今回ノーベル賞を受賞された真鍋博士が日本に戻らない理由を「周囲に同調して生きる能力がないから」と答えた言葉に対して、ヒルオビでは、アメリカンジョークとして説明していた。また昨日までこの言葉を扱ったニュースでは同様にジョークとして扱っているケースと深刻に扱っているケースがあった。
小生はジョークではなく、真鍋博士の本心だろうと感じた。当方は、新入社員の研修時に社長から「火中の栗を拾えるような人材が求められている」と話された言葉に従い、ゴム会社の研究所で高純度SiCの事業を住友金属工業とのJVとして立ち上げている。
そこまでのいばらの道や、その後FDを壊されるようないじめを研究所内で受けてそれを研究所が隠蔽化するというのでセラミックスのキャリアをすててまで転職した経験がある。
まさに当時の研究所は周囲に同調してアカデミアよりもアカデミックな研究をしなければ生きてゆけない世界だった。新規事業をを起こそうとするまでもなく、製品に近い研究を行ってもそれを排除するような空気があり、本部長がその改革を行おうとしても、結局アカデミックな研究が好きで、FD事件を隠蔽化するような本部長でなければマネジメントできない風土だった。
この経験から、真鍋博士の真意はイノベーションを歓迎する研究風土が日本に存在しないと言われているような気がする。企業の研究所でありながら、日本ではイノベーションに対してアレルギーを示すような風土が存在した実績があるほど日本の研究所はイノベーションに対して後ろ向きというよりも同調しないメンバーに対して厳しい。
学会の技術賞に推薦されて落選している。当方の技術内容がそれにふさわしくなかった、と言ってしまえばそれまでだが、中国では十分に実績を出すことができた。もちろん日本でサラリーマン時代にその技術で6年間実用化できなかったテーマを実用化しており、それが技術賞に値すると推薦されている。
学会までイノベーションを拒む、とまで自分の体験を基に言うのはやや気がひけるが、審査会場で浴びせられた質問は、従来の理論に反する現象に対して疑問視する見解である。当方は明確に従来の理論に反する現象であり、当方もうまく説明できないがこう考えている、と述べている。
現象に潜む新たな機能を実用化できても学会の技術賞を受賞できないというのはおかしいと思っている。実用化された新たな機能が新たな科学を生み出すかもしれないからだ。学会賞に推薦してくれたアカデミアの先生は旧7帝大の副学長で当方の技術を高く評価してくださったが、当方のその場で同調する力不足で申し訳ないことをした。
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科学でうまく説明できない現象について、技術者はどのように問題を議論し、アイデアを生み出していったらよいのか、これは重要な問題でありながら、また、問題解決法として技術者が知りたい問題でありながら具体的に誰も説明できていない。
やれ右脳左脳理論だの思いつきを論理にする方法だのこのような分野を目指して書かれた書物が最近流行で、およそ能天気に運よく出世できた人たちは、このような本を部下に進めたりする。
自分ではできないから他人の著書で自分もそうやってきた、と暗に言いたいのかもしれないが、他人の成果に平気で胡坐をかいて座っていた人も稀にいるから横で見ていてやりきれない。
当方は若い時に上司から本を勧められると「今の仕事に役立ちますか」と、質問してきた。そして自分の知らなかったことや、本当に実務で役立ったときには心からお礼をしてきたが、お礼を言わない方が多かった。
せっかくのアドバイスなのでお礼を言うべき、と考える人は、無駄な本を読む時間を強制労働と感じないのではないか。職務上の責任など無い仕事で始末書を書かされたり、本来は上司の書くべき書類を書かされたり、さらに二番煎じの本を読まされたり、と大変な時代だった。
今はパワハラセクハラモラハラなどが言われているので、上司受難の時代と言っても良いかもしれないが、それでも部下に本を勧めることが、相当な覚悟が必要ということが分かっていない人が多い。部下が上司よりも読書家だった場合には、恥となることを知っておくべきである。
当時はドラッカーの焼き直し本が多く、ドラッカーを読んでいなかった上司が多かったように記憶している。当方は高校生の時からドラッカーを読み続けてきたので、当時出版されていたドラッカー本はすべて読んでいた。ドラッカーもコンセプトの重要性を指摘していた人物の一人である。
