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2026.02/23 データサイエンスのCD

50年近く前、重回帰分析や主成分分析を1回行うだけで、使用部門には2000円程度の負担が求められた。この金額は当時NTTの提供しているサービスより少し安い金額と言われていた。


それでも、コンピューターを使用すると周囲から白い目で見られていた。タイヤのトップメーカーゆえにゴムやゴム薬などを材料メーカーから無料で調達できたので、ゴムの研究について年間人件費以外かからないテーマもあった。


そのような状況なのに、研究テーマ管理について成果を投入金額で割って評価する方法がとられ、本部長は、何故ゴムのテーマ以外育たないのかと嘆いていた。


さらに、材料の研究を行うのにどうしてコンピューターが必要なのか、といわれるような時代でもあった。しかし、8ビットのパソコンが普及し始めると少し事情が変わってきた。


当方は上司が保証人となって80万円のローンを組むことになる。OA委員会が研究所内にできてプログラム開発するにあたり、英語論文を書くようにプログラムを開発すれば良いと言われた。


プログラム開発にはパソコンが必要と説明しても、いろんな種類のパソコンが出ていて、半年後には新しいパソコンが安くなっているかもしれない、などと心無い後ろ向きの発言をする人もいた。


当方がプログラム開発にはデバッグ作業が伴うので、パソコンが絶対に必要だと説明しても、そんなに必要ならば自分で買え、そうすれば毎月のコンピューター使用代金も節約できる、と上司から言われてMZ80Kを一式購入することになった。


当時本体は20万円台で購入できたが、FDが30万円以上していた。また、FDを制御するためには専用のOSが必要であり、プログラム開発環境も含めると80万円かかった。


会社の仕事をやるのにコンピューターの費用に関しては、個人の負担が求められた時代である。原因は、コンピューターというものがどのようなものなのか理解できていない人が大半だったからである。


やがて世界のトップメーカーになる企業の研究所でさえ、コンピューターに対してこのような認識だった。データサイエンスに対して無関心どころか仕事中にやるべき科学の研究ではない、ぐらいの意見を平然と述べる人もいた。


これが1990年代には少し改善されるが、データサイエンスを用いて一晩で問題解決したところ、FDを壊されたり、机の上にナイフを載せられたりする事件が起きた。あまりの出来事に当方含め3人が転職している。


ところが2012年にはアカデミア発マテリアルインフォマティクスのブームが起き、データサイエンスは材料研究者の常識になった。これはパソコンが一人1台以上使える時代になっただけでなく、関連ツールが無料で入手できるようになった影響がある。


AIを使用したプログラム開発環境さえ無料で手に入るのだ。ものすごい時代になった、と思う。もう、Pythonをエクセルと同じように使えなくてはいけない。


Pythonで解析し、必要ならばエクセルファイルを自動で吐き出す時代である。TMの解析プログラムコードもデータが入力されればプログラムが出てくる便利さとなる。詳細は弊社へ。

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2026.02/22 都議のノートPC

ある都議のノートPCが話題になっている。天板一面にアニメのキャラクターシールが貼られており、それを議場で使用している姿の写真をSNSに公開したところ、賛否両論出てバズっている。


キャラクターシールの貼られたPCを前に笑顔の都議の写真を見た人で、好意的に感じた人とそうでない人に分かれている。


好意的に感じた人は、シールがアニメだったことから日本が今海外に売り出している文化を愛する都議と感じたのかもしれないが、そうでない人はどのように感じたのだろうか。


好意的に感じた人でも文化面から感じたのではなく、この都議の笑顔から好意的に感じたのかもしれない。一方好意的に感じなかった人は、議場という場所との不整合あるいはそれ以外の理由で嫌悪感を示したのかもしれない。


このように、AとnotAに分かれていく事象について解析するときに、機械学習の手法として決定木が使われたりする。AIブームなので深層学習でパーセプトロンのアルゴリズムを持ち出す人もいるかもしれない。


