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2013.01/02 逆向きの推論と刑事コロンボ

刑事コロンボの推論の特徴は、犯人から逆向きの推論を行うことです。捜査の初期には、証拠集めと観察による前向きの推論を展開しますが、コロンボが犯人を疑い始めたころから逆向きの推論に切り替わります。

 

このドラマは一般の探偵物が犯人を推定するのに対し、どのように犯人を追いつめるのかという点に面白さがあり、視聴者も犯人から逆向きの推論を行ってコロンボ刑事のアクションを推理します。

 

刑事コロンボの逆向きの推論の進め方は、研究開発にも応用でき、必ず成果を出すことのできる問題解決法です。

 

ただし何作かあるドラマの中で、「忘れられたスター」では、真犯人を逮捕していません。

カテゴリー : 一般

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2013.01/01 刑事コロンボ

刑事コロンボは倒叙探偵小説のカテゴリーに属す物語です。一般の探偵小説では、警察組織の主人公ではなく探偵という職業が多いのに、探偵コロンボではなく、なぜ刑事なのか。これは、物語の進め方からくる必然性であった、と思います。探偵コロンボではなく刑事コロンボだから娯楽推理物として成功したのだと思います。

 

ピーターフォーク主演の刑事コロンボは、今でもそのイメージが鮮烈に記憶に残っています。刑事コロンボの犯人逮捕に至るその手法は、オブジェクト指向の探偵物ではなくエージェント指向だからです。問題(事件)を解決し答(犯人)に至る手法で、答から逆向きの推論を展開し事件を解決してゆきます。

 

初めてテレビ放映されたときに、いきなりツボにはまったテレビ番組で、ほぼ全作楽しみました。

 

お正月を迎え、今年の年末の状態を夢見て今年1年の活動計画を考えています。昨年活動報告を愛読していただきありがとうございます。活動報告で書きました内容は順次電子セミナー形式でデータを示し販売したいと考えています。リクエストがございましたらご連絡ください。本年もよろしくお願いいたします。

 

カテゴリー : 一般

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2012.12/31 考える技術と探偵小説

論理学や問題解決法のような考える技術が商品として生かされ、大量販売された例として探偵小説があります。探偵小説の面白さは、謎解きと探偵が犯人と対峙した時のスリルにあります。探偵小説には固定客がいるようで、数百億円も本の販売が落ち込む中、大手書店の一角には、探偵小説のコーナーが必ずあります。

 

さて、謎解きだけであれば、探偵小説にはなりません。例えば、ポーの作品に「黄金虫」という物語がありますが、これは謎解き物語だそうです。探偵小説というのは、読者も探偵と一緒に謎解きをすることになるので、単なる謎解き物語とは異なるのだそうです。確かに「黄金虫」を子供の頃に読んだ時に、謎解きをしようとして読んでいません。謎が解かれてゆく面白さを楽しんだように思います。

 

探偵小説には、謎の提示から始まり、分析・調査を経て推理・問題解決そして犯人逮捕という流れがあり、読者は分析調査結果を探偵と共有化して犯人を推理してゆくわけです。このような一般的な探偵小説以外に倒叙探偵小説という分野があります。例えば「刑事コロンボ」がそのようなジャンルの物語です。最初に事件が提示され、読者に犯人まで知らされます。しかし探偵は事件を見ていないので、その後分析・調査なり行い問題解決に至る過程を読者は楽しむことになります。

 

単なる謎解き物語との違いは、探偵と犯人との交流場面で、ここで読者には探偵がどのようにせまるのかという推理が求められます。「刑事コロンボ」でも必ず犯人から直接事情聴取する場面が出てきます。「うちのかみさんがねー」というのは、コロンボが事情聴取の時に犯人に言うセリフの定型句の一つです。

 

この倒叙探偵小説は、「刑事コロンボ」が最初ではなく、1世紀以上前にアガサクリスティーなどが登場したころにオースティン・フリーマンが「歌う白骨」という倒叙探偵小説を発表しており、これが元祖らしいです。