ところで技術分野でコンセプトが力を発揮できるのは、このような科学でうまく説明できない分野で議論を円滑にし、アイデアを生み出すときである。すなわち、コンセプトを提示し、それを基に議論を進めプロジェクトに最も適したコンセプトに練り上げる作業により技術アイデアをまとめてゆくことができる。詳細は弊社へお問い合わせください。
(注)コンセプトがどのようなものか、を正しく理解していない人が多い。コンセプトの重要性を説く人がいるが、まずコンセプトがどうして必要なのか、コンセプトがあるとどのようなメリットが等々まずコンセプトを理解するための手続きが求められる。技術開発におけるコンセプトは、ただセクシーな言葉をちりばめたようなものではないのだ。また、ダイゴ語のようなコンセプトならば無い方がましである。
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表題は高分子発泡体を難燃化する技術開発を行っていた時の技術コンセプトである。始末書を書く原因となった世界初のホスファゼン変性軟質ポリウレタン発泡体の工場試作に成功した時に思いついたコンセプトである。
当初は、世界初の難燃化技術を開発するのが当方の使命だと言われ、オールコックによるホスファゼンを用いた高分子の難燃化研究が発表された時代に、ホスファゼンのジアミノ体を合成しイソシアネートと反応させれば、分子内にホスファゼンを導入することができ、オールコックの研究結果より優れた成果を出せるのではないかと期待して実験している。
期待通りの研究シーズを1週間ほどで出すことができたので、係長が課長と相談して半年後の工場試作を決めている。簡単な技術と誤解したのである。徹夜を繰り返して実験をしていたことを知っていても入社した若僧が1週間ほどで出せる成果など大したことはない、と考えたようだ。
モノの評価能力というものは、その人の知的能力に大きく依存する。世の中にはその能力が低くても自信にあふれている不思議な人がいる。そのような人は、とかく他人の成果を低く評価する傾向がある。
ただし、低く評価されたおかげで一人で仕事を進めることができ、自由に研究ができた。その結果、高分子を難燃化するときに、燃焼している高分子をどのように炭化促進したらよいのか、当時問題となっていたテーマのコンセプトをゆっくりと考えることができた。
ホスファゼン変性ポリウレタン発泡体の開発は、コンセプトに基づくものではなかったが、その研究開発過程でこの研究のコンセプトをじっくりと考えることができた。そして考えたのが表題である。
始末書にはもう少し人目を引くように(セクシーに)燃焼時の熱を利用してガラスを生成する難燃化技術というコンセプトを書いている。このコンセプトで天井材の開発まで行い、高純度SiCの発明までコンセプトは有効に機能した。
現象を見てどのようにコンセプトとしてまとめるのか、あるいは、すでに機能のイメージができているならば、それをどのような不偏化した技術として示すのか、科学にとらわれていると言葉が出てこない。
小泉元環境大臣のようにセクシーととっさに言葉を思いつけるように日ごろから訓練しておくとよい。技術開発とは人類の日々の営みの一つであり、コンセプトの準備も技術者の営みのとして捉えられる。
ちなみにセクシーなる単語が公の場であのように使える単語であることをこの年で初めて知った。まだ未知のことは多いのでボケてはおれない。
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コンセプトの重要性は昔から言われているが、この意味を理解していない人が多い。コンセプトそのものの意味は、生み出すこと(妊娠)から来ているが、これを提示することがアイデアを生み出す機能となることを強く意識していない。
コンセプトを何か概念化したフレーズにしかすぎないと考えて使用していては、新しいアイデアを生み出す力として利用することができない。
確かにコンセプトはあるオブジェクトを概念化して提示したものであるが、それはオブジェクトに盛られた重要なアイデアを伝えるためにわかりやすく概念化した表現となっていなければならない。
そのためコンセプトが時代とともに陳腐化するのは避けられないが、新しさを維持できる時間が長くなるようなコンセプトを提示できるようオブジェクトをよく観察しなければいけない。
コンセプトなど無くても新しいアイデアで新しいオブジェクトを提示できれば、それはそれで一つの成功である。しかし、新しいアイデアによる新しいオブジェクトには常に何らかのイノベーションを引き起こす力が存在するはずである。
すなわち、コンセプトを提示するとは、そのイノベーションを明示していることであり、新たなアイデアを生み出す力をコンセプトで表現していることになる。
