昨日の続きだが、ポリエチルシリケートとフェノール樹脂とのポリマーアロイについて合成条件を探索する仕事は、サラリーマンを続けるためにあきらめなければいけない妄想だった。無機高分子でフェノール樹脂を変性するアイデアは、当時特許も公開されていない画期的アイデアだったが、フェノール樹脂発泡体の開発は、このポリマーアロイの検討を計画からはずし、常識的な手段で実用化している。
この仕事を担当していたある日、終日他の人の仕事のお手伝いをすることになった。企業の若手研究者は、ときどきこのように小間使いとして使われる。ここで嫌な顔をしていてはサラリーマンとして失格だ。
他の人の仕事の手伝いなので何も考えなくてよいメリットがある、ぐらいの気持ちは許されると考えた。ここで、つまらない仕事を手伝わされている、自分だったらもう少し気の利いた方法でやるぞ、などと考えるようではいけない。ひたすら頭を空っぽにして手伝っておれば、依頼した側は、それで満足している。
学生時代ならば、このような依頼に対して一言二言言っていたが、社会に出て半年もすればそのような言動は、例え有益なアドバイスであっても嫌われることを自然に学ぶ。いわゆる忖度などということよりも、せっかく良いアイデアが浮かび、相手にとってメリットのある一言であったとしても、その後自分が傷つくむなしさを味わいたくないだけである。
年を重ねた今、当方のアドバイスでうまくいったかもしれない仕事が幾つか思い出され、どうせお手伝いだからと黙って失敗する仕事を手伝っていたのは少し不誠実だった、と反省したりする。
その現象が起きるメカニズムを理解すれば、用途が限定されるつまらないデバイスと思っていた電気粘性流体の増粘問題が起きたときに、高純度SiCの事業化を進めていた当方にお手伝い仕事が回ってきた。この時は早く仕事を片付けたかったので、お手伝いを頼まれてすぐに問題解決した結果、FDを壊されたような経験をしてもこのような気持ちになれるのは、ドラッカーが著書で述べている「貢献」の意味を本当に理解できたからかもしれない。
しかし、当時は社会で身についたわずかに素直さの欠けたこのような態度が、頭を空っぽにする機会を作りアイデアを生み出すのに役だっていたのかもしれない。一言二言言いたくなる自分を押し殺すために何も考えず、ただひたすら他人の仕事を手伝う時間は、当方にとって脳の休息時間だったのだろう。
バンバリーでゴムを練っていた時に、危険作業という理由でその作業に注意を払っていたが、それは職人のように身についた自然な行動であり、頭の中は全くの空っぽになっていた。すなわち、ほかのことを考えていては危険なので、作業以外のことを考えていなかったが、その作業は定常作業だったので脳を働かせる必要はなかった。
このような状態で、ポリエチルシリケートとフェノール樹脂をリアクティブブレンドするアイデアが突然ひらめいた。アイデアと無関係な他人の仕事を手伝っていて、失敗もしていないのに突然「あっ!」と叫んだものだから、手伝いの依頼をした人はびっくりしていた。実験室では大きな声を出してはいけない。
カテゴリー : 一般 連載 電気/電子材料 高分子
pagetop
高純度SiCの前駆体は、フェノール樹脂とポリエチルシリケートとのポリマーアロイである。このポリマーアロイは、有名なフローリー・ハギンズ理論に反するブレンド物だ。すなわちこの理論によれば絶対に混ざり合わない組み合わせである。
ゆえに高分子の形式知を重視する優秀な科学者は、絶対に思いつかないアイデアであり、もしそのアイデアが、成功したりしたら、嫉妬にとどまらず恨みまで買いそうなキワモノ技術となる。実際にこの発明やその他形式知にとらわれないアイデアの成功でFDを同僚の研究者に壊されている。
この発明の原点は、フェノール樹脂発泡体の難燃化技術開発である。フェノール樹脂発泡体は、特定の反応条件で合成すれば、それ自身で高い難燃性を有する材料である。しかし、製造技術が無い場合には、LOIが21前後の発泡体しか得られず、かろうじて自己消火性を示す材料しか得られない。