しかし、SNSでバズって様々な意見が出ているならば、意見の要素を取り出して、素直に多変量解析を行った解析で、情報の中に隠れている本質的な部分に迫ることが可能だ。


データサイエンスの初期に多変量解析が主流だったが、今は猫も杓子も機械学習で問題を解こうとする。PCにシールを貼って喜んでいる都議の議論より、問題とすべきことかもしれない。


現象の中に隠れている相関について、解析を始める前にまずよく観察することが重要だ。これは技術者が現象を捉える時に身に着けていなければいけないことで、議場でアニメいっぱいのPCを広げて喜んでいた都議が何か欠けている、と騒ぐことよりも大切だ。

カテゴリー : 一般

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2026.02/21 選考方法の難しさ

カーリング女子が惨敗で、選手選考方法の見直しを進めているという。まだオリンピックは終わっていないのにこのような話題が飛び出すのは、選手に失礼である。


オリンピックは参加することに意義がある、と言ったのは、クーベルタン男爵で、それがいつの間にかメダル争いとなってきた。


確かにカーリング女子は過去に銅メダルや銀メダルをロコソラーレがとってきて、今回そのチームは選考過程で負けて、オリンピック出場はかなわなかった。


カーリング男子は、実績が無いのであまり話題となっていないが、そもそも男子が弱い問題を過去に議論しなかったのか。


とにかく、スポーツを楽しんでいる立場からは、メダルを取って欲しい、と応援する気持ちが強いが、オリンピック開催中に選考方法が悪かった、などと発表されると興ざめする。


企業でもおかしな社長が選ばれていても、選考方法が悪いなどとと合併交渉中に発表しない。交渉相手企業から伝書鳩のような社長と言われても、一応社長であり、その職位に敬意を表すべきだろう。同様に参加している選手が弱くても代表に選ばれたのである。

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2026.02/20 データサイエンスのコツ

データサイエンスには様々な技法がある。例えば、既存のデータから目的とする値を予測する方法には重回帰式を用いる方法から機械学習や深層学習の手法まで様々である。


また、データの特徴量を解明し、分類する手法にしても、多変量解析や機械学習、深層学習、マハラノビスの方法など様々である。


深層学習の手法は、いわゆるAIであり、どのような問題にでも応用可能である。それでは、この手法一つを体得しておけばよいのか、というと、牛刀でリンゴの皮をむきにくいのと同様に使えないことは無いが、不便な場合がある。


例えば変数間に一次相関があるならば、多変量解析が圧倒的に使いやすい。変数間の関係が分からない場合でも変化が予想されるような、あるいは期待される変化があるならば、パーセプトロンを持ち出すまでもなく決定木で十分な場合がある。


あるいは重回帰式の工夫で2次以上の変数を導入し組み立てるという方法もある。このような回帰式が使いやすい場合もあるので手法の選択は経験知も必要になってくる。


昨日答えから考えると書いたが、これは故ドラッカーの正しい問題設定が前提となる。正しい問題の正しい答えをもとに解析しなければ、何をやっているのか分からない状態になる。実務においては正しい問題を解くことが一番大切なミッションである。AIの手法を前提にするとおかしなことが始まる。

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2026.02/19 データサイエンスの手法

データ解析を行う時にデータサイエンスの手法を使用するのだが、これが統計手法から深層学習まで様々あり、まず何を使用するのか選ぶ段階が、初心者には高い障壁となる。


その前に、すでにデータがある場合とこれからデータを取得しようという段階でも手法が異なってくる。これを情報工学の先生に問い合わせても良い答えが返ってこない場合もあるかもしれない。


少なくとも専門書でデータサイエンス入門と名がついた本を見ると、入門になっていない本がすべてであることに気づく。1979年にタイヤの計量化問題を担当した時に、データサイエンスと言えば多変量解析の時代だった。


