ゴミベルトが15kgほど集まったところでそれをハサミで切り刻み粉砕しコンパウンド代わりにベルト生産を行ったところ、歩留まりが一気に80%を超えた。
歩留まりが悪いので廃材リサイクルのテーマが以前から上がっていたが、それの見通しが立った、と部下の課長は喜んで今後のテーマについて話してくれた。その話をひっくり返すようで申し訳ないが、ベルトの製造ラインを使ってコンパウンドを生産しようと思う、と話したら、冗談でしょうとなった。
さらに、コンパウンドメーカーにお願いし、ここで使っている金型を混練機に取り付けてコンパウンド生産をしてもらおうと思っている、と続けたら、コンパウンドメーカーは承知しないでしょう、という回答が課長から返ってきた。
コンパウンドメーカーの担当者は承知しないだけでなかった。実際にコンパウンドメーカーとの打ち合わせの席でその話を出したら、コンパウンドメーカーの技術者から、素人は黙っとれ、と言われたのだ。
仕方がないので、自分でコンパウンド工場を立ち上げてコンパウンドを内製化しようと考えたら、部下の課長から、このテーマは外部からコンパウンドを購入して進めるようにDRで決まっている、とアドバイスがあった。
課長は真面目な人間で、堅実な仕事の進め方をしていた。歩留まり10%以下で、リサイクルコンパウンドを使えば、コストダウンが可能だという。しかしPIを用いたときよりもそれは少し改善できる程度だった。
彼は、それでも大きな進歩だという。量産開始までの残された時間を考慮すると、コンパウンドの生産など経験のない企業では内製化という判断は非常識だった。しかし、歩留まり10%以下の状態で量産を開始するというのも情けない。
リサイクルコンパウンドで歩留まりが80%を超えるならば、それを内製化コンパウンドにする考え方もある。コンパウンドメーカーが押出金型を二軸混練機に取り付けるのを拒否するのであれば、自分たちでそのようなラインを立ち上げれば問題解決できる。(続く)
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DSCの測定結果が出るまでに、金型の図面を精査した。詳細はここにかけないが、PETフィルムに用いるTダイと明らかに異なる構造が多数存在した。
担当者に説明を求めると6年間の開発成果だという。すなわち、コンパウンドに問題があるにもかかわらず、金型の改良で問題解決してきた結果だった。
担当者は、それぞれの改良ポイントを科学的に説明してくれた。もし、歩留まりが80%を超えていたならば、その説明は称賛されるような素晴らしい内容だった。
担当者の科学的に完璧な説明に関わらず、現実には歩留まりは10%以下と散々な状態である。6年間科学的に金型改良を進めた結果は、半年後に生産を控えている状態ではなかった。
それでも担当者は、改良した瞬間はその効果が現れた、と胸を張っていた。どうやらコンパウンドのロットが変わると改良効果が消えるので、コンパウンドのロットが変更になるたびにモグラたたきのごとく改良を進めてきたようだ。
「科学的に完璧な説明」については、転職の原因になった電気粘性流体の開発にかかわったというトラウマがあった。担当者の説明にむなしさを感じながらも表情には出さないように配慮した。
中間転写ベルトという複写機の部品で一番重要なスペックは、周方向で均一な電気抵抗になっている必要があった。それも10の10乗Ωという導電性カーボンで実現するには中途半端な値である。この値を実現するにはパーコレーション転移という現象を安定に制御する技術が必要だった。
詳細は省略するが、カーボンの分散が究極のレベルまで実現されておればカーボンの添加量に相当する抵抗となるが、分散が中途半端であるとプロセスの途中で分散が進み、抵抗が変動することになる。
金型の改良の歴史は、それを意図してはいなかったが、視点を変えると分散を進める様な工夫に見えた。その工夫の中で、カオス混合に相当する分散を実現できるような工夫があった。すなわち、その工夫を一つの機能性部品として捉え、二軸混練機に取り付ければ、汎用の二軸混練機を用いてカオス混合が可能になる、と考えた。
DSCのチャートを見て、歩留まり向上の問題解決方針ができたことを確信し、生産の最後に毎回行われる、速い押し出し速度によるシリンダー清掃で得られるゴミベルトを収集するように指示をだして東京へ帰宅した。
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無端ベルトの押出成形は、リップ部が円形のダイで行う。ベルトの内径を決めるため、冷却用のサイジングダイがリップ部の近くに取り付けてある。
このあたりはノウハウになるので詳細を書けないが、PETの成膜で用いるTダイとは少し構造が異なる。
写真会社ではフィルム開発を担当していたので、押出成形についてそれなりのスキルを持っていたが、無端ベルトの押出は、ダイの形状も異なるので現場に入る前に少し勉強していた。
