高分子材料に限らず、あらゆる商品の価格は需要と供給の関係で決まるのは昔から知られている。一方で生産側の都合で、価格を操作する場合もある。例えば市場のシェアをとるために価格を下げて競争力を上げる場合だ。
過去の高分子材料の価格は、そのような歴史の中で価格が決まってきた。しかし、20世紀末から材料メーカーも価格競争ではなく、部材として付加価値をつける競争をするようになった。
ところが組み立てメーカーにとって材料メーカーの川下への進出が迷惑な場合がある。すなわち部材のスペックから、ノウハウが漏れるような場合である。
かくしてそれまで良好だった材料メーカーと組み立てメーカーの関係が崩れることになる。樹脂の価格にそれが反映されるようになったのは20年ほど前からである。転職を経験してみて高分子材料の価格が単に使用量だけで決まっていない複雑な背景があることに気がついた。
一方でコモディティー化した材料は国内材料メーカーにとってお荷物商品となりその淘汰が進んだ。これをグローバル化の側面だけで考えていると国内材料メーカーは、将来の存続が難しいと思っている。
企業の成り立ちは、時代の状況とその国の政治や企業間の関係にも影響を受け、国家ごとに特徴がある。中国や台湾で仕事をしてきてそのように感じた。そしてこれが樹脂の価格にも影響を受けるのだ。
長くなるので具体例を示し、樹脂について組み立てメーカーはその調達戦略を変更する必要があることに気がついてもらいたい。
一定量調達する必要がある時に樹脂を内製化したり、その調達先との関係について従来と異なる視点で見直しを行うなどの少し大胆な戦略を選ぶ必要がある。
組み立てメーカーが樹脂を内製化できるわけがない、と材料メーカーは見下しているとオイルリファイナリーからバイオマスリファイナリーに変化している流れに押し流される可能性がある。
オイルリファイナリの例となるが、フィルム成形可能なPPSは、2000円/kg以上の価格で国内では取引されている。中国では10年前これが1000-1500円/kg程度だったが、何故か最近は2000円/kgという価格を提示してくる。
PPSは高く見積もっても月tベースであれば600円前後でも中国では利益が出る樹脂と過去に聴いていた。これ以上はここで書かないが、PPS部品を国内で製造していては人件費以外の要素も加わり中国メーカーと競争力が無くなってゆくことは明らかである。
本日の内容が分かりにくい方は、弊社へ問い合わせていただきたい。やや刺激が強い内容となるのでここでは書けない。ただし、機密事項ではなく今世界で起き始めた変化でもある。
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大規模接種センターの接種予約登録ソフトについて、昨晩架空予約者に法的措置を取るとの国からの公式談話があった。二つの新聞社が取材のために架空の番号で不正アクセスを行ったためらしい。
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どのような罪になるのか興味深いが、国はソフトウェアー納入業者にも法的措置を取るべきである。昨日使用したところ明らかにプログラマーの手抜きと思われる杜撰さが目立った。
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発注した担当者の能力の問題もあるかもしれないが、受注側も用途を理解していながらあのようないい加減なソフトを納入しているのは、今の時代、詐欺のようなものである。
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もし新聞社が国から訴えられたなら、その新聞社は国と納入業者を訴えるべきである。少なくとも新聞社が社会正義を理由に不正アクセスをしたというならば、是非今回の用途が分かっていながら杜撰なソフトを納入した業者について、その責任を裁判で明らかにする義務があると思うので、国から訴えられる前に納入業者をPL問題で訴えてほしい。
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工業製品のPL問題では、意図しない用途で工業製品を使われて事故が起きた場合でもメーカーの責任が問われる時代である。ソフトウェアーについてもその用途で明らかに必要な対策動作をしない手抜きのプログラムを納入した業者と発注側の責任について問題にすべき時代だと思う。
