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2017.12/06 プログラミング(2)

プログラミング言語は、これまで数多くの種類が開発されてきた。この理由は、今でも変わらないが、どのような目的でも使いやすい万能言語が存在しなかったからだ。恐らく今後もプログラミング用の新言語が登場すると思われるし、小学校で授業に用いられるのはBASICではない、学びやすい新言語だ。

 

教育の専門家が考えて出した結論だから文句を言うつもりはないが、今の時代に勉強するとしたらC#を勧めたい。C#を学べば、オブジェクト指向という日々の問題解決にも活用できる思考方法を身に着けることもでき、一石二鳥である。

 

ただし、C#をいきなり学習しようとすると、何が何だかわからない人も出てくると思う。少なくともBASICよりも言語仕様そのものが難解である。難解であるが、15歳以上の大人が学ぶのに適している。というのは、少なくとも今後20年間はWINDOWS環境で使われる可能性があり、他のOSへの移植も進んだからだ。

 

また、その言語仕様を見ると、拡張も容易であり、まだまだ成長する可能性のある言語で、プログラミングに便利なように発展すると思われる。どうせ老後に学ぶなら20年間は第一線で使用可能なプログラミング言語を身に着けておきたい。

 

この時、情報工学の参考書を見ると、Cをまず勉強するとよい、と訳の分からないことが書かれていたりする。このあたりは、昔も今も変わらない、専門家視点だ。ド素人が勉強するには、動くプログラムを作ることができて、それをいつまでも使えることこそ実用的である。

 

Cを勉強するのは無駄ではないが、寿命が限られた立場では、少しでも早く自分で動くプログラムを作れて、身に着けた言語を使って死ぬまでプログラミングを楽しめることこそ大切である。ただし100歳以上生きる予定の人ならば、一度Cを学んでみるのもよい。複数のプログラミング言語を学ぶことにより、プログラミングとは何かを学べるからだ。

 

 

カテゴリー : 一般 連載

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2017.12/05 プログラミング(1)

老後の認知症予防にプログラミングの勉強を始めてはどうだろうか。小学校の学習指導要領にもプログラミングが加わるという。孫の勉強を見るために奮起してC#程度を操れるレベルを目標に努力するのは無駄ではない。

 

WINDOWS環境があれば、無料でC#のプログラミング環境を手に入れることが可能だ。もっともOSの概念を理解していないと環境構築も難しいが、ダウンロードしたソフトウェアーを実行すれば、すべて自動でその環境構築をしてくれる。このままの環境でC#の勉強はできる。

 

C#の使い方を目標に、少しプログラミングについて連載で高分子の難燃化同様に説明してみたい。市販のコンピューター関係の書籍は、現在の年齢になるまで文学書と同じくらいの量を読んできた。今となっては、紙くずにしかならない本も書棚にはある。

 

情報工学の進歩は、コンピューターの進歩であり、同時にプログラミング技術の進歩でもある。FORTRANのような言語仕様は、もう過去の遺物である。これを学ぶのは時間の無駄である。当時は科学計算を行う人は身に着けておくように、と授業で習ったが、その習った2年後にBASICのほうがFORTRANよりも学びやすく実用性のある言語と気がついた(数値の精度を問題視している先生も当時おられたが、すでにBASICで倍精度の数値をサポートしており、数値計算で困ることは無かった。)。

 

しかし、当時の情報工学の本には、プログラミング言語について、プログラマーになる人の視点でしか説明されておらず、BASICは、趣味で扱う低レベルの言語の位置づけだった。プログラミング言語に対する考え方が、使いやすさではなく、専門家向けの観点だった。

 

万人向けに考えたら、当時はBASICもマクロアセンブラーも同程度の敷居の高さの言語だ。そして誰もが入手できたコンピューター用の最適なプログラム言語は、BASICやMACROSだと思った。

 

ただ、出版されていた書籍にはそのような説明は無く、マクロアセンブラーMACROSは専門家向けの言語として位置づけられていた。しかし、動作するプログラムを作って遊ぶ観点では、MACROSはBASICと変わらない難しさだった。但しBASICよりもプログラミングの意味を学ぶには適していた。

 

このようにどのようなプログラミング言語を選択するのかについても、それすら異なる考え方が存在する世界である。それがプログラミングを難しくしている。

 

カテゴリー : 一般 連載

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2017.12/04 ドラッカーの遺言(1)

