20日の(8)でカオス混合装置の仕組みを説明したが、このような簡単な仕組みならば特許にならないだろうと思ったら、公知ではなかった。
もっとも当方も指導社員の宿題を30年以上考えて思いついたのだから、特許が出ていなくても不思議ではない。
当方がどのようにして思いついたのかは30日のセミナーでお話しするが、偶然の出来事である。誰でも注意しておれば気がつくような単純な内容だが、やはりアイデアというものは、どこか頭の隅に種(暗黙知)が無いと思いつかないものである。
指導社員に教えられ、いろいろ実験を行い、沈思熟考を繰り返し、そしてある時偶然思いつく。良いアイデアとは努力の積み重ねから生まれる。
アイデアマンというと気楽な呼称に聞こえるが、実はアイデアを出すための日々の仕込みが重要である。よく何でも興味を持って眺めるように、という人がいるが、今時そのような行動を街中でとると職務質問されたりする。
実際におまわりさんの職質を受けてみると落ち込む。怪しい人間ではないつもりでもお巡りさんから怪しく見えたのだからその行動を反省しなくてはいけない。
それからというもの、秋葉原以外ではきょろきょろしないことにしている。秋葉原では、挙動不審以外に風貌の怪しい人などいっぱいいるから安心である。
年をとっても不思議なことにこのような仕込みで頭に入れた記憶は失われない。昨日妻に頼まれた買い物はまれに忘れる話を書いたが自分の興味のある内容については忘れるどころか情報がどんどん取り込まれそれが自然に整理され、取り込んだ情報よりも多くなって蓄積されることもある。
一を聞いて10を知るとはこのことかもしれないが、情報が知識に加工される過程をこの言葉は表現したのかもしれない。若い時にもこのような瞬間を味わった経験があるが、年を取ってからはそれが多くなったような気がする。おそらく暗黙知が外部刺激により経験知に代わっているのだろう。
大学4年の時に故石井先生の博学ぶりにびっくりしたことがあるが、それは年のなせる業かもしれない。また先生の言われた知識が形式知と思っていたら教科書には書かれておらず、改めて相談して経験知であることを教えられアカデミアの先生でも経験知を大切にされていることを知った。
この先生のもとで技官をやっておられた福井先生から石井先生の40過ぎに自ら留学を決意された話を伺い、40にして惑わず、と言った孔子より凄いと感じた。本来なら劣っていると感じるところかもしれないが、知というものを追求するのに年の上限は無い、とその話を理解したためだろう。
亡父も死の間際まで勉強をしていた。今認知の問題が話題になっている。年を取れば老化があるから認知の衰えも仕方のないことかもしれない。しかし亡父は無くなるまで当方を叱り続けていた。亡父の指摘は時には誤解も多かったが転職してからありがたいと感じるようになった。その当方の年は孔子が惑わなくなった年齢である。
40にして惑わず、とは、孔子が学を大成した年齢とされるが、当方の人生観からするとこれは間違っているような気がしている。当方の存じ上げている多数のアカデミアの先生は皆老人になられているが、とても「惑わず」とは思われない先生も多数いらっしゃる。また情報化時代の今日にあって40で惑わない状態は時代についていけない状態となることを意味する。
今AIが話題で、人間の仕事が奪われる暗い未来が描かれたりするが、暗黙知をAIに搭載することは難しいし、AIが暗黙知を持つようになるとは思えない。なぜならもしこれをAIに搭載することに成功したとしても暗黙知の制御技術を搭載することなどできないから、AIの暴走を恐れ実用化しないだろうと考えられる。ターミネーターを容易に作ろうと考えてしまう未来など想像したくない。
カテゴリー : 高分子
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オブジェクト指向の言語で初めて学ぶのに何がよいのか、という問題に関して、C#を勧める、としてこの連載を書いてきた。
記憶が正しければ、型の話まで説明してきた。プログラミング言語の文法書は分厚いものが多い。C#の文法書もそれなりの分厚さで、まずその厚みに圧倒される。
しかし、ポイントを把握しておれば、本の厚みを恐れることは無い。前回まで続けて書いてきて、その後ほかの話題を書いていたためにしばらく忘れてしまっていた。