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MS-DOSの時代でも今回のような入力データをチェックしない、あるいは管理しないソフトなど当方は作ったことがない。MZ-80Kで作ったお遊びソフトでもエラーを検知し入力画面に戻ったとしても、元の入力データを保持しており昨日のプログラムの動作よりまともだった。
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ところが今回の登録ソフトは入力データのチェックをしないだけでなく、アクセスが多い時には入力データをクリアしてまた入力を求めるといった信じられない時代遅れの動作をしていた。
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国の提供するサービスプログラムについては、本来プログラムのお手本となるぐらいの動作をする品質であるべきで、そのレベルに到達した時にIT立国と呼べるのではないか。起業後、e-TAXはじめ国のサービスプログラムを利用する機会が多くなり、そのソフトウェアーの出来の悪さに泣かされてきた。
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現在の日本は40年以上前の当方のプログラムスキルより低レベルと言いたくなるような状況である。ただし、当方は、プログラムスキルを主要な生活の糧とはしていない。日々の営みに必要なスキルの位置づけである。今回のプログラムは、その視点で見ても品質の低いソフトウェアーである。
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例え無料でも国のサービスプログラムとして使ってはいけないレベルであり、このようなサービスプログラムを堂々と防衛庁のサイトで公開している感覚は、明らかにおかしい。新聞社を訴えて十分に司法の場で吟味していただきたい。
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なお、立憲民主党枝野代表は、この問題について早々と防衛庁を批判していたが、その内容は能天気な内容だった。本来は、プログラムのPL問題として訴えられた新聞社に「檄」を飛ばすレベルが原点となる、もっと過激な発言をしていただきたかった。
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そうでないとこの欄の内容が過激な印象を与える困った状態である。「IT立国JAPAN]と言えるように、国のサービスプログラムは、常に最高品質のソフトウェアーで提供していただきたい、というのが当方の思いであり、本欄の趣旨である。
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「新聞社に国は感謝すべき」という発言は、攻めの野党党首としていかがなものか。いい加減なソフトが自衛隊のサイトで公開されている、という事実だけでも国民は震え上がらなえればならないシュールな光景である。
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添加剤のブリードアウト現象を考察するときには、高分子を溶媒としてとらえている。そこで発生する問題に気がついているかどうかが、問題発生時にすぐアイデアが出てくる人とそうでない人に分かれる。
この分かれ道は頭の良し悪しではない。高分子の気持ちを忖度できるかどうかである。どちらかと言えば、その人の人間性とも関わるかもしれない。これは冗談ではなく、経験知に基づき書いている。
まず低分子溶媒に低分子を溶解するときの現象を復習していただきたい。物理化学の教科書を読むと理想溶液の話が出てくる。すなわち、低分子の溶解でも実際の現象が形式知からずれる場合があることを教科書は配慮して説明している。
低分子がつながって高分子になることを考慮すれば、教科書の溶解理論と実際が大きくずれてくることはすぐに想像ができる。いや、想像しなければいけない、と書き直す。
