアクティブブレンドで問題となるのが、非相溶系を均一にどのように混合するのか、という点である。

 

有機高分子と無機高分子のブレンドであり、フローリー・ハギンズ理論のχは、反応の温度領域で1以上になる。フェノール樹脂の最大耐熱温度450℃までポリエチルシリケートが安定と仮定しOCTAでΧの温度依存性シミュレーションを行っても1より下がらない。

 

実際に液状のフェノール樹脂とポリエチルシリケートとをスタティックミキサーでブレンドしても組成比がばらついた不均一な液状物が出てくるだけだ。

 

剪断力によるブレンドでは粘度比が1を越えるとキャピラリー数が増大化し、微細で均一なブレンドが困難なことが知られている。

 

混練に関する教科書にはこのグラフが載っている有名な形式知であるが、2000年に推進されたNEDO高分子精密制御プロジェクトの成果によると、1000回転以上の高速剪断攪拌を行うとナノオーダーまで微細化されるという結果が示された。

 

生産用の二軸混練機ではこのような高速剪断攪拌が不可能なので、混練の教科書を書き直す必要はなさそうだが、科学の形式知とはこのような側面があることを学ぶ必要がある。

 

すなわち、従来の科学の形式知は、「できた」事実によりひっくり返るリスクが存在し、否定証明だけが唯一の完璧な科学の結論を導き出す方法だというイムレラカトシュの言葉を思い出すとよい。完璧な否定証明による科学の結論でも「できた」事実には否定されるのだ。

 

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2020.04/14 二律背反

新型コロナウィルスの猛威が世界中でおさまらない。中国ではすでに収束化し、武漢の都市封鎖が解除されたというが、現地も含め信じている人が少ない。

 

さて、ウィルスに対して科学的な対応は、人類がそのウィルスに対して免疫を獲得することだと言われている。

 

さらに、全員が獲得する必要が無く、免疫者の無限クラスターができる約7割の人類が獲得すればよいことが研究により示されている。

 

またこの研究については、他のウィルスで実証されており、真理として定着しているという。

 

この科学の真理に従えば、皆が感染するような行動が求められるが、ウィルスに感染すると一定数の割合で死者が出たり、重篤な肺炎を引き起こすということで、感染しないほうが良い。

 

免疫を獲得するためには、ウィルスに感染する必要があるが、ウィルスに感染すると病気になったり死んだりする可能性があるので、感染しないほうが良い、このような矛盾した事象の対立を二律背反と言う。

 

人類は、これまで科学の真理と二律背反となる事象に対して、技術を開発して対応してきた。ただし、科学で解明されていない問題でも、技術が生まれている事実に気がつく必要がある。

 

例えば、ウィルスの流行に対する二律背反を解決するためにワクチンを開発しているが、これは唯一の方法ではない。

 

ワクチンを科学の成果と思われている人がいるかもしれないが、これは二律背反を解決するための一つの技術成果である。技術成果だから、本当に効果があるかどうか慎重に科学的審判を下せるように実験を行う必要がある。

 

科学の成果は、ワクチンにより免疫が獲得されるメカニズムを明らかにしたことである。

 

ゆえに、ワクチンが効果的と分かっても、科学の真理を導き出すようにすぐに開発できず、時間がかかる。

 

ウィルスの代わりに、流行しているウィルスに対応可能な免疫を獲得できるようなワクチンを開発するにはどうしても試行錯誤的になるのだ。

 

すなわち、新型コロナウィルスに対抗できるワクチンを作るためにある期間の技術開発が必要になる。

 

ところで、ウィルスに人類が対抗する方法はワクチンしかないように思われているが、今回の新型コロナウィルスでは不思議なことに、感染しても重症化しない人が一定数、しかも7割以上いることが分かってきた。

 

やや荒っぽい方法になるが、この機能に着目すると、感染して重症化する人を選別して隔離し治療を行うが、感染して重症化しない人を放置して無限クラスターを形成する対策がある。

 

これをうまく行うには、感染している人を見つけようと積極的に感染しているかどうかの検査をしないで、発熱して重症化しそうな人だけを探し出して検査すればよいのだ。

 

ところが一定数の重症化する人が集中的に現れると医療崩壊を起こすので、満遍なく救済するにはどうしたら良いのか。

 

