二種の高分子が相溶し単一相を形成するための熱力学的必要条件は、混合のギブス自由エネルギーΔG<0すなわち負となることである。格子モデルでは、各格子に高分子のセグメントをあてはめこの条件でχパラメーターを定義し議論をしている。
詳細な議論は教科書を読んでいただきたいが、ここで注意をしなければいけないのは、この議論は平衡における議論である、という点だ。実務のプロセスで熱力学的平衡状態を維持することは難しいし、その状態で物質を創り出すことも困難だ。
ただ、この理論から二成分の高分子のそれぞれのセグメントで構成されたコポリマーを相溶化剤として用いてポリマーアロイを製造するアイデアが生まれ、多くのポリマーアロイが実用化されている。ゆえにフローリー・ハギンズ理論は実用的にもその理解が大切な理論の一つだが、二次元格子に二種のポリマーを押し込んで議論している荒っぽい理論であることを忘れてはいけない。
例えば、χが負にならない二種のポリマーの組み合わせでも条件が整えば相溶でき、透明にすることも可能である。三井化学のアペルというポリオレフィン樹脂があるがこの樹脂とポリスチレン(PS)を相溶させて透明にした経験がある。
なぜこの組み合わせを選んだのか。分子モデルを組み立てて遊んでいるときに閃いたのである。学生時代に有機合成を専攻していたので、当時アルバイトで稼いだお金で高い分子モデルを購入した。野依先生が不斉合成に成功し、名古屋大学の教授になられた時代のことで、合成反応を考えるときに分子モデルをよく使った。
当初講座で解放されていたモデル部品を使用していたが、自分専用の分子モデルが欲しくなり購入した。少し贅沢だったが、社会人になり捨てるのももったいないし、4年時に在籍した講座も廃止され寄付する先も無くなったので、時々遊びで使っていた。
アペルという樹脂のモデルを作って眺めていたらPSがすっぽり入って安定になりそうな形になった。もしかしたら、と思いアペルとPSを混練したところ白濁したポリマーブレンドが得られたが、DSCや粘弾性測定を行ったところ、一部相溶していそうな挙動が見られた。
そこで様々な条件でPSを重合し、16番目に得られたPS(少しPEが入ったコポリマー)をアペルに混合したところ透明なポリマーアロイが得られた。DSCや粘弾性の結果も相溶していることを示す結果が得られていた。
このように高分子の相溶は、コンフォメーションの一致でも起きることがあり、単純に一次構造の類似性だけで判断していると実用上は片手落ちである。コンフォメーションの効果はχのエントロピーとして効いている可能性があるので、相溶を考える場合には分子モデルで3次元的に問題をとらえることは有効である。
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東京農工大名誉教授秋山三郎先生の著書「エッセンシャルポリマーアロイ」(2012)は、ポリマーアロイを手っ取り早く勉強するためには大変良い本である。なんといっても、「---そしてFloryの格子理論の延長上に相溶性の熱力学が確立されてきた。」と現在完了進行形で書かれている。
この表現は、読む人により、「今もその深化に努力が続けられている」あるいは「ほぼ完成した」と意見が分かれるに違いない。この本は、曖昧さの残っているところはそのように丁寧に書いている。当方が学生時代に使っていた教科書よりも謙虚で初学者に誤解を与えない良書である。
高分子の相溶は、今も研究が続けられているテーマであり、フローリー・ハギンズ理論におけるχについても議論が行われている。すなわち、未だ学術的に完成した領域ではない、と言うことを技術者は知っておくべきである。
ゆえに秋山先生の本の出だしも言葉の整理から入っている。すなわち相溶という現象を表現する言葉も厳密に使われていない(とは本に書かれていないが)と考えた方が良い。換言すれば日本語の論文を読むときでさえその言葉の意味をよく考えなければだめだ、ということである。
英文では、miscibility(相溶性)とcompatibility(混和性)は分けて使用されているが、これが日本語になると、両者を相溶性と表現している場合もある。前者は、混合系が単一相を形成する能力であり、後者は非相容性ポリマーブレンドまたはポリマーコンポジットにおいて各成分物質が界面結合をする能力があることを意味している。
すなわち、セグメント運動を単位とする狭義の相溶性(miscibility)とミクロ分散構造を示す混和性(compatibility)とはっきり区別しなければいけない。後者は「溶」の「さんずいへん」をとり、相容という用語が用いられたりするが、これは避けるべきだと先の著書にはある。
このような厳密な視点で高分子材料を眺めると相溶系はごく限られたポリマーアロイだけになる。一方でミクロ分散構造を見分ける方法は実務上難しく、仮にそれを実施してもコストが高いという問題が生じる。20年ほど前、学会発表のために、ラテックスで製造したミクロ分散構造を某社に依頼してきれいな写真を撮っていただいたが、満足した写真が得られるまで1サンプル200万円ほどかかった。