開発スタート時に、無機物質とのハイブリッドにすれば、ハイブリッドの製造条件を満たす限り高い防火性を兼ね添えた発泡断熱材になるのではないかと考えた。ただ、これはひらめきではなくて、当方が無機高分子研究会の運営委員を当時担当していたので、その研究会の発表ネタとして考えた企画である。
詳細は省略するが、この時は、可能性のありそうな無機高分子を手当たり次第でフェノール樹脂と混ぜてみて、フェノール樹脂と無機高分子の両者の良溶媒存在下で混合すると均一に混ざることを見出した。ただし、これは両者のSP値が一致している高分子を混ぜているのでフローリー・ハギンズの理論通りの結果である。
ただ、得られたポリマーアロイは高い防火性と力学強度の優れた材料となった。しかし、製造プロセスは多段階となり、さらにジオキサンを用いていたので、実用化できるプロセスではなかった。その結果、無機高分子研究会で発表するための研究となった。
実用化できない材料ではあったが、水ガラス抽出物とフェノール樹脂とのポリマーアロイはケイ酸とフェノール樹脂が分子レベルで混合された魅力的な構造をしていた。だからこれを何とか経済的なプロセスで合成できないか、と考えるようになった。「君の名は」と問いたいが、初対面ではなかなか言い出せない、そんな気持ちと通じる、毎日が悶々とした欲求不満状態だ。
ポリエチルシリケートとフェノール樹脂との組み合わせが一つの正解だ、とわかっていたが、形式知であるフローリー・ハギンズ理論が邪魔をして、第一線を越えられないのだ。とりあえず形式知を総動員し、無機高分子研究会発表データを得るために水ガラスからケイ酸を抽出する実験を繰り返してみた。
抽出物を安定化する有機溶剤とともにフェノール樹脂と混合し、有機溶剤を真空蒸留で取り除き、同時に発泡体に仕上げる技術は、実用化は難しいが、面白い材料を生み出した。しかし、実験をやりながら、ホスファゼン変性ポリウレタンフォームの開発で始末書を書かされたことを思い出した。欲求不満の上に、これをテーマ提案した時に受けるパワーハラスメントが頭に浮かんだ。
カテゴリー : 一般 連載 高分子
pagetop
4日日曜日夜9時のNHKで脳について放送していた。シリーズの特番物でタモリ氏と山中博士がが司会を務めている。その番組の中で、ひらめきが脳のどのような状態で生まれるのか、を説明していた。
説明によると、ボーっとしているときの脳は、ひらめきを生み出す状態を作っているという。そしてひらめいたときには、脳の情報ネットワークが活発に動くとの説明があった。
山中博士は、自身の体験としてそれが1回しかなくて、その一回はお風呂に入っていた時だという。論文を読み、一生懸命考えていてもなかなか思いつかなかったが、たまたまお風呂に入っていた時に、突然iPS細胞のアイデアがひらめいたという。
おそらくたった一回は謙遜だろうと思う。あるいは、科学者ゆえにひらめきだけで仕事をやっていないことを表現されたかったのかもしれない。この思いに至った時に、昨日この欄で書くことをためらった。
なぜなら、当方のしてきた仕事がすべてひらめきの成果と誤解されるのを恐れたからだ。ただ、日曜日のひらめきについての説明は、当方の仕事のスタイルで成果が出たことをうまく説明できるので、ここで誤解を恐れず公開することは、社会貢献になると思い、明日から少し連載で書いてみたい。
すなわち、日曜日に解説していたひらめきを生み出す脳の話は、仕事のやり方を工夫すると、日々活用できるからだ。小生は、日曜日の解説を知らなかったが、高純度SiCの事業を推進していたある日、アイデアが出やすいタイミングに自分で気がつきそれを今でも実践している。
カテゴリー : 一般
pagetop
インテルCPUの脆弱性の問題でWINDOWS10の自動更新が行われ、PCが使えなくなった話を先日書いた。修復することをあきらめ、新しいPCを一台購入したのだが、CPUが3年前自作したものより新しいのに何か遅い。
以前のマシンはハードディスクをRAIDで使用していたが、今回の新品のマシンはSSDである。ゆえに起動は早いのだが、パワーポイントを作成したり、同時にWordを起動して編集したりを繰り返すと、何か以前とペースが異なる。
