二週間後には共通1次試験があるというのに予備校が倒産した。正確にはまだ倒産していないが、閉鎖状態ですでに料金を前払いした生徒の授業を停止しているという。
不思議なのは、去年の5月ぐらいに経営状態ぐらいわかっていただろうに、この時期に倒産していることだ。予備校の役割から捉えると反社会的な経営といえる。
関係する受験生があまりにもかわいそうなので、数学や物理について入試直前の最低限やっておくべきことを箇条書きで下記に。
1.受験範囲に関係する公式は、条件反射的に書けるようにしておくこと。数学は暗記科目と思って、とにかく公式は、正確に書けるようにしておく。
2.これまでの受験勉強あるいは模擬試験でできなかった問題について解いてみる。その時、すべて解けたならば、自信をもつこと。解けなかった問題について、周辺の知識を徹底的に復習すること。不安になる必要はない。1週間後再度解いてみて、解けなかったなら、その問題周辺は諦めると覚悟を決めておくこと。試験直前に悩んでも仕方がないのである。できない問題が試験に出たならあっさり捨てる覚悟をすると不思議に落ち着く。
3.文章題は、結論から考える方法を確認すると良い。解けなかった問題について、答えの最後から逆にたどってみると問題の答えが見えてくる。できなかった問題について、諦められない人は、このような結論から推論を進める練習をしておくこと。
4.数学や物理は、入試に限らず、不思議にも難しいと感じると難しくなる。易しく感じる方法は、問題を見てすぐに答えが浮かぶ状態にすることである。これは、社会で実務を行う時にも通じる訓練である。入試直前には問題と答えを一通り声を出して読んでみるのも一つの方法である。
この4番目の項目は重要で、ヒューリスティックに問題解決するコツを述べている。問題を見て、あるいは困難な状況に遭遇して、すぐに解決策を一つ浮かぶようにするには、問題と解答の事例を覚えておく(注)ことである。事例の貯金が多いほどヒューリスティックにアイデアが出やすくなる。とかく、数学や物理を暗記科目ととらえない人がいるが、形式知や経験知を身に着けるためには、一度面倒でも暗記する必要がある。日本史や世界史を暗記するのに数学を暗記しない、というのはおかしいのである。数学のできる人を頭のいい人だと思っている人がいるが、そうではない。数学はできるが頭の悪い人もいる。誰がそうかと書くと問題になるので書きにくいが、例えば、数学者で芸能人と結婚して離婚した人がいるが、離婚した談話を読んで頭が悪いと感じた。数学ができるから頭が良いとはならない。逆に頭が良い人でも数学をふくめ勉強のできなかった人がいる。昨今の詐欺やホストのかかわる事件を読んでいて悪事に働かせる頭を社会に活かしたらすごい貢献ができそうだ、と思うような時がある。DXの成果を迅速に業務に活かすことが求められているが、業務のイノベーションにおいて犯罪の巧妙化のスピードの速さに驚いている。警察よりも犯罪者に頭が良い人が増えてきたのかもしれない。この予備校の経営者も確信犯かもしれない。なぜなら、予備校は前金制なので昨年初めに集まった生徒数から現在の状況が見えていたはずである。
(注)どこまで記憶すべきか、と問われても困る。この場合に良い方法として、オブジェクト指向を使える。また、アイデアが出ない時に万能のデータ駆動という方法もある。これらについては、3月に開催される日本ゴム協会主催のシンポジウムで招待講演者となっており、二時間説明するのでご興味ある方は問いあわせていただきたい。
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最近のギター生産ではかなり機械化が進んでおり、普及品の価格は50年以上前とあまり変わらない。また、ハンドメイドギターと言っても大半の部品を機械で製造し、仕上げに一人の職人が組み立てているだけである。
ただし、そうではないメーカーも存在するが20万円までの価格帯でハンドメイドギターと称しているものはこのような組み立て方法と30年ほど前に見学したギター工房で説明を受けた。
また数人の職人が一組となり、それぞれの得意作業を手作業で行い、ギターを組み立ててもハンドメイドギターと称しているところもあるらしい。すなわちかなり機械化が進んでいるので、人間の手による精度向上を期待できる部分を機械を使わず「ハンドメイド」している。