ドラッカーには多数の遺作があるが、それらを知識労働者の働き方のバイブルとして読むことが可能である。もともと知識労働者という言葉を用いたのはドラッカーが最初であるが、彼の著作に知識労働者という言葉が登場していなくとも、その中身はやはり知識労働者の働き方のバイブルである。

 

また、彼の著作に一貫しているのが、誠実かつ真摯なリーダー像である。誠実とは、私利私欲をまじえず真心をもって人や物事に対することであり、真摯とはまじめで熱心なことである。

 

政界や企業のリーダーに誠実かつ真摯な態度ではないリーダーがいつの時代にもいた。最近は、文春砲にみられるようにマスコミが積極的に取り上げるので、社会の問題は誠実で真摯なリーダー不在の問題ではないかと思いたくなる。

 

例えば森友学園問題における官僚リーダーたちの答弁を聞いていると、誠実とか真摯とかではなく犯罪を犯したのではないか、とも捉えられるシーンが登場している。大切な議事録を残していないのは、まさに日本の政治史における隠蔽工作である。

 

また、日馬富士問題では、相撲協会の力士たちに対するリーダーシップが問題視されている。負けても土俵下で駄々をこねた白鵬は、冬の巡業でも貴乃花が担当するなら参加しない、などと言い出して、それを相撲協会は認めてしまった。

 

一方貴乃花に対する厳しい意見も聞こえてくる。確かに彼は組織人としてみたときにその行動に問題があった。しかし、日馬富士の暴力に対して毅然とした態度で真摯に対応した行動は、組織として腐っている相撲協会にあってその立て直しができるのは彼以外にいない、と思わせる。

カテゴリー : 一般 連載

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2017.12/03 高分子の難燃化技術(1)

高分子の難燃化技術について少し連載として書いてみたい。本技術開発を初めて担当したのはゴム会社に入社して1年も満たない入社翌年の1月である。

 

前年度の10月1日に配属された部署で、1年間の担当予定だったテーマ「樹脂補強ゴムによる防振ゴム設計」を3ケ月で仕上げてしまったからだ。所属部署の上長から人事異動時にそのような説明を受けた。

 

異動先である高分子合成研究室は、ダンフレームBという防火性硬質ポリウレタンフォームの商品化に成功して勢いのある状態で、軟質ポリウレタンフォームの難燃化研究をスタートするために人員補強した、と説明を受けた。

 

それではその期待に応えようと、異動翌日ホスファゼン変性ポリウレタンフォームの企画アイデアを新しい指導社員である美人の女性上司(30歳)に話した。「簡単にできるの?」と質問されて、思わず「半年で何とかなります」、と答えたように記憶している。

 

チームリーダーに相当する方が無理をしなくて良いと言われたが、新入社員発表会に間に合うなら面白いのでは、という女性上司の一言で詳しい企画を作成することになった。

 

原料のホスファゼンは、先端材料で市販されていなかったが、大学院修了後就職するまでの1ケ月間に無料奉仕で大量合成した材料をアルバイト代として先生から1kgほどもらった記念品を使うことにした。これが間違いの始まりだったが、社会人1年目でやる気に燃えていた当方は前に進むこと以外考えていなかった。

カテゴリー : 一般 連載 電気/電子材料 高分子

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2017.12/02 プログラム言語

貧弱な情報工学の授業だったが、コンピューターに対するアレルギーから学生時代にFORTRANを真剣に勉強した。マニュアルを見なくとも動作するプログラムを書ける程度にはなったが、この年になってそのエネルギーを他に向ければよかったと後悔している。

 

社会人になってから今日までFORTRANでプログラムを組む機会は一度も無かった。学生時代に購入したFORTRANの参考書は今もホコリをかぶったまま書棚に並んでいる。マイコンではBASICかアセンブラーしか使えなかったからだ。

 

MZ80Kでは、PASCALやFORTHも使えたので買っては見たが、ほとんどゲーム感覚で遊びとして使用していた。実用的な計算プログラムは、もっぱらBASICだった。

 

16ビットマイコンの時代になり、FDOSからMSDOSに代わり、Cが使えるようになったらその便利さからCが常用言語となった。WINDOWSの時代には、もはやCでは、入力インターフェース部分のプログラミングが難しく、C++、そしてC#を使うようになった。

 

エクセルでも簡単な計算ができるが、やや複雑な手続きになってくると、エクセルではプログラムを作るのが大変である。VisualBASICを起動する方法もあるが、何故かVisualBASICをこれまで使ったことが無かった。

 