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1968年に日本で公開された映画「卒業」は、当時の社会風俗を考慮するとR指定になっても良いような映画だと思いながら興味本位で見ていた。二本立てで再演された時にその映画を見て、様々なメッセージがその映画に込められていることに気がつき、数回映画館に通った。
モラトリアムの若者像、プラスチック産業の隆盛、不倫を超えた自由恋愛などサイモンとガーファンクルの音楽(注)に支えられながら、美しく描かれていた。
ただ理解できなかったのは、CMにも使われたラストシーン、教会の窓から花嫁を呼び、十字架で大人たちをなぎ倒してその場から連れ去ろうとしたベンジャミンの行動に共感した花嫁の心理である。
古いモラルを破壊し、新しい自分たちの生活をスタートする若者の象徴と説明されても、かつてモラトリアムで、自分の母親ともベッドを共にしたボーイフレンドに、未来を約束された幸せな結婚をすてて将来を託す、このような女性の決断をどうしても理解できなかった。
ちょんまげ姿で先日空港に現れた男性をマスコミが追いかけているシーンを見て、映画「卒業」を思い出した。ベンジャミンは、彼のような男性として描かれていなかったが、真子内親王の心理を理解できない点では同じである。
ベンジャミンは、過去の自分から決別しようと必死で努力し、すなわちエレーンを求めて真っ赤なスポーツカーを捨てて自分の足で走り教会にたどり着いている。その努力にエレーンが感動して彼についていこうと決心した、という説明を読んでみても女性心理の理解は進まない。
しかし、結婚式場で置き去りとなった新郎に対するエレーンの気持ちを解説している映画評論が皆無であることから、エレーンとベンジャミンが幸せになれればそれでよい、という映画として思考を止めることはできた。
映画は上映時間を終えればそれでおしまい、で済むかもしれないが、今回のご結婚はそのあとに多くの問題を日本社会に残すことになる。お世継ぎ問題だけでなく今後の象徴天皇ご家族のありようまで考えなければいけない。
(注)音楽監督は、その後フュージョンとかクロスオーバーと騒がれるジャンルの旗手、デーブ・グルーシン。サイモンとガーファンクル以外に彼のジャズもフューチャーされ、音楽鑑賞もできた映画だった。
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高分子材料は誘電体のため電気をためやすい(蓄電)。ゆえに使用していて帯電に悩まされる。例えば、梱包材に使用されている発泡スチロールを廃棄するために細かく手で砕いていて体に白い粉がついて困った経験はないだろうか。
発泡スチロールは脆いので、無造作に細かく粉砕すると、帯電した切り子が多数発生しそれが体に付着する。手で払おうとしても、掃除機で吸い取ろうとしてもきれいにとることができない。
このような目に合うと、樹脂の帯電のパワーに改めて気がつくことになる。樹脂だけではない。乾燥した冬の季節では、人間の体も帯電する。乾燥肌でかゆくなったりするのも静電気の刺激が影響しているので保湿剤を塗って、体表面の抵抗を下げるとかゆみが止まる。
このような体験をすると、樹脂成形体では最表面だけ帯電防止されておればよい、という経験知が身につく。家電製品に使用されている樹脂では、帯電防止剤が添加されている樹脂もあれば、添加されていない樹脂もある。
梱包材として使用される発泡スチロールは低コストで供給したいのでポリスチレンに耐候剤を添加していない場合が多いが、家電製品はじめ耐久消費財に使用される樹脂には、耐久性を向上させるための各種添加剤が添加されている。
このような添加剤は、成形時に表面へブリードアウトしやすい。ブリードアウトの問題は以前書いているのでそちらを見ていただきたいが、表面にブリードアウトした添加剤が帯電防止に一役買っている。
ゆえに樹脂の配合設計を担当している人は、クレームでもない限り、帯電防止技術を深く考えていないようだ。もし市場で帯電による品質故障が発生した場合には、弊社へご相談ください。
カテゴリー : 一般 電気/電子材料 高分子
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技術者が科学知識を身に着けておくことは常識であり、義務教育では、科学教育が9年間行われている。国民の90%以上が高卒レベル以上の科学知識を身に着けている日本では、技術者の科学知識については十分だろう。