日産自動車も100台限定生産の車について、手組を謳い、さらにそのエンジンを組み立てた職人の名前をエンジンに貼り付けておく、とホームページで説明している。
かつては機械化、オートメーションが注目されたが、その結果手作業で行うことに価値が出てきたように見える。工業製品の場合に機能品質が等しければ、コストの安い方が優れている、と言われてきたのでコストダウンに励んだのだ。
ギターでも自動車でも手作業の方が作業性と品質が向上する工程でそれが選択されただけであり、わざわざ機械でできるところを手作業としているわけではないのだろう。
コモディティー化した製品について、職人の手作業あるいは名前を付けたりしてプレミア製品とする動きがあるが、これがどこまでその価値を訴求できるのだろうか。
ギブソン社のおよそ2倍以上の価格で販売されているギターに、それほどの価値を認める人がいるのだろう。倒産しかかったが持ち直してきた。
フェアレディZやスカイラインの限定生産品は完売し、その中古品が新品価格よりも高い価格で取引されている状況をみるとブランド戦略が、コモディティー化した製品の未来の姿となるが、やはり製造業は新しい価値を製品に作りこみ発展してゆくのがあるべき姿だろう。
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ゴム会社に入社し、10月1日に研究所へ配属された。その後の3か月間はゴム会社で最も幸せだった時間かもしれない。指導社員からレオロジーに関して多数の形式知と経験知、そして暗黙知まで伝授していただいた。
午前中は座学で形式知と経験知のご指導、午後は樹脂補強ゴムの混練実技を学んでいる。実技指導の最初の1カ月は、指導社員が常に作業に帯同されており、安全指導も含め丁寧に暗黙知を教えてくださった。
ロール作業では、危険作業をたびたび指摘された。ゴムの返し作業では、マッチ棒を用意し、返しの回数を数えるように指導された。また、ロール作業で混練がどのように進行しているのか確認する作業も教えてくださった。
このロール作業の過程で、カオス混合についてどのようなミキシングなのか教えてくださると同時に、二軸混練機でどのようにそれを実現したらよいのか、その方法を宿題として考えるように言われた。
残念ながら、3カ月の間にその答えを出すことはできなかったが、その後PPS中間転写ベルトの開発を担当するまで考え続けることになる。
しかし、30年近くそればかり考えていたわけではない。指導社員から教えられたレオロジーに関わる現象に接する時に思い出していただけである。様々な現象について具体的な数式とか流動様式を学んでいたわけではない。
パイ生地の練りや餅つきで現れる現象で、ロール混練ではこのように現象が起きている、と目の前でカーボン分散の現象を観察しながら、経験知の伝承を受けただけである。
研究所では、面倒な作業という理由でバンバリーとロール混練のプロセスを敬遠する人が多かった。ポリマーを混練するだけであれば、ニーダーでその目的を達成できる、と多くの人は信じていた(注)。
しかし、指導社員はゴムの混練を行うのであれば、ニーダーを使わず、バンバリーとロールを使用するように、と強く言っていた。実際の工程ではバンバリーとロール混練でゴム練りが行われているのがその理由であった。
材料を成形体にするプロセスにおいて、成形体の物性がプロセス依存であることは知られていた。とりわけ、高分子材料はコンパウンディングの影響が大きいと言われていた。
これは経験知であり、プロセスにおいてどの因子が成形体物性に影響しているのかは、技術者により見解が異なる。また、プロセスに関わる暗黙知も技術者により異なる。
指導社員は、プロセスで発生する音に注意するように言われていた。ただし、それがどのような意味なのかは、現象により異なり説明できないとも。そして、ロール混練でわずかな音の変化に注意することは、安全作業にもつながると。
新入社員の時に使っていたノートには、こんなような音と擬音が描かれ、そこにおかしな絵が描かれているが、これは文章にできなかった情報の表現である。