実は、C#について、オブジェクト指向の概念を理解したら、型のところまでを十分に勉強すると後が楽になる。構文についてはそれほど難しくない。
とにかく型というものがどのような種類があり、どのように定義されているのかをよく記憶しておくことだ。構文については自然と頭に入るが型についてはすぐに忘れたりする。
特にC#の言語以外を使っていた人は、C#特有の型を丁寧に記憶することだ。年をとるとこの記憶という作業が大変になる。仕事ではC#のこの説明のように対策をとっているが、少し甘えが気持ちにあると大変だ。
朝家を出るときに妻に言われた買い物をお昼に戻るときに忘れていることがたまにある。頼んだほうも忘れているから、昼食の準備を始めるまで思い出さない。
準備を始めてマヨネーズが無かった、ソースが無かった、となる。年をとってよかったと思うのは、このようなときに二人とも思い出さないから、あとで買ってこようとなって、夫婦円満に過ごすことになる。
このように忘れるリスクを常に考えているので、常用するパソコンのデスクトップは大変である。備忘録が、そこかしこに転がっている。アサイチの仕事の習慣は、この備忘録をごみ箱に捨てることから始まる。
さて、C#の型だが、プログラミングをしているときにエディターに便利な機能があるので忘れても大丈夫である。ただ、慣れるために一度はすべて記憶してみることをお勧めする。このすべてを体系立てて一度記憶する作業の効果は年を重ねるにつれ現れてくる。
知をどのように身に着けたらよいのか、知をどのように伝承したらよいのかという話になるが、このあたりもコンサルティング可能である。実際に当方の指導を受けたらアイデアが出るようになった、という感謝のメールをいただいている。
カテゴリー : 一般 連載
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木曜日まで急な中国出張で日本のニュースを見ていなかったが、17日の少し気になるニュースを見つけた。
「安倍首相は17日の未来投資会議(議長・首相)で、プログラミングなどに関する「情報科目」を国語や英語と並ぶ基礎的科目として大学入試に追加する方針を表明した。」という読売新聞電子版の記事である。
この記事ではさらに、「人材不足が指摘される情報技術(IT)分野で優れた人材を育てるのが狙い。政府は大学入試センター試験に代わり2021年に始まる「大学入学共通テスト」で、25年1月から情報科目を導入することを想定している。」と続き、大学入試で全員にプログラミング能力を求めるような事態になっている。
その理由として、「首相は会議で、AI(人工知能)や情報処理に関して、「これからの時代の『読み・書き・そろばん』(にあたる基礎的な技能)だ。文系、理系を問わず理数の学習を促していく」と述べ、林文部科学相に改革案の検討を指示したという。
情報処理能力が現代の必須能力であり、基礎的技能としてプログラミングが必要というのは同感である。当方も上京し秋葉原を散策する習慣がついたころからそれに目覚め、独学でCやC++をマスターしている。
しかし、大学入試にこれを求めるのは、少しおかしいような気がしている。昔そろばんが基礎的な技能として求められたが、大学入試まで全員にその試験が行われた話など聞いたことが無い。
プログラミング技能をそろばんのように身に着けていたほうが良いことは常識であるが、その能力を大学入試で確認する、というのは大学入試の目的から少し外れているようで違和感を覚える。
あたかも義務教育における性教育の成果を大学入試で確認するような感覚といえばご理解いただけるかもしれない。大学入試の問題がどのような内容となり、またその内容で受験者の「本当の能力」をテストできるのか。
情報処理能力というものは、必要と感じなければ、すなわちそれをしたいと目覚めなければ、発揮されないものだと思っている。プログラミングの手を決めてそれを知っているのかどうかなどテストしても意味が無い。
当方は小学校入学前に「読み、書き、そろばん」を学ぶために書道塾とそろばん塾に通わされたが、プログラミングもこのような学び方をする科目のように思う。もし希望される親御さんがおれば、小学生向けワンコインプログラミング塾でも開いてみようか?