カテゴリー : 一般

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2012.12/30 考える技術はいつ頃大衆化したか

 本能的に問題を解いていた時代から、解く力を磨き考える技術を生み出し、多くの人がそれを活用するようになったのはいつ頃からでしょう。科学者や技術者の考える技術については、誰が最初なのかその歴史をたどることは、物理学者マッハが指摘するように困難と言われています。しかし、推論などの考える技術を駆使した著作物をその歴史の足跡と捉えるならば、例えば哲学書をたどることによりその一端を調べることもできます。

 

ただし、難解な哲学書を一般大衆が読んだとは思えませんので、それが分かっても専門家の考える技術の歴史になります。一方で哲学に分類されますが、多くの信者を擁する宗教の教えを考える技術に入れるというのは少し違和感があります。たとえ心の問題を解決できても宗教による問題解決法に汎用性はありません。例えば科学の問題を宗教では解けないからです。

 

それでは、人類が科学の問題も解決可能な解く力に関心を持ち、能動的に考える技術を日常生活の中で使おうとした時代を知るにはどうすればよいか。科学的な論理が世間で注目され、その価値を商品に盛り込み大量に売られたのは、恐らく探偵小説が最初と思われます。江戸川乱歩は、探偵小説の定義として「探偵小説とは、主として犯罪に関する難解な秘密が、論理的に、徐々に解かれて行く経路の面白さを主眼とする文学」と「探偵小説の定義と類別」の中で述べています。この定義に従う著作物であれば、本書で取り上げる考える技術の参考資料にできます。

 

そこで、探偵小説の二つのジャンル、すなわち読者に対し謎の提示から始まり探偵の捜査と推理によってその謎が解き明かされる「一般的な探偵小説」と、書き出しで読者に犯罪を見せるという探偵小説の逆の語りで展開される「倒叙探偵小説」について調べてみました。

 

探偵小説の歴史を調べてみて興味深いのは、17世紀に哲学者ルネ・デカルトの「方法序説」が発表され、1878年にフリードリヒ・ニーチェにより「人間的な、あまりに人間的な」が出版されるまでの哲学と文学が相互に刺激しながら展開されてきた時代に生まれ、発展していることです。

 

すなわち19世紀初めに有名な「モルグ街の殺人」が探偵小説の元祖エドガー・アラン・ポーにより発表され、多くの人に読まれました。続いて書かれた「マリー・ロジェの秘密」や「盗まれた手紙」を含めた3部がデュパン探偵の活躍する典型的な探偵小説として知られています。少年少女名作集などで取り上げられる「黄金虫」は、探偵小説ではなく謎解き物語というジャンルだそうですが、これも探偵小説同様に考える技術を楽しめる物語です。おそらく哲学者の道具であった難解な論理が一般の生活に浸透するのに100年以上かかったのでしょう。

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2012.12/25 何をなすべきか

「何をなすべきか」は貢献の重要性を指摘したドラッカーの言葉です。安倍政権では2%のインフレ目標を目指すという。これから20年の間に何か大きなイノベーションが起きる周期にあたりますので、このインフレ目標はおそらくその引き金になる可能性があり、未来に期待を持てます。それではどのようなイノベーションが起きるのか?

 

社会に出た35年前、Japan as No.1という本がベストセラーとなり、アルビントフラーの「第三の波」が追いかけるように登場しました。そして一気に日本はバブルの10年となりました。第三の波では情報革命が作品の中核でしたが、この35年の情報革命は大波でした。それでは第四の波は何か?

 

おそらくスマートグリッドを軸とするエネルギー革命だと思います。これまで石炭から置き換わった石油や原子力を中心としたエネルギー資源が太陽光や風力などの持続可能な自然資源に置き換わってゆくと思われます。すでにその実証実験から実用段階に移行した国もあり、日本において一気に加速するものと思います。

 

情報革命の延長線上でスマートグリッドをとらえるのか、新たなエネルギー革命の始まりとしてスマートグリッドをとらえるのか意見が分かれるかもしれませんが、日本でスマートグリッドが実現したならば、原子力発電は不要になるとも言われております。これはものすごいエネルギー革命です。しかも原子力を0にできるのはいつか?という議論もこれから活発になりますから、この話題が産業をけん引するものと思います。

 

スマートグリッドの普及は単なる電力供給だけでなく他の産業への影響も大きいです。この波の大きさを読み取り、事業へ展開することが求められていると思います。当社は来年度の企画にこの未来技術を中心にした商品を販売します。何かございましたら弊社のお問い合わせ窓口へ電子メールでお問い合わせください。