STAP細胞の騒動では小保方氏の実験ノートが話題になった。ハートマークとかネズミとか落書きしか書かれていなかったそうだ。暗黙知の表現ならば価値がありそうだが、そうではなかったことが悲しい。
(注)ニーダーによる混練で得られたコンパウンドと、バンバリーとロール混練で得られたコンパウンドでは、異なるのだが、科学を信奉している人は同一と捉える人が多い。両者のコンパウンドを用いて成形体を作成し、物性に差異が現れる場合もあれば現れない場合もある。指導社員は、物性値が等しい結果となってもプロセスが異なれば異なるコンパウンドであることを忘れないように、と言われた。それが30年後、PPS中間転写ベルトの開発で生きた。カオス混合装置の開発であるが、3か月で建設したラインであるにもかかわらず、高分子技術でトップメーカーのコンパウンドよりも高性能のコンパウンドができた。今年3月に招待講演者として選ばれたゴム協会のシンポジウムでも事例として発表する。オブジェクト指向の配合設計事例である。
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1970年代のフォークブームでは、猫も杓子もギターを抱えていた。それも1960年代までのクラシックギターと異なるスチール弦のフォークギターである。
1970年代にアメリカマーチン社ドレッドノートのコピーが大量に発売され、その時の中古ギターでハカランダとスプルース、指板がエボニーのギターは当時の価格以上の値段でビンテージギター(注)として現在販売されている。
ハカランダは伐採禁止となった樹木であり希少価値と、当時でも高級ハンドメイドギターに使われていた材料なので20万円以上の価格がついていたりする。もちろんマーチン社のオリジナルであれば数百万円もする個体が存在する。
1970年代の日本に多数のギター工房が生まれている。モーリスにK.ヤイリ、ヤマハは当時から知られた量産メーカーで、アリアギターは商社であり、いくつかの工房と提携しギターを供給していた。その中の松岡良治手工ギターは高級品として4万円以上の価格がついていた。
当時大卒の初任給は数万円以下であり、ギターの普及品は1万円前後だった。ちなみに家庭教師の1か月のアルバイト代は週2日指導で1万円の時代である。当方は高3生を専門にして3万円という価格でアルバイトをしていた。菓子パン1個は20円の時代だった。
今アコースティックギターの普及品は3万円以下で購入でき、高級品は20万円以上の価格がついている。大卒の初任給は25万円前後、菓子パンは130円なので、高級品はほぼ物価に連動しての価格となっているが、普及品には割安感がある。
このギターの価格から、普及品はもはや日本で製造していては事業にならないことは明らかであり、実際に多くのギター工房が倒産している。
春日楽器に松岡工房、初代S/ヤイリ、木曽スズキ、マツモク楽器など当時大手の工房が消えた。マーチン社の下請けから始まり独自ブランドキャッツ・アイを販売していた東海楽器は、高い製造技術があっても経営難の状態である。
アイバニーズブランドの星野楽器は、設計と商品企画だけ行い、生産場所は日本とアジア地域である。その生産拠点は、韓国から中国、そして現在はインドネシアへと変わっている。
おそらくギターという楽器は、今後もポピュラー音楽に欠かせないので残っていくと思われるが、職人の人件費の安いところで普及品が作られるのだろう。
日本では、高級品のみの製造となるが、高級品を必要とする市場は大きくない。ゆえに、現在生き残っているギターメーカーでもブランドを棄損したならば一気に倒産する可能性があり、ブランド戦略が生き残りの最終手段となる。
このブランド戦略による経営も簡単ではないことは一度倒産したギブソン社の状況からうかがい知ることができる。例えばES-335というジャズやロックで使用されるセミアコースティックギターがある。
ギブソン社の発明によるこのギターは、多くの工房で類似品が作られ、アイバニーズも同様のデザインを改良したギターを販売し成功している。アイバニーズのセミアコースティックギターは、本家ギブソンのES335よりも高い品質で世界で売れている。