あるコポリマーのラテックスが二種以上のコポリマーの混合物であり、技術的に安定性の悪い多元系コポリマーを製造するよりも、製造安定性の良い二種のラテックスを混合した方が経済性が良い、という結論を導き出すまでに人件費も含め2000万円ほどかかった。自分で指揮をとっていた仕事であるが「-----」と感じている。
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活動報告では、当方のサラリーマン時代の成果を中心に書いているが、日々の活動で学んだ事柄を中心にした内容を書いてみる。学術的な内容を書いてみてもアカデミアの先生にかなわないから技術者の視点で実践知を中心にまとめてみたい。
セラミックスから有機高分子まで32年間材料開発に携わってきた。その中で、「二種類の物質が溶けあう」ほど難解な現象は無い、と感じている。学術的には熱力学で論じると説明がつく話ではあるが、その現象に含まれる機能を活用しなければいけない技術分野では単純な問題ではない。
料理でも、例えばカレーのルーを溶かし込むときに無精をして火を弱めずに行うとこがしてしまうことがある。見た目に均一であると油断をしていると突然吹き出したりすることがある。初めてカレーを作ったのは中学時代であるが、母親に叱られながら焦がした(注)カレーを食べた苦い思い出がある。
「溶解現象」あるいは物を溶かす作業は、材料技術で必ず遭遇するが奥が深い。大学では物理化学の一コマで熱力学的な現象として習う。物理化学の教科書では低分子あるいはイオンの溶解現象を扱い、高分子の授業では、高分子物性を調べる手段として低分子溶媒に高分子を溶かした現象を学ぶ。
当方の学生時代の教科書には、二種類の高分子を混ぜたときの現象について、いわゆるフローリー・ハギンズ理論は、2ページ程度しかその説明に裂かれていなかった。相溶という言葉の説明も格子モデルのようになった状態として説明されているだけだ。教科書の大半はフローリーの書いた高分子を短く焼き直し、そこへ高分子の合成をくっつけた内容だった。
ごれがG.R.Strobl”The Physics of Polymers”(1997)という学部学生向けに書かれた教科書では、3割以上がこの議論である。 この本は、ゴム会社で長くセラミックス技術に従事していたために、転職して必要に迫られ改めて高分子科学を勉強するために購入したが、転職後のストレスで眠れないときに大変役だった。
(注)熱力学でエネルギーの状態を知るためのパラメーター「温度」が強度因子であることを体験したのはカレーが最初である。粘度の高い物質の入った鍋の中の系を均一な温度に保つのは大変な作業である。ゆえにカレーのルーを添加するときは加熱しないで攪拌した方が安全である。またルーを溶かし込んだ後、粘度の高い物質の混合技術が無いならば、弱火で時間をかけて混合する以外においしいカレーを作る手段はない。カレーを作る作業で,非平衡状態では系の温度が不均一であることを学ぶ。ものづくりの現場でも温度計測を行うが、非平衡状態の温度計測は注意した方が良い。カレーの鍋の中は、実測すると分かることだが、50℃以上の温度差(表面94℃、鍋の底176℃は実測値である)が生じている場合もある。だから油断すると焦がす。平衡状態以外では系の温度を均一にすることは不可能である。そもそも系の温度が不均一なときは非平衡状態である。
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混練は、高分子をただ混ぜているだけのプロセスではない。練りも進めているのだ。練りのプロセスでは高分子のコンフォメーションも含めた変化がその理解を難しくしている。
混練の教科書を開くと分配混合と分散混合の違いが説明されている場合が多い。形式知として知っていても実戦ではあまり役に立たない知識である。なぜなら、L/Dが50程度の長い混練機でさえも、スクリューセグメントをどのように工夫しても100%完全な混合を実現できないのである。
少なくとも実用的な工程では、100%完全な混合(注)を実現できているところは無いと思っている。何を持って100%とするのか、も問題があるが、ここでは仮に混合しようとしている材料の完全に平衡状態となった分散という意味とする。
かつてバンバリータイプの混練機で混練時間を変化させて取り出したサンプルについて、Tgやそのエンタルピーはじめ各種パラメーターを計測する実験を行ってみたが、30分以内の混練で、およそ平衡状態に到達したと思えるサンプルは得られなかった。
シリンダーの中の滞留時間は二軸混練機では30分未満だろう。完全に材料が平衡状態になるまで混練されずにストランドが押し出されていることになる。仮に分散効率をあげるために微粒子の表面を低分子で化学修飾してもこの状態は大きく変わらないと推定される。
