熊本地震に関する論文において、京都大学で捏造や盗用があった。中には東大の研究者の写真をひっくり返して盗用していた悪質な捏造もあったという。
それを指摘された研究者は、事実を認めたけれど、「結論は間違っていない」と寝ぼけたことを言っている。このような場合には、謝罪だけが社会に受け入れられる研究者として真摯な姿勢である。
京都大学の調査結果は、「林教授は東京大教授らが作成した地下の断層の状況を推定した図を引用したが、左右を反転させて掲載していた。地震を引き起こした地下の震源の位置が大きくずれるなど、結論を導き出す前提に問題が見つかった。防災科学技術研究所が公表している図を書き写している箇所も複数あった。」(3/27日経電子版より)
科学では結論を導き出すための論理について厳格でなければ結論の信頼性がゆらぐ。調査結果は単なる不注意ではないと認定した結果と思われるが、研究者に対する厳しい処分が必要である。
この場合に研究者が指導者であった場合には、その後の発言内容も含め降格もしくは退職勧告をアカデミアはすべきだろう。企業同様の厳しい対応をしなければアカデミアを守ることができない。
約30年前になるが、学位を出すから生データを見せてほしい、と言われ、生データを渡したところ、当方を第二著者として論文を書いた失礼なアカデミアの研究者がいた。
大変良くできた研究だから論文として早く発表すべきなので書いてあげた、第二著者でも学位論文に影響は無いから、と訳の分からないことを言っていた。
アカデミアには昔から常識はずれなおかしな研究者がいる。それだからアカデミアだ、という方もおられるが、今は、アカデミアにも社会常識が要求される時代である。だから論文捏造に対しても厳しくなってきた。
STAP細胞事件では学位取り消しになっている。ちなみに、論文を勝手に出された当方は、奨学寄附金も要求されたのでその大学に学位審査をお断りし、スタッフがそろっていて高純度SiC合成法はじめ新概念のプロセシングを正しく審査できる中部大学で、審査料8万円だけで学位を取得している。
かつては学位審査にかこつけた悪質バーのような国立大学もあった。今は国際的な大学の格付けが発表されたりする時代である。不祥事の対応は重要である。
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ドラッカーは、20世紀に人間の寿命が組織よりも長くなった問題を指摘している。
すなわち、昔は平均寿命が短かったから、企業を退職して10年から20年で人生を終えることができたが、今や人生100年時代である。
65歳で定年退職してから、まだ35年も生きてゆかなければならない。70歳定年制が議論され始めたのは、単なる労働人口の問題だけでなく、人生が長くなった問題も含んでいる。
イチロー選手が引退したからと言って野球をやめるわけではない、といった発言はサラリーマンに参考になる。彼はさらに、明日も忙しく運動をしているでしょうね、とも発言している。
亡父は100歳で死ぬまで読書を続けていた。また、郵便局のポスター書きを80歳前後までしていた、と話していた。
たいしたお金にはならない仕事でボランティアだったが、それでも体が動く間は社会に貢献したい、という思いだったのだろう。
ドラッカーは知識労働者の寿命が長くなる問題を社会問題として提起していたが、自分の強みを組織の中で見いだせることが重要とその一方で語っている。
すなわち、組織で働いている間に自己の強みに早く開眼し、それを人生の中心にすえることが人生100年時代に重要になってくる。
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先週末のイチロー選手の引退会見における発言には、よく考えるとサラリーマンに参考になる考え方が多い。
野球というスポーツは個人のスキルの優れていることがチームにとって大きな貢献をもたらす特徴がある。
他の多くの集団スポーツでは、ある一定の水準以上のスキルを持った選手が集まった場合にチームワークの強いチームが勝利の確率が高くなる。
野球ももちろんチームワークは重要だが、ずば抜けた力量のピッチャーや4割を打つようなバッターが一人おれば、勝利の確率は高くなる。
企業活動は野球に似たようなところがあるので、一時期企業研修にプロ野球関係者がもてはやされた時代があった。
