昨日はギターの指板上における運指方法について書いたが、弦をつま弾くときもクラシックとジャズでは異なる。クラシックギターでは、4本の指を使って6本の弦をつま弾くので難しい。ジャズのスタイルの多くは、ピックで6本の弦をつま弾くので、すなわち指一本で弾くようなものでわかりやすい。
ジャズギターの名手の中には、ピック以外に中指もしくは薬指を使い、時折装飾音を入れる演奏家もいるので、演奏をCDなどから聞いただけではその演奏をコピーした再現プレイが難しい場合もある。
すなわち指一本の奏法もあれば、指二本、指三本の奏法迄プレイヤーにより様々である。もちろん、クラシックのように指4本を使う場合もあり、まれに開放弦を両手で弾いている人もいる。要するにジャズでは弾き方も自由である。
そもそもギターを指二本で弾く方法は、黒人が発明した方法でブルースから生まれている。その演奏法をカーターファミリー奏法では、親指で6弦から4弦までベース音としてリズムパートを弾き、人差し指1本で他の三弦をたたいてコードを弾く方法に改良している。
カーターファミリー奏法から発展したと思われるのがスリーフィンガー奏法でチェットアトキンスが有名であるが、これもブルースから生まれている。日本のフォークソングの黎明期には、ピックでコードをたたくか、スリーフィンガーでコードを分散して弾く方法が多かった。
片手でギターの弦をつま弾く場合に限定してもこのように多数あり、形式知としてまとめられていない。まとめようとした人もいたようだが、奏法については今も発展途上で押尾コータローのようにその音楽を聴いただけではどのように演奏しているのかわからないギタリストも出てきた。
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ギターの弾き方に関する教則本にもクラシックとジャズの違いがある。クラシックギターであればカルカッシギター教則本がバイブルのように存在し、指板の押さえ方に一定のルールがある。
これがジャズになると面白い。そのようなルールブックは存在せず、同じメロディーを弾いても演奏者により運指方法はさまざまである。これがまた、ジャズギターを初心者が学ぼうとしたときに難しさにつながっている。
クラシックでは、カルカッシのギター教則本に書かれた運指方法を徹底的に練習し覚えることが求められる。しかし、ジャズではアドリブの素になるコードをいかに効率よく指板上に展開できるのかが重要である。
しかし、それでも一応効率の良い方法があるようで、ジャズの教則本を見ると、大体同じような運指方法が書かれている。面白いのはジョーパスの「ギターメソッド」には、他のギター教則本と異なる独特の運指方法が書かれている。
彼の方法はCAGEDシステムと呼ばれており、彼のアドリブの世界観がそこに現れている。矢堀氏の教則本はさらに割り切って、運指方法など無く、いきなりコードからはじまる。布川氏から指導を受けた、と言われる矢堀氏だが、教則本の書き方が全く違うところがジャズである。
ギターを学ぼうとしたときに、このように教則本からその選択が難しい。クラシックギターを弾くならばカルカッシ一択であるが、その他の音楽では、まず教則本や指導者選びが大変である。悩んだあげく独学となる。
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ギターという楽器は面白い。昨日のクラシックとジャズの差異以上にフュージョンである。ただし、ここでもクラシックギターの存在は、化石のようなクラシック音楽の側面を色濃く見せる。
そもそも、クラシックの演奏で使われる楽器は、昔から形が変化していない。チェンバロから生まれた、とされるピアノにはグランドピアノやアップライトピアノという違いがあるが、これは、狭い部屋に置くために進化した結果と思われる。鍵盤の並び方や鍵盤の数に違いはない。
ギターもクラシックギターと言えば、瓢箪のような形をした胴にナイロン弦が張られ、幅広の指板がついた形だ。これがジャズになると、様々な形のギターが使われている。フレット数もクラシックギターより多かったりする。
音も電気仕掛けの音色が多い。ジャズで使用されるエレキギターには大別するとソリッドギターとフォロウギターがあり、後者の方がジャズ感が強いなどと言われたりするが、どのような形のギターでもよいのがジャズである。
ギターをみるだけでもクラシックとジャズの違いを感じることができる。クラシックは形式を重視し、ジャズは自由である。クラシックの楽器もジャズで使われたりするが、その弾き方もクラシックで使われない方法で演奏されたりする。