ゆえに押出速度を早めているのに音の高さが低音側に変化するのは、ダイの構造から考察すると異常な現象ではないかとすぐに疑問がわいた。
押出速度が早めたためにPPSの結晶化が起きなくなった、すなわち非晶質PPSのまま安定に押し出されている状態は、ダイの構造以外に全体のプロセスから考えても説明がつかない。
ただ一つの現象として、それを説明できるのは非科学的ではあるがPPSと6ナイロンが相溶し非晶質状態で安定化している高次構造のベルトができている場合だ。
(月曜日に続く)
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中間転写ベルトの押出成形の現場でボーっと眺めていたら、突然工場内の騒音の音色が変わった。
この音色の変化に対して当方が敏感に対応できたのは、自宅で仕事をするときに、いつも音楽を聴きながら仕事をしていた習慣のおかげである。
金属音が中心の高域成分の多い工場内の騒音が、ボムボムという低域成分の多い音に変わった。イメージとして寺井尚子からロンカーターに変わったような感じだ。
この音の変化の原因は、一日の規定の生産本数を終了し、単軸押出機のシリンダー内に残ったコンパウンドを押し出したいために、押出速度を早めたからである。
PPSというポリマーは結晶化しやすいので、生産時の金属音はベルトが押出されて冷却後一本一本採取されるときや、押し出し後断裁されるときのほんの一瞬力がかかる時に出ている。
生産終了後は、一本一本丁寧に採取はしていないが、適当な長さになるとはさみで乱暴に切り取っている。すなわち、生産終了後のほうが本来金属音がうるさくなってもよいような状況だ。
本来騒々しくなってもよいような状況で、逆に金属音が無くなり落ち着いた音質に変化していた。現場の人たちはこの変化を日常の変化として慣れっこになっていたが、当方には大変不思議な変化に思われた。(明日に続く)
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先日小鯛の笹漬けの話を書いたら質問が届いた。質問の内容はマンペイさんの即席ラーメン以外に具体例はあるのか、という質問である。
当方の開発した技術は、ゴム会社で30年間事業が続いた高純度SiCの技術はじめ多くの技術は、試行錯誤による独創の成果である。思いつきと言ってもよいような技術もある。
非科学的な表題の技術も、当方の営みから生まれた思いつき技術の一つである。以前この欄で紹介しているが、この技術は、豊川へ単身赴任が決まり、単身赴任先の下見のため現場でボーと中間転写ベルトの押出成形を眺めていて思いついた技術である。
PPS中間転写ベルトという技術テーマは、写真会社が他の会社と統合されたときにお荷物テーマの一つだった。
このテーマに終止符を打つことを期待されて当方が前任者から技術リーダーを引き継ぐ役目として研究所から派遣された。
その状況は、このテーマが成功し生産が始まったときに、本来研究所で開発が終了していなければならなかった技術が完成していなかったために中間転写ベルトの生産に影響を与えていることからも明らかである。
すなわち、当方が開発に失敗しテーマが終了することを見込んで、研究所の担当者は中間転写ベルトに必要なある技術の開発テーマを中断していた。
しかし、当方が技術開発に成功したものだから、慌てて開発を再開したが、基盤技術が完成したと言われているのに納期に間に合わなかった。このあたりには**技術ゆえに悲哀あふれる笑い話があるが、他人の技術なのでここで書かない。
ところで、表題の技術は中間転写ベルトの現場観察で生まれているが、何故6年近く誰も技術アイデアを思いつくことができなかったのか。
それは非科学的な現象だったからだ。フローリー・ハギンズ理論という少し適当な、それでいて重要な理論が高分子の教科書に載っており、この理論で表題の技術は否定される。
当方がノーベル賞学者の理論に対して懐疑的に見ている理由については、以前この欄に書いているが、少なくとも実際の生産における非平衡状態においてはこの理論を適用するのは技術開発の障害となる。(明日に続く)
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高分子の燃焼試験機として自動酸素指数測定装置が販売されていた話を以前書いている。最近そのような装置が販売されているか知らないが、この装置は素人の願望を実現したような装置だった。
ポリウレタン発泡体のLOIは、この装置で測定できなかったが、発泡体をプレスし密度をあげた形状にすれば、この装置で測定可能となった。
このサンプルの状態で計測して、誤差が0.5程度の精度で自動計測できる機械だということを理解できた。ただし、この装置で同じサンプルを手動で計測すると、誤差は0.25程度であり、計測時間も20%程度短くなった。
すなわち、自動計測は精度を高めるため、と説明書に書いてあるが、そのため各種部品が一般の酸素指数測定装置よりも高精度の部品が使われ手動によりさらに精度を上げられたのだ。