やや話がそれるが、分散効率をあげるために微粒子を低分子で化学修飾したり、分散助剤を添加したりするが、力学物性にその効果が観察されても電子顕微鏡で分散状態の改良効果が見えなかったりする。もし電子顕微鏡観察で改良効果が見てすぐに分かるようであれば、それは大成功である。
たいていは電子顕微鏡写真を加工し、統計的に整理してその違いを議論することになるくらい効果がわかりにくいものである。だから、粘弾性試験も含めた力学物性は分散の効果を知るために感度の高い方法で、その昔、指導社員がご自分で製造されたサンプルの力学物性と同じになるまで混練の練習をしなさいと言っていたことがよく分かる。
(注)熱力学的に平衡な混合状態を混錬で実現しようとしたならば、ロール混錬を用いる以外に無いのでは、と思っている。しかしロール混錬で行ってもどのくらいの時間が必要なのか、ご存知の方がいらっしゃったら教えてほしい。
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フェノール樹脂の廃棄処理作業を利用して行った実験では、実用的な条件を見出せなかったが、フェノール樹脂とポリエチルシリケートとを混合して、シリカが沈殿せずいつまでも透明になっている液体を創りだすことができた。この1ケ月後には無機材質研究所への留学を控えていた。実験の続きは、2年間の留学を終えてから実施するつもりでいた。
しかし、留学したその年にその実験の機会が訪れたことは、一年ほど前の活動報告に書いたので、ここでは省略する。高純度SiCの前駆体ポリマーはこのように試行錯誤の結果完成したのだが、この前駆体ポリマーの合成条件については再現性やロバストも高く、実用性の高い技術であった。
ただ前駆体ポリマーの品質管理方法の問題が残っていた。すなわち、前駆体ポリマーが本当に均質であり、それを炭化した時にシリカが分子状態でカーボンに分散しているかどうかを科学的に証明(注1)するとともに、一定の品質を管理する方法を考えなくてはいけなかった。
この点については、最初から炭化物についてSiC化の反応を動力学的に解析してやろうと決めていた。すなわち、SiC化の反応速度論について、形式知として結論を出してやろうという野心をもっていた。
当時シリカ還元法の反応機構については諸説あり、SiC化の活性化エネルギーも形式知として存在していなかった。ゆえに、この形式知が定まっていない状態を科学的に終結させれば学位を取得できると考え、学位取得をめざしていた。
しかし、SiC化の反応をモニターするためには2000℃まで短時間に昇温可能な熱天秤(TGA)が必要だが市販品に無かったので新たに自分で製作しなければいけないという壁にぶつかった。この壁は2000万円かけて熱天秤を手作りして乗り越えたが、自作した高性能超高温熱天秤が完成して、美しいデータを見た時には感動した。
解析結果は、当方の学位論文を読んでいただきたいが、SiCの前駆体ポリマーの効果がそのまま現れているきれいなデータである。ただし、これは捏造ではない。熱天秤の生データも載せているので見ていただきたい。わずかであるが、プログラムで取りきれなかったデジタルノイズがでている。
アナログデータを出力し、チャートから解析する方法もあったが、速度論の解析をアナログチャートを使って人為的に行うとやや恣意的な解析も可能となるので、すべてコンピューターに解析をやらせた。すなわち、科学的研究では真理こそ真摯に追及すべきゴールなので、客観的なデータ処理(注2)に徹底して拘った。おかげで、C言語のプログラミングスキルを身に着けることができた。当時気軽に使えたN88BASICは計算精度とその処理速度に問題があったので、処理速度の遅いパソコンで計測制御を行うためには、アッセンブラーかC言語をどうしても学ぶ必要があった。
(注1)電子顕微鏡では、フェノール樹脂とポリエチルシリケートのコポリマー及びそれから製造された炭化物についてシリカが粒子として析出していないことを確認していた。また、SiOはフッ酸で除去できるので、表面をケミカルエッチングした状態も観察していた。しかし、電子顕微鏡観察という手法は、極めて狭い領域観察であり、科学的な証明に用いることができても、実際の生産になると、大きな領域での均一性が問題になる。そのためマクロ的な均一性をどのように確認するのかという問題が発生する。TGAの実験は、数百マイクログラムまでの量の均一性を評価したり、加熱条件の違いで反応がどのように変化するのか確認できた。すなわち品質管理に必要な装置であったが、SiC化の反応炉設計のためにも重要な設備だった。
