今年の1月にニコンの新製品フルサイズミラーレス一眼を購入した。ソニーが開拓したフルサイズミラーレス一眼の市場に昨年キャノンとニコンが歩調を合わせたように参入している。キャノンとニコンの新製品をカメラ店で比較してみたが、明らかに両者の戦略の違いが新製品に現れていた。
撮像素子も生産しているキャノンは手堅く普及版もそろえての市場参入である。ニコンは、レンズを取り付ける新マウントを他社のどれよりも大きく小型化が難しいサイズで設計し、ミラーレスを高性能カメラとして位置づけて参入してきた。
Z6とZ7がその新製品の名称だが、この2機種は撮像素子だけの違いである。そして驚くべきことには、「made in JAPAN」という刻印が両製品になされている。これだけでもニコンの力の入れようが伝わってくる。
これだけ気合が入っているのに、カメラ雑誌2社は、キャノン、ニコンの両者がまだソニーのミラーレスに追いついていない、と評価していたのが気になり、ニコンのZ6を業務用に購入してみた(注)。
店頭品を見た限りではその品質が3社互角のように思えたので、雑誌の評価を参考にその差を見てみた。どうも雑誌の評価は間違っているように思えてきた。
Z6のカメラとしての完成度は極めて高い、というのは当方の評価だ。例えば雑誌では互角となっていたが店頭品で気になったのはファインダーの見えやすさ。これは、ソニーのファインダーよりもニコン製は良い。3ケ月使ってみたが、ピントの山が大変わかりやすいのだ。D3の光学ファインダーよりもわかりやすい。
また被写体の明るさの変化に対して、店頭で確認したソニーのファインダーは不思議な変化をしたが、Z6のファインダーでは自然な変化である。また、連続撮影における見えやすさになるとニコンに軍配が上がると思う。
昨日は、マクロレンズを使用したかったので純正のマウントアダプターを取り付け、そこへ「AF-S MICRO NIKKOR 105mm 2.8G」を取り付けた。そこで新たな発見をした。
驚くべきことに、カメラの絞り表示が3になるのだ。レンズのF値は2.8なのでここは2.8と表示されなければいけないはずである。レンズキャップをつけたまま絞り値をあげたら3.2となった。絞りを絞ってゆくと順調に値が大きくなるが、下げてきてびっくりした。3.2から下がらないのだ。
もう一度スイッチを切り、レンズを取り付けなおしてみたら、やはり3から始まった。早速サービスセンターにこの症状を尋ねたら、最初修理センターではなく、カスタマーセンターに連絡してくれ、と言われたので、先日修理から戻ってきたカメラの不具合だ、と説明したら、ようやく対応してくれた。
対応は良かったのだが、新製品の知識のない担当者で状況を説明するたびに待たされる。結局原因を社内で調査するとなって返事を待っていたら電話担当のお姉さんではなく、落ち着いた声の二枚目から電話がかかってきた。
その男性の説明では、最新のカメラではセンサーに到達している光量から計算される絞り値をカメラで表示しているとのこと。すなわち絞り優先オートで撮影するときに、絞り値を設定しても焦点距離が変われば光量が変化するので実絞りも変化しており、その演算された値をカメラに表示しているという。
その変化量が小さいレンズでは標示される絞り値は見かけ上変化しないので気がつかないが、マクロレンズではレンズの動きに対して光量が大きく変化するので絞り値もその動きに合わせて大きく変化するのだという。
だからマクロレンズであれば無限大の距離に合わせれば、絞り値はレンズのF値と同じになる可能性がある、とその男性は丁寧に説明してくださった。
D3を長年使ってきたが今回の様な変化はしなかったので、そのことも質問したら、D5では、Z6と同様の動作をするので、古いカメラでは演算処理が入っていない可能性があるとのこと。
最新カメラ、おそるべし。ただし、レンズの使用法11ページには、カメラは設定したF値を保つように、自動で絞りを調整すると書いてあるのだが困った。
