ハウステンボスがロボット開発を始めたという。バブル経済の最中、デズニーランドのようなテーマパークが未来産業としてもてはやされた時代に、各地で類似施設が誕生したため競争が激化、倒産しかかった。
そこが人の集まる施設という特徴を活かして、まずAIの開発から始めたという。また、接客作業ロボットのアジャイル開発用の場所も提供しているとのこと。
第二次産業の工場には人手不足や人件費高騰などのためロボットが多く導入されてきた。そのロボットを第三次産業にも導入しCDしようと言う目論見だ。
ただ、第二次産業では定型業務の繰り返し作業でありロボット開発は容易だったが、サービス産業では非定型業務となり、まずその頭脳となるAIの開発が重要になったため、自ら開発を始めたらしい。
おもしろいのはそのAI開発手法で、お客様とのインターフェースにはロボットが対応しているが、そのロボットのコントロールをAIが行うのではなく人間が対応して、きめ細かい動作をしているところである。
この作業、人間が対応しながらAIに学習させているのだそうだ。すなわち非定型業務のデータを直接フィールドから取り出している、というアジャイル開発の手法だ。すなわち、ハウステンボスは、ロボットの頭脳となるAIの開発から、ロボットそのものまでアジャイル開発の場を提供する事業を行っているのだ。
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「スーパースターの常として、知識にもとづくイノベーションもまた、気まぐれであり、移り気であり、極めて管理が困難である。」これは、ドラッカー著「イノベーションと企業家精神」(1985)に書かれている指摘である。
無機材質研究所に留学し、そこでゴム会社の創業50周年記念論文に投稿した高純度SiCのアイデアを実証した。そして3年の留学予定を1年で切り上げゴム会社に戻り、新事業開発をスタートさせたのだが、この書が発売される1年前に知識に基づくイノベーションの難しさを肌身で知ることになった。
ところで、イノベーションという言葉の意味を当方が初めて知ったのは、高校生の時に亡父から勧められた「断絶の時代」からである。学園紛争の表現に用いられていた断絶の時代というマスコミの誤用と、その時代に何を学ばなければいけないのか、と生意気盛りの当方を亡父は叱ったのである。
当時すでに知識社会の到来と米国主導のグローバル化、多様化の潮流(注)に日本は晒されていた。「断絶の時代」は今改めて読んでみても面白い書である。ドラッカーの洞察力は半世紀近い過去においても鋭かったことを理解できる。
日本相撲協会の騒動は、特別なものではなく日本の組織にありがちな風景の一コマであり、下された処分も、被害者がもっとも重いというおかしな結果になった。これは、被害者である当方が転職した経験とどこか似た光景である。
ドラッカーは、組織とイノベーションとの関係について「断絶の時代」の中で、「イノベーションのための組織は既存の事業のための組織とは切り離さなければならない」と指摘している。
ゴム会社で異色の高純度SiCのプロジェクトは、スタートこそ既存の組織とは切り離された運営だったが、いつの間にか既存組織の中に取り込まれてしまった。その結果迷走状態となったのだが、ドラッカーの一言一言がまことに至言であると思う。
(注)ダスティン・ホフマン主演の映画「卒業」には、母親が娘の彼氏(ダスティン・ホフマン)と情事に耽る当時としては衝撃的なシーンが出てくる。サイモンとガーファンクルの世界が映画全体に彩られ、スパイス的にデイブグルーシンのジャズが流れる感動的でありながら未成年には刺激の強い映画だった。しかし成人向ではないその映画の描く世界は、もう過去の世界になりつつある。今や既婚女性の国会議員が密室で年下の配偶者ではない既婚男性を従え、文春砲をはじき返す時代である。
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混練技術に「カオス混合」と呼ばれる混練方法がある。いつから知られていた混練方法か知らないが、ゴム会社の新入社員時代に指導社員から教えられた。
ちなみに高分子を混練する時に働く力は、剪断流動と伸張流動の二つで発生する。剪断流動は剪断で生じる流動で、伸張流動は引き延ばしたときに発生する流れの力である。