古いマシンも新しいマシンもCorei7であり、何が違うのかは、後日書くが、3年前の自作マシンが壊れた原因について症状の再現ができたのでWINDOWS10を使用されている方に注意を喚起する意味で、本日は当方の推定を以下に述べる。
システムは壊れたがデータはすべて復旧できた。ただダウンロードして購入したソフトウェアーはすべて失った。手作りマシンを復旧できても過去のソフトウェアーをOSは消去したのだ。ただ、データは別ドライブだったので消去されずに無事だった。
ここで、データをすべてファイルサーバへ退避し、あらためてデータドライブだけRAIDに組み上げたところ、OSがまたおかしくなった。どうやらドライブの単純な増設については大丈夫だが、BIOSの変更を伴うハードウェアーの変更を行うとOSが壊れるようだ。
今回の更新ではBIOSをOSが勝手に変更していると言われている。当方のパソコンもBIOSを変更された痕跡があった。RAIDの状態がデフォルトになっていたのはショックだった。
これは想像だが、CPUの脆弱性の問題はストレージのI/Oに関する部分ではなかろうか。AMDは今回の問題に関して、インテルと異なるアーキテクチャーゆえに無関係を表明している。AMDとインテルではメモリーのアクセスに関してアーキテクチャーが異なる。AMDのCPUのほうが安全かもしれない。
カテゴリー : 一般
pagetop
C#がオブジェクト指向の言語としてよく考えられていること、そしてオブジェクト指向のプログラミングについて当方の視点でいろいろ書いてきたが、プログラミングの教科書を読むと、プログラミング言語の発達を促しているのは、1.可読性、2.チームワークプログラミングだそうだ。
すなわち、OSも含め最近のシステムは膨大なプログラムを必要とし、その肥大化したプログラムを過去のFORTRANレベルのプログラム言語のコンセプトで書いていたのでは、システム開発やその後のメンテナンスが難しい、ということだ。
BASICやFORTRAN、Cは、文法の概念はわかりやすく、文法書をさっと読んですぐにプログラミングできた。また、Cでは、構造化や、オブジェクト指向的なプログラミングが可能な自由な仕掛けがあった。しかし、それを使わなくても動くプログラムを作成できた。
しかし、他人の書いたプログラムを理解するには少し時間が必要だった。C#のプログラムはオブジェクト指向を理解していると、プログラム内容を容易に理解できる。すなわち何をしようとしてコードを書いているのかが、一目でわかる。
ただし、一目でわかるから自分がすぐにコーディングできるかどうかは別の問題で、分厚い文法書と格闘することになる。格闘して理解できれば良いが、オブジェクト指向そのものとコンピューターの仕組みが少しわかっていないとちんぷんかんぷんの部分が少なからずある。
当方は社会に出てからコンピューターを独学で学んできたので文法書を2回読み、プログラミングができるようになったが、コンピューターに忖度して考え出された文法の部分は、コンピューターを理解していないと使いこなすことが少し難しいと思う。次回からこの辺りを考慮してC#のプログラミング手法について具体的に解説してゆく。
カテゴリー : 一般
pagetop
パチンコ業界は縮小し続けている。今回は出玉規制で倒産する店がすでに40店舗を超えたという。数年前ご近所のパチンコ店が2店舗ほど消えたと思ったら、1件大型店が登場した。しかし、中をのぞくと閑古鳥が鳴いている。
パチンコは戦後名古屋で生まれた。創業者の正村の名を冠したパチンコ店が西区にあり、豊川へ単身赴任していた10年ほど前まで正村ビル3階に博物館が開設されていた。名古屋の産業観光の目玉になるのかと期待していたら、資金難で閉鎖されたままだ。
パチンコ業界の心配をしていたら、富士フイルムホールディングス(HD)は31日、子会社の富士ゼロックスと米事務機器大手ゼロックスを経営統合させたうえで買収する、というニュースを見つけた。
球体のトナーを静電気で操作して情報を紙に表示する技術は、ゼロックスで発明され、当初ゼロックスは複写機の代名詞だった。少なくとも当方が学生時代までは、高価な複写機は、U-BIXもゼロックスと呼ばれていた。
