「あの日」が25万部を突破した、とWEBニュースで報じられている。また著者によるSTAP細胞に関するホームページ(HP)も開設されたという。そしてそのHPに対し、ネイチャーの編集者が立腹された、というニュースまで流れている。
このSTAP細胞の騒動はせっかく理研が迅速な幕引きを図ったのにいつまでも組織の問題を問うような形で再燃している。それとともに未公開であった山梨大に引っ越された先生の機密書類無断持ち出しまで明るみになった。
いずれの情報もニュースで報じられた内容だが、組織にとってあるいは組織内部の人間にとって出されたくない内容だろう。またその幾つかは組織と個人の阿吽の呼吸で、従来であれば表に出されずそのまま隠れてしまった事柄である。
「あの日」の著者には、組織に責任を押しつけられているような被害者意識の発言が目立つ。しかし、公開されている著者の発言を読むと、常識的な組織が当然とるであろう当たり前のアクションに対して被害妄想に陥っているように当方には思われる。
理研所長が「未熟な研究者」と評したように、STAP細胞の騒動は、科学の研究を推進するには不適切な未熟な研究者を特別待遇として処遇した理研の責任と、未熟な研究者の自己責任感の欠如が絡まって起きている。
不幸だったのは理研という組織に教育能力が欠如していたことだ。教育機関ではない理研でも組織を維持するための最低限の教育機能は必要だが、新聞報道を読む限り、大手企業の社員教育よりも貧弱な状況である。
結局未熟な研究者として認識しつつもそのまま組織から追い出してしまった。未熟な研究者は、働く意味も分かっていない知識労働者だったので、そこから生じる当然の行動をとる。これは組織も個人もこれまでの行動を反省し、両者が歩み寄らない限り収まらない騒動かもしれない。
ただ、理研は「STAP細胞は存在しない」と結論を出し、未熟な研究者は「STAP細胞は必ず存在し、それを見つけたのは私だ」と主張しているので、STAP細胞の存在が科学的に肯定されたときにどうなるか心配である。この問題は、組織と個人の関係において、組織が組織の利益のみを追求し問題収拾しようとした時に企業でも発生しうる問題である。
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必要とする機能について、自然現象として起きることが分かれば、科学的に未解明でも自然現象から機能を取り出すことが可能である。例えば試行錯誤で機能を人工的に再現してみて機能を動作させる方法を見つけることが出来る。
あるいは、過去の経験から考えられる方法について全部試してみて機能を動作させることができるか見れば良い。経験から考えられる方法が、科学的に見てすべての方法を取り上げているならば、消去法という手段が有効である。
とにかく不完全でも科学的にはそのメカニズムは不明でも動作する機能が見つかったならば、あとはタグチメソッドでそれを最適化してロバストの高い機能にできる。
すなわち科学的に未解明な機能でも、その手がかりが見いだされれば人類は活用することが可能で、科学誕生以前の人類は皆そのようにして技術開発を進めてきた。
ところが1970年代の研究所ブーム以来企業では科学以外の方法を禁じ手として封印し、科学的に技術開発を進めることに注力してきた。ここで、科学的に技術開発を進めることは間違っていないが、科学的以外の方法を禁じ手にしたのは技術開発の可能性を自ら捨てたようなものだ。
当方は、新入社員の研修でS専務に技術の意味を教えられカルチャーショックを受けた。現場現物主義で時には科学的データさえ信じないような意味を込めた説教は、大学で6年科学を学んできた若者には刺激的な説教だった。
しかし、そのおかげで「マッハ力学史」や「技術者の心眼」などの著書に目を向けることができ、技術について真摯に考えることが出来た。但し、配属された研究所はアカデミアよりも科学一色であり、たまたま巡り会った優秀な指導社員が斜に構えた人でなかったならば、今日まで技術というものを考え続けることが出来なかったろう。
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自然現象を前にして、なぜ、と問いかけることは科学の心の芽生えである、と昔聞かされた。一方自然現象から儲かる機能を見つけようとするのは、技術者の本能である、と誰も教えてくれなかった。