これはドッジボールと同じで、可能な限り人類がウィルスから逃げ回ればよい。うまく逃げ回る方法の一つが、今回の場合は壇蜜ならぬ3密なのだろう。

 

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2020.04/10 高分子は易しくない

金属材料やセラミックスは高分子材料に比較して学びやすい。なぜなら大学で学ぶ固体物理学あるいは材料力学の知識をそのまま用いることができるからだ。

しかし、高分子材料に関しては、大学で学んだ形式知から外れる現象に実務で遭遇する機会が多い。

それがプロセシングの影響であることに気がつくまで、かなりの経験を積む必要がある。また経験知を蓄えていても気持ちの悪い現象が起きたりする。

この原因は、高分子が紐の集合体であり、さらにその紐の長さが分布を持っており、結晶よりも非晶質部分が物性に影響するためである。

力学物性だけでなく電気電子物性までも同様で、それをうまく説明できる完璧な形式知が存在しない。

2成分以上の高分子をブレンドするときに使われるフローリー・ハギンズ理論にしても、実務ではほとんど役に立たない。

また、この形式知に固執していると、実務では間違った判断をすることもある。

例えば、退職前2005年に担当したPPSと6ナイロンブレンド系をマトリックスに用いた中間転写ベルト開発では、フローリー・ハギンズ理論では説明できない相溶系マトリックスとして設計しなおし成功している。

但し、前任者から引き継いだ配合組成を変更していない。コンパウンドを某有名一流メーカーから購入していたが、それをそのまま当方が3ケ月程度で立ち上げたコンパウンド工場で生産するようにしただけである。

配合組成は全く同じでもプロセスが変われば、まったく異なるコンパウンドに仕上がる。これが高分子材料の難しさの一例である。

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2020.04/07 高分子材料技術の難しさ

当方の学生時代の高分子分野の授業では、高分子合成に関する形式知が内容の大半を占めていた。

 

公害で化学の人気は無かったが、有機合成化学は化学分野の花形学問で、高分子についても新しい重合反応や新規高分子開発がその研究の中心だった。

 

ゴム会社に就職してびっくりしたのは、大学のカリキュラムにはほとんど入っていなかった高分子物性について、知っていることが技術者の義務だった。

 

高分子合成研究室なるものが研究所にはあったが、その研究所でも研究の中心は高分子のレオロジーや高分子の破壊力学だった。

 

入社したときに、指導社員からダッシュポットとバネを用いたレオロジーの研究は終焉すると教えられた。

 

その方は大学で3年間レオロジーをダッシュポットとバネを用いて研究してきたバリバリのレオロジストで、関数電卓を用いて難解な微分方程式を解くような優秀な研究者だった。

 

曰く、新しいレオロジーは高分子1本から積み上げる様な学問になるだろうと予見していた。

 

そして混練では、カオス混合が究極の混練技術として研究の中心になるかもしれないので、ロール混練りのパラダイムをよく勉強するように言われた。

 

しかし、合成化学しか勉強してこなかった当方にとってレオロジーは極めて難解で、すぐに理解できない内容だった。

 

指導社員は、そのような当方の悩みを毎朝3時間、高分子科学の形式知について易しく講義してくださった。

 

睡眠学習も含め3x6x25x2時間その講義(ダッシュポットとバネの話と破壊力学の話を除いた内容の書籍をこの3月に出版しました)を拝聴し、実務の問題をなんとか解けるようになった。

 

ただ、電卓で常微分方程式を解く能力は無かったので発売されたばかりのマイコンMZ80Kを買った。

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2020.04/06 レオロジーを学ぶ

レオロジーを流れの科学とも言う人がいるが、流れるように学ぶには難しい形式知である。また、20世紀末にはダッシュポットとバネのモデルで構築された高分子のレオロジーに関する形式知が崩壊した。

一方レオロジーとは「おさわりの科学」で易しい、という人がいる。表現は、少しやらしいが、このように言わないととっつきにくい形式知であることを示している。

しかし、プロセスの中で高分子のレオロジーを展開してみるとレオロジーと言う学問を学びやすい。この本では、レオロジーを学びやすいように分かりやすく説明している。レオロジーを学んでみたい人にも読んでいただきたい。

