組織は仕事で成果を出すための道具である、といったのは故ドラッカーである。組織を道具としてうまく使いながら知識労働者は成果をだす。だから使いにくい道具ならば使いやすいように改めなければいけない。
ゴム会社では、組織改正が頻繁に行われた。研究所の組織は、毎年部分的に修正された。まさに成果を出しやすいように経営者が道具を改良していたのである。入社して10月に研究所へ配属され、指導社員の指導も無視して無茶な仕事のやり方をしていた。一年計画の業務を3ケ月で仕上げてやろうと意気込んでいた。
実際には2ケ月半で成果が出て、耐久性のある新しい樹脂補強ゴムの配合処方が見つかった。指導社員から、新人発表まで何をするのか、と尋ねられた。そのときこの樹脂補強ゴムの研究をやります、と応えていた。
配合処方を見つけることはできたが、訳の分からない現象が幾つかあった。特に耐久性のあるゴムの硬度がどのように制御されているのか不思議だった。分析グループの協力もあって、樹脂相が海でゴム相が島の構造の時に耐久性のある硬度の高いゴムができることが分かっていた。そのほかの高次構造も観察されていたが、どれも耐久性の無い構造として分類された。
なぜうまく海島構造になるのかも不思議だった。ゴムの海の中に樹脂の島が分散する構造がもっともでき易かった。ゴム相が海になるのは、その組成比から何となく理解できたが、樹脂の添加量が少ないのに特定の配合において樹脂相が海になる現象を理解できなかった。
指導社員から、ゴムの弾性率を制御している因子から考察してみてはどうか、と指導された。そのとき条件として、定時に帰ることを義務づけられた。当方が遅くまで実験をやっていたことが所内で問題になっていたらしい。指導社員は、定時になると囲碁を始めるのが日課で、囲碁仲間から悪い噂をいろいろ聞いている、と説教された。
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ものづくりの心に触れることを目的とした「産業観光(industrial tourism)」という言葉を日本では東海旅客鉄道初代会長須田寛氏が最初に提唱したと言われているが、愛知県は製造業を中心に栄えてきた土地柄のため非常に力を入れている。
例えば、トヨタ自動車(株)が運営するトヨタ博物館(長久手市)やトヨタ会館(豊田市)、トヨタ産業技術記念館(名古屋市)の3施設を初めとして、29施設が、モデルコースやそれぞれの施設の楽しみ方とともに、愛知産業観光ナビに紹介されている。
このホームページ(以下HP)に紹介された29施設以外に、当方が調査したところ10施設以上名古屋にはこれらに匹敵する産業観光施設が存在し、全国的に見ても名古屋は産業観光の宝庫と呼べるエリアである。
なぜHPに一部の施設が紹介されていないのか不明だが、当方が知っている施設には名古屋市西区の正村ビル3Fにある正村竹市資料館のように、現在閉館中で開館予定は不明という施設もある。
この資料館は、パチンコマニア垂涎の聖地とも呼べる展示がなされていて、学生時代までパチンコに打ち込んでいたので、この展示を見て当時を思い出し感動した。かつて大三元のチューリップ満開でフィーバーした経験のある世代ならば、ここが再度開館したら是非一度見学に行くだけの価値のあるパチンコ専門の博物館である。
また、名鉄河和線住吉町下車徒歩5分の位置にある半田赤レンガ建物は、知る人ぞ知る幻のカブトビールの製造工場跡地である。横浜赤レンガ倉庫や日本橋も手がけた明治建築界の巨匠妻木頼黄(つまきよりなか)の設計による遺構であるが、中空構造を持つ複壁や多重アーチ床など珍しい構造に触れることができる。このような開館中の渋い施設もHPに紹介されていない。
愛知県はこのように産業観光に力を入れているが、名古屋はその宝庫である。しかし、愛知県のHPには、そのすべてが紹介されておらず、県と市の連携の悪さが少し気になる。それが市長の濃いキャラクターが原因でなければよいが。
ところで、もし名古屋駅で4時間以上の時間ができたならば、800円の共通券を購入し、ノリタケの森とトヨタ産業技術記念館を楽しんでいただきたい。2時間未満の時間であれば、ノリタケの森を無料で散策する旅を推薦する。二時間未満の小さな旅でも貢献を重視する名古屋人の気質をうかがうことができる。
ここは必ずしも一般大衆が魅力に感じる街では無いが、秘めた魅力の多い街である。その秘めた魅力が時々爆発する。それが名古屋だ。もし名古屋の魅力を花火として打ち上げる必要があればいつでもお手伝いします。