カテゴリー : 一般

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2012.12/17 選挙のシミュレーション

昨日の衆議院選挙では自民党は294議席を占め、無所属で自民党入党予定の1議席を追加すると295議席となり、事前に新聞各社が独自のシミュレーションで行った300議席とほぼ一致した。事前予測の300議席についてはS社のコラムで新聞5社が一致した数字となるのは珍しいこと、と書いていたが、投票先を40%の有権者が決めていない状況における事前の民意がそのまま反映した形である。

 

有権者の投票行動をどのように予測するのか勉強不足で説明できませんが、TVの報道では電話による世論調査が一般的である。すなわち無作為にサンプリングした有権者の意見を電話で聞くのである。サンプリング集団の値が母集団と近くなるのは、確率や統計の学問における基本であるが、今回の結果は日本人が正直なことを示している。

 

今回のようにたくさんの政党が乱立し、有権者が事前調査で皆がウソをついた場合には、事前予測は大きく外れるはずです。すなわち事前に投票先を決めていない有権者までどこかの政党をランダムに回答したならば事前予測の値は大きくずれたと思われます。面白いのは、自民党は事前予測の結果を見て、立候補者の引き締めを行ったとのこと。自民党はこの事前予測に驚いたのだろうと思われますが、小選挙区と比例代表制の選挙制度では、その選挙の第1党が有利となる結果が出やすいといわれています。

 

おそらく日本人の正直な人間性と確率統計学の進歩の結果が選挙の事前シミュレーションの精度を上げているのでしょう。弊社も来年販売に向けて30年後の技術の未来予測やパーコレーション転移のシミュレーター、高分子シミュレータ-の開発も行っています。選挙シミュレーターほどの精度をめざしたいと思っています。本日は昨晩夜更かしをされた方も多いと思われますので、車を運転される方は居眠り運転に注意してください。

カテゴリー : 一般

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2012.12/15 問題解決のコンセプト

弊社は研究開発必勝法プログラムをクライアントの研究開発マネジメント基盤に合わせてカスタマイズし、提供中です。このプログラムのエンジンである問題解決法は、逆向きの推論と独自のK0チャート、K1チャートそしてこれらをまとめ上げて実施する思考実験が特徴となっています。問題と言えば、ドラッカーの「何が問題か」というフレーズが有名ですが、彼は正しい問題を設定することの重要性を指摘しましたが問題の解き方までは提示していません。しかし、問題そのものが引き起こす問題について、多数の著書の中で述べられています。問題は解決されなければなりません。

 

さて、表題の問題解決のコンセプトは、弊社の場合について説明しますと、技術の問題であれば商品のあるべき姿を重視し、そこから逆向きの推論を展開することを重要視しています。そして分析的思考で問題解決するのではなく、商品を作り上げる創造的思考で問題解決を進めます。ここがこれまでの問題解決法との大きな違いです。

 

例えば普及し始めたUSITでは、成果が個人の能力に依存しやすいオブジェクト指向にも似た問題解決手順で分析的思考を用いて行います。苦労して問題解決を行った結果、科学的に当たり前の結果が得られた時に正しく解けた、と考えています。冷静に考えれば、この問題解決法では、当たり前の結果が出ることを期待して苦労する問題解決法である、と気が付かれるかと思います。しかし、不確実性の時代とか誰も見たことのない時代とか言われる今日の問題解決法として少し物足りません。イノベーションを期待できないからです。

 

弊社の問題解決法では、あるべき姿を挑戦的に設定すれば、新しいイノベーションを引き起こすソリューションを出すことができます。すなわち企業のイノベーションを引き起こす問題解決法が弊社の方法のコンセプトです。

カテゴリー : 一般 宣伝

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2012.12/14 割れた樹脂

昨年の話だが、あるメーカーの社長から割れた樹脂の写真が届き、この問題を解決して欲しい、という手紙が入っていた。それ以外の情報は無い。担当者を紹介してもらい、いろいろ伺ったが、要点は熱伝導をあげるために他社と同じような組成にして成形体を作ったが、他社は割れないのに自分のところは割れる、という内容です。