例えば、マイルスデイビスのトランペットをクラシックのトランペット奏者が聴いたら大笑いするかもしれない。ギターも同様で、ギターの構造だけでなくクラシックのギター奏法には無い奏法がジャズでは開発されている。
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昨日の池江選手に触発されたわけではないが、残りの人生全く新しいことにチャレンジしようとコロナ禍で時間ができたので少しずつ準備をしてきた。
友人がチェロを学ぶのに音大の学生に習ったら美人の先生で大変モラルが上がった、と言う話をしていたが、若い時ならばそれも良いが、当方の年齢で若い女性の先生に学ぶというのはやはり遠慮が出てしまう。そこで、退職前に混練の仕事を担当した時と同様に何冊かジャズギターの教則本を揃えてみた。
面白いのは、混練の教科書では、分散混合と分配混合を基本とした形式知でどの本もまとめられていたが、ジャズギターの教則本は著者により、多くの流儀が存在する。
学生の頃ギターの教則本と言えば、クラシックギターの教則本しかなかったが、今はブルースにロック、ボサノバそれぞれの分野ごとの教則本が存在し、ジャズでも多数発売されている。
ギターを初めて弾こうと思ったときに恵まれた環境だが、これだけ多いと教則本を選ぶのに苦労する。ただ、学位をまとめたりした経験から知識の体系を読み取るコツを身に着けていたので、ジャズギターの教則本が大別すると2種類あり、もう少し細分化すると3-4種類存在することを理解できた。
一番大きなくくりとして、コード解説を主体にしたものと、指板の運指を重点にした教則本である。前者はアドリブの考え方を見につけさせようとする著者の意図が見える。後者は、どのようなフレーズを弾くにしてもまず運指が基本というカルカッシの教則本とよく似た考え方だ。
それでは、その運指はカルカッシと同じかと言うと少し異なっている。あくまでもコード展開を配慮した効率の良い運指を目指しているのだが、これも著者により2-3通り存在する。面白いのは、すべてを取り入れている著者もいる。
独特なのはジョー・パスの教則本で、ここではCAGEDシステムが展開されている。ギターの指板のポジションを覚えやすいような説明でもある。とにかくどれが自分に適しているのかわからないので、とりあえず1年間これらを読んでみた。
さすがに混練の教科書を読む時と違い、読む速度が遅くなる。五線譜になると眠くなる。それで一年かかったのだが、混練の本は4冊50万円近くかかって読むのに1か月だった(そしてカオス混合を発明している。)が、ジャズギターの教則本は5冊で2万円もかからず、1年間楽しめた。ただ、ギターを弾けるようになったわけではない。
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オンキョーの上場廃止見込みとなってからの株価が現在のオーディオ業界の状態を示している。国内大衆用オーディオ機器メーカーはヤマハとDENONが残っているが、高級オーディオメーカーはそれなりに生き残っている。
一方で音工房Zのようなスピーカーメーカー3社(?)が国内に誕生している。国内のオーディオスピーカーが海外勢に駆逐(?)され、世界的なオーディオ業界不況でB&Wさえ風前の灯となった。
アナログからデジタルへの変化で銀塩フィルム会社はあっさりと富士フィルム1社となったが、オーディオ業界はゆっくりと衰退の道をたどっている。
2日前にペンタックスの新製品を取り上げているが、もしこの新製品がヒットしたならばカメラ業界は従来と異なる商品価値で新たなマーケットが形成される可能性がある。そんな期待があるのでペンタックスを取り上げた。
この欄で時々音工房Zを取り上げているのは、衰退しつつある市場でも新たな商品価値、それも20世紀では考えつかなかったような価値でベンチャー企業が生まれてきていることを知らせたいからである。
実はペンタックスの新製品にも類似点がある。それは、20世紀の市場判断では絶対に企画されなかった商品という側面をもっていることだ。
オーディオ市場はやがてとんでもない高級品と趣味の二極化となるだろう。100万円を越えるスピーカーを数万円で入手できる、という音工房Zの企業コンセプトははったりではなく、確かに比較視聴すると雑誌の付録スピーカーを使って自作したスピーカーがJBLの100万円を越えるスピーカーに負けない音を出す。
JBL以外にB&Wの超高級品も自作スピーカーと区別がつかなくなる視聴会は参加していると楽しい。手品ではないのだ。実際に自分で組み立ててみてもそうなるから驚きである。故長岡鉄男のオーディオの記事を昔楽しく読んだが、その世界が音工房Zはじめ新興スピーカーメーカーにはある。