イチロー選手の発言のなかで特に今の時代のサラリーマンに参考になるのは、「引退したからと言って明日から何もやらないわけじゃない、明日も野球をやっていますよ」という発言である。
ここでイチロー選手が今回の引退を野球選手の引退として捉えていない考え方に気がつく。
シーズンを戦う野球選手を引退しても、それは野球選手を引退するわけではなく、自分の人生すべてが野球選手、という自信すら彼の発言から感じることができる。
現代の労働者は知識労働者、と指摘したのはドラッカーだが、会社を退職したからと言って、知識人でなくなるわけではない。
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世界選手権が土曜日に終了し、昨日はエキシビジョンが行われた。今回の世界選手権は、結果の話題に事欠かない。
日本人女子選手は、残念ながら3位以内に誰も入れず、男子は羽生選手が銀メダルで終わった。
日本開催にしては少し寂しい結果となったが、新陳代謝の激しいフィギュアスケートの世界では、日本スケート連盟の思い通りにはなかなか進展しない。
女子フィギュアスケートも4回転時代が到来し、4回転が飛べない選手として優勝したザギトワは、16歳にして引退を考えることもできる。
何も引退をしなくてもまだ戦える、という人がいるかもしれないが、それは選手本人が考えることである。
おそらく当方がザギトワならば4回転にチャレンジする道を選択するだろう。しかし、彼女は16歳の少女でこれから体形変化でジャンプに苦しむ年齢になる。
さらに、厳しいチャレンジの道を歩む必要もないほど彼女はすでにトップスケーターに必要なすべてのタイトルを16歳にして獲得している。ゆえに未練なく引退を選ぶことができる。
同様の理由で、今回負けた羽生選手についてオリンピックで金メダルを取った時に引退の話題が出たりしている。
ところで、彼についてファンは今回の結果を残念に思う必要は無い。彼のこれまでのキャリアと年齢、そしてケガの状態から、もし今回優勝していたら引退を言い出していたかもしれないからだ。
おそらく彼のチャレンジ精神により今回2位という成績で引退を考えないだろうから、来シーズンも羽生選手とネイサンチェンの戦いを見ることができる。
ライバルのネイサンチェンは、「幸いにも今日はくまのプーさんもリンクの片側に寄っていたので、ウォーミングアップがしやすかったです。」と挑発的な発言をしている。
おそらく羽生選手は、この発言を聞き、来シーズンはスケートリンクをクマのプーさんで埋め尽くす決意をするかもしれない。
勝負について日本人には残念だったかもしれないけれど、そこから来シーズンを予想すると夢を持てるかもしれない。
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昨日は金曜日夜中に行われたイチロー選手引退会見のニュースが多かった。その中で、「引退おめでとう」という記者の挨拶がイチロー選手に対して失礼かどうか、という議論があった。
意見の一つに、欧米では日本の様な最後という意味よりも新しい門出の意味が強い、という説明があった。卒業も同様だから、忌み嫌う言葉ではなく、祝福のおめでとうがふさわしい、という説明は何となくもっともらしい。
当の本人は、引退したからと言って野球をやめるわけではないのだから、という発言をされていたそうなので、外野のこのような意見はどれも不適切と思われる。しかし、議論の中で展開されていた意見が面白かったので全部読んでみた。
読み終えてみると、クビになったのではなくイチロー選手が自ら決めたのでおめでとうがよい、という意見が今回は妥当なのかもしれない、と思えてきた。
人生の最後である死以外は、何でも自分で最期を決断することができる。他人に引導を渡されてから決断するよりも自分ですべて最後を決めたほうが気持ちの良い人生をおくれる。
しかし、現代はサラリーマンでさえも定年まで勤めあげることが難しく、定年の前に肩たたきがあるような時代である。
野球選手であれば自由契約と言われるケースが多いので、その前に引退を自分の意志でイチロー選手は決めることができたのだから「おめでとう」で失礼ではないだろう。
