高分子の熱分析が流行らなくなったのでこのテーマを書いている。しかし、熱分析機器のメーカーからお金を頂いているわけではない。高分子材料を扱っている技術者ならば、DSCやTGA、TMAを自由に使いこなせるようになっていたい。
難しい高分子物理の世界とこれら熱分析機器とはつながりがあり、とりわけDSCやTMAは、その測定原理までよく知っておきたい。TGAについては、重量減少のモニターなので理解しやすいと思う。未知の配合の解析にも活用できることを以前紹介している。
高分子材料の開発段階ではDSCぐらい測定するようにしたい、と書いた。そして可能ならば、昇温測定と降温測定を行っておくことも勧めている。この日々の測定で異常が無ければよいが、もし異常があったならばTGAの時と同じように恒温測定を行ってみるとよい。
結晶性樹脂の場合には、Tcについて恒温測定を行ってみる、すなわちその温度における結晶化のエンタルピーを評価するのだ。ルーチンとして測定されたデータでも結晶化エンタルピーが求められている。恐らくそれらの値は同じような時もあれば異なった値として得られることもある。
あるいは、昇温速度を変えて、Tcの変化を見てみるのも有効である。このあたりはTGAの測定で述べたように、反応速度論的解析を行っていることになる。DSCとTGAの測定データから混練段階のエラーを想像した。
現場監査を実施したところ、温度センサーが壊れた二軸混練機でコンパウンディングしていた。スの入ったペレットも押収したので、帰国後納入されたペレットの袋を全て調べたら、同じようにスの入ったペレットが見つかった。
しかし、誠意のない大手のコンパウンドメーカーは、スが入っていても問題ないという。すなわちセンサーの壊れた二軸混練機で生産されたコンパウンドでも問題ないと言ってきたので、以後取引をしないことにした。
品質データねつ造と等しい問題を放置しておくような大手コンパウンダーが日本にあることをお知らせしておく。もしコンパウンドの問題で困っている成形メーカーの技術者は、弊社のお手軽セミナーの活用を申し込んでみてください。
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DSCは、40年前に比較し価格が下がってきたうえに便利なソフトが用意されている機種もあり、高分子材料の実務では自由に使いこなせるようにしたい熱分析装置だ。
ブレンド系では、TgやTmの評価が中心になる。タグチメソッドを行ったときに、Tcも含め、エンタルピーと制御因子の関係を調べておくとよい。この測定では、参照側にも必ず試料側に用いたアルミナ粉を入れておくこと。このようにしないと、ベースラインがうまく水平にならない。
昇温速度は10℃/min一定で構わないが、昇温と降温両方のデータを得ておくこと。また、Tgが室温付近であるときには液体窒素を用いてTgよりも40℃以上低い温度から測定開始すること。
まれにTgが現れないときがある。これはTgが存在しないわけではない。このような場合の測定方法は以前この欄で書いているが、その方法ではなく同一ロットのサンプルを再測定することを勧める。
Tgのエンタルピーは、ばらつきが大きく測定され、ペレットの密度と相関する場合が多い。この理由は、自由体積の量とこのエンタルピーは関係している。同じロット内で密度との相関を調べると、かなり高い相関係数となる場合がある。
またブレンド系では、ブレンドされた高分子の数だけTgの変曲点が出るはずだが、これが組成の数だけ出ないこともある。もし、相溶系であれば、観察されなくてもよいが、その場合には、Tgの位置がシフトしている。
13年前にPPSと6ナイロンをブレンドし、DSC測定を行った。二軸混練機だけを用いて通常の混練を行ったときには、それぞれ単独の場合の位置にTgが観察されたが剪断混練を行ったところ、PPSのTgの位置がわずかに低温側にシフトした。さらにカオス混合装置を用いた場合には、PPSのTgの位置と6ナイロンのそれと中間の位置にただ一つ観察された。
このように混練では、混練条件により系のエントロピー項に影響を及ぼし相溶する現象が生じる場合がある。これについて科学的に解明されていないが、技術として十分に活用できる機能だ。
