この3年間、弊社が中国で活動してきました成果を踏まえ、5月までに3件ほど混練技術に関する講演会を開催致します。いずれも異なるセミナー会社で開催されますが、申し込みは弊社で行いますのでご案内をさせていただきます。
お申し込みは、弊社インフォメーションルームへお問い合わせください。詳細のご案内を電子メールにてさせていただきます。
1.混練技術のトラブル対策に関する講演会
(1)日時 4月21日 10時30分-16時まで
(2)場所:高砂ビル 2F CMC+AndTech FORUM セミナールーム【東京・千代田区】
(3)参加費:27,000円
(4)http://ec.techzone.jp/products/detail.php?product_id=4152
2. 混練の経験知を伝承する講演会
(1)日時 5月19日 10時30分-16時まで
(2)場所:江東区産業会館 第1会議室
(3)参加費:49,980円(税込)
(4)https://www.rdsc.co.jp/seminar/160522
カテゴリー : 学会講習会情報
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昨日人工知能Tayのニュースについて書いたが、ゴム会社に勤務し日曜プログラマーだった時にエージェント指向について書かれた論文を読んだ。Tayの記事をきっかけに探してみたが見つからない。
見つからないので、今から書くことはやや正確さを欠く内容かもしれないが、プログラミングの専門家がいたらご指摘願いたい。Cの改良型言語C++がオブジェクト指向言語として登場したときに、エージェント指向の論文を読んだように記憶している。
当時まだ16ビットのPC9801を使っていたときで、プログラミングはLattice社のC言語を使用していた。当時Cは難しい、と言われていたが、構造型言語として完成されており、BASICよりもプログラミング及びプログラムのバージョン管理をやりやすかった。
32ビット機が噂されるようになり、Cの処理系をそのまま使用し、一段コンパイルを追加したようなC++処理系が登場した。MIWA C++が登場したときに、そのプログラミング思想にびっくりした。またその思想の枠組み、パラダイムの難解なことに辟易したが、まだ日曜プログラマー向けの書籍が存在しなかった。
W大学の図書室に出向き、オブジェクト指向に関する文献を探していたら、エージェント指向という最新のパラダイムの論文があった。オブジェクト指向も難解だったが、エージェント指向もさらに難解だった。
ただ、エージェント指向で面白いと思ったのは、オブジェクトから後ろ向きに推論を組み立てる考え方である。すなわち、既知の事柄を元に、それが実現するためにはどのような手続きが一つ前のオブジェクトから行われなければいけないのか、と考察し、おおもとのオブジェクト、すなわち基本のオブジェクトに到達する思考方法である。
当時感じたのは、何も新しいパラダイムではなく、大学受験の数学の参考書に書かれていた「結論からお迎え」という標語と思想は同じである。すなわち数学の証明問題で問題文にあわせて前向きに考えてゆくと難しい問題でも、証明すべき結論から考えてゆくと問題が簡単に解ける。弊社の研究開発必勝法でもこの考え方を用いているのでご興味のある方は問い合わせていただきたい。
カテゴリー : 一般
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ITメディアニュースが、面白い事件を報道していた。米Microsoftが3月23日(現地時間)にTwitterなどでデビューさせた人工知能「Tay」が、デビュー数時間後に停止したというのだ。
Tayは、Microsoftが会話理解(conversational understanding:CU)研究のために立ち上げたプロジェクトで、日本マイクロソフトの人工知能「りんな」と同様に、一般ユーザーとの会話を繰り返すことで学習し、成長していく。
ところが、Tayは公開後数時間で徐々に人種差別的だったり暴力的な発言が多くなっていた。例えば、「ヒットラーは正しい。私はユダヤ人が嫌い」というツイート(現在は削除されている)を繰り返すようになったという。現在、ほとんどの問題発言は削除済みだそうだが、Microsoftがこの問題に対処するためにTayを休止したようだ。
ご存じのように、知には、「形式知」と「実践知」、そして「暗黙知」が存在する。現在の技術で、AIに「暗黙知」を教えることは出来ないはずだ。そもそも人間どおしでも暗黙知の伝承は難しい。