輪講の資料作りは、例の臭い青色コピーが使われた。A4一枚当たり二倍ほど値段が違うからゼロックスは使うな、と言われた。研究室には複写機が二台あり、一台は臭い複写機で、もう一台にはU-BIXと書かれていた。間違えてそれを使用したら叱られた。
U-BIXと書かれていてもゼロックスと呼ばれていたのだから、ゼロックスの影響力はパチンコの正村以上である。名古屋人であれば、パチンコは正村の発明であることを皆知っているが、名古屋を一歩出ればパチンコが趣味だという人でも正村の名前を知らない。
当方が上京した時、パチンコは郊外の大型店が発展している最中だった。いわゆるデジモノが登場し始めた時代である。フィーバーが登場した時には、バブルと重なり日本中フィーバー状態だった。当方はセラミックスフィーバーに夢中でいつの間にかパチンコとは疎遠になった。
パチンコ玉もトナーも球体であるが、その大きさは異なる。パチンコ玉は、天4ピンにはじかれ、なかなかヤクモノに球がはいらないが、トナーは器用に99%近く静電気で描かれた情報通りの場所に鎮座し、紙にそれが転写されその後加熱されて画像となる。
ハジキと呼ばれる汚れは1%以下である。パチンコ玉とは正反対の挙動だ。これはハジキを少なくしようと技術開発を進めた結果である。パチンコはいくらスキルを上げても大半の球は天4ピンに弾き飛ばされる。
だからトナーで情報が美しく描かれるという現実を見たらそこに努力した技術者たちの汗を思い浮かべるとともに、ゼロックス社の発想に感動しなければいけない。当方は学生時代に見たU-BIXの汚れた画像が、転職した時にゼロックスよりも美しい画像になっていたのを見て、複写機をゼロックスと呼ばなくなった。
努力が進歩として結果に表れないと飽きてくる。レーザープリンターの画質は著しく向上したが、パチンコで生計を立てているという人を知らない。技術開発には飽きは無いが、パチンコには飽きる人も多いと思う。
しかしゼロックス社が複写機を世に送り出した時にトナーは、パチンコ玉の様なきれいな球体ではなかった。画像の美しさを追求する技術の進歩がトナーをきれいな球体に仕上げていった。
カラー複写機は写真画質を目指していたが、インクジェットの写真画質には追いつけなかった(注)。大きさと精度でインクジェットに負けてしまった。ゼロックスの衰退は同じ市場においての勝敗だが、パチンコは多くの規制の中で発展してきたのに時代の流れで消えゆく運命にある。
パチンコの衰退については、衰退が始まった20世紀末から多様なゲームが登場したことが原因とされているが、本来は賭博でありながら賭博として扱ってもらえなかったことが大きいのではないか。名古屋では一時換金率が75%まで高かった時代がある。寒い日でも毎日店の外まで行列ができていた。
(注)普通紙に印刷した時には、圧倒的にトナー画像のほうがきれいである。インクジェットに対するレーザープリンターのアドバンテージはどのような紙に印刷しても同じような品質が得られるという点である。10万円以下のカラーレーザープリンターでは、magicolorブランドが最も美しい出力である。これは雑誌などの商品テストでも明らかにされている。高いオフィス機と同じ中間転写ベルトが使われているからだ。
カテゴリー : 一般
pagetop
インテル製CPUに脆弱性が見つかり、その対策がマイクロソフトから発表された。パソコンが自動更新に設定されている人は要注意である。当方は、自動更新にしていたため、突然PCが無限ループで修復を繰り返す状態になってしまった。
一週間前に、このような状態になったため、新しいPCを買うことになった。予定外の支出だったが、事務所でストレスなく使えるような環境にするためには、デスクトップのマシンが必須だったからである。
事務所では節電のため、使用しているパソコン1台で音楽を聴きながら仕事をしている。ファイルサーバーは節電と安全性を考慮し週末以外は稼働していない。このため、デスクトップマシンには仕事に必要なデータをいれている。
20年以上前から自宅ではこのスタイルであり、データ保護のためデータディスクはRAIDで運用してきた。さらに10年ほど前からシステムディスクもRAIDにした。