科学では真理を追究するのが使命なので、未知の自然現象に対して「なぜ」と問いかけることは大切だが、技術者は目の前の現象について人類に役立てることができないかを考えなくてはいけない。
このように技術者は、科学で未解明の自然現象でもそこから機能を取り出すことが求められてきた。しかし、1970年代の研究所ブーム以来日本の研究所では、アカデミア同様の運営がなされ、科学の研究が重視されている。
一企業の社内における技術論とは別に、公的な場所において企業で技術開発が重要と言われたのは、故田口先生が最初の様な気がする。しかし、田口先生は基本機能は技術者の責任と言われるだけで、どのように自然現象から機能をとりだしたらよいのか言われなかった。
ところで、市場で要求される機能をマーケティングで見つけることはできるが、それが基本機能である保証はない。これは、ドラッカーが「何が問題か」と問うことの重要性を指摘しているように、田口先生も基本機能が間違っていると、タグチメソッドは正しい解を与えない、と言われていたので重要である。
ゆえに自然現象から機能を取り出すことを考える前に、市場で要求される機能を基本機能までブレークダウンする作業が最初に必要となり、基本機能までブレークダウンできたときに、それが科学的に解明された機能なのかどうかを吟味することが最初となる。
未解明の時には、それが自然現象として起きるかどうかが重要になってくる。自然現象として起きることが確認されると、新たな機能を技術者は見つけたことになる。熟練した技術者であると、この一連の動作を本能のように行う。弊社ではそのトレーニングプログラムを提供しています。
カテゴリー : 一般
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この3年間、弊社が中国で活動してきました成果を踏まえ、5月までに2件ほど混練技術に関する講演会を開催致します。いずれも異なるセミナー会社で開催されますが、申し込みは弊社で行いますのでご案内をさせていただきます。
お申し込みにつきましては、弊社インフォメーションルームへお問い合わせください。詳細のご案内を電子メールにてさせていただきます。
1.混練技術のトラブル対策に関する講演会
(1)日時 4月21日 10時30分-16時まで
(2)場所:高砂ビル 2F CMC+AndTech FORUM セミナールーム【東京・千代田区】
(3)参加費:27,000円
(4)http://ec.techzone.jp/products/detail.php?product_id=4152
2.混練の経験知を伝承する講演会
(1)日時 5月19日 10時30分-16時まで
(2)場所:江東区産業会館 第1会議室
(3)参加費:49,980円(税込)
(4)https://www.rdsc.co.jp/seminar/160522
カテゴリー : 学会講習会情報
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金属やセラミックスにおける結晶成長や相分離は核を中心に進行する。単一材料のアモルファスから結晶成長する場合には、問題とならないが、二成分以上の多成分系になってくると核の存在を仮定しにくい相分離を考えなくてはいけない現象が出てきた。
すなわち各成分の局部的な濃度の不均一がもとで相分離が進行してゆくのがスピノーダル分解と呼ばれるものである。このようにとらえると、スピノーダル分解の様子を頭の中に描きやすくなる。
金属材料では、原子の拡散が問題になるが、高分子では炭素原子がつながり一本の紐のような状態になっているので、このスピノーダル分解の様子を頭に描くのは少し楽しい。試しに二種類の相溶した高分子がスピノーダル分解する様子を頭に浮かべてみてほしい。
イメージがわきにくい人は黄色と黒の組みひもが混ざった様子を思い浮かべ、それが黒色と黄色の二つの相にわかれてゆく映像を描けばよい。それがスピノーダル分解である。
このような映像を思い浮かべるとスピノーダル分解では速度が問題になることが思いつく。そして金属やセラミックスよりも高分子は速度が遅いかもしれない、という想像ができる。実際に高分子のスピノーダル分解速度は目視できるぐらいに遅いものも存在する(もちろんその速度は温度に大きく影響を受ける)。