ちなみに、高校生になった時には電卓が普及し、そろばんなど不要になった。また毛筆など使う機会も無くなり、せっかくの身に着けた技能が無駄になった。ただ、いまだに暗算ができるのはそろばん技能のおかげかもしれないので両親に感謝している。
カテゴリー : 一般
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この3ケ月間に下記講演会が予定されております。弊社主催ではございませんが、割引価格でご提供できますのでお問い合わせください。
記
1.伸張流動に関する講演会
(1)日時:2018年5月30日(水)10:00-17:00
(2)場所:<東京・五反田>技術情報協会セミナー
(3)主催:技術情報協会
(4)参加費:弊社へお申し込みの場合には56,000円
(5)4人の講師による講演会です。当方はカオス混合について講演いたします。
2.その他
(1)ゴム樹脂の混練技術に関する講演会
日時:2018年6月15日(金)10:30~16:30
(2)デザインに配慮した樹脂設計
場所:中国上海
日時:2018年6月29日
(3)シリコーンポリマーに関する講演会
場所:台湾
日時:2018年9月11日
カテゴリー : 学会講習会情報
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「頭のいい人ほど成果を出せない。間違った問題を正しく解いて満足しているからだ」というのは故ドラッカーの言葉で、彼は目の前に遭遇した問題を前にして、いきなりその問題を解き始める頭のいい人の行為を批判している。そしてもし何か問題を前にしたならば、その問題にとらわれることなく落ち着いて「何が問題か」をよく考えろ、と言っているのだ。
女子レスリングで起きたパワハラ問題や、財務省事務次官のセクハラ問題では、責任を問われていた人が、その責任を正しく理解するまでに時間がかかっただけでなく、その周囲の人たちも正しく問題を捉えることができずに誤ったコメントを出していた。
そして今回は日大のアメフト問題である。この問題では、事件の詳細がTVで何度も報道され、また日大の監督やコーチのインサイドのビデオ情報まで飛び出し、社会問題化しただけでなく、それを見た国民の多くが何が問題かを正しく見極めたため、珍しく日大監督を擁護する意見が彼の周辺以外からは出てきていない。
女子レスリングの問題でも財務省事務次官の問題においても、第三者の一部で問題を正しくとらえることが出来なくて当事者を擁護する意見が見られたが、今回のアメフト問題では、情報が早期にすべて出されたので、さすがに日大アメフト監督を擁護する発言を第三者がしにくい状況である。
それでもまだ日大側では正しい問題が見えていないためなのか、正しいアクションがとられていない。とうとう反則を行った選手本人から真相が語られるに至った。そして、その真相がビデオで明らかにされていた通りなので、この選手への批判よりも真相を語った勇気をたたえる意見が多い。
しかしここで多くの人に、「なぜ、反則をした選手が真相を語っても日大側や監督がその真相を認めたうえでの行動をとらないのか」という疑問が出てくる。当方はこの疑問についておおよその推定がついている。おそらく日大の監督やコーチは、被害にあった選手がけがをしたくらいでどうしてこのような大きな騒ぎになったのか、という新たな誤った問題を設定しているのかもしれない。
実は組織で発生する問題について、このような誤った問題を解き続け、なかなか正しい問題を設定できない状況というのは起こりやすい。その結果事態を収拾できなくなるケースがある。故ドラッカーは、その解決策を提言しており、参考になる。もし、組織の問題でお困りの方はご相談ください。
カテゴリー : 一般
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この3ケ月間に下記講演会が予定されております。弊社主催ではございませんが、割引価格でご提供できますのでお問い合わせください。
記
1.伸張流動に関する講演会
(1)日時:2018年5月30日(水)10:00-17:00
(2)場所:<東京・五反田>技術情報協会セミナー
(3)主催:技術情報協会
(4)参加費:弊社へお申し込みの場合には56,000円
(5)4人の講師による講演会です。当方はカオス混合について講演いたします。
2.その他
(1)ゴム樹脂の混練技術に関する講演会
日時:2018年6月15日(金)10:30~16:30
(2)デザインに配慮した樹脂設計
場所:中国上海
日時:2018年6月29日
(3)シリコーンポリマーに関する講演会
場所:台湾
日時:2018年9月11日
カテゴリー : 学会講習会情報
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カオス混合装置については、新入社員時代の指導社員から教えられた、と過去に書いたが、指導社員の出身校である京大から偏芯二重円筒を使ったカオス混合のシミュレーションが20世紀末に発表された。
この偏芯二重円筒は、シミュレーションに用いることができるが、実際の樹脂の混練では汎用化が難しい。同じころにウトラッキーのEFMという伸長流動装置が発表されている。
EFMの問題は鋭利のスリットへ何段も樹脂を流さなければならず、生産性が悪いのであまり使われていない。
このEFMは伸長流動だけ考えているためにこのような設計になったが、カオス混合の急激な伸長と折り曲げの機構を実現するにはEFMのような構造ではなく、細いスリットと広い空間の組み合わせ構造のTダイを用いればよい。
細いスリットを通り広い空間へ流れ出た樹脂は、自然と折れ曲がる性質がある。水の様なサラサラな流体では、広がって流れるが、粘度の高い樹脂では広がることができずに折れ曲がる。
すなわち、並行あるいは非並行の平面に囲まれた細い長いスリットと広い空間の組み合わせでカオス混合を簡単に実現できることになる。この成果について今月末に講演するので、参加ご希望の方は弊社へお問い合わせください。