物事の善悪には暗黙知も関わっているような気がする。「形式知」や経験の結果体得する「実践知」をロジックでつなげることは可能だが、「暗黙知」の中にはロジックでつながらないもの、あるいはどのようにつなげるのかはそれぞれの価値感に左右されるものなど存在し、現在の技術ではAIに暗黙知を教えるのは難しいのではないか。
形式知である科学は、将来AIの独壇場になる可能性がある。実践知の一部もAIが人間より優れた成果を出せるようになるかもしれない。しかし、第六感として頭に現れる暗黙知はいくらAIが進化したところで人間に追いつかないのではないか。
技術は、科学と異なり人間の営みの中で発展してゆく「行為」であり、形式知や実践知、暗黙知の総動員が必要である。形式知の伝承は比較的簡単だが、実践知や暗黙知の伝承は難しい。ご興味のある方は弊社へご相談ください。
カテゴリー : 一般
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高分子の相溶について実務で注意すべき点は、形式知と実践知が混然一体となってあたかも完成した形式知であるかのように教科書に書かれている点である。わかりやすく言えば、教科書に書かれている内容と異なる現象が実務の現場で起きることがある、あるいは起こせるということである。
このような考え方をWEBという公共の場で書くと当方の知識を疑われる危険があるが、リスクを承知で書いている。当方はアカデミアで働く身ではなく、技術を追求する立場なので、高分子技術の進歩に大切という理由で技術者の視点で勇気をふり絞り書いている。
先日紹介した、ポリオレフィンであるアペル樹脂にポリスチレンが相溶し透明になる現象は教科書に書かれた内容で説明できない。OCTAでχを計算しても正となり非相容系ポリマーブレンドであることがわかる。しかし、重合条件を選んで合成された特殊なポリスチレンはこのポリオレフィンに相容して透明になるのだ。
実用性の無いこのような実験を何故行ったか?カオス混合も含めた混練技術の可能性についてアイデアを練っていて、新しいプロセシングで面白い技術が出来ないか考えていた(注)。たまたまサラリーマンの一時期に、それまで倉庫として使用されていた一室で仕事をするように言われたが、さらに具体的な業務ないからと研究所長に告げられた。
それまで30名前後の部下を抱え成果も出して会社に貢献してきたのに何も説明無く、突然いかにも会社を辞めて欲しい、という扱いを受けたなら、辞める前に少し楽しみながら貢献させていただいても良いだろうと思い実験をした。窓際になっても腐らずに貢献を考える習慣はドラッカーの教えである。
詳細について問題になるといけないので書けないが、光学材料が不思議な緩和現象を起こしていたので、この緩和速度を何かポリマーを相溶させて遅くし改善(やや荒っぽい説明だがまだ20年たっていないので詳しく書けない)してやろう、と考えたのがきっかけである。だが、ポリオレフィンとPSを混練しても相分離し不透明な樹脂しか出来ない。科学の常識では当たり前だが、自分の身の上に当たり前で無いことが起きたのだから、少しひねくれた発想でもと思い、外部の企業に当方の正直な気持ちをお話しし、協力していただいた。
具体的な実験の目的は機密事項になるので話せないが、窓際に至る身の上話なら公開情報を基に正直に話せる。仕事の依頼理由を誠実に話をすることは大切である。特に教科書に反する企画に協力してもらう訳なので、そのリスクとそこから得られる成果はそれぞれの企業で考え方が異なる。お互いにリスクを納得したうえで実験を進める必要があるので、誠実なコミュニケーションは重要である。
早い話が、リスクの高い仕事であるが、得られる成果は大きいばくちの様な仕事を一緒にやってみませんか、という提案をした。当方は時間が十分にあるから一生懸命混錬しシートサンプルを作るので、外部の企業は様々なPSをひたすら合成してください、と頼んだ。
実験を進めるにあたりPSの合成条件を一応提示したが、合成の順序はすべて外部の会社に任せた。様々な条件でPSを合成していただき、当方はひたすら送られて来るPSとアペル樹脂を混練した。そしてきれいな白い樹脂しか得られなかった毎日は、やはり運が悪いのか、と落ち込んだりしていた。
13番目のPSでやはり白い樹脂しか得られなかった時に、PS合成の担当者からどこまでやりますか、と問い合わせがあった。まだ13個目なのであきらめるわけにゆかない、高純度SiCの前駆体では、300種類の配合を検討した、と回答したら、静かにわかりました、という声が返ってきた。そして、さらに5種類のPSを送ってきた。その中の一つ、最初から数えて16番目のPSで透明になる試料が得られた。(続く)