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電通新入社員の過労死が労災として認められたという。この事件についてWEBには様々な情報が公開されているが、誇張を割り引いたとしても上司同僚の冷たさが伝わってくる(注)。当方もゴム会社で12年間勤めひどい仕打ちも経験した。転職理由は責任感からだが、12年間の生活における人との交流において良い思い出のほうが多い。中にはFDを壊し仕事の妨害をするような明らかに悪い人もいたが、その人達を凌ぐ優しく優れた人材が多かったからだと思っている。
辛い生活の中にもホットする出来事が日常に有ったので12年間勤めることができ、今でもゴム会社に悪い印象は持っていない。むしろ実務能力の多くの部分をこの厳しい会社で鍛えられ、サラリーマン最後にはカオス混合技術を開発できるほどの能力をつけてくれたことに感謝すらしている。ゆえに半導体用高純度SiC事業に関し、特許報償を求めることもせず、ただその事業の成功を祈ってきた。
ゴム会社に比べ写真会社は優しい人が多かった。学んだことは少なかったが、おそらく写真会社は日本の会社の中でも勤めやすい会社ではないか。電通事件で異常な点は、新入社員に残業100時間を超える業務を押しつけている点である。少なくとも公開情報からは、そのような情景しか見えてこない。
残業100時間といっても実際には月200時間以上だった可能性がある。当方も新入社員時代に10月に配属され担当した樹脂補強ゴムの仕事が面白く、1年の仕事を三ヶ月で仕上げる野望を持ち、会社で寝泊まりして業務を遂行した思い出がある。残業申請していたなら100時間をはるかに超えていただろう。
新入社員のため残業手当がつかないから定時で帰るように指導社員から毎日のように指導されたが、こっそりと残業をして2ケ月半で成果を出すことに成功した。午前中座学で、学んだことを実際に午後には体験できるという仕事が楽しかったのだ。専攻が合成化学だったので、まともなレオロジーの講義など受講した経験は無かった。理論とそのシミュレーション、そして実際のデータに裏打ちされた説明は、さらに新事実が生みだされる予感とスキル不足の不安との揺らぎの振幅を大きくする迫力があった。
自ら進んで行っている残業は辛くはなく、そのうえ周囲は早く帰れと気を遣ってくれるので、毎日の疲労感は無かった。時折指導社員から、仕事が早いな、と褒めていただけるのも励みになっていた。そんな自分の新入社員時代と対比すると、自殺された方の職場環境があまりにも悲惨である。
社会に出て1年も満たない知識労働者は、いくら優秀であったとしても道具としての組織をうまく使えない。実務を通して初めて身に着けられる技だからだ。少なくとも指導社員は一年間毎日生活の指導をしなくてはいけない。新入社員はその指導を通して初めて組織と言う道具を使いこなし実務ができるように成長する。
ゴム会社の職場環境も褒められた状態ではなかったが、さらに米国タイヤ会社買収後は悲惨な状態へ変貌していった。おそらく自殺された新入社員の職場環境は、その最悪な状態よりももっと劣悪だったのかもしれない。
睡眠時間を削って仕事に励むときに、それが自らの貢献と自己実現のためならば、残業代などいらない気持ちになる。実際に当方はゴム会社でほとんど残業申請などしなかった。しかし、自殺された電通社員の方は知識労働者としての尊厳も否定されていたのかもしれない。WEB情報から、地獄のような職場環境が見えてくる。もし若い人で同様の職場環境の方は弊社へご相談ください。天国から地獄まで経験したサラリーマン人生を基に無料でアドバイス致します。
(注)電通は大きな組織である。大きな組織では、その下位の組織ごとに風土が形成されることがあるので、今回の事件をもって電通そのものをブラック企業と判断してはいけない。当方が12年間勤務したゴム会社の全体の風土はKKD一色に見える体育会系の明るい企業で、創業者の精神が生きていた。しかし、配属された研究部門は、社内でも「雲の上の人々」と呼ばれるぐらい異なる風土だった。そこでは、科学的なロジックこそすべてであり、KKDは軽視された。しかしそのような部門の中にも、実技を重視する侍社員もいて、指導社員はそのような人だった。
おそらく今回報じられている電通の事件はその部門特有の環境から生じたのかもしれない。今回の事件でもって電通という企業の評価とするのは正しくない。電通にもすばらしい人物は多い。多様な人材が揃っているからこそトップになれるのだろう。