しかし、技術に関する経験知や暗黙知の獲得の仕方については、企業で実務を経験するまで学ばないけれど、最近は企業も従業員教育を昔のように一生懸命行っていないから、技術者の知識獲得機会はかつてより減少している。
ゴム会社は人材育成にかなり力を入れており、職場教育や3年ごとの一斉研修などがあり、学ぶために就職したと感じる様な会社だった。研究所はさらにアカデミアよりも形式知重視で否定証明の報告書も立派な報告書として扱われたりしていた。
転職してびっくりしたのは、社員教育への企業投資の違いである。おそらくゴム会社は伝統的に人材教育に力を入れている企業で、それがまた創業者の精神伝承の一つだったと転職して感じた。
写真会社は、おそらく世間の標準程度の人材教育をしていたのだろうが、20年勤務している間に人材教育も自己責任となっていった。ゆえに社員で自分磨きに投資している人とそうでない人はきれいに相分離する様子を観察することができた。
この様子を見て、当方は勉強の重要性を部下にしてきたのだが、窓際になってからやめた。成果を出してもそれが人事評価に反映されないのなら、ワークライフバランスを取りながら働いた方が賃金上昇が無い現代においては得なのである。
だから、ワークライフバランスが流行するのであり、窓際族が口をだしては、たとえそれが教育目的であったとしても迷惑だろう。今なら積極的なサービス援護はパワハラやセクハラとの誤解を受ける時代でもある。窓際族は静かにしているのが無難である。静かにできないならばさっさと退職したほうが精神衛生上よい。
働くという道徳的な概念が定着しないままワークライフバランスを導入された結果、勉強しない人はどんどん仕事ができなくなってゆく。また仕事ができなくても終身雇用なので給与が入ってくる。大卒が50%近くを占めるようになったので人事評価の平等性が難しくなったが、学習を自己責任とすれば相分離が自然に起きるので、それを容易にする。
その結果、理系の大学出身であれば、高学歴な作業者となってゆく。たとえそのように処遇されたとしても身に着けておきたいのはタグチメソッドである。タグチメソッドは現象を見る眼力を磨くことができる。タグチメソッドだけは勉強しておきたい。個人でも構わないのでご興味のあるかたは問い合わせていただきたい。
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高純度SiCの開発企画は研究所内では全くの不評で、海外留学の話が当方に提案された。しかし、その行き先はSiCの研究ができる環境ではなかった。
そこで、当方は当時SiCの研究で世界の注目を集めていた無機材質研究所(現在の物質材料研究機構)と調整し海外留学の代わりに無機材質研究所へ2年留学することになった。
その後、留学中に研究開発本部長が交代するとともに研究所長はじめ組織体制が変った。以前この欄で高純度SiC新合成法が生まれた時の状況を書いたので省略するが、2億4千万円の先行投資とファインセラミックス研究棟の建設があり、2年間の留学を1.5年で切り上げ、ゴム会社で高純度SiCの事業化を推進している。
ここまでに至るごたごたについて省略しているが、大切なことは、担当者には直属上司の方針や職場風土などから会社のイメージが形成されるが、それは誤解であり、正しくは社長がその企業の実体である。
迷ったり悩んだ時には、担当者にとって遠い存在かもしれないが、社長をよく見つめてみることである(すなわち、社長方針や機会あるごとに社長が話される言葉などを読んでみる)。
例えば、直属の上司の方針と社長方針とが乖離しているときには、直属の上司が間違っている、とまず「悟る」ことが大切だ(大きな組織では、方針管理のすり合わせを行っても誤った方針が設定されたりすることは、方針管理を伝言ゲームと勘違いしている職場では時々生じる。)。
悟った結果の行動についてはそれぞれの判断になるのだが、当方は、新入社員研修で「火中の栗を拾う人材を求めている」、と言われた社長の言葉を信じて、それに従って拾ってみたら、成果を出しても昇進試験に落とされたりと火だるまになった、というわけだ。
ただし、社長方針として「ファインセラミックスを事業の柱に」と出ていたのに、研究所の方針が曖昧となっていたことに憤りを感じていたので、火だるまになりながらもゴム会社の社長を信じ行動した。
信じた結果、人事部長はじめ新事業開発室室長、新しい研究開発本部長など多くの援助者に恵まれ、住友金属工業とのJVとして事業を立ち上げることができた。そしてそれが30年つづいた。