(注)ゴム会社で3ケ月ほどロール混錬を経験した。新入社員テーマだった樹脂補強ゴムを開発するためであるが、その時の指導社員からカオス混合を実用化できるアイデアを考えてみよ、と宿題を出されていた。
カテゴリー : 高分子
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高分子の相溶を議論するときにSP値が使用される場合がある。実務では圧倒的にSP値が多いと思う。仮にOCTAでχを計算するときには、公知のSP値が使用されるので、SP値でも構わないが、χとは意味が異なることを知っておく必要がある。
SP値やχについて未来技術研究所(www.miragiken.com)で後日わかりやすく解説する予定でいるが、SP値は溶液論から導かれてきた考え方である。そして公開されているSP値は正則溶液という制限で成り立つ値である。
わかりやすく言えば、SP値で高分子の相溶を予測した場合には、経験上50%程度は予想通りの実験結果が得られたが、50%は外れたのである。すなわちSP値は考えるときの手掛かりとなるが、それですべてを語ることができないパラメーターである。
されど、実務では頼りになるパラメーターで、わかっちゃいるけどSP値である。ブリードアウトを対策するときにもSP値を用いたりする。できればOCTAを起動しχを計算して用いたほうが当たる確率は高くなる。しかし、実験で確認したほうが早いし確実だ、という現実がある。
それではポリマーアロイを設計するときに具体的にどうしたらよいのか、と尋ねられたなら、現実がわかっていても、OCTAでのシミュレーションを勧めている。
OCTAは20世紀最後の大発明(少しオーバーか?)で名古屋で生まれている。名古屋市の丸八マークが名前の由来で、元東大教授土井先生が名づけられた軽いシミュレーターである。OCTAの良いところは名前が軽いだけでなく、当時のコンピューターでも稼働できたように、現在のコンピューターならばサクサク動く。
写真会社に在職中にOCTAに出会ったが、難燃剤の設計や中間転写ベルトの材料設計などに用いた。この二つでは、シミュレーションの醍醐味を味わうことができた。これ以外もいろいろ活用してみたが、シミュレーターの癖の様なものがわかるまでよい結果が得られなかった。土井先生は三河のご出身であるが、名古屋人らしい少し癖のあるシミュレーターである。
しかしこの癖を理解できると、OCTAでアイデアを練ることが可能となる。PPSと6ナイロンをプロセシングで相溶させようと思いついたのは、OCTAで遊んでいるときである。χの温度依存性をいろいろ計算していたら、きれいな曲線が得られない場合があった。もしかしてコンフォメーションが影響しているのか、と予想し、カオス混合を思いついた(注)。
シミュレーションの良いところは、計算にお金がかからないことである。実験を行うと高価なPPSを廃棄することになる。コンピューターではせいぜい電気代と人件費で、休日に自宅で行えば、会社の電気代と人件費を節約できる。高分子の研究を行う部門の管理職はOCTAを使えるようにしておくと、それだけでも会社に貢献できる。
(注)カオス混合を思いついたが、この時には具体的な手段、方法までのアイデアに至っていない。ただ、カオス混合における急激な引き延ばしであればコンフォメーション変化がおこり、相溶という現象も起きやすくなるのでは、という妄想を思いついた。そしてこの妄想を頭に描きながら、現場の押出成形を見て思わずDSCを測定したくなった。妄想は衝動を呼び起こす。そしてDSCを測定したら妄想が実現しそうなことを示すデータが得られたのである。押出成形された試料のDSCデータなど、過去に山のようにたくさんあった。それらの多くのデータにも注意深く見れば兆候は存在した。しかし、この時得られたデータは、妄想実現まであと少しという情報だった。そしておそらく他の人の6年間の努力の中でその情報は得られていたかもしれないが、妄想が無ければ見過ごしてしまう、科学的論理で説明のつかないデータだった。ある意味、前任者は科学のおかげで開発に時間がかかった、と言っていいかもしれない。不謹慎であるが、時には科学を忘れ、実践知や暗黙知による妄想で現象を眺め、実験を行うのも官能的で気持ちが良いものである。現状の高分子物理の進歩では、実戦に生かせない。実戦に生かせないが、実戦終了後になぜ勝ったのか考察を行う時には役に立つ。
カテゴリー : 高分子
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この3年間、弊社が中国で活動してきました成果を踏まえ、5月までに3件(一件はシランカップリング剤に関する講演会で複数講師、下記2件は単独講師)ほど混練技術に関する講演会を開催致します。いずれも異なるセミナー会社で開催されますが、申し込みは弊社で行いますのでご案内をさせていただきます。
