故ドラッカーは、現代を知識労働者の時代と表現した。昨日も少し書いたが、AIが普及したときに、AIにできない仕事とは、あるいは人間らしい知識労働のやり方とは、と考えてゆくと、仕事は人生と関わってくる。あるいは、人生との関わりをもてる仕事をしているのが知識労働者という言い方もできるのかもしれない。
現代の人間が生きてゆくためには、働かなければいけない。その働き方は、ただ指示されたことを指示されたとおり、機械的にこなしているだけでは面白くない。故ドラッカーはどのような仕事でも現代の仕事では知識が求められている、と語っている。もし、自分の仕事には知識がいらない、と思っている人は、働き方が悪いのかもしれない。
このあたりについては、故ドラッカーの少年時代の話が大変参考になる。まさに知識などいらないような仕事をドラッカー少年が担当していたときの話である。そのような仕事に対しても、ドラッカー少年は「知識を適用した」のである。
この「知識を適用」する働き方が知識労働者の働き方であり、どのような職種でもこのように捉えると知識労働者の仕事になる。言い換えると、仕事が知識労働者向けかどうか、ということではなく、どのような仕事にも知識を適用する働き方ができる人を知識労働者という。
このようにドラッカー流に考えると、いくらAIが進歩しても、人間の働き方が知識を適用する働き方である限り、そしてその知識の源泉を人生に求める限り、人間がAIに取って代わられる時代とはならない。
逆に仕事を自分の知識と切り離して働くような働き方をする人は、仕事の現場からAIによりはじき出される可能性がある。ここで「知識を適用」する働き方とは、というのが問題になる。
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11月15日に開催される問題解決法のセミナー( https://www.rdsc.co.jp/seminar/161116 )については弊社へお申し込み頂ければ割引価格で受講可能です。
ところで、政府が廃炉を含めた抜本的な見直しを進めている日本原子力研究開発機構の高速増殖炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)で、配管などに残っている放射性物質を含むナトリウムが約760トンに上ることが6日、原子力機構への取材で分かったそうだ。処分方法は未だ決まっておらず、廃炉が決定した場合は大きな課題になりそうだという。
現在進められている東電福島原発の後処理の問題も同類だが、原子力技術関係の研究者や技術者は、その問題解決能力が極めて低いと言わざるを得ない。すなわち、今の時代、どのような技術でもそれが搭載された商品について環境アセスメントをしないメーカーは存在しない。PL問題を事業存続を左右する最大リスクとして捉えているからだ。
原子力技術について、5年前起きた福島原発の問題で初めてその実体を知ったが、発電所で事故が起きたときや、発電所を閉鎖するときの方法や経済性について考えられていない、いい加減な技術だった。そして未だこの問題に対して誰も国民の満足できる回答を出していないのである。
そのような状態で原発再稼働などできるはずがない。福島原発のようなことを想定して、国民がその対策に満足したときに原発再稼働が可能かどうか結論を出せる。福島原発の40年以上かかる後始末について、東電の負担ではなく大半は国民の負担で進められている(注)。その他の原発についても同様の事態が想定されたならイデオロギーやアレルギーは別にしても、論理的に考えてみても再稼働賛成派が多数にならないことは明らかである。
少なくとも福島原発の後処理について、東電一社がすべてを犠牲にして行っています、という状態を国民に見せなければ、いくら発電所のアセスメントを完璧に行ったとしても国民の納得は得られない。すなわち原発再稼働の問題は、すでに答えが見えている問題なのだ。
それにしてもその商品を廃棄するときの処分方法を考えずに販売しているような間の抜けた事業をどうして原子力事業者は行ってきたのだろうか?納得できる答えを知りたい。問題解決法のセミナーではこのような問題を起こさないノウハウも指導致します。
(注)原発の再稼働できない状態でも何とか電力供給は滞っていない。もし、原発を再稼働しない限り現在の生活を維持できない、という状態になれば、考え方が変わる人が出てくるのかもしれない。しかし、再稼働すれば経済負担が増すリスクが高まる状態では、電気を節約してでも再稼働して欲しくない、というのが多くの国民の意見ではないだろうか。東電の退職者には未だに東電から企業年金が支払われたり、給与水準も高い状態であり、これだけでも国民の理解は得られない。本来ならば経営者の報酬0で運営されるべき状態の会社である。日本にはそのような中小企業が多くあり、少なくとも東電の経営もそのような中小企業と同様にすべきである。これは厳しい意見ではなく、先週日曜日NHKで放送された内容では、暗にそのようなメッセージを伝えている。この問題について国民は「あるべき姿」を真剣に考え政府に求めてゆくべきである。