(注)店頭品をいろいろ調査してみても幾つかの点で雑誌に書かれた評価にはならなかった。例えばZ6とZ7はグリップの握り感も含めてデザインの完成度が高い。フルサイズミラーレス一眼は、これまでのカメラとマウントに互換性が無いので、当初安くなったソニー製を購入しようと考えていた。しかし、雑誌の評価と店頭品の印象が大きく異なり、当方の評価はニコン>>ソニー>キャノン=ルミックスであった。これは個人の感想だが、4社の製品を実際に同時に触れてみると、値段は高いがニコン製品に軍配が上がると思う。撮像素子はともかく、デザインやファインダー、撮影後の映像の見えやすさなどは店頭でもその差がわかる。お得感はキャノンだが、長く使用する観点では、物欲を盛り立てるニコンとなる。ルミックスも悪くない印象だったが将来性に不安が残った。この3ケ月このZ6でいろいろ撮影してみたが、ストロボシューのバネが飛び出した初期故障以外満足している。仕事用カメラとして今後はZ6を使うことになる。
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ニコンというカメラメーカーからデータ入力機器としてのカメラ、そしてそれを活用するソフトインフラの提供という新商品が生まれてこないのは理解できるが、キャノンから提案されてこないのは、キャノンという会社の風土によるのかもしれない。特許がいくつか出ているので、それを事業として育てられない風土なのかもしれない。
デジカメ全体の市場がシュリンクする中で、カメラメーカーの動きを見ていると面白い。かつて銀塩フィルム市場はデジカメの性能向上につれ小さくなり、今国内で写真フィルムを生産しているのは富士フィルム一社だけだ。その富士フィルムの主力事業は化粧品である。
フィルム市場は縮小したが、写真をプリントアウトし、それを鑑賞するという文化は健在であり、まさか写真フィルム事業同様にカメラ市場そのものが減少するとは思われない。現在の一眼レフカメラで撮影できるボケとヌケの良い画像は、絶対に携帯デジカメでは撮影できないからだ。ソフトウェアーでボケを導入する手法も生まれているが、まだデジタル処理を多用しても追いつけないレンズ特有の描写感が勝っている。
光学技術はすべてソフトでシミュレーション可能な時代であるが、自然をそのまま写した画像には迫力がある。デジタル処理が普及しても、被写体のテーマまでも大きく修正することは不可能であるし、それをした場合には写真ではなくなる。
ゆえに入力機器として高性能カメラは今後も生き残ってゆくと思われるが、高性能カメラをカメラとしてみている限り、その市場は大きくなることはない。しかし、高性能カメラがインターネット入力機器として主体性をもち商品価値を大きく変えたなら話は別である。
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携帯端末にカメラが付いた商品が低価格デジカメの市場を奪うことができたのは、携帯端末カメラゆえの制約からくる光学性能を補う技術まで開発されたからだが、インターネットとシームレスに機能がつながっていた点は、カメラにない大きな利便性である。
しかし、カメラメーカーは、ただデジカメ市場が奪われるのを見ていただけで、カメラ技術で携帯端末カメラの市場を侵食しようとはしなかった。携帯付カメラという商品が10年ほど前に登場し話題となったが、カメラの性能が携帯端末カメラと大差がなかったので、当方は商品スペックを見て笑ってしまった。
なぜ10年ほど前にインターネットとシームレスにつながる高性能ミラーレス一眼が開発されなかったのだろうか。さらに、そこで写真文化を展開する商品が企画されなかったのは不思議である。ただ、これは10年経った今ニコンがフルサイズミラーレス一眼の市場に出てきた戦略から理解できた。
ニコンはフルサイズミラーレス一眼をカメラの最終完成形と位置づけ、高性能レンズをラインアップして参入してきた。発売されたズームレンズの性能は過去の単焦点レンズと比較しても遜色のない性能で、専用の単焦点レンズは過去の単焦点レンズよりもボケがすばらしい。
おそらくニコンにとってカメラは写真を撮る道具であり、カメラ以外の機能が付いた商品はすべて新規事業とみなされるのだろう。これではこれからの時代に生き残ってゆくのは大変である。カメラが趣味の当方は、10年以上前にカメラを使った新規事業アイデアを思いついたがカメラ資産をソニーに売却した会社ではそれを実現するのは難しいと思い、そのまま温めて現在に至っている。
当方の在籍していた会社は、有機EL照明事業に力を入れおり、この事業に反対していた当方の立場では新事業提案をしにくかった。すでにインスタグラムで実現されたように、インターネットには、映像機器にとってとんでもない大きなマーケットの可能性がある。カメラはそのデータ入力機器である。カメラとインターネットとが一体となった新事業の可能性は大きい。