ギブソン社のES335は、現在ブランド戦略がとられ、新品でも40万円以上の価格で取引されている。その40万円以上の製品よりも実売10万円前後のアイバニーズのほうが高い品質である。
当方は、ギブソン社が倒産する直前の20年ほど前にお茶の水でES335新品訳アリを格安の20万円で入手したが、18万円で下取りに出し、7万円で定価16万円のアイバニーズ新品をネットで購入している。
そのギターは下取りに出したES335よりも生音も材料も良いのでびっくりした。アンプを通した音には歪が無く、またアコースティックな音色も抜群である。ただし、ES335のような荒削りの太さや独特の歪は無いので、好みによっては品質の悪いES335を良品とする人もいるかもしれないが。
ギターメーカーの変遷とその商品品質を50年近く見てきて思うのは、ギターという研究しつくされた製品でもブランドを始めとした付加価値で生き残ってゆくことができる。換言すれば、付加価値を見出せず、それを製品に作り込めないメーカーは淘汰される。
(注)当時表板は単板だが、側板と裏板は単板よりも合板の方が良い、とされていた時代であり、当時の価格が10万円以上の製品であっても合板が存在する。当時の合板は同じ材の積層板であり、最近の合板のように中身が廉価な板材の合板と異なる。また、1枚板を裁断しわざわざ合板にしているので単板と合板の見分けが難しい製品が多い。ビンテージギターを購入するときに注意しなければいけないのは、表板の変色である。また、当時高級品はローズウッドかハカランダであり、現在のようなマホガニーの高級品はほとんどなかった。塗装も高級ウレタン塗装が出始めた時で、恐らく黄変している。ゆえに材木の黄変と勘違いしないように。また手入れが悪いとエボニーの指板がひび割れているときがある。しかしこれをうまく修復している場合があるので注意する。型番と価格は相関しており、例えばD-60であれば6万円と分かり易い。また、名古屋の楽器量販店では3割引が当たり前の時代であり、6万円のギターは4万円で購入できた。Sヤイリは当時の人気商品だが、アジャスタブルロッドが入っていないのでネック調整に数万円かかる。東海楽器のキャッツアイはマーチン社と同等品質だったので、マーチン社の高価なビンテージギターを購入するのであれば、キャッツアイでも満足できる。裏板は緩やかなRがついているが、表板は平板なので注意してほしい。保管が良い場合には50年経ってもギター内部に木の香りが残っているはずで、サウンドホールで確認し、臭いビンテージギターは避けた方が良い。
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暗黙知は、生まれたときに芽生えるようだ。子供を観察していてそのように感じた。よく言われるが、幼児の質問には丁寧に答える必要がある。それは、暗黙知を必死に経験知に変換しようとしている瞬間だからだ。
初めて四則演算を習ったときに、何故九九を必死に覚えなければいけないのか、疑問に思った。疑問に思いつつ、毎日算数の時間に順番に皆の前で唱えなければならない、という理由で1日で記憶した思い出がある。
この思い出を鮮明に記憶しているのは、初日の九九唱和に合格したからである。当時は塾がよいの児童は稀であり、初日合格した数人は親の教育努力の賜物だった。当方の母親も前日一生懸命だった。
計算すれば出てくる値を何故暗記しなければいけないのか母親と激論を交わした記憶もある。「知っている」ことと「すぐに言える」ことは、全く異なる、と叱られたが、これが大切な言葉だと気がつくまで時間がかかった。
社会人になって、いつ受けた研修で聞いたのか忘れたが、「知っていても、すぐに行動できるとは限らない。行動できる状態で、知識が身についたといえる」と講師が語った時に、母親の偉大さを知った。
暗黙知も類似のところがあり、文章化できない暗黙知は、すぐに活かすことができない。しかし、何かもやーと感じている事柄について、メモ書きや九九のように言葉にしてみることは大切である。
メモ書きした内容やブツブツ言葉にしてみた内容が経験知として未完成であっても、やがてそれらを経験知として活かせる時がくる。もっともそれを期待している気持ちがあるので、もやーと感じるのであるがーーーー。