例えばPPSと6ナイロン、カーボンをカオス混合し、冷却速度を調節してやると、均等の大きさとなったカーボンクラスタが現れる。これは6ナイロンのわずかなスピノーダル分解が生じるためと想像している。ちなみにこのクラスターサイズは、6ナイロンをMXD6というPPSと相溶しやすいナイロンを用いると小さくなる。
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熱分析装置は、最初に無機化合物の研究で活用された。1970年代末ごろから高分子への応用が行われるようになった。この普及により高分子のガラス転移(Tg)点の研究も進んだが、高分子のTgやTcの熱分析における挙動が無機化合物のガラスで観察される様子と少し異なる点についてあまり深い議論がなされていない。
熱分析法で反応速度論的解析を行う場合に昇温速度を変えたり、恒温測定を行ったりして活性化エネルギや速度定数を求めたりできるが、高分子では無機化合物のように反応途中までしかモニターされたデータと仮説とがうまく一致していない事例が多い。
例えば、シュウ酸やポリエチレンのような単純な構造の熱重量分析では、フリーマン・キャロル法やドイル小沢法でモニターされた90%以上の速度論データをうまくまとめることができる。
しかし、ポリエーテル系ポリウレタンでは、発生ガスをモニターしながら一次構造のどの部分が分解しているのか重量減少カーブとの対応を確認しながら解析すると構造によっては30%程度過ぎたあたりからノイズ成分が多くなる。
添加剤が添加されたポリウレタンでは、熱重量減少カーブの単純な解析が困難になる。但し添加剤とマトリックスとの相互作用を仮説し、その変化の様子を説明することは可能である。それでも学会発表に耐えうる解析までまとめ上げるには、発生ガスや熱分解途中の生成物について分析するなどの手間が必要になる。
このような面倒な手続きが必要という理由で、熱分析装置が使われなくなっていった、と思われ、熱分析装置専業メーカーの倒産や異業種への転換も起きている。しかし、高分子の実務では熱分析装置はおおよその現象を迅速に知ることができるので便利である。
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1970年代の高分子材料の研究テーマとして熱重量分析(TGA)は、重要テーマの一つだった。しかし、最近TGAはあまり使われない。熱分析と言えばDSCがよく使われる。
しかし、空気中あるいは窒素中のそれぞれの雰囲気で昇温過程における熱分解の様子を調べると様々な情報が得られるが、科学的な視点からでは、それらの情報だけで結論を下すことが出来なくて、その他の情報との併用で議論することになる。しかもその時に刺身のツマほどの扱いよりもひどく、時にはパセリのような扱いを受けることもある。
このような背景があり、TGAがあまり使われなくなってきたのかもしれない。昔はフリーマン・キャロル法やドイル・小沢法を適用し、どちらの解析がよいかと議論されたときもあったが、今はあまりたくさんの情報が得られないので、と決めつけられ使われなくなってきた。
しかし、加硫ゴムなどの分析ではTGAをまず手始めに使いたくなるが、TGAを普段使い慣れていない人にはこの気持ちは分からないだろう。ましてや、高分子に精通した研究者は、WETの分析にすぐ着手する。
たしかに、未加硫のゴムや樹脂では、溶媒に溶かし、GPCやガスクロをはじめ様々な分析手段に持ち込むことが可能だが、加硫ゴムや一部ゲル化した樹脂などの分析では、それができない。そこでTGAを手始めに行いたい、となるのだが、TGAはお手軽な分析方法である。
煮ても焼いても食えないような加硫ゴムや高分子ゲルでも加熱分解による重量減少カーブからおおよその構造が見えてくる。当然ではあるが、測定条件の工夫をしての話である。この時どのような工夫をするのかと言われると分析対象によるので一口に説明できない。
しかし、熱分析法に共通している、昇温速度を変えて測定すると反応速度論的解析が行えるという点に着目すると、恒温測定も行いたくなる。すなわち、まず速度論的解析方法に着目した工夫が多くの場合に有効である。