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中規模以上の企業で新規事業を開始するときに、まず経営陣で目標が合意されていることが必須である。そして、全社員でその価値が共有化されている必要がある。そうでなければ新規事業担当者は社内で起業の苦しみ以上の悩みを抱え込むことになる。
すなわち新規事業を成功させるためには、その価値を全社員認めていることが重要である。企画はどうであれ、まず新規事業を起業しようとする風土のない環境で本業と異なる事業、あるいは、今では当たり前となったが自動車会社で電気自動車を開発するといった本業を革新するような事業でさえもそれを成功させるためにはイノベーションを受け入れる風土が不可欠である。
例えば、フルサイズのミラーレス一眼の市場を見ても明らかなようにその市場を育てたのはソニーというイノベーティブな風土のある企業で、一眼レフカメラで二強のキャノンやニコンは出遅れて昨年末ようやくそのマーケットに進出している。それも、一眼レフの市場が明らかに侵食されはじめてからである。
おそらく技術力のあるキャノンやニコンはもっと早くフルサイズミラーレス一眼の分野に進出して一眼レフとは異なる市場を育てる様な戦略を打てたはずであるが、ニコンであればニコン1という中途半端なミラーレス一眼を市場に投入しただけであり、その機種についてはすでに開発をやめてしまった。
デジカメの市場は、携帯端末によりそのマーケットを侵食されたと言われている。確かに携帯端末のカメラの映りはデジカメの初期の性能を上回っている。しかし、携帯端末にはその電話という機能からくる大きさの制約があり、光学性能については今や頭打ちである。
しかし、インターネットではインスタグラムという写真を楽しむ市場が生まれ、プロ並みの写真が数年前よりアップロードされるようになった。それらの写真の多くはソニー製ミラーレス一眼で撮影された写真が多い。
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高分子の帯電防止技術同様に添加剤の配合技術が重要な分野として、高分子の難燃化技術がある。下記予定でセミナーを行いますので、お問い合わせください。
高分子の難燃化技術は、帯電防止技術と異なり、偶然なんとなく難燃性が付与されることはないので薬物依存状態にはなりにくいが、それだけに正しい知識が無いと対策が難しい。
<セミナーのご案内>
日時 2019年3月29日
場所 大井町きゅりあん
<内容>
高分子の難燃化を科学で体系化するのは難しいですが、アカデミアのチャレンジ結果も出そろい経験からおおよその体系が見えてきています。混練技術にまで遡及し、経験知による体系を提示します。
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高分子成形体の帯電防止は、数値でスペックを決めないと薬物依存状態になる。なぜなら、単なる離型剤でも帯電防止効果が出る場合があり、このようなケースでは、製品が市場に出回ってから帯電故障が発生したりすることがあるので大変だ。
すなわち、たまたま離型剤の帯電防止効果が原因で製品の帯電故障が隠れていた場合、市場で問題が発生すると、もぐらたたきで他の添加剤を添加して問題解決に当たったりする。
このような対応の仕方をしていると、そのうち二種類三種類と添加剤を足してゆくことになる。実際にそのような状態になって品質対応に追われている現場を見たことがある。
このような安直な問題解決のやり方をやってはいけない。帯電故障については市場で発生している問題について、現象を確認しながら製品品質として目標とすべき仕様について数値化をするべきである。
この時表面比抵抗がよく用いられたりしているが、この表面比抵抗について悩ましい問題が存在する。すなわち、電子伝導性の物質で帯電防止をしている場合には悩まない場合もあるが、イオン電導性物質を帯電防止剤として用いているときには誘電緩和により、表面比抵抗のデータをどのように収集するのか悩むことになる。
また、湿度依存性について知識があればよいが、無い場合には測定雰囲気によるばらつきに悩まされることになる。離型剤で偶然帯電防止効果が得られた場合など湿度を変えて表面比抵抗を計測することをお勧めする。