今回CPU脆弱性対策におけるマイクロソフト社が行ったシステムの自動更新では、BIOSを操作したようだ。BIOS設定をみたら、RAIDがデフォルトのモードにされ、システムの一台がRAIDのグループから外された状態になっていた。
このような状態だったために、ハードディスクのデータは無事だったのだが、WINDOWS10のシステムは自動更新で破壊されてしまったのだ。復旧対策を試みても、どうやら更新の最中にシステム情報が破壊されたらしく修復不可能と判断し、新しいマシンに買い替えた。
今回の教訓は、OSのサポートがこのような形式で行われる場合に、自作マシンはリスクが大きいということだ。ゆえに今回は自作をあきらめ既製品にしたのだが、今どきは自作マシンが高いことに気がついた。SSDがついていてもCorei7で10万円以下で購入できるのだ。パソコンも安くなった。
カテゴリー : 一般
pagetop
オブジェクト指向の概念を学びそのパラダイムを理解できると、問題解決力が飛躍的に高まる。これは実際に30歳の時に学んでみて体感したから自信を持っていえる。
まず、日常業務をオブジェクトとして捉えることができる。そしてゴールのオブジェクトを意識した日常で発生しうる問題については、いきなり課題を考えるのではなく、問題を解決するために必要なオブジェクトの振る舞いを考えることになる。
これはどのような振る舞いをするオブジェクトを設計すれば問題解決できるのか、となる。問題解決に成功した時に、そこで登場したオブジェクトは経験知として蓄積され、新たな問題が発生したならば、経験知のオブジェクトの再利用で解決できないか考える。
その時過去のオブジェクトをそのまま使える場合もあれば、過去のオブジェクトの一部を変更して、他はそのままで振る舞いを制御しなければいけない場合もある。これは継承という概念である。
継承を意識すると一つの問題を解決するときに、その問題が特殊な問題なのか形を変えて将来も起こりうる問題なのかも一緒に考えるようになる。
とかく日常業務で問題に接すると、処理や手順ばかりに注目しがちである。しかし、目の前の現象やそれが数値化されたデータに注目することが重要で、それが問題解決の早道である。
そこには事実が具体的なオブジェクトとして存在しており、それらを見ながら抽象化しても他の人の理解は容易だが、処理や手順を抽象化すると経験の無い人には訳が分からなくなる。
カテゴリー : 一般
pagetop
C#では、オブジェクトをクラスと呼び、プログラミングするときには、クラスを幾つか作ることになる。その幾つかのクラスの中には、他のクラスを内包したクラスも存在する。
これは問題解決するときに、問題を幾つかの課題に分けて解決する状況に似ている。このとき問題そのものもクラスとみなすことができ課題もクラスとなる。問題解決するとは、幾つかの課題が解決されて問題が解かれるので、問題というクラスには、幾つかのクラスが含まれることになる。
課題も同様で、他の課題と独立した事象の課題もあれば、他の課題と複雑に絡み合った課題も存在する。ここで問題をうまく解くには、可能な限り、各課題をシンプルにできて、他の課題は、一つの課題を解決したときと同じ手法で解決できる状態の解法を見いだすことである。
すなわち問題に幾つかの課題が含まれていても、ある一つの課題の解法が見いだせれば、他の課題も同様の解法で解決できる状態は、一つの課題の問題と同じような状態だ。この場合、全ての課題を考える必要は無く、一つの課題を可能な限り汎用化して解法を考えることが重要になる。
これをC#のプログラミングで説明すると、幾つかのクラスが必要だが、各クラスの振る舞いは似ているので、一つのクラスを汎用化して設計して、他のクラスはそのクラスの「継承」として作る、という説明になる。
この継承という概念は、オブジェクト指向の重要な特徴の一つで、継承という工夫によりプログラミングの生産効率が大変高くなった。また、クラスの継承で別のクラスを生成する、という手順でプログラミングすれば、プログラムの可読性も高まる。
すなわち継承により新たに書き加えた部分を実装したクラスは、その新たに追加する部分に注力して設計すれば良い。問題解決のシーンで説明すれば、類似問題については類似の方法で解くことを意味する。