加熱してもある温度以下では分解しない成分の量を見出したい場合でも、この着眼点を使う。昇温プログラムを作成し、昇温と恒温の両者を組み合わせての分析法が使える。TGAからの情報で問題のヒントが見えてきたりすることもある。
難燃剤の効果について、もし交互効果の存在を調べたいなら、2種類の難燃剤を混ぜた状態で熱分解の挙動を調べ、それが単成分の場合と異なるかどうかと分析を進めればよい。ただしこの場合に、難燃剤だけではその交互効果が現れないこともあるので注意が必要だ。高分子に分散した状態で初めて交互作用が観察される場合もある。
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DSC(示差走査熱量計)にしてもTGA(熱重量分析)にしても、熱分析では測定時の昇温速度をどれだけにすればよいのかが問題になる。すなわち昇温速度が異なると変曲点の現れる位置、すなわち現象の変化している状態を示す温度が変わるためである。
学位論文でSiCの生成反応速度を研究したときには、2000℃まで1分で昇温可能な超高温TGAをYAGレーザーと赤外線イメージ炉を組み合わせて開発した。そして、1℃/min、2℃/min、4℃/min、8℃/minの昇温速度で測定された重量減少カーブから世界で初めてシリカ還元法における反応機構を明らかにした。
これはエチルシリケートとフェノール樹脂から製造された前駆体を炭化して分子状態で均一なシリカとカーボンの混合物を開発できたこととこの超高温TGAが完成して初めて達成できた研究成果である。
シリカとカーボンが分子レベルで均一になっている炭化物を用いてTGAを測定するとCOを発生して重量減少し反応が進行する様子をモニターできる。反応が均一素反応で進行するので、各昇温速度で測定されたこの重量減少曲線を解析し、反応機構や活性化エネルギーを求めることが可能だ。
シリカとカーボンが不均一になっている混合物を用いるとCO以外にSiOが揮発し、重量減少曲線が複雑になる。この複雑な機構について長い間議論が続けられていたが、当方の研究成果でこの議論に終止符が打たれた。
このように熱分析では昇温速度を変えることにより、反応速度論の解析ができ、DSCを用いれば結晶化速度を求めることもできる。ゆえに日常の技術開発で活用するときにどのくらいの昇温速度を設定すればよいのか悩むことになる。
経験的にとりあえずデータをとっておこうという意味では、DSCもTGAも10℃/minでよい。時間が許されるならば5℃/minとなるが、測定に二倍の時間がかかる。PPS中間転写ベルトの開発を行っていた時には1日に10サンプル以上熱分析を行うことが日常となっていたのでこの昇温速度の問題は大きかったが、10℃/minよりも早く温度を上げて測定することは認めなかった。昇温速度を速くしすぎると、得られる情報の精度が悪くなるためだ。
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それでは、DSCで何がわかるのか。DSCでは、サンプルがその温度で熱量の変化を伴う状態にあるかどうかを教えてくれる。すなわち、溶融時には吸熱変化をするので、溶融し始める温度から吸熱状態を示す信号を出してくれる。
結晶化では発熱を示す信号を出してくれるが、ここで注意しなければいけないのが、結晶化は相転移であり、無機ガラスでは、Tgよりも低い温度領域にTcが現れるが、高分子ではTgより高い温度領域でTcが観察される点である。
相転移ではないTgは物質の比熱が変化するだけの変化でベースラインの移動として観察されるが、Tcは明確な発熱ピークとして観察さる。簡便には10℃/minの昇温速度で計測し、昇温の測定だけでもペレットや成形体に存在する熱的変化が関わる品質異常を調べることが可能だ。
一種類の高分子についてDSCを測定すると、Tg、Tc、Tmが観察される。高分子の種類によってはTcが現れない場合がある。しかしTgだけでもプロセスの履歴について同じであったか異なっていたのかという情報を知ることができる。