ところで大きな組織では職場異動も可能だが、上司同僚の巡り合わせが悪い時には転職を考えた方が良い場合がある。上司には部下を選ぶ裁量が認められているが、部下には上司を選ぶ自由度は無いのである。部下を持ったなら、まずこのことを真摯に考えなくてはいけない。30年以上前の当方の指導社員は当方が初めての部下だった。レオロジーの基礎知識を大学の先生よりも懇切丁寧かつ実技とともにご指導くださった。当方はその熱意に応えたくてサービス残業を自主的に行い、成果を早くだそうとしていた。そのような環境では苦労も楽しいのである。社会人のスタートでその後の仕事のやり方、働き方が決まる、ということを新入社員を迎えた組織は銘記すべきである。
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このセラミックスフィーバーから10年近く前、すなわち電動パチンコが主流になる直前の頃に大三元という手打ちで大当たりが可能となるパチンコ台が名古屋に登場し注目を集めた。電動パチンコでも大三元が登場しているが、手打ち台でもっとも玉を出すことができた。
セラミックスフィーバーがナノテクに発展してゆく頃に、名古屋の錦三丁目は、とんでもないネオン街として週刊誌を賑わした。この30年前、当方の少年時代のことなので、新聞記事で読んだだけだが、女子大小路が全国区になっている。
女子大小路がヒットした同じ時代に、石原裕次郎「白い街」がヒットしており、その歌詞には名古屋白壁町が登場する。白壁町近くには名古屋嬢が通学する有名女子高や高偏差値の進学校があり、名古屋人なら皆知っているはずと思っていたら、カラオケで歌ってみても知らない人が多いのにびっくりさせられる。
名古屋の特徴は、風俗から先端技術領域まで全国の度肝を抜くような花火が時々上がることである。河村市長が誕生したときにも全国の注目を一瞬集めた。すなわち、名古屋は花火を打ち上げるのは得意だがその魅力を持続させることができない街なのだ。
名古屋祭りで有名な三英傑にしても徳川家康は名古屋を離れ東京に転勤している。もし本能寺の変が無かったとしても、名古屋は政治の中心になっていなかっただろう。三英傑でさえ名古屋を出てしまった。河村市長がもし総理を目指したいなら、再度上京しなければいけない。名古屋から総理は難しいと思う。
ところで今携帯電話のCMで注目を集めている「なめ猫」の発祥の地は名古屋であり、御多分に漏れず1980年代そのブームは花火のごとく一瞬にして終わった。残ったのは猫の虐待という不名誉な噂だけである。子猫の写真をとるのに割りばしを使ったことが原因だが、写真を撮った後においしい鮭缶を食べさせた伝説は伝わっていない。
過去に名古屋は大いなる田舎と呼ばれていたときもある。都会人では考えられない野良猫を集めてキャラクタ-に作り上げるような昔から「田舎的魅力」の街なのだ。だからアンケートでビリになったからといって大騒ぎする必要は無いと思う。大衆が魅力を感じる街が本当に魅力ある街とは限らないのだ。名古屋には名古屋人しか分からない魅力があり、その魅力を大切にしてゆくことも街づくりで大事だと思う。
たまに名古屋へ訪れたときに、栄の地下街を歩くとホットする。これだけの街でありながら、人混みとなっていないのだ。地下を歩く一人一人がゆったり生き生きと闊歩している。東京でこのような光景を見ることができない。
東京の街はあたかも人「ゴミ」の集積場である。豊洲の状況を見れば、都庁の役人の仕事まで腐ってゴミになりそうだ。名古屋ではありえない仕事ぶりである。名古屋の公務員は都庁の役人よりまじめである。
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「行きたくない都市」ダントツ1位は名古屋だそうだ。
「最低だろうと思っていたけども、これだけポイントが低かったのは、びっくらこいた」。そう言って、自嘲ぎみに笑うのは、名古屋市長の河村たかし(67)だ。今夏、名古屋市が行ったアンケート調査の結果が、関係者ならびに名古屋市民たちを愕然とさせている。と、「女性自身」のWEBニュース10月6日版で報じられていた。
アンケートは、東京・大阪・札幌など全国の8都市に住む男女を対象としたもの。「買い物や遊びに行きたいか」という質問の回答を指数化したところ、名古屋が1.4ポイントと最下位。トップの京都(37.6ポイント)に比べると、わずか27分の1!7位の大阪でさえ16.8ポイントだから、その不人気ぶりは歴然だ。
