一次構造が異なる二種類の高分子AとBをブレンドすると大半は島が海に浮かんでいるような、あるいはサラミソーセージのような海島構造となる。このときどちらが島になるのかは、比率で変化するが、添加割合が少なくても海になる場合もあり複雑である。
この時、AとBの構造を有する分子を添加すると両者がよく混ざり合って島が無くなり均一になる場合がある。このとき高分子は相容した、と表現され、AとBの二種類の構造を持った材料を相容化剤と呼んでいる。
このあたりの現象は、水と油の二相分離しているところに界面活性剤を添加し、エマルジョンとする操作と類似している。材料科学を考えるときに、異なる分野の現象で類似しているような操作方法と対応させて眺めると面白いだけでなくアイデアも出やすい。
すなわち高分子材料を考えるときに、界面活性剤の科学も一緒に勉強しておくとその見方が少し広くなる。
当方は写真会社に入社して高分子科学を真剣に勉強したが、その時に役だったのがセラミックスで泥しょうを設計する技術だった。豊富な界面活性剤に関する経験と知識で高分子材料の理解が容易となったのは、高分子材料は単品で実用化されることはなく、必ずブレンド物として実用に提供されるからと思っている。
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界面活性剤について、1970年代の教科書に不適切な記載がある。それは、その定義であり大変狭い。実は分子内の構造に親水性の部分と親油性の部分の二つが存在すると、どのような分子でも界面活性剤として利用しうる。用途によっては効果が低いだけだ。
当方がゴム会社を転職するきっかけとなった事件は、ゴムからの抽出物で電気粘性流体の粘度が増粘する問題を界面活性剤を用いて解決してから起きている。そしてその解決方法について、界面活性剤を用いて、という言い回しは禁句とされ、第三成分と呼ぶように指導された。
今から考えるとばかげた話だが、これは、電気粘性流体の増粘問題を界面活性剤で解決できない、という結論の報告書が出されたばかりだったからだ。すなわち界面活性剤で解決できない、と結論した直後に、その手段で解決できた、とは報告しにくかったからだろうと思う。
1991年の転職間際にこの否定証明の典型的な事例ともいえる報告書を記念に読んでみたが、科学的方法で忠実に研究が進められその考察も大変レベルの高い内容だった。当方が手持ちの200種類以上の材料を増粘した電気粘性流体に放り込んで一晩放置し、粘度を下げることができた化合物を発見した方法に比較すると天と地の差がある。
ただ、当方は界面活性剤の科学について危うい側面が存在することを知っていたので、界面活性剤として機能しうる化合物を常にコレクションとして持っていた。持っていた理由は、セラミックスの泥しょう開発に界面活性剤が欠かせなかったからである。当時はこのようなノウハウを集めていたセラミックス分野のプロフェッショナルだった。
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界面活性剤は、油に溶けやすい構造(親油基)と水に溶けやすい構造(親水基)とを一個の分子内に有する構造の分子である。そしてその構造の比をHLB値と呼び、それぞれの用途で必要となる界面活性剤を選択するときの指標となっている。
ただし界面活性剤の指標はHLB値だけでは無い。水に界面活性剤を分散したものを加熱していったときに曇ってくる温度、すなわち曇点も界面活性剤選択の上で重要な指標となる場合がある。
界面活性剤は、身近の例では石鹸や洗剤などの形態で見ることができる。界面活性剤がいつ頃から使用されてきたのか歴史的には諸説あるが、界面活性剤として呼ばれるようになったのは、少なくとも20世紀になってからではないか?