特に、特に下記4月と5月開催の講演会につきましては、今期の予算で処理できないことになりますが、弊社に申し込みいただく場合には、「DL版高分子のツボ」を購入し、その付録として参加証を付けさせていただく形態の販売となりますので、期末の経理処理が可能です。是非ご利用ください。
お申し込みは、弊社インフォメーションルームへお問い合わせください。詳細のご案内を電子メールにてさせていただきます。
1.混練技術のトラブル対策に関する講演会
(1)日時 4月21日 10時30分-16時まで
(2)場所:高砂ビル 2F CMC+AndTech FORUM セミナールーム【東京・千代田区】
(3)参加費:27,000円
(4)http://ec.techzone.jp/products/detail.php?product_id=4152
2.混練の経験知を伝承する講演会
(1)日時 5月19日 10時30分-16時まで
(2)場所:江東区産業会館 第1会議室
(3)参加費:49,980円(税込)
(4)https://www.rdsc.co.jp/seminar/160522
カテゴリー : 学会講習会情報
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昨日竹とんぼの話を書いたが、20年近く前タグチメソッドが日本で普及し始めたときに、品質工学フォーラムという雑誌が刊行された。その数号めかに竹とんぼの飛距離安定化をタグチメソッドで行う、という記事があった。
故田口先生に直接ご指導していただいていたので創刊号から数年とっていたが、起業した時に処分したため読み返すことができない。国会図書館でも行きたいと思ったが月曜日は休日だった。世間も休み。本日、朝起きて今週忙しくて行けないことに気が付き、こうして思い出しながら書くことにした。
品質工学フォーラムに書かれた座談会風の記事の内容は、こうだった。すなわちタグチメソッドの定番となる基本機能を何にするかの議論があって、そしてその基本機能の制御因子を議論し、誤差因子として多数あるので調合誤差因子として使用してSN比を求め、ラテン方格を用いた実験で各制御因子の水準とSN比の関係をグラフ化した。
得られたグラフから最適条件を求め、確認実験を行ったところ、飛距離が伸びなかった、という内容だった。そして結論が基本機能は難しい、という感想が書かれていた。その記事として基本機能の選択の重要性を言いたかったのだろうか、タグチメソッドが難しい、ということを言いたかったのか、主旨のよくわからない記事だったように記憶している。
ただ、NHK放送の番組のように、竹とんぼを回転して飛ばす機械や、風の影響を配慮して体育館の中で行ったりしはしていない。誤差因子がいっぱいの状態で雑誌の実験は行われていた。
「凄技」における科学対決の時にそのあたりの解説もしていたが、それによれば品質工学フォーラムの記事において誤差因子が十分に選ばれていなかった影響が大きく、これが原因で確認実験においてよい結果とならなかったと推定される。タグチメソッドでは、因子の選択は極めて重要な作業で、この作業において実践知がものをいいう。
故田口先生は科学に拘り、タグチメソッドを科学の世界で語ろうとされていたように感じたが、弊社で指導するタグチメソッドは形式知だけでなく実践知や暗黙知も総動員する。すなわちタグチメソッドをあくまでも技術開発のツールとして指導している。
少し話がずれたが、竹とんぼおじさんの試行錯誤で手作りによる竹とんぼが、科学の英知を集めた竹とんぼや、科学の世界で実施されたタグチメソッドで最適化された竹とんぼよりも遠くへ長時間飛んだという話を世の技術者は注目したほうが良い。
科学は真理を追究するのが使命であるが、技術は自然界から機能を取り出しそれを製品に組み入れる行為である。それぞれのミッションは異なり、メーカーの技術者は技術開発を行っているのだ。科学の研究も大切だが、技術開発しなければ飯の食いあげである。
だからと言って、ヤマカンを頼りに技術開発を行っていては駄目である。ファーガソンの「技術屋の心眼」に書かれていたように、カンにも働かせ方(注)があり、経験にも伝承の仕方がある。形式知はやがてAIでどこでも同じ成果を出せるようになるばかりか、形式知で組み立てられた部品は簡単にリベールされてしまう。しかし、暗黙知と実践知により創りだされた部品は容易に他社がまねできない技術の成果となる。もちろんそこには形式知である科学の成果も造り込まれている。
この意見にご興味のある方は弊社へお問い合わせください。