(注2)STAP細胞の騒動では、論文データの扱いについてどこまで捏造なのか議論になった。40年前の学位論文を見ていただければ分かるが、その時の議論を当時の学位論文に適用したら、捏造と言われても仕方がない論文は多数存在する。ちなみに当初ゴム会社が国立T大に多額の奨学金をお支払いしていたので学位の面倒を見ていただいたが、お手本のためにみた学位論文にはひどいものがいくつか存在した。生チャートをそのまま載せるのではなく、写し取ったグラフを載せているのだが、本来存在すべきシグナルが何故か存在しないチャートを平気で載せている論文もあった。たまたまリン系の化合物について多数分析していたので気がついたのだが、それでも許された時代があったのだ。また許された、というよりもチャートから写しとって掲載するように指導もされた。ご指導されたとおり論文に掲載したが、今のようなデジタル処理ができない時代には、何でもありの時代だった。研究者が善人ばかりの時代の良き思い出であるが、疑問に感じていたので、データ収集から解析まですべてプログラムで処理する方法を選んだ。データ処理をどこまで凝るのかというのは、本質とのバランスだろうが、現代は40年前よりもデータ処理に関しては厳しく管理すべき時代と思う。
(注3)学位は子供の頃からの目標と夢であり、学位論文にはこだわりがあった。以前の活動報告に少し書いたが、わけあって国立T大で学位を辞退することになった。英文で学位は完成していたのだが、中部大学では、英文ではコピペを見落とすので全部日本語で書くように指導された。しかし驚いたのは、細部に至り厳しいチェックを何度も受けたことだ。見本でみた学位論文の品質から十分にそのレベルを満たしていた、と思った論文に容赦なく赤ペンが入り、書き直しを何度もすることになった。だから、STAP細胞の騒動で露見した学位論文の問題にはびっくりするとともに、学位とは何か、という問題を改めて深く考えさせられた。学位とは指導者にとっても責任を問われる作業なのだが、それを正しく理解していない先生がおられるのだろう。価値ある学位とは、授与する側とされる側が科学の真理に対し、誠実で真摯に対応したかどうかで決まる、と思っている。国立T大で受けた指導時間と中部大学で受けた指導時間では圧倒的に後者が長かったが、審査料8万円という金額で恐縮した。
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フェノール樹脂天井材の開発は、一年という短期決戦だったので、物量の投入スケールはものすごかった。ポリエチルシリケートの残量は、100kg程度であったが、フェノール樹脂については、世界中のフェノール樹脂メーカーから集められたあらゆる種類のサンプルがあった。恐らく廃棄処理したフェノール樹脂は1t以上だったように記憶している。酸触媒も30種類以上あり、すべてゲル化させるためには、2日ほどかかりそうだったので、徹夜覚悟で実験を行った。
試行錯誤の実験で成功するためには、考えられる実験条件をすべて実施することである。そしてそれを効率的に行う手段として、ラテン方格を用いる実験計画法があった。フェノール樹脂はすべてレゾールタイプであり、分子量で3グループに分けることができた。また、酸触媒もグループ分けができた。ポリエチルシリケートについては、低分子量のテトラエチルシリケートなども検討する必要があったが、ごみ処理のために購入することはできなかった。
結局材料と時間の都合で、すべての実験条件を実施することはできなかったが、フェノール樹脂とポリエチルシリケートと酸触媒を混合した時に透明な液体ができる条件をいくつか見出した。残る問題はゲル化だったが、このゲル化条件について最適条件をこの日見つけることができなかった。しかし、天井材の開発を行っていた時には、フェノール樹脂とポリエチルシリケートを混合した時に透明になる条件を見出すことができなかったので、大きな収穫だった。
8組ほど透明になった液体をドラフトに保管し、他はすべて廃棄処理場へ運んだ。翌日ドラフトに保管したサンプルを観察したところ、二つほど半透明のままゲル化していたサンプルがあり、実験の成功を確信した。後はゲル化時間を短くするだけである。
フェノール樹脂にはメチロール基があり、ポリエチルシリケートは酸触媒が存在するとフェノール樹脂に含まれているわずかな水分で加水分解し、シラノールを生成する。メチロール基とシラノール基あるいはフェノール性水酸基とシラノール基は反応する可能性があり、わずかな形式知からリアクティブブレンドの成功可能性は存在した。
しかし、ポリエチルシリケートとフェノール樹脂のχは大きいので、両者の反応前に相分離する問題があった。しかし混合撹拌しているときに両者の反応活性点がうまく衝突すれば反応し相分離しなくなる。ただそのような都合の良い条件があるという形式知が存在しなかった。
都合の良い条件について考察するための仮説については幾つか考えることは可能である。科学的に実験を行う場合には、そのいくつかの仮説を確認しながら進めることになるが、酸触媒の量とか反応温度とか撹拌条件とか考えなければいけない因子が多すぎる。仮説を確認しながら進めると言っても、結局は、ある特定の条件における確認作業になってしまう。形式知が少ない時の科学的な仮説に基づく実験の危うい部分である。
フェノール樹脂を廃棄するために行った実験の結果から、天井材開発で得られたデータを見直してみると、1年前は最適条件からかなり外れたところで検討していたことがわかった。ポリエチルシリケートが加水分解してシリカが析出する条件と、ポリエチルシリケートとフェノール樹脂とのコポリマーが生成し透明な液体となる条件とは大きく異なっていた。これは実験データを蓄積しなければわからないことで、科学的に見出すためには、多くの形式知を新たに蓄積する必要があった。