低分子の溶解性について熱力学で議論するが、そこではSPを理解する必要が出てくる。高分子の添加剤を選択するときにも高分子の一次構造からSPを計算するが、高分子のSPは実験で求めることをお勧めする。
計算で求めたSPが現象と一致する確率は60%前後というのが当方の経験知である。ゆえに、計算でSPを求め配合設計したがブリードアウトの問題が発生して困っている、と嘆く必要はない。一致しない確率が40%のパラメーターを用いた結果であると理解できれば安心できる。
ブリードアウトの問題については、まず、どのような手順で配合設計したのか振り返り、目の前で起きている現象を冷静に眺めるところから始める。
そして、コンパウンディングから射出成型あるいは押出成形プロセスで、高分子がどのような気持ちで添加剤の溶媒としてふるまっていたのか考えてみると原因が見えてくる。
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国会議員に配布されている公共交通機関の無料パスをプライベートな用事で使用した、そしてそのプライベートな用事とは8歳年下の異性に会いに行くためだった、と週刊誌に書かれて大騒ぎになっている。
山尾議員は、過去の不倫騒動の問題を充分に理解されていなかったようでもある。今回は公私混同を謝罪しただけでその他は沈黙を通している。国会議員の無料パスを私用で用いただけならば週刊誌は騒がなかったことに気がつかないのだろうか。
彼女のキャリア及び実績やその能力の高さから国会議員としての活躍に期待している国民は多い。前回の不倫騒動では愛知県のような保守的な風土にもかかわらず逆風の中の選挙に勝っている。今年の衆議院選挙では、東京へ国替えするとの噂である。
この山尾議員の問題は、企業で働く有能な社員でも似たような間違いを犯しがちでありながら、それになかなか気づかず、山尾議員のように取り返しのつかないところまで過ちを犯し、夢を実現できないことになるから他山の石としたい。
当方もゴム会社でFDを壊されて初めて気がついた。自分でいくら正しい行動と信じていても人の心には妬みやその他もろもろな負の要素が存在し、本当に正しい行動でも歪んでみられていることに気がつかなければいけない。
歪んでみている人間がおかしいと叫んでみても、歪んでみている人間がさらに歪を大きくし正しい行動の人間に災いをもたらすことまで思いが至らない。
当方の場合には、企業買収を成功させるために全社一つの事業に集中している時で、ゴム事業とは全く無関係の高純度SiCの新事業を推進している立場では、発生した問題に声をあげても不利になるだけであった。
政治家の場合に、国民の1票がその職業生命を左右するので直接手を下さなくてもあるいは法律に触れずその生命を絶つことができることに気がつくべきである。すなわち政治家が犯した問題を正しくとらえず歪んだ問題としてもそれを説明できなければ歪んだ問題が正しい問題のように変質してゆく。
前回の不倫騒動において、脇が甘い、などという程度のアドバイスがあったが、誠実真摯であることが政治家の理想であり、誠実真摯な行動とは何かをよく考えるべきだった。
仮に不倫相手とされた人物が業務上欠くべからざる人材であれば、仕事以外では面会しない、面会する場合には誰もが納得する場所で面会すべきである。公私混同した事案として無料パスだけを山尾議員は反省されていたが、この仕事のやり方も公私混同の視点で見直すべきだった。
ドラッカーは、頭の良い優秀な人がしばしば成果をあげられないのは、正しい問題を解かないからだと忠告していた。この指摘と通じるところがある。
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高分子の添加剤が表面に染み出して起きるブリードアウトという現象は、困った問題となるケースが多いが、この現象が無ければ困る分野もあるので悩ましい。
ブリードアウト現象を利用して高分子材料の機能性を上げている例には、帯電防止や摺動材料、防汚性向上、濡れ性改善、紫外線防止、難燃性向上などがある。皆表面界面の形式知が関わる分野である。
ところが表面界面の問題にとらわれていると経時による品質問題を引き起こすことがある。経時変化なので実験室で市場とよく似た環境を作り出す必要が生じる。
