実験は仮説を確認するために行え、は、科学こそ技術開発の唯一の方法と信じられていた時代の考え方である。
企業の研究所において部下をこのように指導されている方は今でも多い。しかし、技術開発において実験の目的はそれだけではない。
むしろ、実験を仮説確認のためだけという考えのほうが間違っている。アカデミアにおける実験ならばそれでも十分かもしれないが、技術者にとって実験は機能確認のために行う場合が多い。
タグチメソッドでは、まさに基本機能のロバストを確認するために実験を計画する。効率を上げるためにラテン方格を利用したりもする。
また、機能を確認するためだけでなく、新しい機能を探すために実験を行う場合がある。
この実験の目的や方法が意外としられていない。昨今の新技術の話題は生化学や通信情報分野が多く、20世紀にあれだけ騒がれた材料分野では、ほとんど新技術の話題が無くなった。
生化学や通信情報分野の新技術に新材料技術も必要なはずだが、例えば高周波対応の材料については従来の素材の科学的に自明の方法による改良技術しか話題になっていない。
10年ほど前に負の誘電率が少し騒がれたが、それに対応した材料技術を特許で探しても公開されてきていない。
実は負の誘電率については1990年代に実験を行い気がついていたが、科学的にあり得ない、と否定されたのでそのままにしていたが、最近面白い実験結果が出た。
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仮説を確認するために実験を行うのは科学者だが、技術者は機能を確認するためにあるいは新たな機能を見つけるために実験を行う。
タグチメソッドでは、基本機能の確認をラテン方格を用いて行うが、これは試行錯誤法の一つである。また、故田口先生もタグチメソッドは実験計画法ではないと言っていた。
計画された実験でなければ試行錯誤である。タグチメソッドでは試行錯誤を効率よく行うためにラテン方格を利用しているにすぎないのだ。
だからタグチメソッドで時としてびっくりするような結果が得られたりするときもある。これも故田口先生は、そのために制御因子は大きく変動させるように指導されていた。
さて、実験結果でいつも科学の真理に基づく結果ばかりが得られるわけではない。
例えば電気粘性流体の耐久性問題では、界面活性剤では問題解決できないという科学的に緻密で完璧な論文があったにもかかわらず、界面活性剤を使い一晩で(今ならば荷重労働、さらに残業代も支払われていないので典型的なブラック企業の実験となる)問題を解決している。
この時、科学的に完璧な論文を見せていただいてなかったので、問題解決できても興奮しなかった。住友金属工業(当時)とのJVが立ち上がり高純度SiCの業務に専念したいために余分な仕事を早く解決したいだけだった。
しかし、これまでの人生でビックリするような実験結果は問題解決よりも、「こんな現象が起きたら面白い」という興味半分の実験で得られている。
いくつかあるが自慢話のようになるのでここで書かないが、神がかり的な実験結果を一つ紹介すると、初めて高純度SiCを製造した実験では、必死のお祈りがプログラムコントローラーを暴走させて、その結果最適条件で熱処理され、黄色い高純度SiCが得られた、という冗談のような実験がある。
(これは、当時の無機材質研究所で行われており、多数の目撃者や原因不明の暴走ということで安全委員会まで開催されている。ただし、安全委員会では、必死でお祈りしていたという証言をしていない。)
この30年以上前の体験は、今でも鮮明に思い出すことができる。神の存在を信じることになるのだが、どのような神なのかは無信教なので具体化されていない。
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高分子の材料強度は、経験的に弾性率と靭性の関数、すなわち強度=f(弾性率,靭性)と表現できる。
弾性率はマトリックスとその補強成分で決まり、成形体密度と相関する。しかし、靭性(シャルピー衝撃強度やアイゾット試験データ)は密度に依存しない。
横軸に射出成形体の密度を、縦軸には弾性率((測定値/100)-10)と曲強度、シャルピー衝撃強度をとり、各種ポリマーアロイと混練条件の異なるサンプルについて物性測定された結果をプロットする。
得られたグラフにおいて、Y軸に平行なプロットの群は、ある試作条件におけるサンプルについて曲強度、シャルピー衝撃強度を測定して得られたデータの平均値の1セットである。弾性率データは曲強度のSS曲線から採取する。
ポリマーアロイに配合された成分は皆異なるため、マトリックス主材以外の成分とプロセシングの異なるポリマーアロイに関して強度の密度相関をこのグラフは表している。
弾性率は主にマトリックスとサンプルの密度で決定されるが、同一マトリックスなのでこのグラフでは密度だけに相関している。
曲強度については、弾性率と相関するサンプル群以外に相関しないサンプル群があり、相関しないサンプル群を整理すると衝撃強度に相関している。