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暗黙知とは何かという問いに答えるのは難しい。知には、科学で見出された形式知と非科学的な経験知、そして形式知でも経験知でもない知が、すべて暗黙知とされているからである。
形式知や経験知の明文化は可能であるが、暗黙知についてそれが難しいことは、暗黙の了解になっている。暗黙知を具体化し明文化したとたんに、それはまず経験知と呼ばれる。
経験知から仮説が生まれ、それが何らかの科学の方法により真偽が決定される。そして真となったものが形式知となる。すなわち、形式知はいかなる条件でも成立する知である。
経験知は、そのような検証がなされていないので、外れることがあるが、技術開発では品質管理によりそれを統計的に外れない確率を上げて製品に活かす。
暗黙知は明文化できないので技術開発で使えないか、というとそうではない。ヒューリスティックなアイデアとは、暗黙知の成せる技なのだ。現象に触発されて暗黙知が偶然明文化される経験を積み重ねるとそのコツがわかってくる。
アイデアマンと呼ばれる人はそのような人で、ステレオタイプに現象を形式知と経験知でまとめてしまう人は、暗黙知の乏しい人だ。暗黙知を豊富に持っている人は、現象を記述するときに躊躇する瞬間がある。アイデアが生まれる瞬間である。
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幻の名機「烈風」について、「もし2年開発が早かったら戦況は違っていた」と昨年末の現代ビジネス(12月30日版)に書かれていた。
歴史に関して「もし」という言葉はよく使われるが、現代の技術開発において「もし」は許されない。そのような技術開発をしなければいけない時代になった。
ソフトウェアー業界では技術開発競争が激化し、手順を踏んでいたなら時代遅れとなる状況に20世紀末陥った。そしてアジャイル開発の手法が誕生している。
新入社員の時に樹脂補強ゴムのテーマを担当した。指導社員はサンプルを当方に見せながら、「この樹脂補強ゴムが長寿命となるように研究するのがテーマ」と説明された。
ただし、それがどのように製造されたサンプルなのか教えてくださらなかった。驚くべきことに、それは指導社員が示したゴールのゴムそのものであった。
3か月後、1年の予定のテーマを短期で仕上げた当方を褒めてくださり、指導社員は種明かしをしてくださった。その説明によると、ヒューリスティックなアイデアで得られた配合でサンプルを作ってみたら良いものができたそうだ。
そのサンプルの分析をしたところ、樹脂が海でゴムが島を形成している高次構造だった。それを粘弾性測定したところ、世界初の現象が明らかとなったのでテーマ提案したという。
これはアジャイル開発そのものである。この指導社員は、「この説明では研究所で馬鹿にされる」とも言っていた。思い付きで作ったものが偶然良い物性になっても科学の成果ではないからテーマとならないのである(注)。
このような科学馬鹿がいる企業の研究所もまだあるかもしれないが、ゴム会社の研究所は、アカデミアよりもアカデミックな研究所だった。厳密な科学の方法で得られた企画以外評価されなかったのだ。
アジャイル開発と当方のオブジェクト指向の手法のシナジーにより、1年の予定で企画された樹脂補強ゴムのテーマは、たった3か月で後工程の技術部へ移管された。
そして、1年後には某自動車会社にエンジンマウントとして試験納入されている。タイヤでも樹脂補強ゴムがビードフィラーに採用された40年以上前の話である。
(注)白川先生が導電性高分子でノーベル賞を受賞されたころにポリアニリンを正極に用いたLi二次電池の企画が研究所のテーマとなり、世界初のLi二次電池として事業化されて、日本化学会賞技術賞を受賞している。この受賞後すぐにこの事業は終了している。また、1940年代にウィンズローが発表した電気粘性効果について科学的な見直しが行われ企画が認められている。材料技術のイノベーションが起き始めていた頃で1980年代にセラミックフィーバーが、そしてこれがナノテクノロジーブームとなり、2000年の国研精密制御高分子に流れてゆく時代である。