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11月15日に開催される問題解決法のセミナー( https://www.rdsc.co.jp/seminar/161116 )については弊社へお申し込み頂ければ割引価格で受講可能です。
今回のアメリカ大統領選ほど世界中から注目され、その結果で世界に衝撃を与えた選挙は無いだろう。そのアメリカでは選挙終了直後に反トランプデモまで起きるほどの混乱である。
選挙戦を通じて世界中の多くの人たちが初の女性アメリカ大統領の誕生を信じていたに違いない。ヒラリー・クリントン氏は敗戦の弁として、次のように語ったという。
「皆さんに、特に若い人たちに聞いて欲しいんです。私は、自分が信じるもののために、生涯をかけて戦ってきました。勝ったことも、負けたこともあります。辛い思いもしました」
「あなたたちも、勝つこともあれば、負けることもあるでしょう。負けることは辛い。でも、決して、信じることをやめないでください。正しいことのために戦うことは、価値のあることです。やるべき価値のあることなんです」
年齢を考えると、ヒラリー氏にとっては大統領になる最後のチャンスだったに違いない。一度目のチャンスは党代表にもなれなかった。彼女が若い人に語った言葉はおそらく本心だろう。研究開発には勝ち続けたが、サラリーマン人生としては敗者に分類される当方にとって勇気が与えられた言葉である。
人生の節々で勝負しなければいけない瞬間は多い。それを逃げていてはだめで、常にチャレンジせよとヒラリー氏は語りかけているのだ。チャレンジで負けることは辛い。敗者の経験の多かった当方には、今回負けてもなおかつチャレンジすることの価値を訴えたヒラリー氏の言葉が負け惜しみに聞こえなかった。
弊社が提案している問題解決法とは、ただ問題を解き答を求める方法ではない。意志決定までも促す方法なのだ。意志決定しチャレンジした結果負けることもある。だからと言って答えが間違っていたのではない。自分が価値あると思ったことには、生涯をかけて戦う必要があり、それゆえ意志決定はその場しのぎではだめで、正義を信じて行う。その時ドラッカーが言うところの誠実と真摯さが表に出てくる。
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11月15日に開催される問題解決法のセミナー( https://www.rdsc.co.jp/seminar/161116 )については弊社へお申し込み頂ければ割引価格で受講可能です。
昨日二次電池関係のセミナーに招待されて講演したが、他の講師の方の講演で面白い内容があった。当方の前にアカデミアの先生二名が講演されたのだが、その二名の先生方の御研究成果を組み合わせるとものすごい発明になる、という発表だった。
当方の講演の時にそのアイデアを少しご披露させていただいたが、講演後質問があった。PPAP式アイデア展開による即興説明だったが、講演しながらも少しもったいない話をしたような気分になった。
帰り道、さらに面白いアイデアが浮かんだ。PPAP式アイデア創出法は、展開の仕方で広がりができるので便利だ。テンポの良いリズムに合わせてアイデアが出てくる。
さて、その基になった科学的成果だが、一つは水の電位窓が1.2Vから3V程度に広がるというもの。公知のように、水を電界質として二次電池に用いると、水の電気分解が始まる1.2V以上の電池を組むことができない。これが3Vに広がれば、水系Na二次電池や、さらに放電容量が大きいMg二次電池を作れる。
詳細は弊社へ問い合わせていただきたいが、科学の情報に対して知識を適用し成果を出す一つのパターンとしてPPAPは有効である。ピコ太郎のリズムネタをただ笑っているだけではもったいない。
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11月15日に開催される問題解決法のセミナー( https://www.rdsc.co.jp/seminar/161116 )については弊社へお申し込み頂ければ割引価格で受講可能です。このセミナーの内容について少し紹介する。
仮説を確認するために実験を行うのは、科学の方法である。それに対して、機能を確認するための技術開発特有の実験もある。むしろ企業では後者が主体になるが、かつて研究所ブームの時には前者一色だった。前者の問題は、否定証明の存在である。否定証明が好きな優等生に開発を担当させるとモノができない。
技術開発では新しい機能を生み出すことが重要になるので、新しい機能を生み出す実験も必要になる。これは、イノベーションを生み出すための実験でもある。