すなわち、このグラフから経験知である強度=f(弾性率,靭性)と捉えてよい。
さらに、このデータは、強度のばらつきは弾性率と靭性のばらつきに支配されている、と読み取ることも可能である。
この時、弾性率は密度に依存し、靭性は構造の不均一性(靭性に影響を及ぼすサイズ、800nm以上のサイズ)や欠陥に支配される。
このような考察を進めてゆくと、常に一定速度で押し出されているストランド段階のばらつきは、密度あるいは欠陥のばらつきが正規分布で揺らぐと期待され、人手による射出成形では、そのスキルに左右されたばらつきとなることが予想される。
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13日の夜に「理想の住まい」という講演を拝聴した。実は講演者は同級生で、我が家を建てるときに旭化成ヘーベルハウスにするのか講演者に頼むのか迷ったが、旭化成の営業担当が3000万円台の見積書を持ってきたので旭化成に決めてしまった。
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決めてからびっくりしたのだが、見積内容は外側だけの価格と言われた。内部の設計まで詳細を決めてゆき、最終段階に渡された見積書では、軽く倍になっていた。契約書に判を押した後である。最初の見積書段階で友人に相談すべきだった。
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最初は友人の誠実な見積書の価格が高かったが、内装も含めた最終見積もりでは友人の見積もりが3割以上も安くなった位置づけになる。しかし、その後ローンの手続きやら何やかやを営業担当が親切に進めてくれたので結局旭化成ヘーベルハウスで建てることになった。
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友人には悪いことをしたという後悔は、25年経った今も残っている。講演を拝聴してその思いはますます強くなった。
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後悔の理由について事実のみを書くと、大手メーカーの建築だから安心と言うことではないのだ、という一言に尽きる。杭打ち不正まがいのことも体験する。今なら迷わず久間建築設計事務所に依頼する。
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講演では今も昔も大手プレハブの新築に占める割合は変わらないと説明された。大手の後悔するような建築体験の噂の影響もあるのだろう。
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ヘーベルハウスで遭遇した問題は以下。これは噂ではなく事実である。
1.新築直後の雨漏りと、天井の補強板施工忘れ。それでも合格として引き渡された。
2.建築後やれ外壁塗装のメンテやら屋根のシート張替やら、スケジュール通り実施しないと品質保証が受けられなくなる、としつこい営業訪問。
3.2に反して定期補修工事後のクレーム対応が悪い。施工後ヘーベル板の破損や外観不良などのクレームを伝えて半年たっても未だに満足な対応ができていない。
4.外壁の工事でヘーベル板が痛み、ところどころ欠けたり、外観不良があっても点検は合格となっている。
5.外壁工事の時、扉の養生を忘れたために玄関扉が汚れたので、紆余曲折後張り替えたがその料金を支払うことになった。
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大手メーカーはどこでもこのような問題が起きており当たり前のことなのだろうか。扉の養生を業者が忘れた問題から見えてくるのは、クレーム対応では責任回避のためにいかにしてロジックでお客様を説得してお金を支払わせるのかと言う不誠実さである。個人の設計事務所では次の仕事が無くなるような問題である。家を建てるなら個人の設計事務所の方が安心なのかもしれない。料金も決して高くない。家を建てられる方には久間建築設計事務所をご紹介します。
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現代の生活の便利さは科学の進歩のおかげではあるが、身の回りの製品や医学がすべて科学の成果と言うのは誤解である。
例えば、ノーベル賞を受賞したヤマナカファクターは、阿弥陀くじ方式で発明された技術の成果である。
DNAの解析や生命の解析の成果は科学の成果と呼べるものが多いが、それでもヤマナカファクター発見だけを捉えれば、それは技術開発という行為の成果である。
24個の遺伝子を一度に細胞へセットした学生の掟破りの実験やその後のあみだくじ方式によるヤマナカファクター発見の手順は、科学ではありえない考え方である。
身の周りの豊かさの成果はすべて科学のおかげと考えていると、このような発明をすることができない。
かつてゴム会社の研究所は科学こそ命という風土だったが、80%近くを占める製品の開発部隊は、KKDも飛び出す技術重視の風土だった。
