迅速な研究開発を指向した場合に、昨日の事例にありますように、担当者の立場よりも管理職の立場のほうが、確実にスピードアップできます。すなわち、万能薬の一つは、管理職がどこまでリスクを負う覚悟をするかで研究開発のスピードが決まります。覚悟をするためには管理職がリスクの全てについて見えている必要があります。そしてその対策ができていることです。実は研究開発ではリスクとスピードの関係は明確ではありません。ゆっくり推進しても失敗する時には失敗します。現代は、市場参入機会が重要でむしろスピードアップしなければリスクが高まる不確実性の時代であることを管理者は悟るべきです。
高純度SiCの開発では、半年で立ち上げることも可能でしたが、最低限の基礎データが求められました。しかし、混練プラントの建設では、最低限の基礎データも無いままにプラント建設に走りました。管理職でありました私に自信があったからです。再生PET開発では、予想外の人的ミスがありました。しかし、周囲のバックアップに助けられ何とか製品化されました。
これもスピードが遅くても発生する問題ですが突発的な想定外の事態が起きた時の対症療法は万能薬になります。万能薬の2つめは組織風土の問題があります。迅速な研究開発では、スピードアップした分だけリスクが高まる因子が必ず出てきます。それをいつでもバックアップする風土が無ければ管理者は安心して迅速な開発ができません。もちろん推進している管理者の仁徳も風土同様に大切です。単なる暴走族の管理者であれば、周囲は見放します。仁徳は一朝一夕にできない悩ましい問題です。故ドラッカーが指摘したように真摯に生きる姿勢が大切です。
万能薬の3つめは、弊社で販売している問題解決プログラムです。このプログラムでは、クライアントのご希望により、上記万能薬の内容も盛り込んで販売しています。独特のコーチングも提案しております。詳しくは弊社へお尋ねください。
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バブルがはじけて以来、研究開発のスピードアップが言われ続けているが、この20年特効薬について話題に上らない。おそらく万能薬が無いため、と思います。
ゴム会社における高純度SiCの開発では、研究シーズが生まれてからパイロットプラント建設までに1年と1ケ月の極めて超スピードの展開でした。これは世の中がファインセラミックスフィーバーのさなかで、世界初の経済的な高純度セラミックス合成法という経営にもわかりやすい成果だったから、と思います。企画および推進担当者としてキツイ毎日でしたが、経営トップのバックアップがあったために業務を何の障害もなく進めることができ、短期間で成果を出すことができた。
一方定年間際の再生PETの内装材実用化では、企画から量産まで半年であったが、これは周囲の援助の賜物でした。難燃剤無添加でUL94-V2を狙った意欲作のつもりでしたが、ここでは書きにくい失敗談があります。しかし、同僚のバックアップで何とか製品にのりましたときには、改めて迅速な研究開発とは何か、どうしたら実現できるのかが見えたような気がしました。
話が前後しますが、基盤技術など何もない中で、企画申請から設備投資決定、混練プラント立ち上げまで4ケ月というウルトラC級の開発もあります。マネージャーとして推進した成果ですが、この開発では裏ワザの連続で、社内の研究開発管理規程をどのように帳尻を合わせるか企画申請前に十分な戦略を練りました。
以上迅速な体験談を3つ例示しましたが、この3例から、迅速な研究開発を実現できる万能薬がある、と思っています。それは明日。
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アジアにおける日本の評価、特に親日的であるかどうかは極端に分かれています。先日の高分子同友会における報告会でもアンケート結果で示されていましたが、ある二か国は極端に反日的で、他は親日的です。特に旧ビルマのミャンマーは親日度が高いです。
これは先の戦争だけでなく、元寇の時代あるいはもっと古くの時代の戦争も考えなければいけないのでしょう。とにかく最も長くお付き合いしてきた国が最も反日的というのは不幸なことです。
C+1という戦略が改めて話題になっていますが、完全に生産場所をタイやインドネシア、インドに移すという案も出てきています。しかし、インフラが整っていない状況では制約があります。海外生産の悩みはともかく国内の経済活動をどうするのか、20年以上たちましても妙案が出てきません。一応就職率は改善しつつありますが、まだ100%ではありません。