実験のやり方には、この3つの方法があると思っている。この3つの方法は、問題解決の手段でもある。この3つの方法の中でも、イノベーションを生み出す実験は誰でもできるとは限らない、と言われている。しかし、コツさえつかめば誰でもできるのである。
例えば実験を失敗したときに目の前に現れた現象をどのように認識できるのかで、大きく分かれる。失敗した実験は、あくまでも失敗した実験だが、そこには新しい現象が現れているはずだ。その新しい現象を認識できるかどうかが失敗した実験からイノベーションのタネを見いだす眼力を左右する。
例えばゾルをミセルに用いたラテックス重合技術は、コアシェルラテックスの開発過程で失敗した実験からコンセプトが生まれている。
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11月15日に開催される問題解決法のセミナー( https://www.rdsc.co.jp/seminar/161116 )については弊社へお申し込み頂ければ割引価格で受講可能です。
マネジメントの責任者として恥ずかしい見解が出た。昨日の毎日新聞ヤフーニュースの記事では、「東京都の豊洲市場(江東区)で盛り土がされていなかった問題で、都が1日に公表した第2次検証報告書で「盛り土案を変更した責任がある」とされた元新市場整備部長の宮良(みやなが)真氏(63)=退職=が、都に再検証を求める文書を提出していたことが分かった」、とある。
そして、「宮良氏は、管理監督責任を認めた上で「部課長会は意見交換の場であって、意思決定の場ではない」と反論。「予算計上などの権限を持つ事務部門の了解を得ずに工法変更はできない」」とある。
この反論のどこがおかしいのか分からない方は、是非弊社提供のセミナーを受講していただきたい。まずマネージャーである前に知識労働者として、その仕事のやり方は、組織に働きかけて成果を出すことだ、と言うことを理解していなければならない。
すなわち、他の部署の権限が明らかであれば、何か問題が発生しているときに、その権限がある部署へ働きかけて問題解決に当たるのが、知識労働者の仕事のやり方である。マネージャーであるならば、なおのことマネジメントの権限を活用して、問題発生を直接防ぐことが可能な立場である。
よく部署間の壁という言葉が使われるが、知識労働者の仕事のやり方を理解しておれば部署間の壁など存在しない。そこにあるのは正しいマネジメントが成されていない状態なのだ。部署間の壁は、組織間にまたがる問題が発生したときによく言い訳に使われるが、これはマネジメントの問題なのである。
マネジメントの問題は、マネジメントの責任ある役職についている人すべてに、ある一定の責任が存在する。その責任を認めた上で語られる下りとして内容が矛盾しているのである。
もし当方が宮良氏の立場であれば、「部課長会で盛り土問題の報告を聞きながら、予算計上部門に盛り土無しの計画に意思決定させて申し訳ない。事務部門の責任者の意思決定の責任の一部も負いたい」となる。これが宮良氏が解答すべき正しい答えである。
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11月15日に問題解決のセミナー( https://www.rdsc.co.jp/seminar/161116 )については弊社へお申し込み頂ければ割引価格で受講可能です。このセミナーの内容について少し紹介する。
山陽新聞デジタル11月5日版に表題の記事が載っていた。はごろもフーズ(静岡市清水区)が三重県桑名市の工場で2015年7月に製造し、岡山県倉敷市内のスーパーで販売したフルーツの缶詰にクモが入っていたらしいが、この事を公開しなかった。
お客様相談室に持ち込まれた事案らしいが、本来問題が起きたときに公開すべきである。食の安全安心が厳しく問われている時代にこのような企業姿勢では売り上げを落とす。もっともこのような問題ははごろもフーヅだけでなく、某パンメーカーではゴキブリの足が入っていても公開しなかったし、過去にこのような事例を調査したところ、ネット情報としてぞろぞろ出てきた。中国メーカーを批判できない。
いずれも、お客様相談室へ直接クレームしたがその後のフィードバックが悪く、お客様から新聞社等へ漏洩したものだった。このような問題は、直接保健所へ届けるに限る。当方も10年ほど前豊川へ単身赴任しているときに購入したパンからゴキブリの足が出てきた。大手ではあるが、ここではメーカー名はふせる。
すぐに菓子折りをもって担当者が飛んできて異物を見せてくれ、という。担当者の目の前でゴキブリの足を動かして見せて、明らかに虫の足だと説明しても、焦げたものかもしれません、調べてみますと言う。ゴキブリの足だと担当者が答えないので、保健所へ連絡しようとしたら、顕微鏡で見て必ずフィードバックする、と懇願された。
仕方がないのでゴキブリの足を担当者にわたし、返事を待った。翌日携帯電話に電話があり、顕微鏡で観察したところ焦げた破片でした、という。これは誤った問題解決方法である。保健所に確認してもそのパンメーカーから届け出はないという。