Tg部分のエンタルピーは、プロセスにおける熱履歴が異なると変化するので、自分の扱っている材料についておおよその値を知っていると、工程異常を発見できたりする。Tcが観察されるならばこの発熱量はプロセスの履歴や不純物の影響などを受けたりするので併用すると判断を出しやすい。
昇温測定と降温測定を繰り返し行うとさらに多くの情報が得られる。また、結晶成長の反応速度論的研究をDSCで行うことも可能だ。TGAとTMAを併用して解析することもできるし、X線小角散乱と組み合わせて解析することもある。DSCはTgやTc、Tmを見るだけの装置ではなく使いこなすことによって情報を引き出す装置である。
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高分子の結晶化の速度論で使用されるのはアブラミ式である。たとえそれでうまく合わなくてもアブラミ式で整理してあると学会の議論では深い突っ込みが無い。
問題はラメラの段階だけで議論しておればよいのだが、球晶として成長するところまでこれで取り扱っている研究が多い。このあたり、突っ込みたくても当方もどうしたら良いのか分からないので、怖くて質問できない。
一休さんが屏風に描かれたトラを捕まえてみよ、と言われて、それではそのトラを追い出してくれたなら見事に捕まえて見せます、と応えることができたのは、屏風のトラなど追い出すことができないことを理解していたからだ。
高分子の結晶化の速度論的取り扱いについて突っ込めないのは、このようにトラが出てこない確信が無いためだが、アカデミアに籍を置く人は勇気を出して質問すべきだろう。
最近この高分子の結晶化について奇妙な現象に遭遇した。結晶化を促進する添加材があるならば、それを抑制する添加剤もあるはずだ、と軽い気持ちで開発したのだが、どうもその添加剤は結晶化速度を遅くし、球晶への成長だけを抑制しているようなのだ。
本来は研究すべき、あるいは研究したい対象だが時間が無い。忙しいから時間が無いというわけではなく、ほかにやりたいことが多く、当方の生きている時間の中で、優先度が低いためだ。若ければ道草をしても研究していたかもしれない。
SiCの速度論の研究では、熱分析のメーカーが、装置を完成できないと投げだした超高温熱天秤をソフトウェアーからハードまで当方一人で開発した。若い時には時間は無尽蔵にあるような錯覚があったが、最近は長時間かかりそうな仕事を避ける傾向がある。年を取ったと感じる瞬間である。
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有機合成反応でその反応機構を探るためには、速度論の知識が必要になる。速度論の知識が無くても、中間体をうまく合成してその反応機構をまとめたような論文も存在するが、中間体の反応性を議論するためには活性化エネルギを知る必要があり、どうしても速度論の勉強を避けて通ることができない。
無機材料は、共有結合性が低く、その反応機構は有機化合物よりも簡単で理解しやすい。反応機構はわかりやすいが、速度式は高分子のようにアブラミ一発というようにはいかず、反応をモニターしてそれが適合する速度式を探す作業が大変である。
これをどのようにやるのがよいかは教えていただいたことが無いのでその理想的な方法は知らないが、学生時代は速度式のそれぞれについてグラフを描き、モニターされた実験データとのフィッティングを行い決めていた。これは、無機の反応が簡単な素反応で進行しているという前提ゆえに許された方法である。
指導いただいた先生が速度論の専門家ではなかったので、当方が得られた速度式の結果だけ報告したら、それ以上の議論にならなかった。反応速度論の試験では、常微分方程式を解いていって正解を求めていたが、恥ずかしい話ではあるが、微分方程式を解くには解析数学の教科書片手に何日も格闘しなければいけない状態だった。
微分方程式を解くよりも、適当にグラフを書いていって、それをあてはめてみたほうが早かった。だいたい、微分も積分もグラフ上で解くとわかりやすい、と受験参考書に書いてあった。