 

処方は20年以上前から知られている公知情報なので何とかしたい、というのが担当者の話。特許情報や分析結果から同等の材料を使用しているから不思議だ、という。あまりにも技術を軽視している、と思いましたが、対策を幾つか示し、問題解決をしました。しかし契約をしないで問題解決したためにお酒でお茶を濁すだけの仕事になりました。

 

コンサルティングを始めたばかりなので頼まれればすぐに対応します。簡単な問題から難しい問題まで、何でもこちら(当サイトのお問い合わせ)からご相談ください。実績豊富な弊社の問題解決法で迅速に対応させて頂きます。

カテゴリー : 一般 宣伝 高分子

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2012.12/13 オブジェクト指向の意味

現象をモデル化し、そのモデルを数式で表現できれば、現象のシミュレーションは容易である。エクセルで容易にグラフが得られる。現象が複雑で単純に数式で表現できない場合には、コンピューターの助けを借りることになります。現象のモデルをプログラムで表現しシミュレーションすることになるのですが、昔はDOSベースで計算結果をファイルに落とすようなプログラムを簡単に作れたのですが、WINDOWS環境では、最初にWINDOWSのデザインをしなければならない。これも適当に行えるとよいのだが、プロパティーの設定ミスがあるとプログラムが予期せぬ動きをする。

 

オブジェクト指向でプログラミングが楽になった、というが、昔ならばシミュレーションに必要な部分だけで済んだのが、今は作り始める前の準備が大変である。これも慣れれば楽なのでしょうが、プログラミングが商売では無いうえに、年に2-3回しか使わないので、操作方法を忘れてしまう。時折面倒くさくなるとPC9801を引っ張り出して、昔使用していたCでプログラミングを行う。Cはオブジェクト指向のプログラミング言語では無いが、C#を使ううちにオブジェクト指向の習慣がついて、昔よりも構造体を頻繁に作る。オブジェクト指向ではないプログラミング環境で、改めてオブジェクト指向の意味を考えました。

カテゴリー : 一般

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2012.12/09 酸化第二スズゾル

酸化第二スズは、酸素欠陥の量で、物質の抵抗が1000倍以上変化する。そしてInやSbをドープしなくとも1000Ωcm程度の導電性が出る合成条件も存在する。四塩化スズを加水分解して得られる酸化第二スズゾルは、合成条件を制御すると、1000-10000Ωcmの超微粒子が分散したゾルとなる。このゾルとラテックスを用いると帯電防止用の透明コーティング剤となる。この帯電防止薄膜は昭和35年に小西六工業で発明されたが、1991年まで見捨てられた存在でありました。

 

この技術の面白い点は、この材料を評価した誰もがダメな技術と評価していたことです。原因は2つあり、酸化第二スズゾルの粒子の導電性が合成条件により1000倍以上変化することとパーコレーション転移の制御技術という概念が無かったことである。昭和35年の特許の実施例には驚くべきこととして処理し、この2点については触れられていませんでした。

 

パーコレーション転移については、1970年前後に数学者の間で研究が盛んになりました。また、高純度酸化第二スズの導電性については、1980年ごろに無機材質研究所でその導電性と酸素欠陥の関係が研究されました。このような状況ですから、1991年まで酸化第二スズゾルが良好な透明帯電防止剤として認識されていなくとも納得できなくはないですが、昭和35年の技術は小西六工業で発明されていますから技術の伝承がどうあるべきか、という問題を抱えています。

 

酸化第二スズゾルが透明導電性薄膜に利用できる、と再発見できましたのは、ライバル企業の特許網がきっかけでした。ライバル企業はATOを帯電防止薄膜に使用していました。ただ、ATOは若干青みがかっている問題がありました。この問題について、弊社の電脳書店で販売しています「問題は結論から考えろ!セミナー」、「なぜ当たり前のことしか浮かばないのか」で取り上げている問題解決法で問題解決し、酸化第二スズゾルの実用化に成功しました。ただ、この企画立案時に調査を行い、昭和35年の特許を発見したのですが、正直申し上げますと、特許網に穴をあけるには役立ちましたが、新材料開発に対するモチベーションは少し下がりました。

 

 

カテゴリー : 一般 高分子

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