今、新しい形態の農業が見直されています。また、メタンハイドレートなどの資源エネルギー分野にパラダイムの変換が必要なネタが出てきています。石油リファイナリーからバイオリファイナリーへの転換が数年前言われましたが、国内の資源見直しを進め新たな産業を興すことが急がれています。研究開発のやり方も考えなければなりません。
バブルがはじける前にステージゲート法を採用してきた企業も多いかと思います。研究開発の成功率を上げるのには成功しましたが、イノベーションの可能性は下がってきたのではないかと思います。研究開発は投資配分をうまくいやれば、ステージゲート法でなくともよいように思います。研究開発の成功率よりも研究開発投資の効率を上げることが重要と気がつきますと、ステージゲート法でなくとも研究開発管理はうまくゆきます。今イノベーションを引き起こす研究開発が大切です。
労働集約的な生産場所が人件費の安い地域へ動くのは仕方のないことです。国内では、付加価値の高い産業をどんどん興してゆく必要があります。
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昨日高分子同友会第一次東アジア化学企業調査団報告を拝聴いたしました。
この活動は、高分子同友会が1979年以来5年ごとに行っている化学企業の調査ですが、以前は先進国の調査が目的でした。しかし、今回は成長著しいアジア諸国が対象で、その第一回ということだそうです。
アセアン地区のベトナム、タイ、マレーシア、インドネシアが候補で今回はタイとインドネシアの状況報告です。
詳細内容は高分子同友会で訪ねていただきたいが、タイではPPT Global Chemicalという巨大コングロマリットが生産活動を行っており、その規模と技術に驚きました。基礎化学品の生産能力があれば20年後日本の企業はいらなくなるのではないか、と思われるような状況です。
インドネシアではPT.Chandra Asri Petrochemical社へ訪問したそうですが、ここは天然ゴムベースのABSを製造している会社で興味を持っていたのですが、詳細説明はありません。
終了後の懇談で事務局に問い合わせましたら、今回はバイオ関係のテーマは調査からはずし、基礎化学品に絞ったとのこと。ベトナムも含めこの地区の特徴はケナフやジャトロワ、そして古くからある天然ゴムという非可食バイオポリマーの産地であり、それを利用した産業が重要と思います。
しかし、研究開発力が未成熟の為、バイオケミストリーまで手が回らないとのこと。感心したのは、これだけ化学工場が活発に生産活動を行っていても、公害が起きていないことです。訪問団の感想として、日本よりも空気がおいしかったとのこと。おそらく日本をよく勉強したのだと感じました。次回は2年後。
カテゴリー : 一般 高分子
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日産自動車からスーパーチャージャー付自動車が販売され好調という。常時ターボを効かせるターボチャージャーよりも燃費が良い。HV一人勝ちの自動車業界で、燃費を改善する様々な技術が出てきている。マツダからはヨーロッパと同様のディーゼルエンジンを環境対応とする技術の提案があった。従来のディーゼルエンジンと異なり、排気ガスの浄化レベルとエンジンの振動レベルが著しく改善されているという。
燃費改善手段として、このディーゼルエンジンを選択するというアイデアは、バイオディーゼルの技術の進展と結びつけると、面白い展開になる。デンソーは藻からバイオディーゼルを取り出す技術開発を進めているが、これが事業化されるとHVよりも環境対応力が向上する。バイオディーゼルについては、ジャトロワなどの開発が進みすでに実用化され、問題も出てきた。バイオディーゼルもあと20年すれば、技術が収斂すると思われるが、単純に植物から油を搾ればよい、という問題ではなさそうである。なんでもそうだが、量産してみて初めて分かってくる問題もある。
自動車の動力について電気自動車が環境対策として本命になっているが、バイオディーゼルが普及すれば、状況が変わってくるように思われる。コードレスで充電する技術も開発されつつあるが、電気自動車の泣き所は、燃料電池以外では、エネルギーの補給に時間がかかることである。急速充電技術にも限界がある。長距離の移動体はバイオディーゼルエンジンが本命のように思われる。