このとき厄介なのは温度である。温度時間換算側という経験知を形式知と勘違いしている人は多い。当方も学生時代に大学の授業で習ったので形式知と信じていた。
恐らく大学の先生の中にもこれを形式知と信じて学生に間違った知識を教えておられる先生が多いのかもしれない。義務教育や高校までは教員免許が必要だが、大学教育では教員免許は不要である。
もっとも教員免許があっても最近は警察の手を煩わせる先生が多くなったので、自動車免許ほどの価値しかないかもしれない。免許制度を今一度見直した方がいかもしれない。
話がずれたが、ブリードアウトを利用して高分子の機能を設計し品質問題に出会うと、このように話がずれていって対策が分からなくなるばかりか、そもそもの問題まで疑う必要が生じる。
しかし、教育者の資質を試験の点で測ろうとしている問題に気がついていないようにブリードアウトの経時の問題について評価法の間違いに気がついていないケースは多い。
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音楽ファンの中に、クラシック音楽ファンは多い。面白いのは、彼らの評価視点が、楽団や演奏者、指揮者に存在する点である。それに対して、ジャズファンは作曲者である演奏者のアドリブすなわち演奏そのものを楽しむ。時には演奏が面白ければ、誰が演奏していても構わない。
もっともクラシック音楽の作曲者は200年以上前の人物もいるので、作曲者に指揮を求めることができないという理由で、今生きて目の前で演奏している指揮者や楽団の批評になるのは当たり前であるが。
それにしてもクラシックファンの音楽の語り口は、ジャズファンの音楽に対する視点と音楽への期待とは異なるように思う。クラシックファンには叱られるかもしれないが、彼らは、結論など出せないクラシックの作曲者の思いをうまく再現しているかどうかという問題を議論しているかのように見える。
クラシックの作曲者がどのような思いでその曲を生み出したのかはもはや確かめようがないのに、そこへたどり着けないのかと、あたかも求めても決して得られない欲望の目標を追及している、と表現できるかもしれない。
だから、酒の肴として延々と語ることになるのだが、脇で聴いているとどこが楽しいのかわからないので吹き出したくなることもある。ただ、ここで吹き出してはクラシックファンに失礼である。それが趣味というものである。
ジャズファンは単純で、そこに新しさあるいは新鮮さとその刺激があれば興奮して喜んでいる。作曲者である演奏者がそこで見せるアドリブは麻薬のようなもので、同じ曲でありながらライブを求めて追っかけをするものも現れる。
他人の曲をもじったアドリブで楽しませてくれる二次創作者である演奏者も人気になり、これはクラシックでは見られない現象である。時にはへたくそな演奏でもアドリブが面白ければ人気者になる。
大学で勉強そっちのけで軽音楽と称しジャズにのめりこむ若者が後を絶たない理由である。人気者になれなくても、下手な演奏で自分一人で酔うこともできるのでジャズは便利である。全曲演奏するスキルが無くともお気に入りのフレーズだけでも酔っぱらうことができる。
その逆にオリジナルの作曲者顔負けの演奏テクニックでコピーを聴かせる演奏者も評判となる。超絶な演奏テクニックを追求し、オリジナルともはや異なっている演奏で騒音と呼んでも良いような音楽なのに自分で酔っている若者、このあたりもクラシックファンに理解できない現象である。
ピアニスト室井摩耶子氏はもうすぐ100歳になる。おそらく超絶テクニックで楽器を演奏する若者のような曲を演奏できないだろうけれど、ベートーベンの月光はピアノの音に言葉で表現できない響きが乗った不思議な音色に聞こえてくる。ここにクラシックとジャズの違いがある。どちらも音楽であるが。
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昨日音工房Zの視聴会に出席した。Z600-OMMF4という型番のデスクトップスピーカーキットである。スピーカーユニットは、昨年発売された音友ムックの付録マークオーディオOM-MF4を用いている。