(補足)iPS細胞を作るために必要な4つの遺伝子を発見した山中博士も、遺伝子の全てを一つ一つ確認していてはこちらの命がもたない、と言って非科学的方法で実験を進めている。なんでもかんでも科学的に進めなければいけない、という硬直した考え方ではイノベーションを起こせない。しかし、非科学的方法で昔ながらの試行錯誤では、科学誕生以前の技術の進歩と同じ速度になってしまう。効率的な非科学的方法というものが存在し、弊社はその指導を行っています。すでに中国で実績が出ており、アジャイル開発も新材料の市場投入で成功させています。
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論理で仕事を組み立て、その結果見落としが生じても気がつかないということは、形式知の情報が乏しい時によく起きる。このような場合には、形式知重視の進め方だけでなく、思い切ってすべてのケースについて実践知に基づく実験を進めた方が良いという事例をERFの体験で書いたが、高純度SiCの発明プロセスに話を戻す。開発に用いたフェノール樹脂の処分作業がどうして楽しかったのかという4日前の話の続きである。
フェノール樹脂やポリエチルシリケートの反応に関する形式知は、当時実用性の乏しい内容しか公開されていなかった。フェノール樹脂発泡体を用いた天井材の開発では、酸触媒により反応速度が異なることは、形式知から理解できていても、フェノール樹脂に添加剤が入って複雑な処方になると、その形式知は活用できず試行錯誤で発泡とゲル化のバランスをとることになる。科学的な反応解析も可能であるが、合理的な試行錯誤の実験方法であるクラチメソッドのほうが効率がよい。
ところが、主任研究員である上司から、試行錯誤ではいけない、科学的に仕事を進めよ、と言われていたので、最適化実験以外に、ゲル化速度のデータを収集したり、発泡速度が系の内部温度で決まる、という仮説を支持するデータを集めたりしなければいけなかった。しかし、このようなデータは一年と言う短期の開発では、研究成果を活かすことができない。(注1)
しかし、役に立たない、と言ったならば、基礎研究をやれと言われ仕事が増えることは経験から学んでいたので、片手間に集めたデータに速度論の色をつけて、試行錯誤で出来上がった技術の説明に利用していた。この時運よく、パチンコ玉を使ったゲル化速度測定法に関する論文を見つけた。
これは、アメリカの技術者によるややインチキ臭い論文だったが、反応速度論など十分に理解していない上司には、歓迎された。このような状況では、試行錯誤による開発成果をあたかも形式知で出来上がったかのように組み立て説明すると上司を満足させることができた(注2)ので、そのおかげで反応速度論については深く勉強する機会となった。
不燃天井材の開発は、科学的な成果を求める上司と技術で短期に仕事を解決したい担当者の思いとのジレンマで悩むこととなったが、これは、技術と科学の違いについて企業のモノつくり哲学を深めるために良い体験だった。
この体験のおかげで、フェノール樹脂とポリエチルシリケートとの相溶を否定するフローリーハギンズ理論という形式知など怖くは無かった。現象の一部しか占めていない形式知で否定されたとしても、天井材の開発で行ってきたような試行錯誤ですべての条件で実験を進め、形式知から漏れた条件を見つければよいだけである。
幸いなことに天井材の開発に使用し余ったフェノール樹脂やポリエチルシリケートは大量にあった。さらに、ごみ処理業務なので科学的なレポートをまとめる必要もなかった。フェノール樹脂とポリエチルシリケートが相溶し透明になった状態だけを目標にひたすら混合すればよいだけだった。
(注1)研究としてまとまったときには、すでに天井材の配合が完成していた。すなわち研究と開発が同時進行で進むコンカレントエンジニアリングというとかっこよいが、研究のための研究を開発データから流用し、まとめていただけである。科学一筋の人は研究を先に行うかもしれないが、研究で解明される結果と、開発で望んでいる結果が異なっていた、という事態になる。この場合、ゲル化と発泡反応のバランスをとる界面活性剤と酸触媒が必要なのだが、研究成果では、それぞれが反応に及ぼす効果を示す結果しか得られない。そこから最適な組み合わせが分かるのかというと、残念ながら研究成果と実際の結果は異なることになる。しかし、報告書は、研究報告書と開発報告書が同時に作成され、このような作業で作成された報告書は、あたかも研究成果はすばらしく、開発にそのまま活かされているようなレポートを作成することが可能である。研究は千ミツと言われているが、すなわち1000個研究して3つ成功すれば良いそうだが、このような研究レポート作成法は開発が必ず成功する研究を約束する。このとき、無駄な作業をやらされている、という気持ちが強かったが、言われたことをサービス残業の連続で遂行してみて、良かったと思っている。すなわち、研究と開発をコンカレントに行う必要がなく、研究報告書が必要であれば、開発を完了してから研究報告書を作成すると、同じようなレポートを作成することが可能となる。そうすると開発を100%成功できる研究のやりかた、となる。じつはこれは大切なことで、開発で得られた実践知の中から形式知をまとめておく、という作業であり、技術の伝承のために重要なことである。