さらに「最も魅力的な都市」と「最も魅力に欠ける都市」を1つずつ選ぶ質問では、名古屋を魅力的と答えた人はわずか3.0%、逆に魅力に欠けるという回答は、30.1%。関係者をよりガッカリさせたのは、ほかの7都市の市民は自分たちが住んでいる都市を「いちばん魅力的」と、答えているのに、名古屋市民だけは「東京や京都のほうが魅力的」と回答していたことだったという。
この記事について、名古屋出身の当方は十分に理解できる。一方で、名古屋が全国から熱い注目を集めた時期もあり、その現象を見ると、逆に名古屋という町の特徴が浮き上がる。そして、自信を持って、魅力の無い街、名古屋万歳と言いたい。月並みの魅力の無い点が名古屋の魅力だからだ。河村市長に、今のままでいいのだと提案したい。
それでは、名古屋が熱い注目を集めた現象を幾つか紹介したい。例えば、1980年代のセラミックスフィーバーでは、名古屋のセラミックス業界は熱く燃え、名古屋にファインセラミックスセンターが設置された。筑波に無機材質研究所があっても、名古屋に熱い視線が集まった一瞬である。
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科学の基礎研究テーマに比較して、技術テーマは立案しやすい。もし新事業のエンジンとなるような技術テーマがなかなか見つからない、と言うのであれば、それは、新技術の考案がしにくい特別な風土かもしれない。
ゴム会社では、ホスファゼンに高純度SiC、電気粘性流体の増粘防止技術、傾斜機能粉体、微粒子分散型粉体、コンデンサー分散型粉体、ホウ酸エステルなど新素材に関わる技術テーマを多数企画提案し実現した。これらのテーマは転職後も引き続き検討され、高純度SiCの基本技術などは30年経った今でも事業で使われている。
なぜこれだけ多くの素材の企画提案、そして実現ができたのかは11月の講演会で明らかにするが、写真会社では自ら最初に企画提案したのは、退職間際の仕事から列挙すると、射出成型可能なリサイクルPET樹脂、カオス混合プロセス、酸化スズゾル帯電防止層、インピーダンスを用いた帯電防止技術、ポリマーアロイによる環境対応下引き技術など。ちなみに写真会社には20年、ゴム会社には12年勤めている。
その他の写真会社の仕事は、既に過去から存在したテーマの改良か、部下が立案してきた企画を磨き上げたぐらいである。ゾルをミセルにしたラテックス重合はホワイトボードに書いた下手な絵がきっかけになり、部下がそれを見て成功した企画である。
ゴム会社では担当者であり、写真会社では管理職という立場の違いもあるが、緊張感の影響も少なからずある。カオス混合プロセスの企画提案は、それを実行しないと単身赴任してそのまま惨めな退職という結果になりかねず、どうしてもテーマを成功させなければいけない立場だったので新技術を自ら企画提案し、それを用いた世界初の混練プラントまで立ち上げた。
ゴム会社では、怖い本部長から”まずモノ持ってこい”と叱られ、新技術による新素材を携えプレゼンすれば優しく褒められたので、一生懸命新技術のテーマを立案し、自分でモノを作る習慣がついた。
写真会社は皆が優しかった。職場環境そのものが優しく、同じ時期に転職してきた上司など毎日机で新聞広げていても誰も注意しなかった。
さすがにそれはまずいだろう、と思い、年下ではあったが注意したところその人に憎まれることになった。サラリーマンは難しい。最近はパワハラやモラハラが言われるので、厳しい上司はいなくなったが、アイデアを出すのに、良い意味で緊張感は重要である。
ゴム会社の本部長や研究所長を皆怖がっていたが、成果を出せば優しさ100%だったので、大変仕事をやりやすかった。新技術を考案するには、ある程度の緊張感が必要である。緊張感の乏しい風土では、日々の仕事を流していたほうが楽なので新しい技術を考えようとしない。緊張感があれば必死で考える。凡人には、この必死で考え汗を流す瞬間が必要である。ただし冷汗はだめ。11月の講演では、アイデアを出すコツとしてこの緊張感を自ら制御する方法も説明する。今は各種ハラスメントが騒がれるので皆が優しい時代となった。アイデアを出すためには自らを「適度に」追い込む必要がある。
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うなぎパイが名古屋駅で販売されなくなった話から浜名湖のことが時折思い出される。袋井でコンパウンド工場立ち上げに奔走していたときであるのと、そこで偶然昔勤めていた会社の話題を小耳に挟んだりと印象的な出来事が重なっていたからかもしれない。