ところが転職してびっくりしたのは、科学こそすべてと言う考え方の会社で技術の方法論が否定されるような風土だった。しかし、そのような風土でもタグチメソッドは普及した。
故田口先生が科学的にご指導された結果であるが、SN比の説明を科学でできたとしてもタグチメソッドは技術の優れた方法論の一つである。
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ゆえにタグチメソッドを用いた成果は、科学の成果と言うよりも技術の成果である。基本機能を難しく感じるのは、科学と技術の違いを意識しないためと思っている。
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技術開発において科学の果たした役割は大きい。まず、科学の誕生により技術開発のスピードは急速に高まっただけでなく、その成果の伝承も確実に行われるようになった。
だからといって、科学誕生以前から行われてきた技術開発の方法論が否定されて良いとは思わない。
そもそも科学と技術は、その目的とゴールが異なる。科学は、小学校から習ってきたように真理の追究が目的であり、そのゴールはたった一つの真理となる。
技術は人類に有益な新しい機能を創り出すことにあり、そのゴールは創り出された新しい機能である。すなわち、新しい機能が具現化された「モノ」ができている必要がある。
ここで、まったく新しい機能を創り出すことは、大変難しいが、人類は科学誕生以前からそれを自然界から「見つけ」「取り出す」作業により、実践してきた。
これは、学校でもあまり教えられい、企業で技術開発でも経験しない限り習わない技術の伝統的方法である。この単純な方法で確実にモノができる。
科学の方法は、仮説設定と論理が重要で難解である。難解であるがゆえに小学校からその方法を学んでいる。小学校から学んできてもなかなか身につかないので、ロジカルシンキングの社会講座や高額なセミナーが未だに人気である。
問題は苦労して身に着けてもそれだけで技術開発をするには無理があることを教えていないことである。科学の方法さえ身に着ければモノができる、と言う誤解である。
単純な方法であるが、技術の方法も身に着けない限り、技術開発でモノを創り出すことが難しい。ただし、出来上がったモノについて解析や分析は科学の方法だけでできる。
換言すれば、技術開発の成果が具体化されているときのみ科学の方法でモノを造ることが可能になるが、新しいモノを生み出そうとするときに科学の方法だけではできない場合がある。これを本当に理解している人は少ない。
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愛知県の「表現の不自由展」が未だに揉めている。大阪知事と愛知県知事の喧嘩も飛び出した。一連の愛知県知事の発言を聞いていたが日本人として少しおかしい。
もし、愛知県知事が日本人として誠実真摯に考えるならば、まず、税金を投じたことの謝罪が必要である。そして、この謝罪の上、中止にしたことの謝罪もしなければいけない。
今回の問題は、日本人全員の支持が得られると思って、税金を投じたはずである。しかし大多数が異を唱えたのだから、愛知県知事の判断は間違っていたのだ。
一方、芸術表現に関して愛知県知事が自己の判断の正当性を主張するならば、私財を投げうってでも展示会を何処か私的な会場を借り切って開催しなければいけない。
展示会の企画者もそうだが、際どい仕事を行うときの覚悟が足りない。今回の騒動を見ていると、愛知県知事も含めて展示会に関わっている人間の卑しさが透けて見えてくる。
日本人の意識改革を目的として表現の自由を主張するならば、覚悟も必要だ。この問題に限らず、覚悟の必要な行動に対して、安直に行動しあたかも正論のごとく他者を批判する無責任な人が多い。
いつまでもこの問題がくすぶっているようならば、愛知県人はリコールの行動を起こしてもいいような状況である。日本の愛知県民として大阪人に馬鹿にされてもよいのか。
愛知県出身者として、かつては不倫をして家庭を壊すような見識の国会議員を選んだり、今回の一連の騒動を見てきて少し恥ずかしい。
この恥ずかしさを思うときに、改めて普遍的な正論を論じる覚悟の重要性を認識する。
日本社会で生活するときには、国際人の前にまず日本人としての価値観で判断しなければいけない。
そしてその価値観が時代遅れと感じ、直す必要があると感じた人は、まず日本人としての手順でそれを提案しなければいけない。もし、提案内容が日本人の価値観とかけ離れていたならば、日本社会に寄り添った手順で提案すべきである。
今回の場合であれば、公共の財産を使う段階ではない。有志から募金をして私設会場で行うべき内容だ。そして、それが多くの人の賛同が集められたときに、初めて税金を投入すべきなのだ。
大阪府知事が辞職すべき問題と言うのも最もである。不倫で選ばれた議員は、愛知県民が不倫を認めたという理由で堂々と活動をしている。不倫が愛知県の文化の時代になったのか?