(注2)科学のまずいところは、あたかも論理的に正しい議論に組み立てると、それが真として定まってしまうことである。この時の上司への説明では、データの捏造をやっていない。また、捏造ではない証拠に、その時の論理的説明のとおりに技術ができあがり、工場で安定に生産できているのである。しかし、説明している当方は、捏造に近い恥ずかしさがあった。例えば、熱分解の速度論では、TGAのグラフで接線を引いて値を求めたりするが、当時はアナログデータしか取得できなかったので、チャート紙の上で、自分の好きな傾きで接線を引いても問題にならない時代だった。ただこの時の気恥ずかしさから、高純度SiC生成の反応速度論の解析では、2000万円かけて当時の技術レベルでほぼ完璧といえる熱天秤を自力で開発している。学位論文にその天秤の仕組みと解析データが掲載されているのでご興味のある方はご一読ください。ちなみに当時1000℃までのTGAならば500万円以下で購入できた時代である。しかし、2000℃まで短時間に温度を上げることが可能な熱天秤など存在しなかったので4倍の値段をかけてでも会社から許可が出たのである。科学をまじめに追究するのはお金がかかる。ちなみにSTAP細胞の研究費は1億4500万円かかったそうだ。
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300種類の界面活性剤について、カタログデータを用いて主成分分析を行うと、それらを幾つかの群に分類することができた。この処理で得られた結果は、統計的に偶然得られた関係である。これが科学的に意味のある関係かどうか、すなわち形式知として認められるかどうかは、統計的な意味と科学的な意味とのすりあわせ考察を行い、そこに普遍的な関係を見出だし、実証実験を行い、形式知として、改めて考察しなおさなければいけない。
しかし、技術開発に使うだけであれば、この分類された結果を一つの「機能分類表」と捉えノウハウあるいは実践知としてそのまま活用可能である。軟質ポリウレタンフォームの報告書を書くために作成した界面活性剤の分類マップをERFの劣化問題でも活用した。すなわち、増粘したERFを200個の試薬ビンに分けとり(注1)、それぞれにすべての群から選ばれた界面活性剤を一種類ずつ添加し変化を観察したのである。
この作業を形式知としてよく用いられるHLB値だけを頼りに行うと、昨日説明したような理由で最適な界面活性剤を見落とすことになる(注2)。実践知を用いて、すべての条件を実験するという姿勢が大切である。
また、界面活性剤はいろいろな分野で用いられるキー素材であり、等しいHLB値でも分野が異なると用いられる界面活性剤の分子構造が大きく異なっている場合も多い。表面界面の科学は21世紀の今日でも新しい研究論文が出ているような分野なので、形式知だけですべてを語ることは難しい、と思った方が良い。その道の職人の意見の方が、アカデミアの先生の意見よりも正しい時がある。
研究として界面活性剤の検討を真面目に行うと大変な工数がかかるが、界面活性剤の特定の機能だけを調べたいのであれば、実験計画そのものを簡単にできる。
ERFの劣化問題では、粘度を下げることができる界面活性剤を見つけるだけ(注3)なので、200個の試薬ビンを一晩静置し、翌朝粘度の下がっている試薬ビンを見つければよいだけである。この探し方も、目の前で試薬ビンを振り観察するだけの簡単な作業で済む。目視で粘度変化が分かるくらいの効果が現れない界面活性剤では、実際に用いることができない。
ところで、軟質ポリウレタン発泡体の場合には、界面活性剤とイソシアネート以外の成分をあらかじめ大量に混合しておき、ここから紙コップで分取して、紙コップの中で界面活性剤とイソシアネートを添加した時の反応を観察するだけの簡単な作業で簡単に最適な界面活性剤を見出すことができた。
以上のように、形式知に頼り真面目に実験を行っても、漏れがあったならば、長時間かけて否定的な結論しか得られないが、漏れがないようにすべてのケースについて(その結果、実験数は膨大になるが)実践知を活用して機能だけを追求する(その結果、実験時間を短縮できる)ような実験を行えば、短期間で技術シーズを見出すことができる。
この連載で伝えたいことは、何でも科学的に行おうという考え方をそろそろ見直したほうが良いのではないか、と言うことである。科学は技術者にとって便利で大切な哲学であるが、形式知が不足している分野では、それを使って問題解決できない場合も出てくる。しかし非科学的な方法で問題解決できるならば、それは良い方法で活用すべきである。iPS細胞の研究も非科学的問題解決法から始まっている。