PPSと6ナイロンをカオス混合で相溶させることに成功した。6ナイロン以外に様々なナイロンを試してみたら、予想されたことだが、χに相関してスピノーダル分解速度が変化していた。面白いのは、この2元系にカーボンを分散すると、スピノーダル分解速度に相関してカーボンの凝集粒子の大きさが変化するのだ。
高温度で一度相溶状態になっているものを急冷してベルトを製造するのだが、その冷却までの時間が一定でも、わずかに生じるスピノーダル分解に速度差があるのでそれが凝集粒子の大きさに影響していた。本日はエープリルフールだがこの現象は真実である。
ついでにもっと凄いことを書くと、PPSと6ナイロンをカオス混合で相容させて急冷した透明なストランドを室温で放置しておいたら6年ほどで不透明になったのだ。Tg未満の室温でゆっくりとスピノーダル分解が進行した証拠である。
この速度はPVAの結晶化速度のおよそ1/6以下である。障子の張り替えをやられている方はご存じと思うが、障子を買うとおまけで付いてくるのりはPVAが多い。PVAののりで貼り付けて1年後はがすときに、希に球晶を観察することが出来る。この球晶は、一年間のいつ出来たのか不明だが。
カテゴリー : 高分子
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サラリーマン時代にセラミックスから有機高分子まで様々な材料を扱った恩恵を感じた言葉の一つにスピノーダル分解がある。スピノーダル分解は相分離の一形態であり、金属材料分野から高分子材料へ持ち込まれた概念である。
材料技術の進歩において、金属材料は最初に科学として完成の域に到達した分野である。高分子材料よりもその進歩は早く、特に材料の熱力学的変化については、金属材料のいくつかの成果を高分子材料は真似ている。
スピノーダル分解はその一つで、言葉の意味を金属材料の教科書から引用すると、次のようになる。「二種類以上の元素が溶け合った単一の固溶体が時間とともに分離して二つ以上の相に分かれる現象を相分離という。相分離のうち、核の発生を必要とせず、小さな濃度ゆらぎでも原子の拡散によって濃度差が拡大していく相分離をスピノーダル分解という。濃度ゆらぎの波は、特定の波長のとき成長速度が大きくなるため、スピノーダル分解によって生成した組織は周期的な変調構造を呈することが多い。」と書かれている。
相分離に限らず、結晶成長などの相変化においては特有の考え方があり、まずそれを理解しないと、金属材料の教科書に書かれたこの意味も具体的に理解できないかもしれない。しかし、高分子の教科書は不親切で、スピノーダル分解を簡単に濃度揺らぎで進行する相分離と説明しているだけである。テストならば丸暗記で覚えればそれですむが、実務では頭の中に具体的にイメージできなければ、せっかくの科学、形式知を生かせない。
まず相分離のイメージを具体化する必要があるが、それを困難にしているのが「核」の存在である。1970年前後によく研究されたテーマで「ガラスからの結晶成長」というのがある。電子顕微鏡の進歩に助けられて、結晶成長の様子を可視化でき、論文を簡単に書くことができた。この時代におけるこの分野の学位論文を見てほしい。多くは写真集と見間違うような学位論文が多い。
ガラスはアモルファスかつTgを有する材料(ガラスの定義)で、アモルファス材料の中でも特殊な材料である(例えば非晶質酸化スズはTgを持たないのでガラスではない)。Tgという熱力学的パラメーターがあり、結晶ができればTcを計測することが可能なので、ガラスからの結晶成長は、ワンパターンで誰でも科学論文を書くことができた。その結果なぜこのような材料を研究しているのだろう、というその研究目的が不明な内容でも「ガラスからの結晶成長」とタイトルをつけて立派な科学論文になった。
このとき、問題となったのが「核」である。アモルファスから結晶が生成するときに、必ず最初に核が生成し、その核を中心に結晶が成長する。しかし、「核」は見ることができない仮想の状態である。結晶ができて初めてそこに核があった、と仮定される仮想の物質が核である。