一般の混練機の中では、この二つの組み合わせの流動が生じているが、カオス混合とは、急激な伸張流動と折りたたみで発生する剪断流動の組み合わせで混練を進めて行く。
すなわちパイ生地や餅つきで発生している力がカオス混合の時に生じている。臼と杵でつく餅がよく伸びるのは、効率のよい混練で練り上げられデンプンの分子がよく絡み合っているからだ。
市販の餅で伸びが悪い餅はうまくつかれていないためで、市販の餅を再度「あさイチ」で紹介されていたような処理を行えばよく伸びるようになる。また、うまく混練をする自信があれば、砂糖を入れなくても、「あさイチ」でイケメンゲストが見せてくれたようなレベルの伸びの餅ができる。
この餅の例に見られるように高分子のプロセシングにおける「混練技術」は、高分子物性に影響する。高分子結晶の寄与が大きい樹脂ではそれが顕著では無いが、ゴムでは混練技術の差異で耐久性などの品質が大きく影響を受ける。
樹脂成形技術者は要求物性が混練プロセスに左右されていても、なかなか混練技術までさかのぼって問題解決にあたらないが、ゴム分野では、問題解決の最初に混練プロセスを疑うのは定石である。
餅についてもその伸びに不満があるならば、杵と臼でよくついた餅を購入するとよい。子供のころ餅つきをしていて、食べるのに夢中になっているとよく叱られた。
今から思い出すと危険作業を小さな子供に親が平気でやらせた時代だったのだ。年末の餅つきは、今なら児童虐待と言われるような風景だったかもしれない。
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本日も4日の「あさイチ」の「よく伸びる餅」の話題で申し訳ない。この餅の話題で、2000年頃元東工大中浜先生がリーダーで推進された国研「高分子精密制御プロジェクト」をふと思い出した。
そこでは元東大西教授のグループで高分子1本の粘弾性測定の研究が企画推進されている。餅を引き延ばしている姿を見て、この研究を突然思い出したわけだ。
しかし、餅を引き延ばすことさえTVの生放送でうまく行かなかったのに、高分子1本をAFMの針先にくっつけて引き上げ、レオロジー測定を行った研究が如何に困難を極め、そして得られた成果が驚くべき結果だったのか、あまり知られていない。
よく伸びる餅を引き上げることさえ失敗したのである。高分子1本をうまく針先にくっつけて振動させてレオロジーを研究する、という活動が失敗の連続であったことは想像できる。そしてそれを粘り強く研究されたスタッフの方々の努力は、きっと高分子物理の進歩を加速している。
「あさイチ」のよく伸びる餅が、生放送でうまく再現されなかった事実は、基礎科学の成果がうまく一般にまで浸透していないことをしめしている。
高分子学会誌「高分子」の今月号(2018年1月号)の特集は「デモンストレーションに使える高分子実験」だが、古典的(注)な「水ガラスからスーパーボールを作る」以外は、もう少し記事の書き方に工夫が必要である。
著者の先生方が基礎科学を普及しようとする努力には頭が下がるが、もう一歩大衆の方向に歩み寄って欲しい。例えば「プラスチックで遊ぼう」は、がんばって6ページほど書いていただけたなら、その面白さが誰でも分かるような記事になったのではないか。
手軽に遊べそうな写真がついていたので、もう少し詳しくやさしく丁寧に書いていただけたなら、高分子の深い知識が身につきそうに思われるもったいない記事だ。
恐らく編集の都合もあったかもしれないが、このような特集では執筆者の自由に書いてもらうべきだろう。「プラスチックで遊ぼう」には著者の豊富なアイデアがにじみ出ていたのでもったいないと思った。
もし、高分子の研究成果が一般にまで理解されていたのなら、「あさイチ」でイケメンゲストがあのような失敗をしなかったのではないか。ゲストの引き上げる速度が早かったことも餅が切れやすかった事と関係している。
伸張速度が速すぎると高分子は(実際には弾性率は変化していないが)見かけ上硬くなったような挙動をとる。これを昨日書き忘れた。
(注)1970年代に旧大阪工業試験所椎原先生がマスコミに紹介されていた。