あるいは小型のバイオディーゼルガスタービンエンジンを発電機として使用する電気自動車というアイデアもあるが、いずれにせよ、植物から油を経済性よく取り出す技術は、今後発展すると思います。日本は四方が海に囲まれていますから海洋植物で経済性良く油を産出する植物が見つかればメタンハイドレート並みのブームになるかもしれません。
海洋植物から油を取り出す技術は、藻から油を取り出す技術よりも長所がいくつかありますが、風力発電システムとの組み合わせプラントが、化石燃料も使わない究極のエコ技術です。
カテゴリー : 一般
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昨日ボーイング787のLi二次電池事故の記事が新聞に載っていました。今週同じ話題で書いたばかりです。ただ2回3回と事故が続きますと、福島原発と同じように技術者の良心を疑いたくなります。
35年前の新入社員研修発表会で軽量化タイヤの技術発表をした時の話です。数年前お亡くなりになり葬儀に参列させていただいた尊敬する技術者の一人、CTO(当時)から「君にとって軽量化タイヤとは何か」と問われました。すなおにスペックを応えましたら、叱られました。CTOの意図は、タイヤは命を乗せて走っている、ということを新入社員に教えたかったわけです。
すなわちスペックを満たしても、初めてのコンセプトの製品については商品にしてはいけない、とまで言われました。実地走行の安全試験を繰り返したデータが重要と、タイヤという製品の品質について厳しく教え込まれました。非科学的ではありますが、実験室で実際のノイズをすべて再現できるわけではないので安全性確保に実地試験が欠かせません。
当時オイルショックもあり、軽量化タイヤは時流に沿った製品で開発はかなり早い時期から行われていたのですが、製品化は「問題が無かったにもかかわらず」遅れます。安全試験にかなりの工数を割いたわけです。驚きました。石橋をたたいても渡らないその姿勢は、設計が全く新しい初物を製品化するときに重要であることを今更ながら思いだし、今回の事故で改めて身に染みました。軽量化タイヤの経験から、Li二次電池をジャンボ飛行機に載せるには、まだ数年必要ではないでしょうか?せめて小型機の搭載実績を積み重ねてからジャンボという手順を踏むべきではないでしょうか?
実際の製品の中で問題を抽出する手段も技術開発では時として行われます。しかし、飛行機という地に足がついていない商品でそれを行うのは、あまりにも危険です。一部の報道で低燃費飛行機として初めての技術がいくつか使われているので初期故障が起きているだけ、という説明がありましたが、事故が起きた場合には人命に直接影響するという特殊な乗り物では、その説明は間違っていると思います。飛行機という乗り物は初期故障さえ許されない乗り物である、という安全哲学こそ重要と思います。
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探偵ホームズの現代版の放送が始まりましたが、探偵ホームズの問題解決法について少し考えてみました。
探偵ホームズシリーズのほとんどの作品は、ワトソンを語り手としてベーカー街で始まり、そこへ依頼人が登場し、謎(問題)が提起されます。依頼人の説明が終わったところで、探偵ホームズとワトソンは、分析と調査に乗り出し、それが依頼人の持ち込んだ問題の解決へつながる、というパターンです。もし、最初のトライでうまくゆかない時には、ベーカー街の事務所に戻り、依頼人から再度話を聞くか推理をやり直します。
シャーロック・ホームズファン(シャーロッキアン)の好きな短編リストの上位に入る「赤髪組合」では、依頼人の相談内容が極めて不思議な相談であったため、正しい問題は他にあるのではないかと探偵ホームズは調査を進めます。しかし、それを発見した後、事件解決の準備のためワトソンと現場で別れますが、その後の待ち合わせ場所は、やはりベーカー街になっています。
すなわち探偵ホームズは、ベーカー街で問題設定し、分析的思考で推理を進め問題解決する、という現在普及している科学的問題解決方法の典型プロセスで事件を解決していきます。このような物語展開の中で、読者はワトソン役になり、探偵ホームズから提供される分析や調査の結果を基に謎を推理し考えることになります。探偵ホームズシリーズが現代でも愛読される理由は、このような一般的に用いられている科学的な問題解決パターンで話が進められている安心感と読者の「解く力」とのバランスが良いためでしょう。
探偵ホームズが、このような典型的な科学的問題解決法のパターンで事件を解決するのは、作者であるコナン・ドイルがロンドンで開業医として働いていたためと思います。すなわち作者の科学的教養の高さが、探偵ホームズに厳密な科学的論理思考をさせていたのでしょう。