ゆえに学会での議論は本当にそれが核なのか、という質問で始まることが多かった。すなわち、核は可視化できないのではなく、相分離した結果の状態から推定している仮想の物質で、科学者の誰も見たことがない暗黙知に近い概念である。科学的ではない核を前提に科学の議論を展開するという摩訶不思議な議論となる。これが仮説であり、いつか誰かがそれを明確に証明できる前提ならば納得も行くが、気の利いた教科書だけ明確に「誰もどのような方法を用いてもみることが出来ない」と説明している。
学生時代に、門外漢の当方も議論に参加することができたのがこの核の議論である。認識の問題なので誰も間違いとは即座にいえない。それを言うためには否定証明が必要になるが、学会の議論ではそこまで至らないので何を言っても間違いにならない。何を言っても間違いにはならない議論を展開している様子は、暇な時間があるときには見ていて面白い。「裸の王様」の物語のようでもある。
カテゴリー : 高分子
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(3月25日からの続き)16番目に合成されたPSを光学用ポリオレフィン樹脂と混練したところ、透明な樹脂が得られた。この実験結果は、転職してからの不幸な出来事をすべて吹き飛ばした。驚くべきことにすべての混合比率で透明になっている。
20wt%PSを相溶させた光学用ポリオレフィン樹脂で射出成形体を製造したところ透明な成形体が得られた。この成形体の面白いところは、PSのTgまで加熱すると白濁してくることである。そしてさらに加熱し、光学用ポリオレフィン樹脂のTg以上に加熱するとまた透明になる。
さらに面白いことに、この白濁する様子を細かく観察すると、射出成型時の樹脂流動の痕跡が観察されるのだ。おそらくかさ高い構造を持っている光学用ポリオレフィン樹脂とPSとが錠と鍵のような形態で相溶しているのだろう。
科学ではさらに検証を進めなければいけないが、技術の立場では、これだけの実験結果が得られれば機能の面白いアイデアをいくつか創りだすことが可能である。例えば、混練プロセスで二種類の高分子のコンフォメーションをそろえることができれば相溶現象を起こすことも可能である。そしてもし本当に相溶したならば、それを急冷すれば、χが正でも室温で安定なポリマーアロイを製造することが可能となる。
このアイデアを実行し成功したのが、PPSと6ナイロンを相溶した中間転写ベルトである。残念ながらこの成果は、退職前に推薦された高分子学会賞技術賞を受賞できなかったが、高分子の相溶という項目においてフローリー・ハギンズ理論でうまく説明できない事例だと思っている。
このようなトリッキーな事例をここで説明しているのは、高分子の相溶について教科書に書かれていることに振り回されるな、ということを伝えたいからである。高分子物理の分野は、現在進行形で研究が進められている。現在の教科書が20年後には書き直される可能性すらある。
当方が学生時代に読んだ教科書は、転職して高分子技術のリーダーになった時に使い物にならなくなっていた。N先生に勧められた難解な教科書は、自己実現意欲に火をつけた。その結果、転職した会社で新たな技術を開発し押出成形で高級機用の中間転写ベルトを製造でき、社業へ十分に貢献することができた。
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人工知能Tayのことを考えていて思うのは、科学と技術の境界領域に情報科学は存在し、その存在に常にきわどさを抱えていることだ。すなわち本来科学で十分解明されてから技術として提供されなければいけない機能が、そのまま市場に提供され問題を起こしている。
おそらく今の様な研究を続けていると、人工知能の科学が大衆に誤解されるかもしれない。もしかしたらソフトウェアー科学という分野は存在せず、情報関係は工学分野だけで研究が進められ、技術を科学と誤解しているのかもしれない。
もしそのような状態であれば、現代の科学の時代において、科学的研究を行わず技術開発だけ行うとどのような問題が起きるのか、ということをソフトウェアー工学の技術開発から学ぶことができるのかもしれない。
例えばTayの問題をアジャイル開発の結果、と捉えるとこれは納得がゆくのである。技術として完成度の低い状態であるが、とりあえずおもちゃを提供してみた、というのである。しかし、そのようなおもちゃの提供は、かつてソニーのアイボやおもちゃメーカーのファービーが行っている。Tayがおもちゃならば、それらのおもちゃよりもレベルが低かった。なぜなら過去のおもちゃでは人類に対抗する行動をしなかった。