帯電防止についてスペックを数値化せずやたら添加剤の添加効果だけ追っかけていると薬物依存になりやすいのが帯電防止技術である。薬物依存はピエール瀧だけの問題ではない。科学的に現象を把握しようと努めず安直な姿勢の材料開発シーンでも起こりうる。注意が必要だ。
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最近喫茶店などでパソコンを開いて仕事をやっている人をよく見かける。当方もメールチェックなど携帯端末を用いて喫茶店で行っているが、資料作成を行っている人を見ると他人に覗かれても平気かな、と心配になる。
驚くべきことに㊙の文字が目に飛び込んできたりしてぎょっとする。先日は化粧品のクレームについて何かまとめているような人がいたが、上司が見たらおそらくぞっとしたのではないか。
当方も新幹線の中で資料作成を行うことがある。ただしセミナーなどの公開資料だけである。現役サラリーマンの時でも業務に直結した資料を社外の公衆エリアで開いたことはない。
最近は働き方改革で出勤しないで業務を行うスタイルも増えてきたというが、不思議な感覚になる。頭が古いためだろうか。ただ、パソコンを使用した業務で生産作業と呼べるのは、報告書の作成やデザイン、コーディング等に限られるだろう。もしその価値が高いならセキュリティの点で問題となる資料が多い。
ほとんどは間接コミュニケーション作業と呼ぶべきメール処理やコミュニケーション資料作成になるだろう。それも二次調査資料を見なくてもできる中身の薄い作業に違いない。
今資料はすべて電子化できる、と言っている人がいるが、電子化された資料だけで会議資料をまとめられるケースは少なかった。なにがしらよれよれの字で書かれたメモが手元にあっての資料作成である。
いまや手書き文字さえも電子化できると言われても、喫茶店で仕事をされている方々が、そのような電子メモを利用しているとも思えない。カフェなどでパソコンを開いて一生懸命仕事を行っているサラリーマンを見ながら彼らの上司の心配をしていた。
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銀塩フィルム写真が終焉を迎えようとしていた時,写真愛好家の間でボケが注目され始めた。ボケとは英語でも「BOKEH」であり、日本から生まれた表現技法の言葉のようだ。
写真のピンボケには、「blurred(blurの過去、過去分詞)」が使われたりしていたが、写真表現としてのボケという単語には、日本語のボケが海外でもそのまま使われている。
この日本語はぼけ老人としても使われたりするが、「bokeh」は、写真独特の表現技法だけに使用される。この技法は、レンズを通してオブジェクトを二次元化するときに撮影条件を満たすと写真特有の美しい世界を生み出す。
ボケの対極にある技法は「ヌケ」だと思っているが、これはまだ流行っていない。おそらくボケの対極の言葉として位置づけたのも当方が初めてかもしれないが、「ヌケ」と「ボケ」をバランスさせたレンズを設計するのは大変難しい。
なぜならボケを美しくしたいならばレンズの収差を残す必要があるからだ。収差が残れば、シャープな画像や正確な色再現は難しくなる。安いレンズで撮影した画像でヌケの悪い眠いケースがあるが、これは収差の補正がうまくできていないためである。
おそらくこのボケとヌケのバランスを意識的に設計したのは、ペンタックスのLimittedレンズシリーズが初めてではないか、と思っている。また、ボケのブームはこの77mmから始まっているらしい。
このペンタックスのレンズシリーズで撮影された画像のボケは皆美しく、特に31mmが有名だが当方は、少し絞ると大変抜けが良くなる77mmを一押しとしたい。ただし77mmは、注意しないと軸上色収差や球面収差などが原因で起きるパープルフリンジに悩まされるくせ玉である。デジカメで使用するとさらにこれが起きやすくなった。
どうもパープルフリンジは画像センサーの影響(写真フィルムは感光層の厚みと表面の凸凹で目立ちにくい)も出ているようだが、77mmレンズにはボケの美しさを優先して設計したためにこの欠点が残っているらしい。