ゴム会社50周年記念論文の募集があり、高分子からセラミックスを製造する夢の話を応募作品として提出したが、佳作にもならなかった。主席に選ばれた論文は、豚と牛を掛け合わせたバイオ技術を展開した話だった。当方の作品の方が実用性があると自負していたので、その後高純度SiC開発とその事業化テーマを企画提案したが、研究所で一笑に付されている。その後人事部から海外留学のお話を頂いたときに、無機材質研究所への留学に変更していただいた。これが影響したかどうか知らないが、無機材研留学中に受験した昇進試験に落とされた。落とされた、と表現している理由は事前に情報を入手していた「あなたが推進したい新規事業を述べてください」という問題が出たからである。ここに高純度SiCの事業シナリオを書いている。この昇進試験に落ちた話が、人事部から無機材研に電話がかかってきて、所長から1週間だけこの昇進試験の内容を研究してよいとの許可がでた。そこですぐにフェノール樹脂とポリエチルシリケートのポリマーアロイを用いた新しい高純度SiCの合成法を実験し、4日目にはまっ黄色の高純度βSiCの製造に成功した。その後この事業はゴム会社で30年続き、現在は愛知県にある(株)MARUWAで事業継承されている。高純度SiCの半導体治工具事業はアジャイル開発どころか「アッと驚く開発」から始まっている。また昇進試験に落とされなかったら生まれなかった事業でもあり、ゴム会社でセラミックスの内容を提出したので0点をつけた試験官に感謝している。もっともゴム会社含め一番感謝しなければいけないのは科学技術庁無機材質研究所に対してである。未だ十分な感謝が行われていないだけでなく、日本化学会化学技術賞に最初に提出された推薦書では、1992年から開発が始まり無機材研は関係ないとなっていた。大変失礼なことであり、当時の審査員も問題視し、推薦書の再提出となっている。はるか太古の歴史に埋もれた技術ならば、その創始者は不明で良いかもしれない。しかし、20世紀に生まれた技術で正しくその創始者を伝承しない、あるいは抹殺しようとする姿勢では、バブル崩壊後失われた30年となっても仕方がないのである。新しい技術を生み出す活力が醸成される風土とはどのようなものか、よくわからない方はご相談ください。今年は、貢献を軸に新技術を生み出す日本を目指し、日本企業のご指導に尽力したいと計画しています。
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本年もよろしくお願いします。
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昨年は物価高で終わりましたが、経済の雰囲気は悪くなく、今年は好景気となりそうです。物価高を跳ね返す春闘の成果を期待できそう。
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是非弊社をご活用いただき、技術成果を効率よく出していただきたい。今年弊社はセミナー以外に出版に力を入れたいと思っていますのでよろしくお願いします。
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ワールドシリーズを取り上げた昨年のNHKスペシャルで、最後にインタビューで大谷翔平選手が、「趣味の野球を頑張りたい」と応えていたのが印象的でした。
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当方は新入社員の時に上司から、「趣味で仕事をやるな」と何度も叱られ、趣味でスキルアップしたデータ駆動の問題解決法で電気粘性流体の耐久性問題を解いたところゴム会社を辞めなければいけない事態になりました。
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ゆえに、大谷選手の「趣味の部分を大切にしたい」という言葉が、心に刺さりました。年老いても趣味なので今年も頑張ります。
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新年おめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。