証拠品を渡してしまったのでそれ以上のことはできないが、これはコンプライアンス違反である。まだ50代であり、仕事で中間転写ベルトのボツ観察を肉眼でしていたぐらいだから眼鏡をかけてはいたが、眼力は確かであった。このパンメーカーでは、虫やほこりが入るのは不可抗力で、万が一お客様がそれを見つけたら、お客様に不快感を与えないようにするのが最善の策と考えていたのかもしれない。しかし、これはお客を馬鹿にしている解決方法だ。
これは、当時の担当者の対応からの想像になるが、恐らくパン生地の練り工程でゴキブリが侵入したのを発見し、取り除いた、しかし、ゴキブリの足が6本だったのか5本だったのか確かめなかった、そしてこの問題はゴキブリを取り除いて解決したと当日の日報にでも書いていたのだろう。ところが運悪く取り除いたゴキブリの足が一本パン生地に残されたままだった。それが当方の購入したパンに入っていたのだ。そこでパンは高温で焼くのでゴキブリの足程度ならば安全に問題ないので、何もなかったことにしようという問題解決を行ったのではないか。10年以上経ってもこれといった健康障害は出ていないので実害はないが、このような想像を改めてしてみると気持ち悪くてそのメーカーのパンを食べる気にならない。
企業における問題解決のシーンでは、単純に答えを出せばそれで終わりにならない場合があるので注意を要する。故ドラッカーは、企業のあるべき姿から問題を常にとらえる重要性を指摘していた。食品メーカーのあるべき姿は、安全安心のできる食品を顧客に提供することである。
お客様相談センターを使い、証拠を回収し隠蔽していたのでは、コンプライアンス違反に発展する。11月15日の問題解決セミナーは、従来行われていたようなQC手法やロジカルシンキングなどの単なる問題解決法の伝授ではない。企業人として仕事を進めるためにどのように正しい問題を捉え解決するのかについての勉強会でもある。アイデアをどのようにひねり出すのかも説明する。
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11月15日に開催される問題解決法のセミナー( https://www.rdsc.co.jp/seminar/161116 )について弊社へお申し込み頂ければ割引価格で受講可能です。今日はこのセミナーの内容について少し紹介する。
環境対応樹脂の開発を退職直前の一年間担当した。当時環境対応樹脂と言えばポリ乳酸が有名で、様々なポリ乳酸ベースの樹脂が開発されていた。ただ、ポリ乳酸は燃えやすく射出成型しにくいのでそのままでは複写機などの精密部品の材料として使えない。
そこでポリカーボネート(PC)とポリ乳酸(ポリラクティックアシドPLA)の組み合わせ樹脂が材料メーカー各社で開発されていた。燃えにくいPCに燃えやすいLAを30%程度組み合わせて難燃性を高めていた。ポリ乳酸は生物由来の材料なのでこのPC+PLAは、環境対応樹脂と呼ばれた。これをもとに、PLAの代わりにごみのPETボトルを使うアイデアを考えた。すなわち、PC+PET(ゴミ)である。
PC+PETはPC+PLAと同じような手法で難燃化でき、簡単に射出成型可能な樹脂を開発できた。しかしこれでは面白くないので、PC+PET+PLA+PCとくっつけてみたところ面白いアイデアが浮かんだ。ごみのPETの中に多数の樹脂をブレンドして射出成型しにくいPETを射出成型できるようにするアイデアがひらめいた。新たな樹脂PPPPである。
PC+PETでは、PETの含有率が30wt%だったが、PPPPでは、PETの含有率を80%程度にしようと考察した。PLAの代わりにPENを、PCの代わりにPPSをとテキトーに加えて、素材の強相関性に着目し最適化したところ難燃剤を使わなくてもUL94-V2を通過できる新たな樹脂を開発できた。
PPAPで大切なところは、パイナップルとペンの組み合わせで満足するのではなく、それらを合体させて驚くところだ。すなわち、お手本を真似ることで新たなアイデアを創りだし、さらにそれらを融合して独創までアイデアを練り上げる手順をPPAPは示している。
この方法では、強相関性に着目すること(科学をベースにおいている)で、試行錯誤を効率的に行い、実現している。すなわち、アイデアを生み出すプロセスはピコ太郎と同様の非科学的であるが、練り上げるときには、科学をベースに練り上げるので、その結果出来上がったものについて逆に科学的考察を加えると科学的な香りが見えてくる。科学の無い時代でも時間はかかったが新たな技術は生まれていた。これからの時代はこのような非科学的手法も用いながら新たなアイデアを出して新たな科学の芽を見つけてゆくことが肝要ではないか。