おそらくレンズ設計やデジタル処理でこれを取り除く方法もあるかと思うが、ペンタックス77mmレンズはこのような欠点があるにもかかわらずボケとヌケのバランスを大変良く調整できるので当方のポートレート撮影には欠かせないレンズである。
最近ソニーのミラーレス用レンズがボケの美しさで注目されたりしているが、この85mmレンズで撮影された画像を見ると、ボケ方は大変良いのかもしれないけれど、カメラ雑誌に紹介された絞り開放の写真ではやや眠い画像と感じる作品もある。
また商品を紹介しているソニーのサイトに掲示された画像はニコンの様なカリッとした写真ではない。色のりは良いのだがヌケを少し悪く感じる。これは好みも依存するかもしれない。
ちなみにヌケの良い画像が得られてポートレート撮影で腕が上がったような錯覚になるレンズは、ニコンの85mmF1.4Dである。このレンズを用いて絞り開放で撮影したデジカメの写真は、絞り開放にもかかわらず大変シャープでヌケがよい画像が得られる。カメラのサポートもあり、目にピントがかっちりあった画像が得られる。これをモデルに見せると皆喜ぶから不思議だ。
もちろん絞ればさらにカリカリになり雑誌の表紙のような写真を撮れる。このレンズでポートレートを撮影すると、ボケよりもそのヌケの良さでプロのカメラマンになったような気分になれる。
ただしボケは少し硬く、ソニー製品を高評価しているボケ好きの老人評論家B氏によれば「汚いボケ」と言われている。しかし、このB氏が指摘するような汚さではなく当方は硬さと捉えている。ヌケが好きな人にはこの硬さもボケの一表現として気にならないはずだ。
おまけに、新しい設計のニコン85mmF1.4Gと比較しても前ボケと後ろボケのバランスが良いレンズだ。WEBで作例を比較してみると、絞りリングの無い85mmでは、後ろボケはやや1.4Dよりも柔らかくなってはいるが、前ボケは少し硬いようなイメージがある。
このようにポートレート用レンズとしていろいろなレンズを比較をしてみると、ペンタックス77mmレンズは古い設計なのでパープルフリンジの欠点を抱えている問題はあるが、当方が知る限りヌケとボケの最もバランスが取れ、さらにコントラストも高く色のりもよいポートレート用として最も優れたレンズと思っている(これは主観である。)。
ちなみにポートレートはこのレンズで撮影することが多く、例えば、八景島ボディーペインティング世界大会写真の部でこのレンズで撮影した写真が一席を獲得している。
レンズの光学技術は、科学で完璧に説明されつくした分野のように思っていたが、ボケとヌケのバランスをとるとなると、科学知識だけでは難しく美に対する見識が必要と思っている。
写真を芸術の一分野とするならば、レンズ設計技術は官能の世界で行われる作業の成果にも思われ、科学知識だけでは難しいのではないか。かつて多変量解析で車のデザインと色の関係を研究した論文を読んだが、統計手法で得られた結果を説明するために人間の目がナノオーダーの領域まで見ていると考えなければ説明できない、という考察が書かれていたのが印象的だった。
ニコンはぜひ官能評価も取り入れてレンズ設計して欲しい。新しいZマウントの35mmは大変ヌケとボケのバランスの良い写真が撮れるが、なぜかその結果に人工的な匂いを感じる。
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デジカメの市場が大きく動き始めた、と言われている。今一眼デジカメと言うカテゴリができて、一眼レフとミラーレスカメラがそのカテゴリーにくくられはじめた。
かつてミラーレスカメラは、オリンパスやパナソニックが商品化を積極的に進め、そのさなかソニーがフルサイズミラーレスを上市して注目された。ニコンはニコン1をペンタックスはペンタックスQを発売した。
このころはミラーレスと一眼レフはそれぞれ別々のカテゴリーの商品だった。実際に、ペンタックスが一眼レフのミラーをとっただけのミラーレスを発売しても大きく市場は動かなかった。しかし、ソニーが一年ほど前フルサイズのミラーレスでニコンの一桁一眼レフ以上のスペックのカメラを市場に投入してからマーケットは大きく動き始めた。
ソニーはいつの間にか一眼レフカメラの開発よりもフルサイズミラーレスを一眼デジカメの主力商品に育て上げていた。その結果、一眼レフデジカメはミラーレス一眼カメラにマーケットを侵食され始めた。