するとこの装置の残るメリットは酸素指数法という評価技術を理解していない素人向けという点だけである。
研究開発部門でこのような装置を導入していることにびっくりしたが、せっかく手動計測できるように改良したのに自動測定で行え、と指示が出たことでさらに驚いた。
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無機材料化学の研究者と有機材料化学の研究者の数について、学生時代に1:5であると教えられた。周期律表には無機の原子の種類は多いが、有機材料は低分子から高分子までCーC結合の組み合わせで多数の分子ができるので研究者が多くいても不足すると有機系の先生が嘆いておられた。
野依先生の不整合性などが新聞で取り上げられ、ちょうど有機金属化学が最盛期の時に大学へ進学したので卒研は有機金属化学の講座へ入った。その講座は教授の定年の関係で講座の存続が噂されていたが、まさか本当につぶされるとは思っていなかったので進学した。
教授は熱心な先生で、と言う話を以前書いた記憶があるので、これ以上は書かないが、この講座は理由は不明だがつぶされ、結局大学院は無機材料の講座へ進学することになり2年間そこで研究生活を送った。その後写真が趣味で車好きだったためゴム会社へ入社し、高純度SiCの発明とゴム会社では異色の事業化を推進したのだが、ゴム会社におけるキャリアはセラミックス研究者だった。
写真会社へ転職後のキャリアは高分子研究者となるのだが、一応両分野でそれなりの成果をあげたと自負している。ゴム会社では日本化学会技術賞を受賞する仕事を0から立ち上げて30年間続いているし、写真会社では、フィルムの表面処理はじめ光学フィルムの開発で写真学会や日本化学工業協会、印刷学会から賞を頂ける仕事をしている。
退職前の5年間はPPSと6ナイロンの相溶した材料の量産プラントを基盤技術0の状態から立ち上げ、中間転写ベルトの量産化を成功させたり、と高分子材料科学にそれなりに貢献したと思っている。もちろんゴム会社や写真会社の主要事業でも当方の発明による技術で大いに貢献している。
これらの貢献と実績から無機材料科学と高分子材料科学の違いを一言で申せば、結晶がその物性を支配している無機材料化学と、訳の分からない非晶質相で暗礁に乗り上げた感のある高分子材料化学となる。だから土井先生のOCTAプロジェクトにはその研究ツールのコンセプトに注目したのだけれど、その発展は遅い。若い研究者はこの分野へチャレンジして欲しい。
カテゴリー : 一般 高分子
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2月から3月にかけて下記セミナーが開催される。今週金曜日のセミナーはシリコーンポリマーに関するセミナーで、昨年台湾で開催された一日セミナーの内容を見直し、LIMSの内容を補強している。
シリコーンについては、LIMSによるゴム以外にミラブルタイプのゴムがあるが、LIMSの市場が大きい。またシリコーンゴム以外にも界面活性剤やカップリング剤、光散乱樹脂にも利用されているシリコーン球などその種類や応用分野は多く、全体を俯瞰したセミナーが無いので企画している。
当方はシリコーン企業に勤務したことは無いが、シリコーン界面活性剤やシリコーンカップリング剤、シリコーン球、シリコーンオイル、シリコーンLIMS、ポリシランのSiC繊維など30年以上の実務で毎年様々なシリコーンを扱ってきた。
この当方の経験から見たシリコーン化学について経験知の公開やまとめを行いたいと考えている。弊社へ問い合わせていただければ手続き可能です。
記
1.よくわかるシリコーンの基礎から応用技術
日時 2019年2月8日(金)10時30分から16時30分
場所 亀戸文化センター
受講料 45,000円
2.開発手法を中心にした信頼性工学の基礎
日時 2019年3月5日 (火)10時30分から16時30分
場所 千代田プラットフォームスクエアー
受講料 50,000円
3.高分子の難燃化技術
日時 2019年3月29日
場所 大井町きゅりあん
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1980年までの高分子科学は、重合反応の研究による新高分子創出がその発展を牽引し、合成化学者がその中心にいたように思う。その一方で、日本では岡小天先生を中心としたレオロジーの研究が高分子物性の研究を引っ張った。
高分子の破壊については、金属材料などで発展した線形破壊力学の適用があり、高分子の結晶化についてはやはり無機材料科学からの借り物の反応速度論が中心に展開された。
この流れにイノベーションを起こしたのは、土井先生や先日講演をされた青柳氏などの高分子シミュレーションの研究者達である。レオロジーについてはダッシュポットとバネのモデル研究が一夜にして遺物となった。