しかし、三河から浜名湖、大井川付近は秋の行楽シーズンにお勧めのエリアが多い。ローカルな話からすれば10月中旬には豊橋祭りが、11月には香嵐渓もみじ祭がある。浜名湖湖畔の舘山寺温泉は、春先も良いが、今の時期は少しすいているのでお勧めである。
2017年大河ドラマも決まり、おそらく来年は混雑するので、今年が狙い目である。また、都内では結構値段が高くなったウナギが、昔ながらの3000円前後で食べられるので浜名湖周辺は行楽シーズンのお勧めスポットである。
10年前うな重3000円は高いと思ったが、最近は都内で4000円以上の店もあるのでなぜか割安感がある。なんと言っても日本で初めて養殖に成功した浜名湖産であるところがいい。都内で蒲焼きを食べる時には、まず国産品かどうか聞くことから始まる。
3年前中国のシャントウで仕事をしていたときに、中国産のウナギをよく食べた。日本と違い、普通の魚の値段である。しかし、いけすのウナギの顔は、日本のウナギの顔と少し違う。中国人と日本人は見分けがつかないときもあるが、中国産のウナギは、一目で分かる。
蒲焼きになってしまうと首実検ができないので産地を騙されても確認しようが無いが、シャントウは海沿いの町で食事前に必ず首実検することになる。しかし、そこで日本産のウナギに一度も出会ったことがない。
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科学的知識は専門性が高いと思われているが、日常生活でも容易に得られる。また日常生活の中で得られる知識の方が学校で習う科学的知識よりも役立つ場合が多いように思う。時として非科学的知識も得られるが、それも重要である。
知識は学校で学ぶものだと考えている人は、この日常生活の中から知識を得ることが不得意である。亡母は、昔から漂白剤の使い方を生活から学んでいたし、洗剤を説明書通り入れなくても、すなわちその量を半分にしても洗濯ができることを知っていた。
後者の知識はケチの結果かと思ったら、その逆で、洗濯の量に比べて洗剤を間違えてたくさん入れたところ、汚れの落ち方は変わらず、逆にすすぎが大変だった経験から獲得したという。すなわちすすぎの時間を短くしたいから洗剤の量を半分にしたという。昔は全自動洗濯機など無かったので、毎日の家事で知識を適用しなければならないシーンが多かった。
日々の生活も自然現象なのでそこから得られる知識は科学的知識である。臨界ミセル濃度という難しい話を知らなくても界面活性剤の量を適量にする知識ぐらい身につくのである。そしてそれは調味料に応用され、味の素の使用量が激減した。
これは非科学的な話だが、味の素が販売量を増やすためにアナの大きさを変更したことは有名な話で、その噂話を聞いてから、味の素を直接ナベに添加するのではなくふたで計量してから入れるようになったという。
主婦でも家事に知識を適用した働き方をしているのである。もっとも亡母は女学校卒のインテリだったので身の回りに対する問題意識は高かった。すなわち知識を仕事に適用する働き方とは簡単な仕事でも問題意識を持って取り組むことに他ならない。
そして見出された問題を過去の知識を総動員して解決しながら働くのである。これが知識を適用する働き方であり、どのような仕事でも知識労働者の仕事になりうる。そのとき重要になってくるのは問題解決力であり、11月に従来の視点と異なる問題解決法の講演会を予定しています。弊社へお問い合わせください。
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知識を適用する働き方について考えてゆくと、仕事と人生を切り離す考え方は、どうしても効率が悪くなる。知識が人生から生まれる場合もあるからだ。また、人生から知識を生み出すような生活をするのが現代人の身につけていなければ行けない作法の一つであると思っている。
学校で学ぶ知識だけに囚われていると人生は非常につまらないものになる。時々、年をとってから改めて学校へ行くことが話題として取り上げられたりする。また、最近の大学では社会人のコースなどを用意しそのニーズに応えている。
知識を学校に行かなくては身につけられない、と考えている人は、グライダーのような人だ(注)、少なくとも義務教育を修了すれば、自分で知識を身につけられるようになっていなくてはならない。これは、亡父が当方によく説教した台詞である。小卒という学歴で、叙勲できるほど警察官を立派に勤め上げた人の説教だから説得力があった。