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ようやく発売日等が決まったようだ。詳細は、リコーのサイトを見ていただきたいが、売れるだろうか、という期待がある。だろうか、と書いて期待というのも奇妙かもしれないが、単なる1ファンであり特別にCM料など頂いているわけではないので、売れてほしいとも書きにくい。
カメラ市場全体が縮小傾向で、さらにミラーレスカメラにトレンドが流れているところへ、あえて昔ながらの一眼レフの投入である。しかもニコンやキャノンのフラッグシップを凌ぐスペックである。値段もAPS-Cで28万円というとんでもない価格である。
この価格ならミラーレスフルサイズ一眼が買える。ニコンZ7の新古品も買えるかもしれない。だから、このカメラを購入する人は、かなりのペンタックスファンと断定できるだろう。
ただし、もしこのカメラが万が一にもヒットしたならば、BtoCビジネスを展開しているメーカーはヒットの原因を解析すべきだと思う。表向きのヒットする要素が不明の商品だからである。
細かいところをリコーのサイトで調べてみると、この商品の凄さとこの商品を作り出した技術者の思いを理解できるのだが、それが購入動機につながるのか当方には分からない。それゆえ、このカメラがヒットした時にヒット原因を丁寧に解析すべきだと書いている。
この商品は高くて、さらに今の一眼カメラの潮流から外れたオーバースペックの商品なので売れなかったなら、その理由は明確である。しかし、この商品がヒットしたなら、もしかしたらカメラ業界にイノベーションが起きるかもしれない、と思わせる凄味がある。
ただし、この凄味は写真マニアしか理解できないだろう。製品開発においてマーケティングが重視される時代に、常識的なマーケティング情報とは異なる面白い商品が発売された。ヒットするのか期待したい。
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1980年代の材料科学のイノベーション、セラミックスフィーバーから40年近く経ちました。今デジタル化と脱炭素社会という二極化で材料分野のイノベーションが求められています。
セラミックスフィーバーでは、セラミックス材料という明確なオブジェクトが存在し、のちにナノテクの潮流を引き起こす超微粒子化とそのプロセシング開発という明確な課題が見えていました。
今回のイノベーションでは、デジタル化と脱炭素化という二大潮流が具体的なゴールを示さないままうねりながら押し寄せており、何もしなければ、誰も見たことのない未来へ流されてしまいます。
すなわち、潮流は明確ですが具体的なオブジェクトや課題が不透明です。すでにガブリエルにより「不確実性の時代のはじまり」とか、ドラッカーの遺作「ネクストソサエティー」には「誰も見たことのない世界が始まる」とか警鐘を聴かされましたが、答えは見えてきませんでした。
弊社では電子出版というサービスで提案を行いましたが大失敗しまして10年が経過しました。改めて事業を定義しなおすとともに新たな事業を計画中です。
現代の潮流の一つに見えない課題をビッグデータを活用して具体化し、そのソリューションを提供するビジネスを生み出す流れがあります。また材料分野に限れば、マテリアルインフォマティクスというデータマイニングが行われています。
まず、この潮流に応えるためにどこでも誰でも使える多変量解析のプログラムを弊社サイトで提供させていただきます。さらに順次このプログラムを活用し、どのように新しい企画やサービスを考えたらよいのか、事例をご紹介してゆきます。ご期待ください。
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30年以上前にギブソンやマーチンと言えばギターのトップブランドで、アコースティックギターに限定すると、これ以外にギルドとかギャラガーなどアメリカブランドに続き、ヤマハ、SあるいはK-ヤイリ、モーリス、キャッツアイ、タカミネ、アリアなど日本メーカーがそれなりのブランドとして知られていた。
ところが最近のアコースティックギター市場では、テイラーがトップシェアを占めているという。このテイラーと言うギターブランドは1970年代に登場したアメリカメーカーのブランドで、ギターを可能な限り機械生産することで楽器として高い精度の製品を市場に供給してきた。
すなわち、ギターは材木を扱うのでどうしても人間の手で生産をしたほうがプロセスが簡単になる。それをテイラーはネックと胴のジョイント方法はじめ材木の裁断などギター生産プロセスを機械化しやすいようにその構造を設計しなおし、手工部分を極力削減して機械化を進めた。