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1月4日の「あさイチ」で紹介されたよく伸びる餅は、市販の餅を水にいれて、沸騰させてから、砂糖を加えて作る。この時大切なのは、よく練り上げることだ。
「混ぜる」と「練る」は、材料のプロセシング技術として見たときに異なるプロセスである。少なくとも材料へ働く因子が異なる。高分子は「練る」ことにより、分子の絡み合いが促進され、いわゆる「粘っこくなる」
例えばゴムに配合剤をただ混ぜただけでは壊れやすいゴムとなるが、よく混ぜて練られたゴムは、耐久性のあるゴムになる。樹脂でも二軸混練機で混練した場合とロール混練した場合では、脆さの指標である靱性がわずかに変化する。
すなわち「あさイチ」で紹介された「ビデオの餅」と「スタジオの餅」では混練プロセスの条件が少し異なっていたのだ。明らかに「ビデオで紹介された餅」のほうがよく練られていた。
よく練られていない餅であったが、もし男性ゲストがこのことを知っていたなら、引き上げるときに一工夫すればよく伸びるように見せることが可能である。
それはできるだけ多く引き上げ、引き上げられた餅を下へ流すように見せることだ。するとよく伸びるお餅のように見せることができた。ここでは、水と砂糖が可塑剤の働きをしている。
すなわち、可塑剤がただ混ぜられただけでは流動性は出るが、分子の絡み合いができていないと切れやすい餅となる。デンプンがよく絡み合っていたなら、引き上げただけでも高分子の絡み合いの力で下からひきあげ、さらにはモチあげてくれる。
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昨日のNHK「あさイチ」で「よく伸びる餅」の作り方を紹介していた。そしてどの程度伸びるのか、それを指導した先生がビデオで見せて、170cm以上も伸びます、とやっていた。
ところがスタジオで用意されたその餅を男性ゲストが、「僕の身長は180cmですから」、とやってみたら、ぷつんときれて伸びない。柳沢さんから「やり方が悪いんじゃない」といわれ、再度へらを斜めにしてようやく、そこそこ長く伸びたところであわてて伸ばすのをやめた。
そしたら、柳沢さんの手に餅がベチャリとついて、あわててそれを柳沢さんはなめていたが、手はきれいだったのか?NHKらしからぬシーンがお茶の間に飛び込んできた。
この欄で取り上げたのは、最近のNHKらしからぬ放送を批判するためではない。初老のアナウンサーが洗っていない指についた餅をなめたところでさほど問題ではないが、「なぜスタジオの餅は伸びなかったか」が、本欄で取り上げた理由である。
ビデオで紹介された餅は、おそらくその状態から2m以上は伸びたかもしれないが、スタジオの餅は、明らかにそれと違っていた。餅が伸ばされて行く状態をTVで見ていた先生も気がついたかもしれない。
我が家のTVは、4Kの効果かどうか知らないが、明確にスタジオの餅とビデオの餅の違いを映し出していた。また、それは男性ゲストの伸ばし方も一部影響していたが、明らかにプロセシングの効果が伸びない原因ではないかと伺われた。面白い話なので、明日もう少し詳しく述べる。
ちなみに、男性ゲストが混練技術を知っていたら、そして高分子の可塑化という現象を知っていたならば忖度してあたかも長く伸びるような伸ばし方をしたかもしれない。このあたりも説明する。
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ニューイヤーズ駅伝は、下馬評通り旭化成の優勝で、箱根駅伝は往路優勝を逃がした青山学園が復路で健闘し、総合優勝を獲得した。この3日間の駅伝で注目すべき点は、青学を抑えて往路優勝した東洋大学。
1年生選手の活躍が光っていた。それと明確に往路優勝を狙ってきたと思われるような布陣だった。このような戦略を立てることが可能かつその戦略で結果を出せたのは、チーム内の力を監督が十分に掌握できているからだ。
今年は残念な結果だったが、来年は青学の最強ライバルになることは必至だ。ことしも同様の噂がニュースで書かれていたが、青学の選手層を考慮すれば4連覇は妥当な結果で、むしろ完全優勝できなかったことに驚いている。