このような時代であっても、どのような手法を選んだらよいのか、問題を正しく把握していない先生に質問しても難解な答えしか返ってこない。実際に情報工学の一期生が同じ問題をグループで担当していても彼は答えられなかった。


そこで、奥野先生の名著「多変量解析」を1冊購入し、6人で分担して読み、手法の議論から始めている。この時すでに気づいたのだが、データサイエンスというスキルは技術者全員が身に着けているべきスキルである、ということだ。


実際にデータ解析をしたい人がどのような答えを期待しているのか、一番よく理解しているのである。すなわち、自分が欲しい答えから解析方法を考えてゆく、というのがデータサイエンスのコツである。

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2026.02/18 問題解決法

今回の衆院選で新登場した中道の新リーダーが決まったのだが、ニュース報道を読んでいると、正しい問題を立憲民主党と公明党の方々が見ていないように思われる。


故ドラッカーは問題を解くにあたり、正しい問題を見出せば、8割解決できたようなものだ、と語っていた。しかし、立憲民主党と公明党だけでなく中道改革連合の方々も正しい問題が分かっていないようだ。


まず、中道という新しい党ができて、立憲民主党と公明党の立候補予定者がそこに結集し、選挙戦を戦って、大負けした事実がある。


ここで、何が問題かと言えば、有権者からの視点と立候補者の視点では異なってくるはずだ。有権者の視点でも支持者と非支持者でも視点が異なり問題が変わるはずである。


ある一般アンケートで半分近くが、立憲と公明に分かれた方が良い、と報道されたが、これは有権者全体の結果であり、中道の国会議員の視点とは異なる。むしろ、中道の党員にとって正しい問題を考えるために不要な結果である。


このようなアンケートを発表しているメディアは、中道のことを真摯に考えていないのかもしれない。中道の国会議員や立憲、公明の党員は、こうしたノイズに惑わされず、まず、事実を整理することから始めなければいけない。


事実を真摯に受け入れ、事実から正しい問題を見出す努力が重要である。間違った問題を設定したならば、そこから仮に正しい答えを導き出したとしても意味のない答えとなるだけでなく、党員にとって害となる答えになることは、ドラッカーに指摘されなくても理解できるだろう。

カテゴリー : 一般

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2026.02/17 高分子材料の破壊セミナー

下記内容で日刊工業新聞社主催のセミナーが2月25日に開催されます。詳細は次のURLでご確認、お申込みください。

https://corp.nikkan.co.jp/seminars/view/7418

1.固体の破壊力学
  1.1 破壊とは
  1.2 材料力学と破壊力学
  1.3 Griffithの理論
  1.4 線形破壊力学の要点
  1.5 フラクトグラフィー
  1.6 ワイブル統計
  1.7 事例:セラミックスの破壊解析
2.高分子の破壊
  2.1 高分子概論
  2.2 高分子の破壊機構
    a.エラストマーの破壊力学
    b.クレイジング
    c.事例:ポリ乳酸
  2.3 高分子の劣化機構
    a.化学劣化
    b.物理劣化
  2.4 ケミカルアタック
3.高分子の寿命予測
  3.1 寿命予測概論
    3.1.1.アレニウス式による寿命予測
    3.1.2.多変量解析による簡便法
    3.1.3.ラーソン・ミラー型による寿命予測
    3.1.4.寿命推定試験
  3.2 事例:免振ゴムの品質保証
  3.3 事例:寿命予測の失敗例(高級カメラの事例)
  3.4 事例:ゴムローラの初期故障
4.マテリアルズインフォマティクス
  4.1 データマイニングについて
  4.2 事例:組立メーカーのクレーム解析
    (コンパウンドメーカーの立場で解析)
  4.3 タグチメソッド
5.まとめ

カテゴリー : 一般 高分子

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2026.02/16 高分子の難燃化技術セミナー

今週18日に技術情報機構で表題のセミナーが開催されます。今回はAI時代の情報調査とテーマ企画を意識しながら講義いたします。


すなわち、本セミナーを受講されれば、高分子の難燃化技術について知識の獲得ができるだけでなく、技術の情報調査や企画をどのようにDXしたらよいのか具体的な難燃化技術を題材に講義を進行しながら解説します。