また、高分子に粒子を分散した時に生じるパーコレーション転移については、当初カリフォルニアの山火事研究から端を発した数学者たちのグループ研究が中心である。1970年代にはスタウファーによる教科書がすでに発表されている。
しかし、パーコレーションについて高分子材料に応用され始めたのは1990年前後であり、その数学の世界が完成の域に到達していても、材料の研究者たちは混合則を用いて現象の理解をしていた。
パーコレーション転移の理論を実用化事例に適用し商品設計に成功したのは、当方が世界初であり、その閾値を検出できる感度の高い評価技術を開発している。写真学会の国際会議でそのインピーダンス法について研究成果を発表している。
この新評価法を用いて1990年に実用化した酸化スズゾルがパーコレーション転移をおこした帯電防止薄膜の生産安定化に成功し、日本化学工業協会から技術特別賞を頂いている。このように高分子材料研究者と数学の関係は古くからあった。
また、生産安定化を行おうとすれば、必ず統計の知識が必要になるように、アカデミアでは疎遠であったかもしれないが、実務では高分子の研究者と言えども大学で学ばないようなワイブル統計や多変量解析を社会に出るや否や勉強しなければ新技術で商品開発ができないのだ。
入社したときには世界6位のタイヤ会社だったが、入社した新入社員にQCの勉強を一年間強制していた(上司経由で毎月のテストの結果が渡された。)。人事部のこの政策のおかげで、いやでも統計について学ぶことになる。技術者教育にこれだけ力を入れている会社を他に当方は知らないが、世界トップになれたのは技術者の力量に関する品質が高いためと思っている。
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昨日「ナノテク2019」が閉会した。この日午前中マテリアルズ・インフォマティクスデータ駆動型高分子科学の新展開」というシンポジウムがあるというので出かけてみた。
全体に昨年よりも参加者が少なかったが、このシンポジウムは満席で立ち見客が多かった。このシンポジウムに対して関心の高さがうかがわれるのだが、ただ残念だったのは、三菱ケミカル(株)竹内氏の講演が忖度の講演で、やや遠慮がちに話されていたことだ。
当方ならば、少し違うんじゃないの、と本音で語ってしまうところだが。竹内氏の講演は企業研究者として大人の講演であり、この分野の研究者に対して思いやりのあるすばらしい内容だった。
材料科学分野に数学者が関わていることに関しては、何も新しいことではなく、その昔パーコレーションの科学にその成功例がある。また、線形破壊力学も金属やセラミックスでは一つの成功例だと思う。今回その進化系が西浦氏から講演があった。
青柳氏の講演はOCTAのsushiをさらに発展させたやはり素晴らしい講演だったが、吉田氏の講演については、もう少し材料科学史そのものを勉強してほしい、と言いたくなるような発表だった。
当方は高純度SiCの事業化や、カオス混合装置の稼働するプラント建設など無機材料科学と有機材料科学の両分野を渡り歩いたキャリアだが、その立場からなぜ無機材料科学でデータベースがしっかりできているのかを勉強してほしかったと思った。
無機材料科学では、JANAFの熱力学データ集はじめ各種結晶のX線回折データ集が40年以上前から充実していた。またその分野からホスファゼンの研究に取り組んでいた学者が多かったせいか、リン化学に関してもデータベースが充実している、という知識はある意味で常識である。
そしてその理由も無機材料の研究者達は理解しており、そもそもその理解の内容が分かれば、高分子材料分野でデータベースがうまく構築できない理由も見えてくるのである。吉田氏のご専門が何かは知らないが、少し材料科学史を勉強されたほうがよろしい。
シンポジウムのタイトルを見るとものすごい高度な研究発表のように見えるが、青柳氏の講演は、高分子シミュレーション技術の現在の状況であり、西浦氏の講演は材料の破壊力学の最近の取り組みの講演だった。
おそらく吉田氏の講演がメーンテーマだったのだろうけれど、もう少し高分子だけでなく材料科学について演者が勉強されたほうがよいと思われるような内容だったのは残念。
文言は難解な言葉を使われていたが、今回の発表内容の程度であれば、すでにこの欄で紹介している。40年前にタイヤの軽量化を計算機で行い、ゴム会社のCTOに張りつけにされたあの実例である。この時に、演者の言葉を借りれば、いわゆるスモールデータから外挿し独自のタイヤ軽量化因子を導き出している。
そして出来上がったタイヤは一応短期間で評価可能なタイヤの性能を満たしてはいたが、それでは商品にならない、と恫喝された苦い体験がある。一言「すいません」と言うのが精いっぱいだった。大型コンピュータを使ったデータ駆動型タイヤ設計が40年前に行われていたのだ。
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