生命の大切さを主張しつつ自らの生命を維持するために他の生命を犠牲にしなければいけないという人間がその意識の中に永遠の矛盾を抱えた生き物である限り、今回のような出来事では、命を懸けるぐらいの覚悟が必要である。
逮捕者まで出るような問題に発展しているので、謝罪をしないのならば愛知県知事は速やかに辞職すべき段階かもしれない。日本人政治家としての覚悟を見たい。
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昨日中国の空港における詐欺被害について、同僚の被害も含め3つほど紹介したが、中国ではいろいろな被害を経験している。どちらかと言えば、もう慣れっこになったといってもよいほどだ。
400元前後の金さえ出せば命は何とかなり、笑顔で解放してくれる、そんな被害ばかりだ。
タクシー代金については安いのでどこまでごまかされているのか分からないが、同じ場所同じ距離で3-4割の変動があるから、ごまかされている場合もあるのだろう。
明らかにインチキだったのは、スロットマシンのごとくメーターの価格が上がり、30元前後のところが300元も支払わねばならなかった体験である。
ホテルの手前で止まり、ここまでだと運転手はいう。そして、額を隠していた髪をかきあげ、眉間の縫い傷を見せてきた。黙って300元出したほうが良いと思い300元渡したら、ドアが開いてニコリと笑っていた。
ガイドブックに安全と書いてあるようなタクシーに乗ってもこれである。ビジネスでは、宅急便の荷物を受け取るのにわいろを要求されたり、コンサル料を半分しか支払ってくれないなど、散々な目に合ってきた。
昨年から台湾の仕事を引き受けるようになったが、台湾では、同じ中国にも関わらず、このような被害にあっていない。
空港でもチケットを黙って取り上げるような失礼なことはせず、必ず見せていただいてよろしいか、と尋ねてくる。同じ中国人に思えない。
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昨日早朝(浦東空港7時55分発)の飛行機で上海から帰国したが、空港で巧妙な詐欺にあった。手口は以下である。
飛行機の出発よりも1時間30分早くチェックインカウンターについた。これはいつものペースで、登機時刻に十分間に合う時間である。すでにチェックインが始まっていたので、並ぼうとしたら空港の職員と見間違えるような(空港職員と同じ格好をしている)中年男性が、近寄ってきて、ここでチェックインができる、といい、パスポートを見せよという。
警戒していたら、怪しくない、空港の職員だという。そして発券機の操作を手際よくしてくれて、席は一つしか空いていない、あなたが遅すぎるという。とにかく急げ、といい、発券機の上のパスポートを取り上げられ、当方の手を引きながら、チェックインカウンターの一番端まで連れて行ってくれた。
チェックインカウンターの一番端は、搭乗時刻が迫っているときに優先的に荷物預かりをしてくれるところだが、7時10分の搭乗時刻まで40分あり、そこを利用しなくても十分に間に合うと思った。だが、早い手続きに不満は無いので荷物を預けた。
この荷物を預けるところも、チェックインカウンターのお姉さんとの交渉も怪しい中年男がやってくれたのだが、そこで、荷物検査室に行かなくてはいけない、と言われた。
怪しい荷物は、お土産で購入した白酒ぐらいで、何かの間違いと思いとにかくチェックインカウンターのすぐ横の小部屋へ案内されるまま入った。
そこには空港職員の制服を着た男一人がおり、怪しい中年男が、その職員に何やら交渉している。手振り身振りから時間が無いから急げと中国語で言っているようにも見える。
空港の制服を着た男は、当方のバッグを開けるように言ってきて、バッグを眺めている。急ぐ様子もない。何やかやと荷物の中をゆっくりと調べて異常がないからバッグを閉めろと言ってきた。異常がないのに20分も時間を消費した。
怪しい中年男は、バッグを閉めたら急げと言って、また当方の手を引いて、出国手続きの入り口まで連れてゆき、これだけ並んでいるから、間に合わない、交渉するから400元出せ、と言ってきた。
パスポートとチケットをとにかく取り返さなくてはいけないので、おとなしく400元をだし、まず旅券とチケットをくれと言ったら、素直に渡してくれて400元を当方の手から取り上げると、当方の手を引いて、客室乗務員の通路まで案内するや否や、そこに立っていた整理係に中国語で何やら話した。
その後、怪しい中年男は、この男についてゆけと言って去った。さてその整理係は、小生を出国手続きのカウンターへ特別に案内してくれて、結局飛行機の搭乗時刻に間に合ったのだが、飛行機に乗ってびっくりした。
前方のエコノミークラスの席に空席が10席ほどあった。当方の席は後方の団体席の中央付近だった。この時騙されたことに気がついた。発券機で一席しか空いていない、と言うところから詐欺が始まっており、チェックインカウンターの女性も、荷物検査員、整理係もグルだった可能性がある。