(注)実装とか継承とか普段使いの日本語ではない言葉がオブジェクト指向のプログラミング言語では出てくる。このような、やや堅苦しく難解と思われる言語の意味するところを身につけるには、慣れるより仕方がない。ちなみにクラスの継承とは、元のクラスの性質(プロパティだけでなくフィールドやメソッドなどもすべて)を引き継ぐことであり、実装とはそれらを備える意味である。引き継いだなら備えているのは当然という突込みをしていると、馬から落馬する的表現になれることができない。
カテゴリー : 一般
pagetop
働き方改革では、意識改革を行うために形から入るような進め方がなされている。ワークライフバランスというキーワードもその一つだ。しかし、バランスの重要性を押し付けているのに、その方向性を個人に任せている。
驚いたのは、残業0で仕事仲間と一杯飲みに行く世界をTVが映し出していたことだ。なぜ、家族団らんの家庭の風景をPRしないのか。核家族から家庭が崩壊してしばらくたつが、改めて家庭やご近所の再構築も悪くない。家族一緒に食事をすることで家庭が生まれる。
高度経済成長期からバブル崩壊までの時代に過重労働をものともせず働き過ぎて幸せのまま亡くなった人が少なからずいる。企業戦士なる活字が新聞や週刊誌にあふれていた。お葬式の受付には、ご親戚やご近所以外に戦友が堂々と並ぶようになった。
家長としての父親像が次第に薄れていき、葬儀委員長に戦友のリーダーが立つお葬式も目立つようになった。最近は親戚や家族だけ、あるいは密葬形式が多いが、かつてのにぎやかなお葬式も悪くない。伊丹監督の映画「お葬式」は、お葬式に笑顔も見られたそんな時代の様子を描いている。
この時代を美化するつもりはないが、ドラッカーの著書を読んでいる知識労働者が多かったのも特徴で、彼の新著が何冊もこの時代にはベストセラーに輝いていた。モーレツ社員が時代を表すキーワードの一方でモータリゼーションを牽引した遊び人の若者たちが話題になっている。
「どうにも止まらない」という歌もヒットしており、仕事や遊びに忙しかった疲れを知らない時代であり、過労死はさほど話題にならなかった。この時代の評価では、給与が右肩上がりで昇進ポストも増えていったから皆頑張ることができた時代、だといわれている。
高度経済成長からバブル崩壊に至る時代を当方は若者として幸福感を享受した年代だが、平日一生懸命働き休日は一生懸命遊んでいた記憶がある。遊び仲間最後の独身男性の結婚式の司会をしてわが身の生活環境が変わることに気がつき、さらに高純度SiCのプロジェクトも一人で担当していた寂しさから、当方は友人の式場で結婚式の予約を入れている。
アンバランスではあったが意識的に仕事以外の世界を作ることを心がけてきたのは、ドラッカーの「二つ以上の世界を持て」(注)という教えを守ったからだ。ドラッカーは、政治家に多い仕事だけの人生を否定している。
仕事と家庭は、とりあえず普通に努力すれば手に入れられる二つの世界だ。仕事と趣味の二つの世界でも、あるいは趣味がないならボランティアとかも考えられるが、家族との仕事を抜きにした交流の世界の大切なことをもう少しPRしたほうが良いように思う。
家族や親戚、そしてご近所との交流には仕事と異なる世界が存在するが、核家族化からおひとりさまのキーワードが示すようにはやらなくなった。ネットのつながりも一つの世界だが、独身の増加を止めないで不倫を増やしている。
(注)ドラッカーは、トータルライフのデザインが重要と言っている。ワークもライフのひとつであり、ワークの世界以外に複数の世界を持つことの重要性を指摘している。ワークとライフという二元的な見方ではない。この視点で、当方はワークライフバランスという言葉は知識労働者の生き方の指針として誤解を招く、あるいは不適切かもしれないと思っている。ワークはライフの一つの世界であり、家庭や友人の作る世界もワークと同様にライフでは重要である。ワークをライフから切り離すのではなく、ライフにワーク以外の世界を増やしていく、という考え方がドラッカーのトータルライフという考え方だ。
カテゴリー : 一般
pagetop