そのはるか昔、油脂を石鹸代わりに使用していた痕跡が見つかっているので、紀元前から使用されていた可能性もある。ただ、テルマエロマエでは石鹸を使用している光景は現代へワープした後だった。
いつ頃から使われるようになったのか当方は知らないが、その科学的知識が明確に確立された、すなわち教科書に書かれている内容にばらつきが無くなったのは、つい最近の20世紀末である。
界面の科学は、意外と遅れていたのである。これは恐らく界面活性剤の利用技術が先行しており、その科学的知識の整理が遅れたためだろうと思う。すなわち技術が先行すると科学ですべて解明されているような気分になり、科学の問題設定が難しくなる。
例えばシリカゾルをミセルに用いたラテックス重合技術は1996年に実用化されたが、ある科学雑誌にイギリスの研究者から同様のコンセプトの論文が2000年に発表され、そこには世界初と書かれていた。
その論文に書かれた内容が世界初であれば、当方らの技術開発が本当の世界初であり、慌てて学会発表を行った。学会発表が遅れた理由は、ゾルをミセルに用いる研究はすでに誰かが発表していると勘違いしたからである。
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高分子の力学物性は、高分子の高次構造に影響を受ける。ここで高分子の構造について簡単に説明すると、高分子が一本の紐で表現できるとしたときに、その一本の紐の構造を一次構造と呼ぶ。
DNAは二本の紐状の分子の絡み合いでできているので、これを二次構造と呼ぶ場合もあるが、一般的ではない。一次構造の上はすぐに高次構造となる。だから高分子の高次構造といった場合にそのスケール範囲は広い。
10年以上前に分子一本の粘弾性測定が成功し、バルクで測定された結果と同様だった、とされているが、このそっくり具合は、双子のそれとは異なり、日本人のそっくりさんをアメリカ人の中から探し出して見つけた人程度のそっくり具合だと思う。
かつてゴム会社の指導社員は、高分子の力学物性は、高次構造の影響を受けばらつくからよくその構造に注意するように、と指導してくれた。例えば引張強度は、ある一定のサイズの欠陥が存在すると低い値となる。弾性率が密度に影響を受けるので自由体積の量によっても影響を受ける。だから、高次構造の影響を引張強度は受けることになる。
ところで引張強度は、経験的に靱性と弾性率の関数として表現できる、と教えられた。複合材料の教科書にもそのようなことが書かれていた。しかし、最近の高分子の教科書を本屋で立ち読みしてもそのようなことを書いた本が見当たらない。
引張強度が靱性と弾性率の関数になるという経験則は大切である。弾性率が高い高分子でも引張強度が低い樹脂が存在したり、弾性率が低い高分子で引張強度が大きなゴムが存在する理由をうまく説明できる。
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高分子のガラス転移点で困るのは、熱分析の方法で1℃から多いときには10℃ぐらいまで異なる値になることだ。例えばDSCで求めたTgと粘弾性装置で求めたTgとは5℃以上異なる。
だからガラス転移点が問題になるときには、どのような方法で測定したガラス転移点なのか確認する必要がある。このような測定装置による違い以外に高分子の配合組成によっても影響を受ける。
例えば、二種類の高分子をブレンドするとガラス転移点(Tg)は二つ現れるが、この二種類の組み合わせで相溶が起きたときには、Tgが一つになる。またTgが一つになった時に二種類の高分子は相溶している、と判定したりする。
このことから相溶という現象が非晶質相で起きている現象であることが想像できる。実際にいまだかつて二種類の高分子が相溶したまま結晶化した例は報告されていない。
Tgは、高分子の履歴やその状態、緩和現象の情報など様々な情報を持っているが、その測定結果から情報の意味を知る方法について大系だった知識としてまとめた論文が見当たらないのは残念である。もしご存じの方がいたら教えて頂きたい。
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非晶質でガラス転移点を有する物質をガラスという、というのがガラスの定義だが、これを知らない材料関係の学者もいる。「**教授」という名刺を頂いた先生で5人の方がご存じなかった。
300名以上アカデミアの先生から名刺を頂いているので割合から言えばごく少数だが、ガラスの定義を知らずに高分子ガラスをどのように授業で講義しているのか心配になった記憶がある。
ガラスという物質の状態の呼称は、無機材料分野から高分子材料分野へそのまま適用された呼び名である。高分子材料のガラスは、無機のガラスと少し様子が異なるが先に述べた定義を満たす。
無機材料では非晶質状態にはなるがガラスにならない物質も多い。しかし、高分子材料の非晶質は一応皆ガラス状態を有する。だから高分子のDSC(熱分析法の一つ)を初めて測定したときにTgが現れなかった衝撃は大きかった。但しこれはSTAP細胞のような大発見ではない。時々起きるので会社で大騒ぎすると恥をかく。
DSCでTgが出にくい場合には、Tg付近で温度変化にブレーキをかけるテクニックを使う。このテクニックを使うと必ずTgが描かれたチャートが得られる。捏造と言われそうだが、あるべきTgの描かれていないDSCチャートをそのまま学会発表で使用すると質問が飛んできて右往左往することになる。