来年東洋大学が新一年生に有力な長距離選手を1名獲得することができたならば、おそらく青学に勝てるかもしれない。来年の箱根駅伝が楽しみになってきた。
昔実業団駅伝では、コニカミノルタの健闘が光っていたが、ここのところ元気が無い。転職してから、お正月の3日間は駅伝がもっとも面白いTV番組となった。毎年何かドラマを期待して見ている。
今年は、大会前に優勝候補に挙げられた神奈川大、8大会連続でシード権を獲得していた駒大、名門・中大が10位以内に入れず、来年の箱根駅伝のシード権を獲得できなかった。
これらは、それなりのドラマだが、箱根駅伝を毎年見てきた当方にとっては、30秒程度の僅差で東洋大学が往路優勝したことこそドラマである、と思っていたら、WEBニュースで「川内優輝、-17度で世界記録! 76度目の2時間20分切り 米仰天「極寒最速ランナー」」というのが流れてきた。
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昨年末30日にゴム会社の友人たちと新宿で忘年会をしたが、23時過ぎの新宿ゴールデン街は、ここが日本かと疑いたくなるような国際色豊かな光景だった。SNSの効果でこの地は一気に海外からの旅行客であふれる地域になったのだ。
製造業の工場が、安い労働力を求めASEANはじめアジア諸国へ出ていったために、新しい産業資源として観光資源が注目され、国を挙げて観光立国日本を目指し始めた。その結果、京都や奈良以外の観光資源が整備され、日本に外人の旅行客があふれ出した。
日本人の人口も減少し始め、何世紀先には日本人は絶滅危惧種になると言われているが、観光立国の副作用である国際結婚が進めば、新しい日本人がその心配を吹き飛ばしてくれるかもしれない。
ただ、このまま第二次産業が衰退し、第三次あるいは第四次産業へ移行するとは思えない。例えば、最近山の中の漁業が注目されたり、LEDを使った植物工場が稼働し始め、第一次産業が第二次産業の影響を受け新たな進歩を始めた。
40年ほど前にゴム会社創業50周年記念論文の募集があった。豚の繁殖力と牛肉のうまさを狙った「トン牛」や荒唐無稽な「マリン産業」など中身のないキーワードが躍る論文が首席となり、その著者だった友人が賞金10万円(当時学卒の初任給一か月分の手取り額に相当)を獲得した。ゴム会社の基盤技術から起業する高純度SiC事業を真摯に提案した当方の論文は入賞すらしなかった。
友人が賞金の10万円で二人だけの残念会を開いてくれたが、このおかげで高純度SiCの事業を新事業として必ず立ち上げる決意をすることになった。それが実ったピュアベータ事業がゴム会社で今も続いている。
トン牛は未だ世の中には登場していないが、無名の企業が始めた山中で海の魚を育てる事業は、味がよいとテレビで紹介された。審査員はトンでもない発想を重視して論文を審査したのかもしれないが、それが極端になると社員は白ける。
恐らく産業はその垣根や時代の想像を越えシナジーを活かして新たな発展をするのかもしれない。例えば二次電池では、その起電力が大きくエネルギー密度が高いLi二次電池に注目が集まっているが、資源の偏りと埋蔵量の少なさから価格が高い。
しかし、そのLiより少しだけ起電力が低いNaは、海に豊富に存在するのでNa二次電池は究極の安価な二次電池をLi二次電池技術の資産で容易に設計できる可能性が存在する。その時電池は海産資源を活かした電池になるのかもしれない。観光立国もよいが、第二次産業の新たな展開も日本には必要だ。技術と観光の日本をめざし頭を柔軟にして技術者はがんばろう。
(注)記念論文の審査には論文捏造問題や盗用問題で有名になった大学のタレント教授を中心に行われた。論文審査員の知性のレベルで、選ばれる論文の質は変化する、と事前にうわさされていた。ちなみにゴム会社の次世代新事業提案が論文募集の趣旨だった。ゴム会社の基盤技術に新規コンセプトのゾルゲル法を展開した実現可能な提案は趣旨に沿っており没になるはずがないと思っていた。例え無念な結果になったとしても、歴史は真摯な努力に報いてくれる。ドラッカーが組織に対する貢献で誠実と真摯さが重要とその著書で述べている所以である。一時の挫折で腐ってはいけない。