すでに、このユニットを1台あたり2個使用したスピーカーの視聴を経験していたのでかなりの期待をして今回の視聴に参加したのだが、音が明瞭に聞こえWEB会議に最適なスピーカー、特に管理職となってノートパソコン付属のスピーカーでは音声が聞き取れにくくなった人に是非使用してほしい、という結論である。
デスクトップスピーカーということで通常のPCからデジタルアンプで増幅しているので、その音質を心配したのだが大変クリアーな音でロンカーターのベースを弾く指の動きが見えるようだった。
ただし指は動いているのだが、ベース音はウッドベースのそれではなく、ギターから発せられたベース音である。期待値が大きかったので、その音にややがっかりしたが、音工房Zはそのあたりを承知されていて、サブウーファーを併用し視聴できるようにセッティングされていた。
サブウーファーのスイッチを入れてボリュームを上げてゆくと、驚いた、高級スピーカーでロンカーターを聴いているかのような音である。今回のデスクトップスピーカーでは低域が不足していたが、低域の減衰量がサブウーファーとのつながりを最良にするような鳴り方である。
それでは、と思い、サブウーファーのスイッチを切ってプレアンプの低域を持ち上げて聞いたところ、低域は聞こえるようになったのだが200Hzあたりも持ち上がり、ややブーミーな鳴り方に変化した。このスピーカーはすなおにサブウーファーとセットで用いるべきスピーカーなのだろう。
音楽を聴くにはサブウーファーが必須となるが、おそらくWEB会議用には市販スピーカーと比較しても1,2位になると思われる聞き取りやすいスピーカーではないかと感じた。歪感はほとんどなく、分解能が高いので、40代から始まる耳の劣化に対応した最適なWEB会議用スピーカーだと感じた。
値段を聞いて驚いた。自分で組み立てる必要があるが、スピーカーユニットと合わせて2万円弱でボーズのデスクトップスピーカーより安い!ボーズのデスクトップスピーカーでも音楽を聴くには不満が残るので、もし、良いデスクトップスピーカを欲しい、と考えられている方は、一度音工房ZのHPを覗いてみてはいかがか。
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ホスファゼンは、化学修飾して反応型難燃剤として利用すると、最も効率よく難燃剤として機能させることができる。しかし、もしホスファゼンを分子レベルで分散することが可能になれば、反応型難燃剤に変性しなくても同様の効果が得られるはずだ。
ホスファゼンの高分子難燃化機構としてオルソリン酸同様の燃焼時における炭化促進触媒としての機能が仮定されている。実際にホスファゼン変性ポリウレタン発泡体の燃焼後のサンプルを分析してもP=Oに基づく赤外吸収のピークを観察することが可能である。
多くのリン酸エステル系難燃剤の場合にはこの吸収が燃焼後のサンプルに観察されないことから、燃焼時にオルソリン酸となって揮発していることが予想された。また、この揮発があるためにホスファゼンで難燃化したポリウレタンよりも煤の発生が若干多くなる。
ホスファゼンではアラパホメーターで皆無との結果が得られているので、煤の発生は燃焼時に揮発するオルソリン酸の影響とも解釈が可能であるが、燃焼時発生するガスのクロマトグラフィーの結果では、オルソリン酸のピークは観察されたが、リン系有機化合物は観察されてなかったので、詳細は不明である。
科学的ではなくあくまで経験的な結論となるが、ホスファゼンの高分子難燃化機構として、燃焼時の熱で酸化を受けて生成したP=O単位がオルソリン酸同様の炭化促進触媒として働いていると考えている。
このような難燃化機構を仮定した時に、他のリン酸エステル系難燃剤とホスファゼンの併用系は、オルソリン酸の揮発を防ぐ効果が発揮される可能性がある。実際にホスファゼンと一部のリン酸エステル系難燃剤とを混合後、熱分析を行うと、ホスファゼン単独で測定された値よりも多い残渣が熱分析のセルに残る。
以上は40年以上前の当方が新入社員時代の研究成果だが、環境問題が深刻になってくると、臭素系難燃剤の使用は難しくなる。その時経済的な難燃化システムは、という問いに対する回答の一つに、安いリン酸エステル系難燃剤とホスファゼンとの組み合わせ難燃剤がある。
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ニコンがカメラ本体の生産拠点をタイへ集約するという。すなわちもう日本製のニコンカメラは無くなるのだ。かつて、秋葉原を訪れる外国人がmade in JAPANのカメラを探している話題がニュースで報じられた。