ドラッカーは、30年経ったら事業を見直せ、と言っていたが、ゴム会社は見直しを行い、2018年に愛知県の「MARUWA」に事業譲渡している。
ゴム会社で企画した「高純度SiCの開発」の30年間を眺めてみると、経営の力を感じ取ることができる。ただし、その種を作るのは若い力であることを今一度経営者は考える必要がある。
<注>当方が転職の決断をしたのは、FD事件を研究所で隠蔽化されたからである。おそらく社長まで重大事件の全貌は伝わっていないと思う。最近は、このような隠蔽体質が引き起こす問題で社長が謝罪するシーンをよく見るが、また、財務省の忖度事件では、現在の自民党の総裁選レースにまで影響が出ており、隠蔽=大きな損失を招く、という考え方になりつつある。隠蔽を習慣化し放置すると組織は悪の巣窟となる。当方が驚いた事実は、学会賞の推薦書に虚偽を平気で書くような輩が現れたり、当方の残してきた書類等が消えていたり、と不可解な事件が起きている。組織内の悪の連鎖が問題となるのは、その証拠が社会に染み出してあふれてくるからだ。不謹慎な社員や管理職により会社の社会的信用を落とすことになる。当方は記念にいくつかあふれ出した証拠を保管している。企業活動を、ドラッカーが言っていたように、なぜ誠実真摯に行う必要があるのかは、昨今のSNSにおける告発を考察すれば容易に理解できるはずである。
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30年以上前にゴム会社で行われた電気粘性流体の耐久性問題では、組成と機能との関係を科学的に研究し、見事な否定証明を行い、界面活性剤では電気粘性流体の耐久性を改善できない、という結論を導き出している。
界面活性剤ではHLB値がその機能性を表していると教科書に説明されているが、これが研究をミスリードしたのだ。この否定証明の研究が完成し、添加剤が入っていないゴム開発というとんでもないテーマが企画された。
そして、そのテーマが当方に回ってきた。理由は、当時の研究所でゴムの配合研究を一人でできる担当者は当方しかいないからだという。アメリカのタイヤ会社を買収し、社内でリストラが進められた結果、コーポレートの研究所にどろくさいゴム配合の技術者が一人もいなくなっていた。
当方は、研究所へ配属されて3か月間エンジンマウント用防振ゴム配合研究を担当し、当時先端材料だった樹脂補強ゴムを開発している。1年間の予定のテーマを3か月で開発できたのは、サービス残業と過重労働の成果であるが、それができたのは指導社員が神様のごとく優秀な方だったからである。
カオス混合技術をはじめ材料技術すべての考え方をこの指導社員から伝承された。いまから思い出してみても優れた科学者であり、実務も詳しい技術者だった。
この指導社員の言葉で、「やってみなければわからないことは、やってみればよい」は、材料技術者は知っておくべき格言である。電気粘性流体の耐久性問題もこの格言が活かされた。
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スマートグリッドとかマイクログリッドと呼ばれている発電方式は、電気を地産地消あるいは発電所を小型化して分散発電する方式である。太陽電池や燃料電池による発電が代表的ですでに実用化されている。
この視点に立った時に、発電しながら電気で走る車は、防災にも役立つ多目的車となる。エンジンで電気を発生してそれを動力とするぐらいなら、直接エンジンで車を走らせた方が効率が良いが、燃料を石油以外にしたときに内燃機関は効率が悪くなる。
特にレシプロエンジンは、その特性が顕著であり、回転数が頻繁に変動する用途には環境対応を考えたときに不向きである。ガソリンでかろうじて実用的な燃費となっていたのだが、水素やアンモニアを燃料とした場合に燃費が現実的な値ではなくなる。
しかし、発電機としてレシプロエンジンを使うならば、定速動作で良いので最も燃費の良いところで動作させることができる。すなわち、日産のe-Powerは、環境問題を考えたときに優れた自動車の動力方式の一つになる可能性が浮かび上がる。
最近日産自動車は、レシプロエンジンのエネルギー効率40%を超えるエンジンを開発したが、それは定速稼働を前提とした技術で、効率50%を超えることも可能と発表された。
登場した当初は、トヨタのハイブリッド車と比較されて効率の悪さが指摘されたりしたが、分散発電方式の車として見れば、様々な燃料を用いることが可能な方式としての優位性が注目されるかもしれない。
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