(注)E.S.ファーガソンは、その著書の中で「心眼」の働かせ方を書いている。科学では説明がつかないが、日々の営みの蓄積から暗黙知は形成され、科学的に見れば不思議ではないが、何となく奇妙だと思う現象でその知は機能する。20世紀にはロジカルシンキングがもてはやされた。確かにロジックは重要であるが、すべてをロジックで語り満足していないだろうか。ロジックが、他の可能性を排除している、というパラドックスに気がつくとこの暗黙知の働かせ方の理解が進む。科学の世界で起きたSTAP細胞の事件は、暗黙知と形式知の闘争と捉えることもでき、その闘争の中で形式知の権威が自殺に追い込まれた。その自殺の原因が責任感だけで無いことは、理研の幹部もご存じのことである。「あの日」にも書かれているが、小説家の方がもう少しこのあたりをフィクションでクリアに表現されると21世紀に日本が目指さなければいけない技術開発の方向が見えてくるはずだ。弊社「未来技術研究所」(www.miragiken.com)では、STAP細胞の事件について時計を止めたままにしている。弊社の科学と技術に対する姿勢については、この研究所の活動日誌にある「科学と技術」をご一読ください。「コロンボとホームズの対決」において、コロンボは技術の象徴であり、ホームズは科学の象徴として表現しています。
カテゴリー : 一般
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19日土曜日NHK「凄技」が凄かったらしい。らしい、と書いたのは自分が見ていなかったからだ。ただ番組を見ていた家族の話から、相当に感動的で凄かったようだ。当方は手紙を書いていたので見落としたが、昨日聞いた家族の話をもとに感想を書いてみる。家族の話だけでも感動的だった。
内容は、以前放送された「竹とんぼ対決」の結果に挑戦した職人の話である。こちらは見ていたが、長時間飛ぶ竹とんぼの科学技術による対決だった。この対決では科学的シミュレーションにより導き出された結果を用いて作成された竹とんぼが、14秒台で勝った。
この番組の結果に、竹とんぼおじさんが挑戦状をたたきつけた、というのが土曜日の放送だったらしい。竹とんぼおじさんというのは、建築関係の職人で家庭の事情があって竹とんぼを作り始め、ブーメランのように戻ってくる竹とんぼを発明した人である。
家族の話す家庭の事情も感動的だったが、試行錯誤で手作業で作った竹とんぼが16秒台も飛び続け、科学技術を集結して創り上げた独創の竹とんぼの記録を2秒も塗り替えたのは、記録を聞いただけでも超感動モノである。
そこには、矛盾(ホコタテ)で問題になった「やらせ」の入る余地は無い。竹とんぼを機械で飛ばしているからだ。すなわち科学対決で行われた条件とすべて科学的に同じ条件で対決した結果だそうだ。
科学こそ人類を救う、と声高に言われ、科学的方法やロジカルシンキングがもてはやされたのは20世紀の社会風潮だが、当方はその科学的方法論やロジカルシンキングの弊害で現場型技術が軽視される状態を懸念していた。技術は人類が誕生して以来、その営みの中で行為として深化と進化をし続けている。
そして、現代の科学を集結しても解き明かせない技術が存在する。20世紀は「やがて解き明かされる」と勢いがあったが、最近はSTAP細胞のように醜態を見せる場面が多い。技術と科学はその究極の目的が異なるので、科学で解き明かせない技術も存在するのである。
土曜日の番組はその一例だろうと想像するが、家族が職人と呼んでいたのは、もはや技術者だ。職人と呼ばれる人たちの中には、技術者と分類すべき人たちがいる。それも高学歴を持った技術者よりも凄腕の技術者である。弊社では技術のコンサルティングを行っていますが、科学についてもご指導いたします。
カテゴリー : 一般
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オリエンタルラジオのダンスユニットによる「パーフェクトヒューマン」という歌が話題になっている。先週ミュージックステーションでトリとして歌われたこともあって今週この話題がネットに多かった。
面白いのはなぜこの歌がヒットしたのかを解説している記事である。そしてそれらの記事によれば、お笑いと歌との垣根を無くした革新的なところだそうだ。どこが革新的なのかはそれぞれの記事を読んでいただきたいが、記事を読んでいて気がついたのは、文化の融合でも材料の相変化と似ていて、例えば界面の存在とかそれが無くなったときなどに新しさが生まれる点である。
音楽の世界でクロスオーバーとかフュージョンと言う言葉で「異分野の融合」が話題となったのは1970年代からで、ジャズとロック、あるいはジャズとポップスなど様々な分野の融合が行われ、現在に至っている。