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11月15日に開催される問題解決法のセミナー( https://www.rdsc.co.jp/seminar/161116 )については弊社へお申し込み頂ければ割引価格で受講可能ですが、このセミナーの内容について少し紹介する。
金曜日のミュージックステーションにピコ太郎が出演し、「PPAP」のロングバージョンが披露された。このロングバージョンもすばらしい芸だった。今ピコ太郎の面白さについてネットで議論されている。様々な意見が飛び出しているが、芸としての秀逸さは誰もが指摘している。
今の日本では熟成された芸をTVでは見ることができなくなったので、ピコ太郎の優れた芸は大受けの要素として重要である。しかし、いくら熟練し優れた芸であっても面白くなければここまでヒットしない。さらに、これだけの理由でもって世界でヒットしている現象を説明できない。
また、他の面白くない日本のお笑い芸人が、芸を磨いたらピコ太郎のようにヒットするのかと言えば、そのように思えない。「英語」で演じられていることと、「人間のイメージを刺激する」「テンポのよい展開」、そして「言葉の面白さ」すべてが揃っている点がヒットの原因ではないかと推定している。
その中で、「人間のイメージを刺激」している要素について。PPAPは動作が極めて単純な構成であり、さらにそれが表している内容が論理的であるがゆえにリズムに合わせて湧き出るイメージを世界中のだれもが共有化できるのではないか。そして、そこに言葉遊びが加わりオチを形成している。オチは英語の早口言葉だ。
「アップル」に「ペン」を組み合わせて「アップルペン」ならば、「パイナップル」に「ペン」を組み合わせると「パイナップルペン」であることは誰にでも理解できる。そして、オチは両手でそれを持ち、対等に組み合わせたら、「ペンパイナップルアップルペン」と呼ばなければならない。頭文字で表現すると「PPAP」である。
実はこの手法はライバルから新たな特許出願があった時に、その対抗特許のアイデアを出す手法でもある。AとBの組み合わせ発明に対して、AとCの組み合わせ発明で対抗するのだが、同一機能を実現するためには、BとCに全く別物をもってくると実現が難しい。しかし、改良特許とするためには、新規性が必要である。
アップルとパイナップルは両者は果物であると同時にアップルという要素をもった別物だ。これで新規性を実現できる。進歩性は、アップルには無いとげとげである。さらにライバル技術と新たな技術との組み合わせを考察して、ライバル技術の包囲網を完成させる、という手法である。
これはこじつけではない。新しいアイデアを捻り出そうとする時に何も無いところから考えると難しいが、適当なお手本の真似ならば誰でもできる。お手本を真似たアイデアだけでは、面白くないので、お手本と自分のアイデアとをさらに組み合わせて融合し新たなアイデアを創ってみたら面白いアイデアになった、というのである。これも問題解決の一手法である。
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昨日否定証明の話題に触れた。プロジェクトスタート直後に否定証明を行ったのは、無駄な開発を止めようとしたのだが、結果としてやり方が悪かったといわざるをえない。根回しを十分に行えば良かったのだが、それが不足していた。根回しも問題解決法として重要である。
否定証明の完璧な論文として記憶にあるのは、電気粘性流体(ERF)の増粘問題を扱った社内論文である。特許も公開されているのでセミナーではこれを事例に話をする予定でいる。ただし、特許に公開された範囲内になるのでやや迫力に欠けるかもしれない。
社内論文の公開はできないので、特許が生まれた背景として説明する。すなわち、界面活性剤を用いてERFの増粘問題を解決できないので第三成分を用いて解決した、として説明する。第三成分といっても界面活性剤である。すなわち、先に界面活性剤で問題解決できないという否定証明があったので、人間関係を壊さないため第三成分で解決した、と説明している。
否定証明そのものは、多数の研究者を動員して一年かけて行われたのだが、この否定証明をひっくり返した実験は、たったの一晩行われただけである。ゆえに第三成分という言葉を使い、配慮したつもりだったが、あまりにも簡単に結果を出したので、これが後に歪みを残した。
問題解決できても新たな問題を生み出した事例である。企業内における実験は、単に科学的な完璧さだけに注力していてもだめで、得られた結果が周囲にも影響を与える場合には、細心の注意が必要である。
ゆえにアイデアの出し方、出されたアイデアが周囲に与える影響など実務では重要である。単に優れたアイデアを出せればよいわけではない。それが成果に結びつくことが大切である。そして、経営の意思決定まで影響を与えるのが本当に優れたアイデアなのだ。
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