しかし、最近このVisualBASICを使用してみてびっくりした。もはやBASICではないのだ。一応オブジェクト指向の技術も取り入れられており、むしろ簡易言語に近い。

 

 

 

 

カテゴリー : 一般

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2017.12/01 情報工学

情報工学が登場したのは1970年代であり、まだ半世紀も過ぎていないが目覚ましい進歩である。特にオブジェクト指向というプログラム言語が登場した1980年代に、その設計の考え方に感動した。

 

学生時代学んだ言語はFORTRANで、単位取得の条件は課題プログラムを作成し、その実行結果をプログラムリストともに提出することだった。プログラムやデータをパンチカードで打ちそれを読み取り機にかけて、実行させた。その後、プリンターから出力されたプログラムリストと実行結果を提出する程度の課題だったが、40人の学生に解放された端末が一台だけだったので大変だった。

 

だから、他人のパンチカードで提出する輩もいたが、教授は黙認していた。その程度の授業だった。ただ、大学院に進みインテル8086の互換CPUZ80の論文を読み衝撃を受けた。情報工学が専門ではなかったが、図書室のゴミ箱に捨てられていたそのコピーは学部の授業以上に濃厚だった。

 

8ビットのマイコンチップが登場したと思ったら、その改良された互換CPUがすでに登場したというのだ。論文では、両者の性能比較にとどまらず、マイコンの可能性まで言及していた。

 

就職し、MZ80Kを手に入れてからは秋葉原へ隔週通う生活になった。秋葉原は通信機を扱っていた店でマイコン関係の部品を売っていた。やがて秋葉原は街全体がマイコン部品であふれ、その後オタク化してゆくのだが、この街の変化は情報工学の発展の象徴のようでもある。

 

IOTが普及し始めた現代において情報工学はカプセル化され、生活の中に溶け込んでいった。ふと思い出すのは、短いプログラム一つ動かすだけでも大変だった学生時代だが、すべてが見えている安心感があった。

 

今身の回りの便利になった道具の恩恵を感じつつ、どこかに不安感がある。これは、その動作の裏側が全く見えなくなったためではないかと思っている。能動的に機械を操作しているつもりでもどこか機械に命じられてボタンを押しているような錯覚に陥る時がある。

 

例えば、ATMで操作を誤ったときに、一つ手前で間違えたことに気づいても、優しい女性の声で「もう一度最初からやり直してください」とささやかれ、強制的にスタート画面からボタンを押すことになる。本当の優しさとは一つ前の画面に戻ることだと、その声に向かって文句の一つも言いたくなるが、年を取ったせいか?

カテゴリー : 一般

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2017.11/30 不祥事の正しい問題

日馬富士が引退を表明した。事件から1ケ月程度すぎてからであり、これだけ決断まで時間がかかる点でも横綱の資質が欠如している。白鵬にいたっては今場所負けても駄々をこねたり、日馬富士の暴力現場にいてもそれを止めもしないで喜んで見ていたような屑の横綱である。このような横綱を許している相撲協会が、そもそも問題であるが、本日の問題は相撲関係ではない。

 

材料メーカーの不祥事について、材料メーカーの思い上がりとか、日本のモノ造りの危機とかいろいろ書かれているが、いい加減なコンパウンドの工程管理をして、材料起因の問題が発生しても部品メーカーの責任にしてしまう猛者もいる。

 

コンパウンドをどう分析しても材料がおかしいが、現代の科学ではそれをボス割れの原因と完璧にむすびつけることができない以上、材料メーカーは正しい、と開き直られたら、誠実真摯な部品あるいは製品メーカーの材料担当者は対処のしようが無い。

 

悪貨が良貨を駆逐するのが人の世だ、といっていた人もいたが、そんな目に遭った部品あるいは製品メーカーの材料担当の立場からは、材料メーカーのデータの改竄など親切なサービス行為に見えてくる。

 

品質データにかかわらず、会社内のデータを勝手に改竄するのは悪い、というのは当たり前である。FDを3枚も意図的に同僚から壊された当方の経験からすれば、子供でも分かる善悪の問題よりもそのような問題を引き起こした本当の問題こそ重要と感じている。

 

今回の不祥事では、いずれも品質管理データの改竄が問題になりながらも部品メーカーあるいは製品メーカーなど末端の製品品質では問題が起きていない。言い方を変えれば、「改竄しても市場で問題のおきない項目を品質管理していた」ことになる。製品品質に影響の無い項目について、余分な品質管理をしていた問題こそモノ造りの現場では真の問題として考えなければいけない。