読書は学校に行かなくても知識を身につけられる一つの方法であり、読書を趣味だという人は勉強をしていない、と辛辣な表現をした友人がいたが、亡父によると読書は趣味ではなく日々の大切な習慣だといっていた。こちらの方が優しくその目的がわかりやすい。
読書以外にも知識を身につける方法は、情報化時代の現代においてたくさんある。例えば、WEBサーフィンを一時間も行うと雑学情報が相当頭の中に入る。インターネットが普及する前にパソコン通信という手段があったが、このときもチャットで仕事のヒントとなるような知識を手に入れることができた。
また、異業種の人が集まるパーティーで立ち話を聞いているだけでも多くの知識が入る。自分の分からない話が出てきたら、とりあえず聞いておいて後で調べてみると、それは自分が知らないだけの常識だったりした。
例えば、STAGE-GATE法という言葉は30年以上前に研究開発管理手法として常識となっていたが、研究開発5年生の当方にとって初めて耳にする言葉であった。ゴム会社では、この方法に近いQC手法に基づく研究管理が成されていた。
(注)外山滋比古著「思考の整理学」にも同様の言葉が出てくるが、当方は50年近く前からこの言葉を聞いていた。
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創業から5年たち、いろいろな業務を経験することができました。その中で高分子の難燃化技術は、ゴム会社へ入社1年後から3年間担当した業務でした。ホスファゼン変性ポリウレタンやホウ酸エステル変性ポリウレタン、ケイ酸変性フェノール樹脂など燃焼時にリン酸ユニットを系内に保持する炭化促進型コンセプトで開発した技術は、40年ほど前では斬新な考え方で、学会の招待講演などでも高い評価を得ました。
その後、イントメッセント系難燃剤などが注目され、現在に至っておりますが、燃焼時にリン酸ユニットを固定し、炭化促進を行う難燃化手法は、三酸化アンチモンとハロゲンの組み合わせによる難燃化手法と同様現在でも主要な難燃化技術(イントメッセント系難燃剤も同様のコンセプトの発展形)として採用されております。
今回、この難燃化技術にさらに磨きをかけるため、新素材を開発いたしました。まだ特許出願中のため素材の詳細を開示できませんが、基本コンセプトについてわかりやすく解説する講演会を開催いたします。弊社へお申込みいただければ、新素材を開発した企業のご紹介等特典がございます。
なお、11月には科学にとらわれない思考法をベースにした問題解決法の講演会を予定しております。本講演会では、従来の科学的な問題解決法をおさらいし、そこに潜む問題点を明らかにし、新たな技術を創造するための誰でもできる発想法と当方がこれまで用いてきて有効だったノウハウを伝授いたします。
1.機能性高分子の難燃化技術とその応用
(1)日時 10月4日 10時30-17時30分まで
(2)場所:東京・西新宿
(3)参加費:48,600円
(注)評価技術に力点を置き、高分子物性を創りこむノウハウもご説明致します。
https://www.j-techno.co.jp/seminar/ID57NLFEZ15/%E6%A9%9F%E8%83%BD%E6%80%A7%E9%AB%98%E5%88%86%E5%AD%90%E6%9D%90%E6%96%99%E3%81%AE%E9%9B%A3%E7%87%83%E5%8C%96%E6%8A%80%E8%A1%93%E3%81%A8%E3%81%9D%E3%81%AE%E5%BF%9C%E7%94%A8/
2.高分子難燃化技術の実務
(1)日時 10月27日 10時30-16時30分まで
(2)場所:江東区産業会館第一会議室
(3)参加費:49,980円
(注)難燃性と力学物性、さらに要求される機能性をどのようにバランスさせ品質として創り込むのか、という視点で解説致します。
https://www.rdsc.co.jp/seminar/161026
3.11月度開催予定の講演会は下記
https://www.rdsc.co.jp/seminar/161116
カテゴリー : 学会講習会情報 電気/電子材料 高分子
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