これは捏造ではなく、高分子のガラス状態を無機のガラスと同じという認識を維持するための生活の知恵のようなものである。Tgがうまく出ないときに直前にSTOPキーを5分ほど押し、その後計測を再開すればきれいなTg曲線が現れる。
但しTgがなぜ現れないことがあるのかは科学の問題だが、実務ではあまり深く考えなくても良いと思っている。昔の夫婦漫才では地下鉄をどこで埋めたのか問題にしていたが実務でこのTgの現象を問題にするとこの漫才同様に結論を出せない。
この現象以外に現代の高分子科学で説明しにくい状況をたくさん見てきたので、アカデミアの先生が説明しにくい問題を実務で深く考えるな、とアドバイスしたい。それよりも先日書いた疲労破壊のような失敗をしないように実技を重視した品質管理を十分に行った方が良い。
F100のフックが壊れた問題は、例えば品質評価試験において裏蓋のスプリング強度を強くした耐久試験を注意深くしていたなら防げた問題である。高価なデータパックが防湿庫に10年ほど静置されていただけで壊れたショックは、それがニコン製という理由で大きい。フィルムカメラの裏蓋は静置状態で絶対に開いてはいけないはずだ。高分子材料を常に負荷がかかっている部位に使用するときには細心の注意が必要だ。
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高分子材料が紐状の分子の塊であるために非晶質相でも密度の違いが生じる。自由体積部分は密度が低く、そこでは温度に依存した分子運動が行われている。すなわち、目の前にある樹脂もナノオーダーの一部の領域では、ぴくぴく動いている部分が存在する生き物のような材料なのだ。
自由体積部分以外の非晶質部分は、凍結し分子運動ができない状態である。これをガラス状態と呼んでいる。教科書によっては自由体積部分を区別せず、それを含む非晶質部分全体を高分子ガラスとして説明しているものもある。
教科書に区別されていなくても非晶質部分を分子運動が凍結された構造とわずかな分子運動が行われている自由体積部分とを分けて高分子材料を眺めることは大切である。先日書いたように高分子物性がばらつくという要因以外に、熱物性を測定したときに高分子材料の過去の履歴を想像することができるからだ。
歴史家は遺跡の発掘により古代の人の生活を想像するが、高分子材料技術者は熱物性から高分子材料の履歴を想像できなくてはいけない。そこには歴史家が体験できるロマンは無いが、生産現場の異常を発見することができる。
10年ほど前に一流企業のコンパウンドを使用した複写機の外装材がボス割れという品質問題を起こした。早速コンパウンドの熱物性を測定し、製造工程の異常をその企業に連絡したところ、何も異常が無いという。
すぐにその会社の現場を見せてもらったら、混練プロセスの制御盤にたくさんついていた温度計の一つが異常値を示していた。現場では特に問題としてとらえておらず、温度計が壊れているから、と淡々と説明していた。熱物性の測定結果では高温度に晒された履歴が観察されたので、そこで生産されていたペレットを抜き取り観察したところ、一部に巣が入っていた。
以上の現場観察結果から、会社に納入されたコンパウンドをすべて開封し検査したところ各袋に巣が入っているペレットが見つかった。一流企業のコンパウンドといっても現場管理が不十分であると、このような問題が起きているので注意する必要がある。
そしてコンパウンドの問題というのはその責任の所在を明確にすることが難しい。問題が発生した時にはコンパウンドメーカーの良心に従う以外に解決の道は無いのだが。
その日本の一流某コンパウンドメーカーには誠意がなく、コンパウンドの品質問題を最後まで否定していた。但し巣が入ったコンパウンドの存在だけは、実際にそのメーカーから納入された袋から大量に出てきたので問題として認めた。
明らかに異常を示したペレットが存在していても「原因不明です」の繰り返しだった。もし本欄を読まれている成形メーカーが同様の体験をされたならば気をつけていただきたい。日本の一流コンパウンドメーカーの中にはこのような企業も存在するのだ。
いくら高品質の成形体生産を目指してもコンパウンドメーカーが不十分な品質管理をしていたなら、そのゴール達成が難しくなる。ペレットの巣の問題をきっかけにコンパウンドメーカーを当時指導していた外国の某メーカーに変更したら品質問題が解決したことも書き加えておく。それは日本のメーカーではないがQCを厳しく指導したことにより品質が向上した発展途上国のローカルメーカーだ。
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ニコンF100は、同社のデジカメD2Hを使用し始めた頃から防湿庫に静置したままだった。ただ最近防湿庫もいっぱいになってきたので、昨年暮れに使用しないカメラを下取りに出そうと整理をはじめた。その時裏蓋のフックが壊れているのを見つけた。
10年以上防湿庫に入れたままで使っていないのに破壊するのは明らかに設計ミスである。しかし、このような設計ミスをしている製品は世の中に多い。但し、品質保証期間は1年なので、10年以上経って壊れる現象はメーカーの責任ではない、と一応言うことはできる。
ところが、ニコンのカメラは10年以上経っても壊れないのが常識と思っているユーザーも多いのではないか。**のカメラならば10年経過して壊れていても仕方がないとあきらめることができるが、ニコンは大丈夫、という神話が存在する。だから高くてもニコンカメラを買うのである。