さて、コロナの影響を何とか脱しつつある今年度は貢献を軸にした活動を推進できるよう昨年より準備を進めてきました。
昨年は日本化学会年会で発表したのですが、今年は日本ゴム協会シンポジウムの招待講演者に選ばれまして、2時間講演させていただきます。
講演内容は、ゴム会社で上司が80万円のローンの保証人になってくださったことがきっかけで、コンピューターサイエンスについて趣味で研究を進めてきました成果発表です。
6年研究開発を行い解決できなかった電気粘性流体の耐久性問題を一晩で解決した事例はじめ迅速な問題解決事例。
データ駆動による新しいポリマーアロイ開発事例。原因不明の品質問題解決事例。タグチメソッド解析プログラム生成プログラムなど。
昨年日本化学会で発表しました深層学習による配合設計技術についても改めて公開いたします。
今年度は、無料セミナーもリクエストにより開催したいと思っていますので弊社へお問い合わせください。なお格安なWEB有料セミナーは随時開催しておりますので申し込みサイトよりお申し込みください。本年もよろしくお願いいたします。
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今年はジャニーズ事務所や漫才士松本氏の性加害等謝罪が話題となった年と感じている。特に兵庫県知事のパワハラ疑惑のように昭和の時代ならば問題とならなかったシーンが今の価値観から大問題とされた。
電通女子社員のパワハラ自殺まで未だにニュースで報じられたりしている。かつて学生運動が社会問題となった1960年代初めから20年間ほど樺美智子氏が6月になるととりあげられた現象に似ている。
恐らくパワハラの無い日常になるまでマスコミは電通事件を取り上げるのだろう。電通と言えば、オリンピックのマーク盗作事件や東京オリンピック組織委員による賄賂授受の汚職事件が、2026年のアジア大会の話題に今年改めて登場していた。
オリンピック貴族などJOCを批判する言葉が東京オリンピックでは話題になっていたが、国際スポーツ大会が開催されるたびにパワハラ同様電通の社名がニュースとなる。
かつて、1980年代に辞めさせたい社員を人事部の会議室に出勤させて、終日「退職後のあなたの人生」という題の作文を書かせてリストラを進めていた企業をある新聞が取り上げた。
しかし、その後これを記事にした新聞社は無く、週刊誌でさえも報じなかった。なぜか炎上しなかった追い出し部屋という現代の牢獄の話題について不思議に感じた。
ところがその約20年後、他の企業による追い出し部屋がTVの特番でもとりあげられるほど大炎上し、その企業は謝罪と説明の会見を開いている。説明を聞く限り、1980年代に行われていた追い出し部屋ほどひどくはない。
時代により人間の尊厳に関わる価値観まで変わるが、献体の首を並べた写真をSNSにアップした女医の価値観について、それを善とした時代を当方は知らない。恐らく***首が日常となっていた戦国時代までさかのぼる必要があるのかもしれない。
仮に良かれと思ってなされた行動であっても、それが社会の価値観に反していた結果を招いたなら、すぐに謝罪をしなければいけない時代である。
女医の行動について、まず謝罪をすべきところ上司まで女医の行動を肯定する意見をSNSに発表したので大炎上となった。謝罪すべき時には、まず謝罪だけをする必要がある。
***首に達成感を感じた女医はそれをSNSにアップした、と汲み取れる表現で上司は最初に述べていた。さらに、日本では、それができないのでわざわざ外国にまで来て実行したのだ、と。上司の最初の謝罪文には、このように解釈できる内容が書かれていた。
正しい問題に気づいたならば、女医の降格処分だけで済まない問題であり、記者会見でも開いて事件の経緯を説明しなければいけない社会的影響の大きな事件ではないか。それとも美容整形分野は医学分野ではないのか。
今年最後を賑わせた「献体による多数の首が並んだ前で女医ピース事件」、人間の尊厳を傷つけたSNS投稿の後始末がどのように行われるのか。今年は改めて人間の尊厳について考えさせられる年でした。良いお年をお迎えください。
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