詳細と申し込みは、下記をご覧ください。


https://johokiko.co.jp/seminar_chemical/AG2602C8.php

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2026.02/15 メタマテリアル

20年ほど前にメタマテリアルのブームがあったが、最近あまり騒がれていない。ロシアのヴェセラゴが60年以上前に予言した負の誘電率の材料である。


30年ほど前に帯電防止材料を開発していて、メタマテリアルを見つけた。帯電現象の解析にインピーダンスを用いて研究していた福井大学客員教授時代である。


当時電気化学の先生と共同研究していたので、この問題について結論はすぐに出た。早い話が、キワモノデータと評価されていると説明を受けた。すなわち、再現性が無かったり、測定法に問題がある場合ばかりであり、学会発表したりすると信用されなくなる、とのこと。


それでは今実験している系について研究発表は難しいのか尋ねたところ、インピーダンスに絶対値をつけて発表すればよい、とご指導くださった。そして発表時に絶対値の質問があったなら負になる場合の存在をさりげなく答えればよい、と発表の仕方も教えてくださった。


案の定、この研究について発表してもお約束のように絶対値としている点に質問は無かった。また、質問されても困ったので、先生のご指導で助けられたことになる。


その後、20年ほど前に中間転写ベルトの量産が始まった時に、材料の改良研究も開始した。すなわち、カオス混合により、パーコレーションの制御がコンパウンド段階で可能となったので、それまで6年間研究された材料について見直しを始めたのだ。


その時もメタマテリアルが発見された。電気の専門家が材料評価をやっており、彼が血相を抱えて報告に来た。誘電率が負になったと慌てているのだ。


また、世間ではメタマテリアルが話題になり始めていたので彼の驚きもブームの影響があった。但し、レーザープリンターに使用したところ使い物にならなかったので、そのままボツにしたが、今改めてこの時の現象について見直しを始めた。

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2026.02/14 AIは友達になりうるか

少し前にAIのせいで自殺した息子の親が、AIの会社を訴えた、というアメリカのニュースが話題になっていた。ものすごい事件である。そもそも、人間関係の構築に現代人が苦労している話は昔からある。


人間関係で自殺した場合に、例えばそこにハラスメントがあれば、今の時代はアウトである。ハラスメント以外に洗脳支配などという怪しい事件もあった。


物騒な話はともかく、AIが友達になるかどうか、を考えてみたい。東日本大震災後に村上春樹の「色彩のない多崎つくると、彼の巡礼の旅」がベストセラーになっている。


この本の中で作者は、他人の物語の中に生きている自分や人は誤解されたまま生きることがある、傷は消えないが意味は変わるなど震災を経験した人へのメッセージを託している。


詳細は読んで鑑賞していただきたいが、この本では、友達関係の描写が、というよりも友達について当方も考えたことのない描写が出てくる。その友達関係があたかも名古屋の進学校で観察されたかのような書き方なので面白く読んだ。


さて、友達がどのようなものかは、表現が難しいが、配偶者とは異なる存在であることは確かである。時々友達関係の夫婦です、と自己紹介される人がいるが、少し悲しい。


当方にとって、AIは、やはり他人であって、そのような他人の言うことで死ぬとは考えられないのだ。そもそも友達にひどいことを言われても、それで死ぬまでには至らない。


AIで自殺した人がいるならば、AIと友達以上の関係を構築していた可能性が高いと思っているが、信じ難い関係である。AIとはせいぜい友達関係以下にしかならないように思っている。


AIの中に自己を投影することができるか実験してみたが、できなかった。また、AIに褒められてもさほど嬉しい気はしなかった。所詮AIは道具である。まだ友物となるほど進化していない。AIを友達と格上げしたなら友達に申し訳ないのである。

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