かつては音楽状況そのままを番組名にした「クロスオーバーイレブン」というFM放送も存在した。その番組では、グローバーワシントンJr.やジョーサンプルと行った面々の、まさに異分野の融合した新しいヒット曲が演奏されていた。こうした50年近くにわたる異分野の融合が重なりカオス的な音楽が最近のヒットの傾向としてあるような気がしている。
材料の世界でもそうだが、単一材料で様々な要求品質に対応できなくて合金とかポリマーアロイとかブレンドされた材料が生まれ技術開発の幅が広がった。ゴムの世界では100年以上前から混ぜることが技術の根幹にあった。
このような融合により新しい物を産み出す努力は文化よりも技術の世界が古いのかと思っていたら、友人からそれぞれの民族音楽が融合して現在の音楽のジャンルが形成された話を聞かされ、「混ぜて新しい物を産み出す」技術は、人間が昔から心がけてきた自然の行為のようだ。
高分子のスピノーダル分解は二成分のポリマーが相容した状態から濃度のゆらぎが生じ、相分離してゆく過程だが、文化についても一度融合が起こり、それがまた分離してゆく過程において新しい芸能が誕生するのかもしれない。
しかし、歌って踊るオリラジが新鮮と思っている若い人は一度三河万歳を見て欲しい。演奏しながら歌って踊る巧みなキレを作らないその芸は、一つの文化として完成されていると思う。三河万歳が家に来るとその一年は幸せになりそうな気がした。しかしその風習は今や消滅し、お正月の風景も様変わりした。今年のお正月は、年末との界面が無くなり、それと気がつかないままに過ぎ去った。梅の香りに刺激され散歩をしてみたら、もう桜の咲く季節である。
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ヒト、モノ、カネは重要な経営資源であるが、ドラッカーはこの3つに加え、時間を他の経営資源と異なり取り返しのつかない重要な資源と位置づけている。そして時間については他人に奪われる性質の資源であることも書き添えている。
これは大切な指摘であり、弊社の問題解決法でも時間の魔術を取り上げている。一例を挙げれば、最初から計画倒れになる計画を立てる人などいないが、なぜか計画はいつでも守られない、あるいは守れない。
計画倒れが日常化すると、計画とはそういうモノだと感じて守れないことが常態化する。こうなったときにいくら計画遵守を叫んでみても回復は不可能である。これは悪い習慣が身についてしまったからで、良い習慣に置き換えない限り修復不可能と悟るべきである。
それでは良い習慣とはどのような習慣なのか。それは計画前倒しの習慣である。この習慣を身につけると、仕事をスピードアップできるだけでなく、他人に取られる時間を気にしなくても良くなる。もちろん計画倒れも無くなり、必ずゴール達成が可能となる。
それではどのように時間前倒しを行うのか、それはルール化であるが詳細は弊社へ問い合わせていただきたい。しかし、今週新たな時間の魔術を発見した。それは、ある会社に依頼されたプレゼンテーションの場で見つけたのだが、ウサギとカメの魔法である。
依頼された仕事は新たに資料を作る必要があり、当方の習慣で依頼されてすぐに着手した。他の業務もあったが優先して仕上げた理由は、時間前倒しのルールの一つを実行したからだ。しかし、これが失敗の始まりだった。
「事前の練習では40分程度で終わった。自分の体験を語るだけなので当日ゆっくり話せば時間調整可能でたった1時間の講演である。」というウサギとカメの魔法にかかった。簡単にできる時間調整ほど油断してはいけないのである。そこに油断が生まれ、結局予定通り出来ないことに気づき焦ることになる。
この時の焦りは、まさにウサギと同じでゴールを敗者として意識することから生まれる。ゴール際のカメを見つけたウサギは、自分の慢心で負けた悔しさを味わうことになる。この場合にウサギと同じ気持ちになるとだめなのだが、今週まさにウサギと同じ状態になったのだ。しかし、ウサギとカメの魔法の発見で新たな時間のルールを見いだした。
この場合、カメに負けた悔しさを意識してはダメなのである。魔法を抜け出す唯一の方法は、あっさり負けを認め、カメに頭を下げる、すなわち時間の延長を自らお願いすることなのだ(弊社の問題解決法では自分のゴールを設定する、というルールがあり、このルールでも対応可能だが、ウサギとカメの魔法は特殊なケースとして取り上げた方が良いとこの時学んだ)。このような行動は分かっていても、魔法にかかるとだめである。魔法にかからないようにするためには、この魔法の存在を知ることと、それに備える習慣を身につける以外に無い。
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