 

実は、科学的に解明できていない品質項目に関してこのようなことが起こりやすい。一方材料では、工程が十分な管理状態にあれば、材料の原料管理を厳密に行えるという前提で、完成品の材料の品質管理を行わなくても良い、という経験則がある。ただし、この経験則は材料屋ならば暗黙知としても自信がありながら、かならず突っ込みがでてくるので公に言うのをはばかる経験知である。

 

この経験知に関して真剣に取り組まなければいけない時代である。

 

 

 

 

 

 

 

カテゴリー : 一般

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2017.11/29 材料メーカーによるデータ改ざんの問題

東レの子会社がタイヤコードのデータ改ざんを行った、というニュースが流れている。神戸製鋼や三菱マテリアルに続いてまたもや材料メーカーの品質データに関する不祥事で、さっそくお決まりの謝罪が行われた。

 

ところが、材料メーカーの品質データ改ざんはやってはいけないことであり、それをやってしまったから謝罪する、という対応だけでは解決できない問題を含んでいる。そろそろ材料メーカーと部品メーカーあるいは製品メーカーとの間で本音の品質管理を行わなければいけない時代である。

 

特効薬は、材料の品質データに問題があったにもかかわらず、特採を行って部品や製品に問題が発生しなかったならば、お互いに取り決めた材料の品質管理項目から外し、材料メーカーの内部データとして扱うことを部品メーカーが了解することだ。

 

そして、その内部データを必要に応じて部品あるいは製品メーカーに材料メーカーが開示するルールにすれば、品質データ改ざんの必要性は無くなる。すなわちQMSに則って品質管理の運用方法を改めるのだ。

 

このように書くと部品メーカーから反論が出てくるかもしれない。しかし、高分子や合金、セラミックスなどの材料は、材料段階で完璧な部品品質あるいは製品品質の保証を行おうとすると、その技術開発に膨大な時間と費用がかかる。その結果材料コストは上昇する。

 

また、部品メーカーや製品メーカーにとって、材料メーカーにそれが可能となるように協力すると、内部の技術を開示する必要が出て、組み立てノウハウが漏洩するリスクを抱えることになる。

 

このリスクの大きさは、経済産業省の音頭取りで材料メーカーが部材メーカーへ変貌したことから、ますます大きくなっている。材料メーカーが部品メーカー、あるいは製品メーカーへ変貌する時代である。

 

かつては、このようなリスクは小さかったので、部品メーカーの立場では、材料品質のばらつきは部品品質のばらつきにつながるのでどうしても材料の品質管理項目に厳しくしてきた。しかし、材料のどの品質項目が部品品質や製品品質にどの程度の寄与があり、どのような材料品質の管理を行えばよいのか、部品メーカーには完璧な技術が無いために、それを追求した結果、材料メーカーに過剰品質の生産を強いてきたのである。

 

このあたりを両者が話し合って、品質管理の運用方法を実態に合わせて改善していかない限り、品質データの改ざん問題は今後も起こる可能性がある。一部マスコミが材料メーカーのおごりと言っていたが、必ずしも正しくない。当方が製品メーカーの立場で接していた、東レという会社は、誠実で真摯な材料メーカーである。

 

そのような会社で起きた今回の問題を是非製品メーカーや部品メーカーは、深刻に考えていただきたい。さらに、東レは、川上から川下まで事業を展開可能な技術力を持っている会社でもある。データ改竄を悪いことだとわかっていても改竄を「しなければいけない、と考えてしまう」状況を作り出している品質管理は「おかしい」のである。

 

以前この欄で紹介したが、当方が複写機の部品を製造するために立ち上げたコンパウンド工場では製品の品質まで保証できる品質管理項目を採用した厳格な品質管理体制でスタートしている。

 

しかし、生産の安定性が確認されてから、当方の退職までに、たとえ担当を離れても、それらの品質管理項目を順番に見直しすべて撤廃している。理由は品質管理にコストがかかっていたからだ。また、撤廃しても各部署の了解が得られたのは、当方が責任を持って業務を進めたからである。

 

 

 

カテゴリー : 一般 電気/電子材料 高分子

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2017.11/28 日馬富士問題の行方

昨日書こうと思ったが、日曜日に白鳳の取った行動に対するマスコミの反応を知りたかった。白鳳の日曜日の行動については賛否両論だったが、これは、相撲という文化に対する理解の違いと捉えている。

 