一眼レフカメラのツートップメーカーはこの状態となり、昨年ようやくソニーのフルサイズミラーレス一眼を追撃する商品を発売した。驚かされたのはパナソニックもフルサイズミラーレス一眼を発売したので一気に一眼レフとミラーレスの垣根は無くなり、同じ土俵で戦うことになった。
キャノンとニコン、パナソニックは、ソニーを追う立場であるが、ニコンの戦略は際立っている。すなわちミラーレスで「今」の戦いを捨て、未来に生き残る戦略をとっている。すなわち、市場占有率を広げる戦略ではなく、性能トップを狙う戦略である。これは当方も高純度SiCの開発を行ったときにとった戦略なので大変理解できる。
すなわち、最高級の性能を市場で実現しておれば、シェアーは取れなくても、必ず生き残れるのだ。実際にゴム会社で生まれた畑違いの高純度SiCの技術は生き残って30年以上事業として続き、昨年末名古屋のセラミックス会社に事業譲渡された。
この面白い状況を体験しようとニコンZ6をズームレンズのセット品として購入した。購入して一か月、そのズームレンズの性能に驚かされたので35mmレンズを追加購入した。この35mm単焦点レンズにはさらにびっくりさせられた。ボケと抜けの見事な両立が実現されていたのだ。
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この20年間のデジカメの進歩は著しいが、デジカメだけでなくそのアクセサリーの進歩もすごい。最新のデジカメに最新のストロボを組み合わせて写真を撮ってみると、テカらないのだ。
もちろんバウンス撮影をすれば昔からストロボ光によるテカりを抑えることはできたが、それでもわずかにストロボ光の跡が画像に残る。また、ストロボに光拡散板やディフューザーをつけても同様の効果を得ることができた。
しかし、今時のストロボは事前にモデリング発光を行い、最適な光量を決める精度が著しく向上し、ダイレクトに光をぶつけてもテカらない場合がある。テカらない場合があると書いたのは、被写体によってはそれでもテカるからで、どのような被写体でそうなるかはここで詳しく書かない(例えば、お寺の住職の頭は確実にテカる)。
さて本論に入るが、先日ニコンのサービスセンターで最新ミラーレスに合うストロボを尋ねたら、電波制御が可能な5000番の商品を紹介された。電波制御は、ストロボ専業メーカーニッシンのストロボで人気が出た方法で、カメラメーカーのストロボは赤外線を用いたワイヤレス方式が主流である。
当方もニコンのワイヤレスストロボは、フィルム時代の製品も含め3台持っており、室内でオブジェクトを撮影するときに3台をワイヤレスで制御して活用していた。だから5000番の電波制御ストロボを購入すると古いストロボが使えなくなるのだ。
もちろんマニュアルには電波制御と光制御の両方を実現する方法が書かれているが、このようなリモート制御は一方式が、老人の頭には好ましい。サービスセンターではしきりに5000番を勧められたが、ビックカメラで調べたところ500番のストロボでも十分であることが分かった。価格は半分で、最新の機能のストロボが手に入るのだ。
もしZ6あるいはZ7を購入された方でストロボが必要な方は高いストロボを購入する必要はない。二か月使ってみたが、古いストロボも十分に生かすことができて重宝している。ちなみにCH3に制限されるが500番でもリモートの親機として使える。(また、電波制御を行う場合には、カメラ本体にオプションを使う必要もある。なぜサービスセンターは高価で不便な5000番を勧めたのだろう?)
ミラーレスカメラを購入するときに、ソニーか、キャノン、パナソニック、オリンパスと迷ったが、結局手持ち資産を生かすためにニコンZ6を購入した。使いやすいカメラだがサービスセンターの対応に不満が残った。デジカメの市場の勢力図はこの10年流動的で、ミラーレスについてはソニーの一人勝ちである。
ニコンとペンタックスの弱小勢力のカメラ愛好家となってしまったが、画質には満足している。ペンタックスの77mmとニコン85mmf1.4との比較も機会があれば紹介したいが、ソニーその他とは一線を画す画質である。
最近はボケに注目が集まり、ソニーのミラーレス用レンズはそのボケ味に特徴を出してきたが、ペンタックス77mmは負けてはいない。被写体の色乗りはペンタックス77mmに分がある。また画像の抜けの良さはニコンが一番だ。
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