すでに高価なカメラ以外は海外生産に移っており、一眼レフでもタイやベトナム製が大半を占めるようになってきたころである。ペンタックスはデジタルカメラになってすべてベトナム生産となっている。
レンズだけが一部日本製だったが、最近は海外生産に移行しただけでなく、他社のOEMでレンズ開発をペンタックスは行うようになった。カメラ市場がシュリンクしているので仕方が無いが、昔のようにじっと眺めていたくなるようなカメラが無くなったことも市場縮小に影響していると思う。
自動車も含めて魅力的な工業製品が無くなったからかもしれないが、いまやmade in JAPANがそれほど重要なロゴではなくなった。
ところでアイバニーズというブランドのギターは、20万円前後まで海外製だが、星野楽器という名古屋に本社があるドラムセットとギターのメーカーだ。楽器メーカーとしては珍しく、最初から自社に工場を持たないファブレス企業である。そのためブランドを大切にしてきた。
ちなみにアイバニーズとは昔スペインに存在したギター工房の名前である。エレキギターの世界では、ギブソンがトップブランドとして君臨してきたが、倒産しかかったりしてブランドイメージが低下してきた。
また、30万円前後のES335がアイバニーズの7万円前後のギターの品質よりも劣っていたことにびっくりしたが、これは日本メーカーが品質管理技術が優れていることを示す典型的な例だろう。
ギブソンは20年ほど前、ギターについて一山いくら的売り方をしていた。すなわち、代理店(当時の日本の代理店は山野楽器)からの注文に応じて注文数をすべて出荷する、というやり方だ。当方が購入したのは、新品訳ありES335をバーゲン価格で購入している。ただしこの新品訳ありでも16万円で下取りされた話を以前紹介している。
これに対して、アイバニーズでは海外生産品でも品質管理を日本人が行っているそうで、その結果今ではギブソンと肩を並べるまでのブランドに育ち、高価格帯のギターの値段は1.5倍になっている。当方の5年前の在庫品としてネゴの末購入したES335同等品の新品ギター(7万円!)は、今では15万円以上の定価がついている。
ニコンもおそらくmade in JAPANの価値よりもニコンブランドの価値が高いと判断した結果かもしれないが、防湿庫に保管していたフィルムカメラのクリップ部分がクリープ破壊していたり、新製品で購入したZ6のストロボシューを購入してすぐに修理に出さなければいけない経験をした当方には、今回の決断を心配に思えてくる。
もし信頼性工学について不安があるなら当方に相談していただきたい。ニコン製カメラの信頼性が上がるならば、喜んでお手伝いしたい。
(注)ギターの価格は、ブランド力で様々である。アコースティックギターでその相場を例示すると、日本製は20万円前後である。すなわち20万円未満の日本ブランドは韓国、中国、インドネシアなどで生産されている。アメリカブランドの場合に、安価なギターはメキシコ製である。ギブソンの場合にはアメリカ製でもメンフィスとナッシュビルで品質が異なると言われている。日本製でもK/ヤイリやタカミネは、25万円以上の価格をつけている。面白いのはアイバニーズの20万円ほどの定価のインドネシア製ギター。最高品質の木材で製造されて、実売14万円である。木材の品質はトップ板に使用されるスプルースの場合に、木目がそろってまっすぐな材料は最高品質と言われている。また、10万円以上の製品は、テイラーを除き、トップ板スプルースは単板となる。テイラーの場合にトップ板が単板になるのは20万円前後で、20万円以下で表板が単板製のギターではスプルース以外が使用される。最近エレアコが人気だが、ピックアップとアンプ代が2万円ほど価格を押し上げている。こうした情報を基に、ギターを眺めると、コスパが悪いのは、テイラーの高級品、マーチン、ギブソン、タカミネ、Kヤイリ、ヤマハLシリーズ、逆にコスパが良いのはアイバニーズ、アリア、ヤマハのAシリーズである。モーリスは大半がオープン価格となっており、入手先により低価格品では2万円前後、20万円前後の単板ギターでは5万円前後の価格の開きがある。