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今年の1月にニコンの新製品フルサイズミラーレス一眼を購入した。ソニーが開拓したフルサイズミラーレス一眼の市場に昨年キャノンとニコンが歩調を合わせたように参入している。キャノンとニコンの新製品をカメラ店で比較してみたが、明らかに両者の戦略の違いが新製品に現れていた。
撮像素子も生産しているキャノンは手堅く普及版もそろえての市場参入である。ニコンは、レンズを取り付ける新マウントを他社のどれよりも大きく小型化が難しいサイズで設計し、ミラーレスを高性能カメラとして位置づけて参入してきた。
Z6とZ7がその新製品の名称だが、この2機種は撮像素子だけの違いである。そして驚くべきことには、「made in JAPAN」という刻印が両製品になされている。これだけでもニコンの力の入れようが伝わってくる。
これだけ気合が入っているのに、カメラ雑誌2社は、キャノン、ニコンの両者がまだソニーのミラーレスに追いついていない、と評価していたのが気になり、ニコンのZ6を業務用に購入してみた(注)。
店頭品を見た限りではその品質が3社互角のように思えたので、雑誌の評価を参考にその差を見てみた。どうも雑誌の評価は間違っているように思えてきた。
Z6のカメラとしての完成度は極めて高い、というのは当方の評価だ。例えば雑誌では互角となっていたが店頭品で気になったのはファインダーの見えやすさ。これは、ソニーのファインダーよりもニコン製は良い。3ケ月使ってみたが、ピントの山が大変わかりやすいのだ。D3の光学ファインダーよりもわかりやすい。
また被写体の明るさの変化に対して、店頭で確認したソニーのファインダーは不思議な変化をしたが、Z6のファインダーでは自然な変化である。また、連続撮影における見えやすさになるとニコンに軍配が上がると思う。
昨日は、マクロレンズを使用したかったので純正のマウントアダプターを取り付け、そこへ「AF-S MICRO NIKKOR 105mm 2.8G」を取り付けた。そこで新たな発見をした。
驚くべきことに、カメラの絞り表示が3になるのだ。レンズのF値は2.8なのでここは2.8と表示されなければいけないはずである。レンズキャップをつけたまま絞り値をあげたら3.2となった。絞りを絞ってゆくと順調に値が大きくなるが、下げてきてびっくりした。3.2から下がらないのだ。
もう一度スイッチを切り、レンズを取り付けなおしてみたら、やはり3から始まった。早速サービスセンターにこの症状を尋ねたら、最初修理センターではなく、カスタマーセンターに連絡してくれ、と言われたので、先日修理から戻ってきたカメラの不具合だ、と説明したら、ようやく対応してくれた。
対応は良かったのだが、新製品の知識のない担当者で状況を説明するたびに待たされる。結局原因を社内で調査するとなって返事を待っていたら電話担当のお姉さんではなく、落ち着いた声の二枚目から電話がかかってきた。
その男性の説明では、最新のカメラではセンサーに到達している光量から計算される絞り値をカメラで表示しているとのこと。すなわち絞り優先オートで撮影するときに、絞り値を設定しても焦点距離が変われば光量が変化するので実絞りも変化しており、その演算された値をカメラに表示しているという。
その変化量が小さいレンズでは標示される絞り値は見かけ上変化しないので気がつかないが、マクロレンズではレンズの動きに対して光量が大きく変化するので絞り値もその動きに合わせて大きく変化するのだという。
だからマクロレンズであれば無限大の距離に合わせれば、絞り値はレンズのF値と同じになる可能性がある、とその男性は丁寧に説明してくださった。
D3を長年使ってきたが今回の様な変化はしなかったので、そのことも質問したら、D5では、Z6と同様の動作をするので、古いカメラでは演算処理が入っていない可能性があるとのこと。
最新カメラ、おそるべし。ただし、レンズの使用法11ページには、カメラは設定したF値を保つように、自動で絞りを調整すると書いてあるのだが困った。