400元をだまし取られたことになる。以前出国手続きのゲートを出た直後、空港職員に日程がオーバーしているからと、わけのわからない小部屋へ連れていかれ中国語で説教されて、その後英語で一言今から日本で手続きするのかここで違反料金を支払うのか二つに一つだと言われ500元を騙し取られた(これは詐欺だとわかっていても飛行機の搭乗時刻が迫っており、お金を支払う以外に方法が無い状態である)が、今回は手の込んだ詐欺である。
オレオレ詐欺には注意しているが、空港職員によるこのような詐欺には、十分な余裕を持って空港に行くだけではなく、隙を見せず、すべて自分で手続きを行う覚悟でいなければいけない。発券機のところでうっかりとパスポートとチケットを敵に渡してしまったのが間違いの始まりだった。中国では空港職員相手でもパスポートを渡してはいけない。
中国では、職員もこのように詐欺を働くので、対策は自信をもって行動する勇気しかない。中国では日本にいるよりも真面目に行動しなければいけない。今回は上海市内で購入した高い白酒を隠し持っていた(3本までは許されるはずだが安い酒ではないので不安だった)ところを狙われた。
15年ほど前に同僚と中国出張をしたときに、同僚が上海市内で3本ほどお酒を購入した。そして、空港の入り口の荷物検査で引っかかった。お酒をすべてそこで取り上げられた(1000元近い損害だった)のだがこれは怪しい処理である。ゆえに高いお酒を隠し持っているときにはいつも不安だった。
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大船渡(岩手)最後の夏は、不完全燃焼で幕を閉じた。花巻東との決勝で、2-12と大敗した。昨日の高校野球情報は、このニュースが一面に来ていた。
そして、お決まりのことだが、賛否両論の意見がネットに上がっていた。理由は佐々木投手を温存した監督の判断にあった。
続投が続き、腕に違和感を感じていた佐々木投手を決勝戦で使うかどうかについて、今の時代でなければ、ベンチ入りの判断にはならなかったろう。
高校野球という舞台を考慮すると、これは正しい英断である。某高校の監督は、甲子園を目指していたのだから、佐々木投手を使うべきだった、と述べていたが、これは時代錯誤の判断というしかない。
例え英断であったとしても、結果が悪い場合に批判は避けられない。それが分かっていても、ベンチ入りを命じた監督を当方は優れたリーダーだと思う。
当方は退職前、事務機の部品開発(内製化)を中途で引き継いだ。半年後には製品化という仕事だった。しかし、コンパウンドが原因で歩留まりが10%に満たないような仕事であり、内製化をあきらめ部品そのものについて外部調達という判断をすべき状況だった。
しかし、経験知からコンパウンドの問題を理解できて、混練さえうまくできれば歩留まりが上がると判断できた。
そこでコンパウンドメーカーに解決策をお願いしたところ、コンパウンドメーカーは、形式知からコンパウンドについて問題の無いことを説明し内製化技術に問題がある、と突っぱねてきた。
仕方が無いので、中古混練機を購入しコンパウンドの内製化まで行う決断をしたが、部下の課長から戦力の観点で猛反発された。
部下の課長に、外部のコンパウンダーと同等の扱いをしてもよいから、君が良いコンパウンドを選ぶように、と告げて、中途採用1名と現場の作業者1名でグループを編成しコンパウンド開発を進めた。
3ケ月後には歩留まり99%を実現できるコンパウンド技術が無事完成し、外部のコンパウンダーには状況を説明して諦めてもらった。決断で明暗は分かれる。判断を間違えないようにしたい。
今進められている働き方改革の思想を尊重すれば、部品の内製化そのものをあきらめ、外部調達するという判断が正しいのかもしれない。ただし、この判断は正しいが、コストダウンもできなければ新しい技術も何も生まれない。すなわちGDPで表現すれば0かマイナスの状態である。
3ケ月でコンパウンドプラントを作るために当方は土日返上、時には徹夜までした。明らかに働き方改革に反する判断である。また、このような働き方で成果を出しても退職前の当方は成果に見合う報酬が得られるわけではない。それが分かっていても貢献を第一にGDPの向上を目指し新技術にチャレンジして成功させた。
退職前のリーダーとして働き方改革の思想による判断が正しかったのだろう。しかし、世の中の流れや会社の風土に反した判断をしても、成功したので誰も何も言わなければ報酬も無い。判断が良かった、悪かったなどの批判も出ない。すべて何もなかったように時が流れ、2011年3月11日に最後の日を迎え、帰宅難民となり、最後の日に会社に宿泊できる幸運となった。天だけが応えてくれた。認知症になったとしても、地震が来るたび思い出す一生忘れることのない退職記念日である。
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