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2020.04/05 未知の問題

未知の問題に遭遇した時に、まず「何が問題か」を考えることの重要性はドラッカーが指摘している。

 

未知の問題だから「わかんない」と言って許されるのはTVに出てくるかわいいおバカタレントだけである。

 

会社の仕事でそのようなことを言っていたら、いくらパワハラが許されなくても上司から「馬鹿タレ」と一括される。

 

ところが、その結果すぐに問題を解き始めたら失敗する。まず、「何が問題か」をよく考えなければいけない。

 

間違った問題の正しい答えほど空しいものはない。さて、今回のコロナウィルスについて正しい問題は、「どのようにして医療崩壊を防ぎ、感染による死亡者を可能な限り少なくできるのか」だろう。

 

「いかに早くウィルスを絶滅させることができるか」という問題を解いていてはダメであることは、インフルエンザウィルスなど多くのウィルスの事例を考えれば明らかである。

 

ウィルスには絶滅できないものがあり、人類はそのようなウィルスとともに生きていくしかない。

 

ましてや「感染者をどのように早く見つけ隔離し、感染者を社会から無くす」という問題ではない。

 

一番重要な問題は、このウィルスによる死亡者数を最小にすることだろう。

 

未知のウィルスに対して、対策を開発するには時間がかかる。感染して病状が悪化すれば必ず死亡者が出てくる。かつて織田信長は「人間50年」と言っていたが今や寿命は延びたと言っても80歳を過ぎればウィルスに限らず死ぬ確率は高くなる。

 

ゆえに未知のウィルスに対して死亡者が出るのは避けられない結果である。人間に寿命がある限り、死にかけた人がたまたまウィルスを拾ってもウィルス感染による死亡となる。

 

だから、未知のウィルスが発生したときの正しい問題とは死亡者をどこまで最小にできるか、そしてそれはどのような方法なのか、だろう。

 

若い人は、今回のウィルスで死ぬ確率が低いので感染に対して深刻に考えていないかもしれないが、60を超すあたりから感染率が高くなっているので、100歳まで生きる覚悟をした当方にとって、感染経路不明者の増加は深刻な悩みである。

 

若い健康保菌者は、そのあたりを少し考えていただきたい。特に感染したのかどうかわからない若い人が増えているとニュースで聞くと、心配で街を歩けない。

 

 

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2020.03/21 ホスファゼン変性ポリウレタン(3)

エジソンは、弟子のアチソンにグラファイトを高温で熱処理してダイヤモンドを製造するプロセスの開発を命じた。

 

この時代にダイヤモンドはグラファイトが高温度で熱変性されてできたことが科学的に証明されていた真理だった。

 

それをエジソンは知っていて、アチソンにグラファイトを高温で熱処理するように命じたのだ。

 

指示を受けたアチソンは、グラファイトを高温度で熱処理できる石英るつぼを作り、実験を行った。当時高純度環境で高温度の熱処理を可能とできる材料は高純度石英しかなかった。

 

アチソンは、根気よく前向きの推論で実験を続け、ダイヤモンドのように硬くて高純度の結晶を発明することに成功し、カーボランダムと名付けた。

 

これは、SiC単結晶であり、石英砂とカーボンからSiCを製造するプロセスは、アチソン法と今でも呼ばれている大発明だ。

 

彼は、グラファイトが石英るつぼと反応することなど意図していなかった。しかし、ダイヤモンドを作ってほしかったエジソンからは褒められたのだ。

 

当方が女性の指導社員から命じられたのは、ホスファゼン変性ポリウレタン発泡体の極限酸素指数(難燃性)を確認することだった。

 

しかし、発泡体を製造するプロセスは難しいと判断し、まず発泡していないポリウレタンについて、ホスファゼンの機能を示すデータを求めることにした。

 

すなわち開発すべきオブジェクトを「機能」にして実験を行ったのだ。こうすることで、モノを創るという行為が分析や解析と同じく科学的に前向きの推論で進めても効率的に結論を出すことができる。

 

研究部門では科学的に業務を進めることが求められた。そこでは、科学的ゆえにモノを創るという行為は非効率的となるのだが、オブジェクトを機能にすれば科学的な業務の進め方でもモノ創りではなく解析業務なので効率的な仕事が可能となる。

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