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2016.12/04 知恵と汗

高校生の時に、友人たちと通信教育Z会に入会した。その時友人の一人の添削された答案に、「知恵のある奴は知恵を出し、知恵のない奴は汗を出せ」という名文が書かれていた。

 

友人の答案は悲惨な状態で、当方は結果が良かったのでただお互いに笑う以外に言葉が無かったが、この名文はなぜか心に残った。

 

通信教育の添削の中には機械的な言葉を並べているだけのものもあった。Z会の添削は、丸が付いているときには、無味簡素な答案が返ってくるだけだったが、散々な結果であると、このような名文が書かれていたようだ。

 

この名文は受験勉強に限らず、日々の業務でもいえる。当方は、どちらかと言えば汗で成果を稼いできたタイプで、すでに書いたように過重労働をいとわない仕事のやり方をしてきた。

 

会社がLANケーブルの接続状態で勤怠管理を始めたときには、パソコンからLANケーブルを外して仕事をしていた。これは単身赴任の時で、東京に戻った退職までの一年は、毎日帰宅一番を目指していた。

 

サラリーマン生活を思い出してみても、この名文を書いた添削者は、成果の出し方を知っているすごい人だと思う。ところで仕事で流す汗には、気持ちの良い汗と冷や汗のような精神衛生上よくない汗があり、当方が勧めるのは自発的に努力して流す気持ちの良い汗である。

 

この気持ちの良い汗を流しながら励んでいる過重労働であれば結構楽しい。この楽しさが生まれるためには上司や職場環境、会社の風土が健全である必要がある。健全な職場環境であれば過重労働など無い、というのは幻想であり、組織の成果を追求する限り、知恵がない場合には汗を流すより他に手立てはないのである。

 

汗を流して成果を必ず上げるために弊社の問題解決法は有効である。知恵のある人が弊社の方法を学べば業務効率と成功確率があがる。弊社に問い合わせていただきたい。未来技術研究所( http://www.miragiken.com )には一部内容を紹介している。

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2016.12/03 逆向きの推論

推論には前向きに進める方法と逆向きに進める方法がある。このようなことは高校の数学で知識として学ぶ。例えば、前向きの推論で証明問題を解答するときに、逆も真なのでこの仮説は成立するという解答の仕方が記憶に残っていると思う。

 

「逆も真なので」という一言を書かなかったために減点された記憶の持ち主ならば、逆からの推論の重要性を十分に認識していると思う。ただ減点されても「反省」の二文字が辞書に載っていないような人生を歩んでいる人は、一生逆からの推論など見向きもしないかもしれない。

 

サルでも反省する、と言われた時代に青春時代を過ごした当方は、このテストの失敗の反省があり、逆向きの推論を得意とするようになった。また、この反省だけでなく、チャート式数学には、チャート「結論からお迎え」として、逆向きの推論で証明問題の見通しがよくなる、という受験ノウハウを強調している。

 

数学の問題に限らず、ビジネスの現場で発生する問題でも逆から考えると問題解決を早くできる。

 

この逆向きの推論で問題解決の見通しがよくなる理由は、推論を展開しようとする開始点(この場合結果、あるいは結論)が十分条件となっている推論の向きだからで、一般に行われる前向きの推論では、必要条件である仮説が開始点になっている。

 

これは集合論で学ぶ必要十分条件のことであるが、先日書いたモグラたたきの悲惨な結果は、ゴールを含む集合の外まで推論を展開してしまった場合である。これでは永遠にゴールにたどり着けないことになる。

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2016.12/02 推論の向き

中学校から証明問題の解き方を習い、高校までの6年間推論について徹底的に勉強する。そのおかげでロジカルシンキングなどのビジネスで必要になる論理思考法を易しく扱ったセミナーの評判がよく、いまだにこれをテーマにした講演会や通信教育がどこかで開催されている。

 

昨日書いた、開発過程におけるモグラたたきの方法をここで学んでいる。昔から伝わっている「風が吹けば桶屋が儲かる」式の前向きの推論の進め方を問題解決の正しい方法として学ぶのはもう卒業してもよいのではないか。

 