(注)店頭品をいろいろ調査してみても幾つかの点で雑誌に書かれた評価にはならなかった。例えばZ6とZ7はグリップの握り感も含めてデザインの完成度が高い。フルサイズミラーレス一眼は、これまでのカメラとマウントに互換性が無いので、当初安くなったソニー製を購入しようと考えていた。しかし、雑誌の評価と店頭品の印象が大きく異なり、当方の評価はニコン>>ソニー>キャノン=ルミックスであった。これは個人の感想だが、4社の製品を実際に同時に触れてみると、値段は高いがニコン製品に軍配が上がると思う。撮像素子はともかく、デザインやファインダー、撮影後の映像の見えやすさなどは店頭でもその差がわかる。お得感はキャノンだが、長く使用する観点では、物欲を盛り立てるニコンとなる。ルミックスも悪くない印象だったが将来性に不安が残った。この3ケ月このZ6でいろいろ撮影してみたが、ストロボシューのバネが飛び出した初期故障以外満足している。仕事用カメラとして今後はZ6を使うことになる。
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セラミックスや金属材料は、おおざっぱに言えば結晶でその物性が決まる。非晶質であるガラスについては、長い間研究されてきたが、結局非晶質体それぞれの組成に応じた研究が展開されている。そして非晶質体の組成が分かると、物性予測がほぼできるところまで科学のレベルは来ている。
ゆえに結晶を非晶質相でかためたセラミックスでも結晶と非晶質相の組成が分かるとほぼ電気物性ならば予測がつく。力学物性ならば、欠陥の有無や分布からおおよその予測がつく。
しかし、高分子材料では無機材料のようにはいかない。無機材料でも実際は先に述べたような簡単な問題ではない、と言われる研究者がおられるかもしれないが、高分子材料とセラミックスの両方を研究した経験から、予測の困難さでは、高分子材料がセラミックスよりもけた違いに困難である。
例えば高分子材料の結晶について知見が得られたからと言って、その電気物性まで予測できない。不純物の影響や、高分子非晶質相の影響がかなりあるからだ。無機材料にも不純物の影響はあるが、高分子材料では不純物の影響の規則性や再現性までない。
無機材料の結晶に不純物をドープして格子欠陥を造ることができて、その電気物性を計測し、格子欠陥から電気物性を論ずることは比較的容易だが、高分子では、静置場でできる結晶はすべて球晶であり、その球晶の構造は、ラメラと非晶質相の集合体で何が何だか分からなくなる。
結晶成長の速度論すら無機結晶のようにきれいにいかない場合が多い。エチルシリケートとフェノール樹脂で均一に混合されたシリカとカーボンの前駆体を製造し、それを用いてSiCの結晶成長の速度論を展開すると、反応の最後まできれいにアブラミ式に載る。
これは当方の学位論文の半分を占めている成果なので希望者には学位論文の要約を掲載した機能材料の別刷りをお渡しできる。この別刷りに書かれたグラフのきれいな直線を見てほしい。しかし、高分子の球晶についてアブラミ式で解析すると途中で直線がおかしくなってくる場合がほとんどだ。
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ニコンというカメラメーカーからデータ入力機器としてのカメラ、そしてそれを活用するソフトインフラの提供という新商品が生まれてこないのは理解できるが、キャノンから提案されてこないのは、キャノンという会社の風土によるのかもしれない。特許がいくつか出ているので、それを事業として育てられない風土なのかもしれない。
デジカメ全体の市場がシュリンクする中で、カメラメーカーの動きを見ていると面白い。かつて銀塩フィルム市場はデジカメの性能向上につれ小さくなり、今国内で写真フィルムを生産しているのは富士フィルム一社だけだ。その富士フィルムの主力事業は化粧品である。
フィルム市場は縮小したが、写真をプリントアウトし、それを鑑賞するという文化は健在であり、まさか写真フィルム事業同様にカメラ市場そのものが減少するとは思われない。現在の一眼レフカメラで撮影できるボケとヌケの良い画像は、絶対に携帯デジカメでは撮影できないからだ。ソフトウェアーでボケを導入する手法も生まれているが、まだデジタル処理を多用しても追いつけないレンズ特有の描写感が勝っている。
光学技術はすべてソフトでシミュレーション可能な時代であるが、自然をそのまま写した画像には迫力がある。デジタル処理が普及しても、被写体のテーマまでも大きく修正することは不可能であるし、それをした場合には写真ではなくなる。
ゆえに入力機器として高性能カメラは今後も生き残ってゆくと思われるが、高性能カメラをカメラとしてみている限り、その市場は大きくなることはない。しかし、高性能カメラがインターネット入力機器として主体性をもち商品価値を大きく変えたなら話は別である。