カテゴリー : 高分子
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面白い記事を見つけた。2018年5月16日プレジデントオンラインである。
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180516-00025103-president-soci
「小保方晴子氏を信じる困った人たちの共通点」とタイトルされた記事である。この記事では、アマゾンの「カスタマーレビュー」という書評を通じてタイトルの解析を行っている。著者はアカデミアの方で解析内容に思わずうなずくとともに「本」の力の大きさを改めて知った。
今全国の書店は経営が苦しく、廃業者が増えているそうだ。インターネットで書物を購入する習慣が普及してきた影響であるが、当方は未だに本をインターネットで購入する気になれない。本は「本屋」で買う派だ。
本は立ち読みして読みたい本を買う習慣をしてきたのでとてもインターネットで購入する気になれない。インターネットでも立ち読み機能あるいはそれに準じた機能が存在する。「カスタマーレビュー」はこの機能を見かけ上便利にしたネット時代の産物である。
この便利な機能があったとしても当方は必ず書店に足を運ぶ。自分の頭で確かめたいからだ。すなわち時代を逆行している。今は本屋で立ち読みしてインターネットで少しでも価格の安い本を買う時代だそうだ。だから本の売り上げの落ち込みよりも書店の廃業の伸びの方が大きくなる。
他人の書評は参考になり、それが便利だからインターネットが利用されている、というのであれば健全であるが、少しでも価格が安いことが活用の同期になっているのは残念である。これでは本屋はたまったものではない。
そんな消費行動が影響したのか、立ち読みを禁止している書店も登場している。しかし、これは自分の首を絞めているようなものだ。本は本屋で立ち読みしてから購入する、と信じている当方のような消費者の足も遠のいてしまう。
そもそも本というものは、単なる情報媒体ではない。カタログ本であったとしても著者なり編集者の「知」に触れる場である。だから、他人の書評だけを頼りに本を購入する動機にはならない。一度その場の見どころへ行ってみて購入するかどうかを自分の頭で考え決定したい。
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この3ケ月間に下記講演会が予定されております。弊社主催ではございませんが、割引価格でご提供できますのでお問い合わせください。
記
1.高分子材料の難燃化技術と配合設計・プロセシング
(1) 日時:2018年5月18日(金)10:30~16:30
(http://cmcre.com/archives/32842/)
(2)本セミナーでは、高分子の難燃化技術について解説するとともにカオス混合装置の効果や、弊社から出願した特許技術の説明など同種の他の講師によるセミナーとはご紹介情報の質が大きく異なります。
2.伸張流動に関する講演会
(1)日時:2018年5月30日(水)10:00-17:00
(2)場所:<東京・五反田>技術情報協会セミナー
(3)主催:技術情報協会
(4)参加費:弊社へお申し込みの場合には56,000円
(5)4人の講師による講演会です。当方はカオス混合について講演いたします。
3.その他
(1)ゴム樹脂の混練技術に関する講演会
日時:2018年6月15日(金)10:30~16:30
(2)デザインに配慮した樹脂設計
場所:中国上海
日時:2018年6月29日
(3)シリコーンポリマーに関する講演会
場所:台湾
日時:2018年9月11日
カテゴリー : 学会講習会情報
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セクハラ、パワハラ、**ハラと毎日ハラスメントの文字を見ない日が無い。相手がどのように受け取るのかを配慮しながら行動をしなければいけない時代である。
仕事に一生懸命になると、どうしても力が入り、自然と言葉が強くなる当方はパワハラを犯すのではないかとびくびくしている。ただサラリーマン時代と異なるのは、相手がお客になるので、こちらが弱い立場でありパワハラにはなりにくい。
逆にお客が逃げる心配をしなければいけないが、当方の仕事のスタイルは、お客のために一生懸命全身全霊で貢献するのでまともなお客ならばご理解いただけると思っている。
何日か前に、あるお客が事務所に訪ねてきた。お客だから図々しい要求を平気でしてくる。大会社の担当者はこの時パワハラに注意しなければいけない。弊社は中小企業なので、弱者として扱われる。
明らかにパワハラを受けているのだが、本人はパワハラを意識していない。当方は優しく、まだご契約をしているわけではないのでお帰りください、と申し上げたら態度が急変した。
その後の打ち合わせは、どちらがお客かわからない状態になったのだが、話しながらハラスメントなるものの特異な問題に気がついた。ハラスメントを無くす努力は大切である。
しかし、ハラスメントではないような状態でも弱者側がハラスメントを指摘したならアウトとなる現在の社会の認識では、本音を出せなくなる社会になってゆくのではないか。
たてまえで行動するのが日本社会と言われているが、まったく本音を言えない社会ではない。本音がどこからか聞こえてきたりして、その本音に忖度するような仕事の進め方が、まだ社会で許されている。
多少の言い過ぎやおふざけを許容できる世の中が人間らしいと思うが、過去の感覚で生きていると無意識にハラスメントを行う危険がある。人との交流に必要なスキルのレベルを数段高くしなければ無味乾燥な世間になる。この年でも自己変革が求められる厳しい時代だ。
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