ロジックは大切である。しかし問題解決の必要となる現場で一番最初にしなければいけないのは、「正しい問題」を探すことであり、正しい問題が見つかったら、問題の構造を明らかにして逆向きの推論を展開し、問題解決のロジックを「組み上げる」ことである。これが問題解決の上手な方法である。

 

従来から行われている前向きの推論との違いは、開発したい目標を実現するために必要となるアクションを逆向きに展開する点である。詳細については弊社の企画するセミナーに参加していただきたいが、この推論を逆向きに行う手順に抵抗を感じる人が多い。

 

これは義務教育時代からの前向きに展開する推論に慣れすぎたためで、ある方法を使えば意外と簡単に逆向きの推論を使えるようになる。弊社のセミナーでは逆向きの推論やドラッカー流の問題のとらえ方を中心に問題解決法を実例とともに指南している。最近はPPAPなども取り入れて、常に時代に適合した問題解決法を提供しようと努力している。

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2016.12/01 モグラたたき

技術開発の下手な人の特徴にモグラたたきがある。これは子供の時から学んできた科学の影響である。それにもかかわらず、もう少し科学的にやれとアドバイスする上司もいるから上司と部下でモグラたたきをすることになる。

 

科学こそ命と信奉している上司は、仮説を立てて実験を行っていないからだ、とここで一言余計なアドバイスを重ねる。科学の世界で研究を行うには、仮説を立てて、それが真か偽か確認するために実験を行う。コツコツと前向きに推論を続けて、新しい一つの真理を見出す。これと同じことを部下に期待し時間も金も考えず部下に成果を出させたいならば立派なアドバイスかもしれない。

 

ところが、今の企業で時間も金も考えなくてもよい、などという管理者はすぐに開発担当からはずされるだろう。それではモグラたたきをする部下にどのようなアドバイスをしたらよいのか。まず、前向きの推論の展開をやめさせることである。そしてもっともモグラをたたきやすい穴を決めさせることである。どんなにモグラたたきの下手な部下でも一つの穴で待ち伏せをさせてモグラの頭をたたくぐらいのことはできる。

 

その穴からモグラが出てこなかったら、という心配があるなら、その穴からモグラが出てくるような対策をすればよいだけである。例えばほかの穴すべてを埋めて、水を流せば必ずモグラは頭を出す。そこをたたけばよいのである。早い話が、技術の完成した姿、結論から考えさせるのである。

 

この方法でモグラを一撃できることが論理学で確認されている。逆に前向きの推論では、下手なモグラたたきに陥りやすいこともわかっている。難しい論理学の教科書を開かなくても高校の数学で必要条件と十分条件を習っているから、それを使ってモグラを一発で仕留められることを理解できる。

 

モグラをたたきやすい穴を決める作業を科学的にできればよいが、科学的でなくても大丈夫である。もし気持ち悪いならば、簡単にどれか一つ選び無事モグラの頭をたたくことができた後に、なぜかを考え科学的に証明すれば良い。iPS細胞のヤマナカファクターもこのように開発されている。

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2016.11/30 学校教育

論理的に問題を解く科学的方法や手順は、小学校から大学まで数学を中心に学ぶ。物理や化学でも同様に学ぶが、化学では少し数学と物理などと勝手が違う。今の時代でも錬金術師の香りが少し残っており、地理や歴史と同じように記憶しているベース知識が無ければ論理展開しても答えを導けない場合がある。

 

実は数学でも同様であるが、なぜか数学は暗記科目ではない、と教えられる。確かに問題を解くのに必要な公式は、論理展開して導くことができるので覚える必要はないかもしれない。しかし、可能な限り公式をたくさん知っていたほうが問題解決のスピードは速くなる。

 

テストは限られた時間内で行われるので、必要な公式をあらかじめたくさん記憶しておいたほうがテストの点は高くなる。悪い点をつけられたときに、どの問題も時間があればできた、と親に言ったら、与えられた時間はみな同じだといわれた。数学で高い点を取るためにもやはり記憶の情報量が多いことが求められる。

 

子供のころからこのような繰り返しで大人になり、開発を担当したときに、まず多くの人が困るのは、科学的手順で対応しているのに失敗することだ。面白いのはテーマが変わっても同じことをして失敗を重ねる人がいることだ。