人工知能で形式知や実践知、暗黙知をどのように実現してゆくのか、そこには知をどのようにとらえるのか、という純粋に科学(哲学)として研究しなければいけない問題が存在する。
エージェント指向がその一つの成果というならば、これは新しい成果ではない。有機合成化学の世界ですでに1970年代に逆合成というコーリーの研究が存在した。コーリーは複雑な有機化合物の合成ルート開発をコンピューターに行わせるために逆合成という手法を開発している。そして実際にそれをコンピュータに載せて実行させ、プロスタグランジンの全合成に成功した。この成果はエージェント指向の特殊ケースである。
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この3年間、弊社が中国で活動してきました成果を踏まえ、5月までに3件ほど混練技術に関する講演会を開催致します。いずれも異なるセミナー会社で開催されますが、申し込みは弊社で行いますのでご案内をさせていただきます。
お申し込みは、弊社インフォメーションルームへお問い合わせください。詳細のご案内を電子メールにてさせていただきます。
1.混練技術のトラブル対策に関する講演会
(1)日時 4月21日 10時30分-16時まで
(2)場所:高砂ビル 2F CMC+AndTech FORUM セミナールーム【東京・千代田区】
(3)参加費:27,000円
(4)http://ec.techzone.jp/products/detail.php?product_id=4152
2. 混練の経験知を伝承する講演会
(1)日時 5月19日 10時30分-16時まで
(2)場所:江東区産業会館 第1会議室
(3)参加費:49,980円(税込)
(4)https://www.rdsc.co.jp/seminar/160522
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昨日人工知能Tayのニュースについて書いたが、ゴム会社に勤務し日曜プログラマーだった時にエージェント指向について書かれた論文を読んだ。Tayの記事をきっかけに探してみたが見つからない。
見つからないので、今から書くことはやや正確さを欠く内容かもしれないが、プログラミングの専門家がいたらご指摘願いたい。Cの改良型言語C++がオブジェクト指向言語として登場したときに、エージェント指向の論文を読んだように記憶している。
当時まだ16ビットのPC9801を使っていたときで、プログラミングはLattice社のC言語を使用していた。当時Cは難しい、と言われていたが、構造型言語として完成されており、BASICよりもプログラミング及びプログラムのバージョン管理をやりやすかった。
32ビット機が噂されるようになり、Cの処理系をそのまま使用し、一段コンパイルを追加したようなC++処理系が登場した。MIWA C++が登場したときに、そのプログラミング思想にびっくりした。またその思想の枠組み、パラダイムの難解なことに辟易したが、まだ日曜プログラマー向けの書籍が存在しなかった。
W大学の図書室に出向き、オブジェクト指向に関する文献を探していたら、エージェント指向という最新のパラダイムの論文があった。オブジェクト指向も難解だったが、エージェント指向もさらに難解だった。
ただ、エージェント指向で面白いと思ったのは、オブジェクトから後ろ向きに推論を組み立てる考え方である。すなわち、既知の事柄を元に、それが実現するためにはどのような手続きが一つ前のオブジェクトから行われなければいけないのか、と考察し、おおもとのオブジェクト、すなわち基本のオブジェクトに到達する思考方法である。
当時感じたのは、何も新しいパラダイムではなく、大学受験の数学の参考書に書かれていた「結論からお迎え」という標語と思想は同じである。すなわち数学の証明問題で問題文にあわせて前向きに考えてゆくと難しい問題でも、証明すべき結論から考えてゆくと問題が簡単に解ける。弊社の研究開発必勝法でもこの考え方を用いているのでご興味のある方は問い合わせていただきたい。
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