この受験の時のテクニックは、材料開発に大変役立った。机の上で考えているよりも実験をした方が簡単である。ポリエチルシリケートとフェノール樹脂の反応も速度論的アプローチが学問として王道かもしれないが、頭脳を使わなくても肉体で正解が得られる場合には肉体で問題解決したほうが材料開発の仕事では将来のために良い。理由は多くの現象に接することになるからだ。
数式で書き表すことができない、すなわち形式知で書き表すことができない現象については多く体験しておくことが、AIに負けない人類となるなるために必要不可欠である。
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高分子加工の大半は加熱し溶融状態から固化するまでの形を自由に変えられる状態で加工されることが多い。加硫ゴムも一度溶融させて加硫反応を行いながらモールドの中で賦形化する。
ゆえに高分子の熱分析は、成形体に品質問題などの異常が出たときにまず行われる方法である。ゆえに高分子加工に携わるメーカーは、熱分析装置の一つや二つは持っていて欲しい。できれば3種類以上持っていると鬼に金棒である。
弊社は分析機器メーカーから特別にPR料を頂いていないので、どこのメーカーの装置がよいかは特に書かないが、それでも3種類は必要だと思っている。しかし、予算の関係もあるので一種類であれば何がよいか、と言われる方もいると思うので、熱分析装置の序列も意識して説明を書いてみる。
もし、分析機器メーカーの方がこの欄を読まれPR料を弊社に支払われたとしても、この序列は当方の経験から変わらないことを付け加えておきたい。そしてそれぞれの装置について、どこのメーカーがよいかは、特にここで今回は触れない。
もちろん分析機器メーカーからPR料を頂ければ、その装置をお客様にご紹介させていただく仕事は請け負うが、ここで書く必要な序列はそれでも変更しない。
さて、その購入順序だが、熱容量の変化を知るためのDSCは、まず持っていたい装置だ。これ1台あるだけで、おおよその問題の検討がつく。次に成形体の寸法変化や精度が問題となるメーカーではTMAが欲しい。しかし、少しお金を出せば粘弾性装置が買えるのでそれが2番目に必要な装置になる場合もある。
このあたりは、予算との兼ね合いとメーカーの都合で序列は変わる。DSCとTMAもしくは粘弾性装置の次に買い揃えたいのは、TGAである。DTAのついた複合型もあるのでDSCを購入する代わりに、TGA・DTA複合装置を一番に押される先生もおられるが、当方は経験上DSCが一番だと言いたい。DSCとDTAでは測定機構が異なる。
熱分析装置については分析機器メーカーの個性があり、一長一短である。40年前にこれらの熱分析装置を全て扱うメーカは、国内外に多くあったが、現在は淘汰されて撤退したメーカーや倒産したメーカーも多い。また、これらの分析装置メーカーとして知られなくなったところもある。
例えば今はある企業の傘下に入ったS社は、カタログにこれらの分析装置を載せていないが、注文すれば製造してくれる、ある意味マニアックなメーカーで当方が分析装置を購入するときに必ず候補に入れるメーカーだ。
その昔、超高温熱天秤を共同開発したときには痛い目にあったが、痛い目にあいつつも喧々諤々の議論をしても、某コンパウンドメーカーの技術サポートのような、「素人は黙っとれ」と言った無礼な発言を決してしなかった。
それ以来、熱分析装置を当方が購入しなければいけないときには、このS社にお願いしている信頼度の高いメーカーだが、もうカタログにこれらの機器を載せていない。ちなみにこのメーカーにこれらの装置を発注すると、手作りのマニュアルと武骨なデザインの、いかにも手作りの装置が納入されるが、頑丈で信頼性がある。
2006年に購入した熱分析装置は今でもトラブルなしで稼働していると噂に聞いた。使い勝手の悪い装置だったが、市販品では計測できない精度が出る優れもので、超低温から高分子材料用では高温度まで測定可能な唯一無二の装置である。
熱分析装置の場合には既製品では対応できない場合もあるので購入には注意したい。大抵の高分子には対応しています、と言われても扱っている高分子に対応していなかったら無用の長物となる。
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