ここで相撲がスポーツかどうかを議論するつもりはない。ただ、多くの日本人が失ってはいけない文化の一つ、と感じている常識的見方から横綱という立場について一言書いてみたい。

 

横綱は相撲の最高位であり、ただ強いだけではその地位が得られない、と皆信じている。だから、負けた白鵬が勝ち名乗りの時間になっても、いつまでも駄々をこねて土俵に上がらなかった姿をみっともない、と誰もが感じたのだ。

 

それについて相撲協会は、ただ注意しただけという情けない処分。本当に日本の文化としての相撲を守って行こうという気概があるのか、と失望した。

 

日馬富士問題も相撲協会はおかしな動きをしている。被害者が何針も縫うような怪我をした事実があり、さらに警察から傷害事件として書類送検されるという状況でも日馬富士の処分を決めない。

 

もっとも、大けがをするような暴力を白鳳はじめそこにいた他の力士が止めに入らなかった問題もある。もし協会がこの問題も重視し、白鳳の処分まで考えているというならば、被害者の意見を聞けないから結論を出せないと言っているのを理解できるが、そうではなさそうだ。

 

相撲という文化を大切にすることにどのような意味があるのか。それは渡部昇一著「日本人論」に書かれている日本人について正しく理解する必要がある。

 

この書では特に相撲を扱っていないが、精神的権威の重要性について論じており、相撲という文化をどのように理解し後世に伝えねばならないのか考える参考になる。

 

グローバル化の現代こそ日本人は「日本人」であることを意識しなければ世界の中に埋没した小国となってしまう懸念がある。ただ強いだけでは勤まらない横綱という地位を大切にしたい。

 

中国が太平洋地域をアメリカと二分しようと言い出したり、韓国の日本に対する幾つかの無礼な態度など、アジアの中においてもその覇権を主張する国家の傍若無人ぶりが目立ってきており、その中で独立国家を維持するのも難しい時代となってきている。

 

相撲は外人力士も多くなってきているが、柔道のように世界のスポーツという道を選ばず、あくまで日本独自のスポーツとして位置づけられ運営されている。相撲をplayするためには、まず日本人との価値観を共有しなければいけない。

 

金太郎や桃太郎の例を出すまでもなく、日本人が描くヒーロー像とは強さ以外の優しさや品格を兼ね添えている。ただ強いだけでは到達できない横綱の価値を相撲協会は守ることができるのか。

カテゴリー : 一般

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2017.11/27 高純度SiC前駆体の合成方法

高純度SiCの経済的な製造方法は、ポリエチルシリケートとフェノール樹脂を用いる前駆体法だ。これらの原料の高純度品は価格が安く、これらの原料が反応した前駆体から製造されたSiCは精製しなくても高純度である。

 

ところで、この二つの原料をどのように均一に混合し、前駆体を合成するのか。30年以上前に無機材質研究所から出願した基本特許には詳細な説明を書いていない。

 

高分子に詳しい人が実施例を読めばリアクティブブレンドであることに気がつくはずであるが、これを実際に行ってみると、ポリウレタンのリアクティブブレンドよりも難しい。

 

なぜなら、混合攪拌した材料がすぐに相分離し不均一な前駆体しかできないからだ。それでもSiC化の反応でカーボンを大量に残す覚悟があれば、このような不均一な前駆体でも高純度SiCとカーボンの混合された粉体を製造可能である。

 

しかし、化学量論的に均一にSiC化の反応を行いたいときには、ポリエチルシリケートとフェノール樹脂の反応が均一に進行するリアクティブブレンドで製造される前駆体を用いなければならない。

 

以前この欄で、この前駆体合成ルートについて試行錯誤で求めた、と書いたが、試行錯誤でもむちゃくちゃに実験していては反応条件を見つけることができない。試行錯誤には、うまいやり方があるのだ。

 

試行錯誤は、非科学的とされるが、ラテン方格を利用した実験計画法やタグチメソッドもある意味試行錯誤である。すべての実験を行う代わりに統計科学的に均等に任意の実験条件をラテン方格を使って選び、最適条件を求めている。

 

これ以外に、過去の形式知や経験知を活用し試行錯誤を効率的に進める方法がある。戦術図と戦略図を使う弊社の方法である。形式知はすべて正しい、とされているが、形式知には、ある特殊な条件でのみその真が保証されたものがあり、条件が外れたときに成立しない場合がある。このとき新発見が生まれる。

カテゴリー : 電気/電子材料 高分子

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