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探偵ホームズシリーズのほとんどの作品は、ワトソンを語り手としてベーカー街で始まり、そこへ依頼人が登場し、謎(問題)が提起されます。依頼人の説明が終わったところで、探偵ホームズとワトソンは、分析と調査に乗り出し、それが依頼人の持ち込んだ問題の解決へつながる、というパターンです。もし、最初のトライでうまくゆかない時には、ベーカー街の事務所に戻り、依頼人から再度話を聞くか推理をやり直します。
シャーロッキアンの好きな短編リストの上位に入る「赤髪組合」では、依頼人の相談内容が極めて不思議な相談であったため、正しい問題は他にあるのではないかと探偵ホームズは調査を進めます。しかし、それを発見した後、事件解決の準備のためワトソンと現場で別れますが、その後の待ち合わせ場所は、やはりベーカー街になっています。
すなわち探偵ホームズは、ベーカー街で問題設定し、分析的思考で推理を進め問題解決する、という現在普及している科学的問題解決方法の典型プロセスで事件を解決していきます。このような物語展開の中で、読者はワトソン役になり、探偵ホームズから提供される分析や調査の結果を基に謎を推理し考えることになります。探偵ホームズシリーズが現代でも愛読される理由は、このような一般的に用いられている科学的な問題解決パターンで話が進められている安心感と読者の「解く力」とのバランスが良いためでしょう。
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1月1日ニューイヤー駅伝はコニカミノルタが優勝した。旭化成はじめ実力伯仲の中、宇賀地選手の走りが記憶に残りました。昨日の箱根駅伝では、日体大がトップで駒沢大は9位で今日駒沢大はシードを守れるかどうか応援したい。城西大と中央大の2校は健闘むなしく棄権となりました。ニューイヤー駅伝も面白いが、箱根駅伝では毎年壮絶なドラマが展開されるので緊張感という楽しみがある。
駅伝は、サッカーや野球のように特殊な技能が要求されるスポーツと異なり、単なるかけっこで誰でもできるスポーツですが、そこにもどの区間でどのような選手を走らせたらよいのか、という戦略が必要になる。選手の中には、走りたくない区間もあるでしょう。しかし、個人の希望はともかくチームの勝利に向けて与えられた区間で全力を尽くさなければならないのである。
途中棄権となった状況をライブで見ているのはつらい。テレビは選手の気持ちよりも壮絶なドラマを優先する。視聴者は倒れた選手の無念な気持ちを共有し感動する。しかしかわいそうなのは彼らである。これから一生このドラマを背負ってゆくのである。彼一人の責任ではないにもかかわらず、潰れそうになる自責の念を背負いながら人生を戦ってゆかなければならないのである。頑張ってほしい。世の中には君たちよりも大きな一国の責任を負いつつも、責任感のかけらもなく図々しく生きている大人が多いのだから、今日は明るい顔で仲間たちを応援してほしい。
福島原発の事故の責任について、昨年1年以上たってようやく訴訟が起こされました。これまでの原発行政までもその責任追及を、という声もありますが、まず福島原発の事故における個人の責任を明確にすべきでしょう。個人の責任で負える規模の事故ではありませんが、明らかに人災である以上、それぞれの役割を責任感もって果たしたかどうかが焦点です。少なくとも事故の対応状況をライブで見ていても問題のあった人がいるのに責任を表明していないのは見苦しい。
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刑事コロンボの推論の特徴は、犯人から逆向きの推論を行うことです。捜査の初期には、証拠集めと観察による前向きの推論を展開しますが、コロンボが犯人を疑い始めたころから逆向きの推論に切り替わります。
このドラマは一般の探偵物が犯人を推定するのに対し、どのように犯人を追いつめるのかという点に面白さがあり、視聴者も犯人から逆向きの推論を行ってコロンボ刑事のアクションを推理します。
刑事コロンボの逆向きの推論の進め方は、研究開発にも応用でき、必ず成果を出すことのできる問題解決法です。
ただし何作かあるドラマの中で、「忘れられたスター」では、真犯人を逮捕していません。
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