中古の下取りもニコンカメラは高い、と思っていたらF100は1万円以下の価格だそうだ。フックが壊れたF100はジャンク扱いになり値段が付かない。仕方がないので、オプションをつけたときに外した裏蓋を取り付け、また防湿庫にしまった。
ただし、最初についていた裏蓋もフック部分は樹脂製なので、裏蓋のフックをかけないまま保管している。裏蓋のスプリングでフックがクリープするのを防ぐためである。結局防湿庫から出すことができたのは、ペンタックスのフィルムカメラ2台だけだった。
高分子のクリープ(注)をシミュレーションするのは難しい。昔のダッシュポットとバネによる粘弾性理論が破綻したのもこのクリープという現象のためである。高分子のクリープは、メーカーの神話を破壊しただけでなく科学の一分野も使えない理論として葬り去った。
(注)クリープ現象は、その成形体にかけていた応力が次第に緩和する現象として観察され、金属やセラミックス、高分子などあらゆる材料で起きる。金属のクリープは原子を玉と考えることで比較的モデル通りの考察が可能だが、高分子のクリープは複雑である。絡み合っていた紐が次第に緩んで抜けて行くモデルでシミュレーションできそうだが、この紐の絡み方がプロセシングの影響を受けるので、実験データを示すのが難しい。また、今では土井先生のレピュテーションモデルなど進化した成果が存在するが、30年以上前は粘弾性をダッシュポットとバネでシミュレーションしていた時代である。当時ゴム会社で聞いた伝説として、ゴム会社からM大学へ転身されたT部長の部下の実験の様子がある。T部長は理論家で粘弾性モデルでシミュレーションされたデータと一致する実験データを部下に求めた。クリープや粘弾性データでそのような実験データを得ることは至難の技だ。シミュレーションの値に近いデータが出るまで何度もその部下は実験をやらされたそうだが、クリープの実験では時間がかかるので、ある日部下は捏造データをグラフに示したという。そのデータを見たT部長は、このようなデータが得られるはずがない、と言って部下を叱ったという。T部長はクリープのシミュレーション結果と一致しないデータを求めていたのだ。上司と部下の巡り合わせは運だが、この伝説を話してくれたのは理論屋で上司だった。当方は運が良かった。
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材料のクリープという現象は、一定の力を材料に加えたときに材料がわずかに変形するが、その変形量が時間とともに大きくなる現象、あるいは時間とともに力が緩和する現象である。
セラミックスのような硬い物質でもクリープは起き、例えばSiCが拡散クリープにより高温下で変形することが知られている。高分子では、紐状の分子がじわじわと抜けてゆくような機構でクリープが生じる。
身近では靴下や下着のゴムが長年使用していると緩んでいることに気がつくが、これがクリープである。若いときには下着のクリープなど気がつかなかったが、中年になり、腰回りが標準以上になっていると、このクリープ速度の速さを痛感することになる。
そのほか樹脂製のフックに耐荷重以内の荷物をぶら下げていたのに、気がついたらフックが破壊し、荷物が下に落ちていた、と言う現象もクリープから疲労破壊が生じた現象である。
昨日のニコンF100のフックが疲労破壊した事例も同様で、裏蓋のフックにはボタンを押すと開くように常にバネで力がかかっていた。その結果、クリープにより疲労破壊に至ったのだ。
このような問題では材料のクリープ速度を計測し、使用実態に合う材料を選択する。例えばFRPであればクリープ速度は樹脂単体よりも遅くできるので、10年でフックが壊れる、という失敗を防ぐことができたかもしれない。
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昨日、高分子材料の物性は自由体積と呼ばれる構造の存在故にばらつく話を書いた。この自由体積の量は、高分子の混練プロセスの工夫で少し制御可能であるがこのあたりについては弊社企画のセミナーでデータを用いて解説している。
とりあえず、昨日の重要なポイントは、高分子材料が紐状の分子の塊である点だ。このイメージが頭にあると、クリープという現象についてもその怖さを理解できる。
昨年末、カメラを整理していたらニコンF100の裏蓋のフックが壊れていることに気がついた。裏蓋はオプションのデータパックという5万円前後の高価な商品だったが、樹脂製のフックが疲労破壊していたのだ。
おそらくニコンの材料技術者は高分子の疲労破壊にクリープが関係していること、そしてそのクリープは高分子が紐状の分子の塊であることから避けられない物性であることを理解していなかったようだ。
カメラ会社としては一流であってもそこに勤務している材料技術者の力量が低かったために、看板商品であったF100を10年程度で自然に壊れる商品として設計した。
もしニコンの材料技術者が昨日書いた内容程度の知識を持っており、高分子のクリープの機構を理解しておれば、裏蓋のフックの設計を変更していたに違いない。
すなわち昨日書いた内容を少し深く理解しているだけで、このような失敗を防ぐことができる。しかし、昨日のようなことは昔の高分子材料の教科書には書かれていない。また、大学の先生の説明では難解な説明となる。
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