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携帯端末にカメラが付いた商品が低価格デジカメの市場を奪うことができたのは、携帯端末カメラゆえの制約からくる光学性能を補う技術まで開発されたからだが、インターネットとシームレスに機能がつながっていた点は、カメラにない大きな利便性である。
しかし、カメラメーカーは、ただデジカメ市場が奪われるのを見ていただけで、カメラ技術で携帯端末カメラの市場を侵食しようとはしなかった。携帯付カメラという商品が10年ほど前に登場し話題となったが、カメラの性能が携帯端末カメラと大差がなかったので、当方は商品スペックを見て笑ってしまった。
なぜ10年ほど前にインターネットとシームレスにつながる高性能ミラーレス一眼が開発されなかったのだろうか。さらに、そこで写真文化を展開する商品が企画されなかったのは不思議である。ただ、これは10年経った今ニコンがフルサイズミラーレス一眼の市場に出てきた戦略から理解できた。
ニコンはフルサイズミラーレス一眼をカメラの最終完成形と位置づけ、高性能レンズをラインアップして参入してきた。発売されたズームレンズの性能は過去の単焦点レンズと比較しても遜色のない性能で、専用の単焦点レンズは過去の単焦点レンズよりもボケがすばらしい。
おそらくニコンにとってカメラは写真を撮る道具であり、カメラ以外の機能が付いた商品はすべて新規事業とみなされるのだろう。これではこれからの時代に生き残ってゆくのは大変である。カメラが趣味の当方は、10年以上前にカメラを使った新規事業アイデアを思いついたがカメラ資産をソニーに売却した会社ではそれを実現するのは難しいと思い、そのまま温めて現在に至っている。
当方の在籍していた会社は、有機EL照明事業に力を入れおり、この事業に反対していた当方の立場では新事業提案をしにくかった。すでにインスタグラムで実現されたように、インターネットには、映像機器にとってとんでもない大きなマーケットの可能性がある。カメラはそのデータ入力機器である。カメラとインターネットとが一体となった新事業の可能性は大きい。
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中規模以上の企業で新規事業を開始するときに、まず経営陣で目標が合意されていることが必須である。そして、全社員でその価値が共有化されている必要がある。そうでなければ新規事業担当者は社内で起業の苦しみ以上の悩みを抱え込むことになる。
すなわち新規事業を成功させるためには、その価値を全社員認めていることが重要である。企画はどうであれ、まず新規事業を起業しようとする風土のない環境で本業と異なる事業、あるいは、今では当たり前となったが自動車会社で電気自動車を開発するといった本業を革新するような事業でさえもそれを成功させるためにはイノベーションを受け入れる風土が不可欠である。
例えば、フルサイズのミラーレス一眼の市場を見ても明らかなようにその市場を育てたのはソニーというイノベーティブな風土のある企業で、一眼レフカメラで二強のキャノンやニコンは出遅れて昨年末ようやくそのマーケットに進出している。それも、一眼レフの市場が明らかに侵食されはじめてからである。
おそらく技術力のあるキャノンやニコンはもっと早くフルサイズミラーレス一眼の分野に進出して一眼レフとは異なる市場を育てる様な戦略を打てたはずであるが、ニコンであればニコン1という中途半端なミラーレス一眼を市場に投入しただけであり、その機種についてはすでに開発をやめてしまった。
デジカメの市場は、携帯端末によりそのマーケットを侵食されたと言われている。確かに携帯端末のカメラの映りはデジカメの初期の性能を上回っている。しかし、携帯端末にはその電話という機能からくる大きさの制約があり、光学性能については今や頭打ちである。
しかし、インターネットではインスタグラムという写真を楽しむ市場が生まれ、プロ並みの写真が数年前よりアップロードされるようになった。それらの写真の多くはソニー製ミラーレス一眼で撮影された写真が多い。
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