(注1)この時手元には200種類の界面活性剤しか用意していなかった。
(注2)実際に複数のスタッフが一年以上界面活性剤の検討を行ったが、この問題を解決できる界面活性剤を見つけることができなかった。HLB値を頼りに100種の界面活性剤について実験を行ったそうだが、それでも見落としているのである(当方は偶然二倍の量だったが実験は一晩である)。科学は普遍的な真理を提供してくれるが、それは自然現象をモデル化したある側面の真理であることを忘れてはいけない。
(注3)繰り返しになるが、ゴムに封入されたERFの機能が喪失した現象を問題として捉えるときに、(1)増粘しているERFに着目する、(2)ゴムに着目する、(3)ゴムとERFの界面に着目するという3つの視点がある。当方にお手伝いの依頼が来たときには、(1)の視点については解決策が無い、という結論が出され、難しい(2)と(3)の視点で問題解決しようという方針が立てられていたようだ。しかし、そのような方針すら知らされなかったので、まず一番解決しやすいと思われる(それゆえ依頼してきたマネージャーも最初に取り組み否定証明で解決策無しという結論をだした。)(1)の視点で実験に取り組んだ。同じ部門でありながら、奇妙な秘密主義のおかげで問題解決が早くできた。
カテゴリー : 一般 連載 電気/電子材料 高分子
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話が横道にそれたが、高純度SiCの開発プロセスについて中断し、少し電気粘性流体(ERF)を事例に実践知による問題解決の重要性を書いてみる。
ERFは、絶縁オイルに半導体微粒子を分散した流体で、この流体に電場をかけると微粒子が帯電してつながりゲル状態になる。そして、電場を取り除くと帯電状態から解放され、元の流体に戻る。すなわち、電場のONとOFFで固体に近い高粘度状態にしたり、低粘度の流体にできたりと、可逆的に電場で粘度を制御可能な流体である。
しかし、どのような半導体微粒子と絶縁オイルの組み合わせでも、可逆的なER効果が発現するわけではない。1980年頃はERFが登場して40年ほどしかたっていなかったので、どのように半導体微粒子を設計すればよいか、まだ形式知として知られていなかった。この形式知が存在しない時代に、当方の発明による3種類のERF用微粒子構造設計法の特許が出願されている。
一つは、微粒子の表面から内部にかけて抵抗が10の12乗Ωcmから10の5乗Ωcmに低下している傾斜組成の微粒子構造である。二つ目は、あたかもコンデンサーが分散した構造のような微粒子である。そして三つ目は絶縁超微粒子を半導体中に分散した構造の微粒子である。いずれも1μm前後の大きさの微粒子の構造を実際に制御して創り上げた世界初の材料で、実践知と馬鹿力により瞬間芸あるいは手品のごとく短期間で開発している。
オイルについても、誘電率が高いとER効果が高くなるので、ホスファゼンオイルを発明したが、これは大学院時代に恩師から授かった形式知の成果であり、その後この技術は二次電池の電解質の難燃剤技術へ展開されて行く(形式知の良いところは、論理がつながる限り、すぐに第三者が開発に取り組める長所がある)。
但し、微粒子がうまく材料設計されていれば、オイルはホスファゼンオイルのように高誘電率でなくても高いER効果を出せたのでこの技術は蛇足だった。また、その後誘電率が高いと応答性が悪くなるという問題も見つかった。
さて、ERFとはこのように特殊な絶縁オイルと特殊な構造の半導体微粒子との組み合わせで構成されるが、これをゴムの中に封入して用いると、ゴムの配合成分がERFへ抽出され、その結果ERFが増粘し、ひどい時にはゲル状になる。ゲル状になってしまうと、電場のON、OFFで粘度変化を制御できなくなり、電気粘性流体の機能が無くなる。これがERFの耐久劣化問題である。
ERFをゴムに封入し耐久試験を行うと一週間未満でER効果を示さなくなる。ゴムの種類によっては、耐久試験を始めて一日でダメになることもあった。ERFの実用化のためにはこの劣化問題の解決が不可欠だった。
そこで、高純度SiCの事業化を一人で推進していた当方が駆り出されたのだが、ひどいのは同じ研究部門に所属していたにもかかわらず、それまでの開発成果を見せてもらえず、ただ一週間後から仕事を手伝ってくれればよい、という指示だった。それで、一週間の猶予の間に、耐久性の劣化問題の解決とERFの微粒子設計、そしてホスファゼンオイルのアイデアなどを実験結果を添えてまとめた。周囲はびっくりしていたがーーーー。
カテゴリー : 一般 電気/電子材料 高分子
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フェノール樹脂とポリエチルシリケートとをリアクティブブレンドで相溶させる技術は、形式知だけでは実現できなかった。フェノール樹脂やポリエチルシリケートの個別の反応に関する形式知は存在したが、両者が共存した時の反応に関する形式知は、公開されていなかった。