店頭に並んでいるテイラー製のギターは安価な製品から高級品までどれも弾きやすく高品質である。使用している材木や装飾の違いで価格が変わるが、みかけのカタログ品質で価格を比較すると、マーチンギターよりも高く感じる。もちろん日本製ブランドの製品よりも高い。
30年以上前、ギターの構造からテイラーを二級品と評価していた記事(昔テイラーギターはモーリスより安かった)を読んだことがあるが、店頭で製品を見たときにその弾きやすさにびっくりした。必ずしもプロの評価が正しいとは限らない例だろう。
この30年間のテイラーの躍進で学ぶのは、過去の名声で築かれたブランドでも品質が悪ければ後進の高品質ブランドに負ける、ということだ。
1980年代に日本製アコースティックギターは高品質で低価格という武器で躍進したが、工芸品に近い製品を工業製品の発想で品質管理したテイラーには勝てなかった。
QCは日本のお家芸と言われた時代がある。しかし、くい打ち不正事件やそのメーカーで建てられた3階建ての品質管理のいい加減さに驚いた経験から、そろそろ日本のQCの問題を真剣に考えなければいけない、と思うようになった。
確かに昔の日本の現場はQCサークルで活性化され高品質の製品を生み出したかもしれないが、故田口先生がタグチメソッドの普及に渡米しなければいけなかった現実、そして設計段階から品質を優先したテイラーのような企業の躍進から、再度日本のQCについて考え直す時ではなないか。
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ホスファゼンは量産使用であれば2000円/kg前後である。中国で樹脂生産を行うならば、それ以下で入手可能だ。
しかし、中国でBDP類似難燃剤が400円/kgで入手できることを考慮するとリン単価として捉えたときに高価な難燃剤となる。
しかし、リン系難燃剤とホスファゼンを組み合わせて使用すれば、安価なリン系難燃剤だけで材料設計するよりも品質が高く経済的な難燃性樹脂を開発できる。
これも当方のセミナーでデータを公開しているが、タグチメソッドのSN比でホスファゼン併用系は、リン酸エステル系難燃剤単独使用よりも3dBの改善効果がある。
3dBとは1000倍である。タグチメソッドによらなくてもこの結果を確認することができ、組み合わせることにより使用量を減らすことが可能となるので、樹脂の力学物性にも好ましい効果を期待できる。
ただし、これを実際に実現しようとすると幾つか細かいノウハウを獲得する必要がある。これも当方のセミナーで公開しているが、関心のあるかたは問い合わせていただきたい。弊社からホスファゼンをご購入の方にはそのノウハウも伝授いたします。
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高分子材料を難燃化するときにホスファゼンを用いる方法として、添加型と反応型の2種類の方法がある。前者はただホスファゼンを高分子マトリックスに分散する方法である。後者はホスファゼンを官能基で修飾し、高分子マトリックスに反応させて組み込む方法である。
反応率が100%を前提にすると後者では、分子レベルで分散していることが保証される、という理由で最も分散状態が良い方法となる。
ポリウレタンの難燃化でこの仮説を確認し、その成果は欧米の学会誌に掲載されている。すなわち、ホスファゼンを反応型で用いてポリウレタンを難燃化した時に、ホスファゼンの分散状態を分子レベルで実現した難燃化効果が得られ、それは添加型でポリウレタンを難燃化するよりも少ない添加量でポリウレタンを難燃化できる、というのは形式知である。
この形式知から、ポリウレタンを難燃化するとき(例えばLOIが21以上という条件)に必要なリン原子の最低量を求めることができる。この値は、他の樹脂をリン系難燃剤で難燃化した時に、一つの基準となる。
すなわち、分子レベルで分散されたホスファゼンの難燃化効果は、ポリウレタンを難燃化するのに(例えばLOIを21以上にするために)最低限必要なリン原子濃度(A%)という見方ができる。
例えば他の樹脂にリン系化合物を添加してLOI>21を実現したいときに必要なリン系化合物の量は、A%を基準に考える事ができる。二軸混練機で分散する場合には、L/Dが小さい場合に反応型で100%の反応率を得ることが難しい。
ゆえに、大抵はAから予想される添加量よりも多く必要になる。これ以上の議論は相談していただきたいが、高分子の難燃化技術では、難燃剤の添加量をどこまで減らすことができるのかどうかは、コストと物性の観点で重要な問題となる。
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