OEM生産が主体のフジゲンは、そもそも見かけることが少なく、よくわからない。テイラー、マーチン、ギブソンは、アコースティックギターのトップブランドと言われているが、その次にヤマハ、タカミネなどが並ぶと言われている。一部ではアイバニーズやKヤイリもトップブランドという解説がある。モーリスやフジゲン、ヘッドウェイの日本製は、海外でも評判が良い、と書かれていたりするが、テイラーやマーチンに次ぐブランドであることは確かだろう。40年前にマーチンギターのOEM生産を行っていた東海楽器は、キャッツアイブランドでもギターを発売しているが、全製品中国製である。昔のキャッツアイはマーチン同等品質として人気を集めたが、最近はあまりその評判を聞かない。いろいろ調査をしてきて思うのは、ギターと言う楽器の面白さである。未だに様々な製品が発売されており、バイオリンなどの形の定まった弦楽器とは異質である。40年以上前の製品がビンテージ品として100万円以上の価格で販売されたりしているが、塗装や接着技術も含めてこの20年間に製造された製品の方が良かったりする。バイオリンではストラティバリウスがとんでもない値段で販売されていたりするが、ギターはそこまでの価格がついていない。とんでもない価格はついていないが、購入するときにどのギターを購入すればよいのか迷う人には、10万円以下で品質が安定している製品を選ぶならば、ヤマハかアイバニーズとなる。目利きがいるならば、キャッツアイやアリアでは、価格以上の製品に出会うことがある。同じ価格帯で迷ったならアリアである。一定のブランド力のあるモーリスやタカミネ、Kヤイリを購入する場合には、20万円以上の製品を購入したい。ブランドにふさわしいギターを入手できる。テイラーやマーチンも同様である。ギブソンは高価格帯でも注意をしないと品質の悪い製品がある。しかし、品質が悪くても下取りでは、高く引き取ってもらえるので安心だが。
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科学的に解くことは難しいが、社会的なニーズがある場合に、とりあえず効果があれば使いましょう、という柔軟な対応を人類は自然界で生きるためにとっている。
例えば、コロナウィルスワクチンもそのような対応で科学的解明がされていなくても、一定人数に対して行われた治験で効果があったので、すでに世界中で1億人以上が接種した。
もうすぐ日本でも接種が始まるが、このワクチン接種の状況を見ても、日本はこのような状況の対応が遅い。これは、日本が世界でもまれにみる科学一辺倒の社会だからだ。
この4月から小学生対象にプログラミング教育がスタートする。このような教育分野において非科学の要素が高い教育の導入は遅れている。
プログラムは論理で作られる、と信じている人がいるが、プログラミングを円滑にできるためには、若干の芸術の素養が必要であることを語る人はいない。
日曜プログラマーとして50年近くプログラミングで遊んできた当方は、プログラミングにより写真技術が向上したと思っている。
実際に写真を撮る時に、最近はプログラミングの手順から入る。どのような写真を撮るのか、あらあらのアルゴリズムに相当するイメージをもとに撮影してみる。
出来上がった写真のバグ(意図していない写り方)を探して、再度撮りなおす。これを繰り返してよい写真に仕上げてゆくのだが、日曜プログラマーがそうであるように、作っている過程で興味が無くなる時もある。
特にそれが仕事ではないので、興味が無くなればプログラムを作るのを辞める。写真であれば考えていたテーマを棄却する。アマチュア写真家が稀にすごい写真を撮る背景でもある。ハイアマチュアと呼ばれる人たちは興味と言う視点で厳しく写真を撮っている。
実は、高分子の難燃化規格もこれに近い側面がある。1970年代から様々な規格や評価装置が登場している。ゴム会社は研究開発費が潤沢にあったのでわけのわからない評価装置まで買い込んでいた。ほとんどが輸入品である。
上司の主任研究員が好きだったようだ。まるでおもちゃを買うように新しい評価装置を買っていた。配属された日に、たまたま埃をかぶっていたmade in JAPANの全自動酸素指数測定装置なるものを見つけた。
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