SiC化反応(シリカ還元法)の反応前駆体となるシリカとカーボンの均一混合物の製造方法については、(1)シリカとカーボン、樹脂を混合し固める方法、(2)カーボンとポリエチルシリケートとを混合し固める方法、(3)フェノール樹脂とシリカを混合し固める方法の3種類が、特許として公開されていた。
ポリエチルシリケートとフェノール樹脂をリアクティブブレンドしてコポリマーを生成する技術が公開されていなかった理由は、すでにここで書いたように、相分離してそれぞれの高分子が個別に反応するため、急速に分離し不均一な前駆体しかできないからである。
(2)法と(3)法が公開されていたので、リアクティブブレンドは誰でも思いつきそうな技術であったが、このアイデアは形式知であるフローリーハギンズ理論からは否定され、実験を行っても理論の再現を確認するような結果となる。すなわち仮にアイデアが生まれても、研究者ならば否定証明を行いたくなり、モノはできない。
話が高純度SiCの発明プロセスからやや脱線するが、この事例のように、形式知が新しいアイデアを抹殺する事態は数多く存在する。ところが大半の研究者は、科学という形式知の世界で仕事をしているのでそのことに気がつかない。その理由は、形式知で否定される現象については懐疑的に見ながら実験で確認し、実験でうまくできないと安心して否定証明を行うからである。
例えばSTAP細胞は、一流の研究者がその再現にチャレンジしたができなかったので存在しない、とされたが、もし楽観主義者か未熟な誰かが科学的に否定できない条件で実現したら、「存在しない」とされた結論がひっくり返る可能性がある。
STAP細胞に限らず、このようなことは度々起きる(注1)が、否定証明が成された直後にその結論がひっくり返るようなことは、あまり起きないので気がつかないだけである。また、否定証明され「起こりえない現象」とされた結論が、その直後にひっくり返ったならば大騒ぎになる。
例えば、こんな事例もある。留学から会社へ戻り、高純度SiCの事業化で苦しんでいた時に手伝った(注2)電気粘性流体の耐久性問題では、界面活性剤の添加という手段で問題解決できない、という結論が否定証明で出されていた(注3)。
HLB値というパラメータを軸にして、すべての検証が行われたかのようなレポートを転職直前に見せてもらったが、科学的にその内容が正しくとも技術者から見れば大間違いのレポートだった。幸運にも当方に問題解決の依頼が来た時には、このレポートの存在を知らされず、ただ仕事を手伝え、と言われただけである。そこで実践知として体得していた技術の定番である界面活性剤を用いて1週間ほどで問題解決をした。
実践知を用いた技術的問題解決法というのは、形式知を重視している人からは許しがたい方法に見えるものらしい。しかし、形式知が存在しない領域の現象を扱う時には、暗黙知や実践知を総動員して問題解決しなければ、新しい技術など生まれない。これを科学の時代だから研究を行い形式知を蓄積して問題解決しましょう、などと言い出す人がいるから困る。
現代の科学で解けない問題や、科学を用いずに解いた方が早い問題は世の中に多数存在する。ビジネスの世界では大半がそうだ。電気粘性流体の耐久性改善問題では、増粘してだめになった電気粘性流体を200個の試薬ビンに入れ、その200個の試薬ビンへ全て異なる界面活性剤を添加し、一晩放置後、粘度が低下している試薬ビンがないか探しただけである。そして、たった一晩で答が出た。出た答についてその再現性や理論的こじつけを考えるのに3日かかり、企画書が出来上がったのは実験を始めてから5日後だった。
(注1)STAP細胞については、まだ、いろいろな条件を設定して行った実験でできなかった段階である。数学的帰納法では、すべての自然数で成立しないことを論理的に示すことができるが、自然科学の新しい現象について、すべての条件でその現象が起きないことを示すのは難しい。
(注2)今ならば、パワハラあるいはモラハラになるが、単なる肉体労働をすればよいとか、どうして頼んでもいないことを考えるのか、とリーダーに叱られたりした。当時は貢献したいと真摯に考えての行動だったが、理解されなかった。ゆえに「手伝い」という表現を用いている。実際には片手間の手伝いのつもりではなく、遅れていたテーマを強力にバックアップする意気込みで仕事をしていた。
(注3)ようだ、と表現したほうが適切かもしれない。お手伝いの依頼を受けた時には、界面活性剤を検討した結果について情報を頂けなかった。ただ、界面活性剤でできるのではないか、と依頼を受けた直後に応えたら、「そんな簡単な問題ではない、ゴムの配合を検討しなければいけないのでその開発要員だ。」と言われた。
カテゴリー : 一般 電気/電子材料 高分子
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