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電気自動車の時代が現実となってきて問題になるのが電池である。Li二次電池を初めて商品として世の中に出したのは、ソニーではない。ブリヂストンである。ただその電池の性能が低く、またポリマーが正極に用いられていたので、この事実は、あまり注目されていない。
Li二次電池については、全固体型電池が研究開発の中心になっているが、この全固体型電池というのは、40年以上前からコンセプトとして存在した。もっとも当時は固体電解質としてプロトン導電体が研究されていたのだが、このプロトンをLiに変更すれば、当時検討された材料の中には使えそうなものもありそうだ。
ただし、40年以上前の材料はセラミックスがほとんどであり、大半が室温では動作しない。しかし、当方の学位論文の一章には室温で動作するセラミックスではない無機高分子材料について導電性が論じられている。さらに、ゴム会社に入社後に他のタイプの固体電解質を開発している。
ところがこれらは、特許庁が公開しているデータベースで検索しても出てこない。古すぎるからだ。10年ひと昔と言われるが、30年以上前ともなると今の時代では大昔となってしまう。しかし、情報が電子データベース化されていない場合には、ケミカルアブストラクトでも調べない限り見つからない。
当方は写真会社に転職し、昭和35年に公告となった小西六工業の帯電防止特許を見つけ、特許が出願されていた時代には形式知として知られていなかったパーコレーション転移という現象の新しい評価技術とその現象を制御する技術を開発し、日本化学工業協会から賞を頂いた。
30年以上前の経験知で開発された技術を進歩した形式知で再構成しなおして全く新しい技術を生み出したわけだが、難しいのはその成果に対する周囲の評価だ。商品開発に成功したにもかかわらず社内では評価されなかった(だから学会発表などを積極的に行っている。当時の部下は日本化学会から講演賞を受賞した。)。
この経験から、温故知新により開発された技術ではプレゼンテーションが極めて重要になることを知った。ただ、これは見方を変えると温故知新によるイノベーションは、誰かが努力しない限り起きにくいことを意味する。
しかし、固体電解質については、その歴史が古く豊富な形式知や経験知が存在するので、これを放置しておくのはもったいない。もし技術開発の隘路に迷い込んだなら、古い技術をみなおすのも悪くない。電池の歴史は古いのだ。
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欧米の電気自動車シフトにより、国内自動車メーカーも電気自動車開発を加速し始めた。数年前まで、電気自動車については、燃料電池車も注目され、モーターショーでもそれがテーマとして扱われた。
ところが一気に充電池をエネルギー源とする電気自動車へベクトルは揃えられた。トヨタ自動車は、ハイブリッド車の技術を株主にアピールし電気自動車に遅れをとっていないと発表したが、やはり電気自動車はハイブリッド車と少し異なる。
例えば日産自動車の電気自動車は1ペダルで加速から減速、停止までできる。これは試乗してみると従来の車とは全く異なる運転感覚であると気がつく。
エンジン周りの部品メーカーは、大変である。電気自動車ではモーターが駆動力であり、ガソリンエンジンとは部品点数が大きく異なる。うまくイノベーションについて行けない場合には、倒産する企業も出てくるのかもしれない。
日本の自動車産業はこのイノベーションの大波にうまくのり、新たな成長の時代を迎えることができるのだろうか。特許を見ると電気自動車に必要とされる要素技術の発明はほぼ出そろっている。
例えば、パワー半導体に用いられるSiCは、今後大きく技術革新されその市場は伸びると予想されるが、面白いことに20年以上前の技術以上の要素技術は登場していない。すなわち、ウェハー事業は新た参入できる余地がある。
そのほかの要素技術についても似たり寄ったりで、この新しい市場に異業種から多くの参入が見込まれ、従来の部品メーカーにとって戦国時代になるだろう。規模が小さくなったとはいえ当分東京「モーター」ショーから目が離せない。
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