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2016.11/29 AIの導入

AIの導入で現在の仕事の1/3は無くなる、とどこかの記事に書かれていた。これを労働生産性の向上と捉えるのか、リストラが進むととらえるのか様々だが、記事は後者の意味だった。
 
一方で諸外国のGDPは伸びているのに、日本だけバブルがはじけて以来GDPが伸びていない、とよく言われる。GDPが伸びていないのではなく、国内の生産性の高い仕事が減ったのである。少なくともGDPを押し上げてきた工場の多くは中国やASEANへ出て行った。
 
しかし、労働者の意識はあまり大きく変わっていない。生産性の高い仕事を生み出さなければいけないのに、日本ではなかなかそのようなベンチャーが育ってこない。
 
また、研究開発の現場では、従来同様のロジカルシンキングや科学に準拠したプロセスがとられている。AI[が最も得意とするのが、科学の様なロジックで進められる仕事である。
 
昔から仕事は問題解決型の作業が生産性を上げる役割として必要だった。そのため現場のマネジメントの一つとしてQCサークル活動が導入されてきた。しかし、ホワイトカラーの不定形作業に対してその類のマネジメントは工夫されていない。あくまでも個人のスキルに頼り、その結果特定の個人が過重労働に陥ったりする。
 
ゴム会社で仕事をやっていて困ったのは難しい問題が皆当方に流れ込んできたことだ。難しい問題を解決しながら思ったのは科学で考えると難しいのだが、非科学的に解決すれば簡単にできてしまう不思議さだった。今から考えるとこれは当然のことで、科学では、解明されていない現象に出会った場合には、ロジックをつなぐことができず答が得られない。
 
むりやりこじつけた時には、一つの真理が得られずモグラたたきとなる。科学におけるロジックの展開では、科学で解明された場合だけ一つの真理が得られるが、解明されていない現象におけるこじつけでは一つの真理が保証されないのでモグラたたきになる。
 
一人でモグラたたきをやっていると永遠にたたき続けることになり、過重労働を繰り返すことになる。このような時に非科学的方法を進める気の利いたマネジメントがあれば救われるのだが、これまで公開された日本の問題解決法では難しい。弊社の提供する問題解決法こそ過重労働問題を解決できるソリューションである。
 
 
 
 

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2016.11/28 意欲

仕事をするには意欲が重要である。低俗な本能に任せた意欲ではなく、自分の設定した目標を実現しようという意欲を実現できた時の喜びは、低俗な本能によるものよりも大きい。これは体験しなくては理解できない喜びなので、新入社員の最初の成功体験はその人の企業人生を左右するぐらいに言われている。
 
当方は過重労働と呼んでもよいむちゃくちゃな仕事のやり方で、新入社員時代に1年間の予定の仕事を3ケ月で仕上げた。防振ゴムの基礎配合を見出したのだが、配属された部署が仕事の終了とともに解散し、むちゃくちゃな仕事のやり方が黙認されていた背景を知って複雑な気持ちになった。
 
ただ、若さはこの程度で意欲を失わない。次に取り組んだホスファゼン変性ポリウレタンフォームでは工場試作まで成功させた「ので」始末書を書くことになった。これは少々がっくりきたが、美人の指導を受け始末書を書きなおしながら、ばかばかしさに気が付き新たな難燃化手法へのチャレンジ意欲がわいてきた。
 
成功するかどうかわからない「燃焼時にガラスを生成して高分子を難燃化する手法」の開発では、リベンジの気持ちもあり、燃えなくする仕事であったが意欲に燃えた。
 
これが成功するとフェノール樹脂天井材の仕事が回ってきた。この仕事については、上司の問題もあり、意欲をそがれるような出来事が続いたにもかかわらず、同僚がものすごく元気の良い人だったことが幸いとなり意欲を低下させる事態には至らなかった。
 
高純度SiCの企画では、最初に提案した「50周年記念論文」の応募で箸にも棒にもかからないような扱いを受けた。が、主席となった論文とは明らかに当方の論文の内容のほうが上であるとの自信があったので、落ちたことにより推進意欲は逆に上がった。この時の外部審査員がW大学の教授だったことも今から考えるとおもしろい。およそ技術を評価する目が伝統的に無い人が多いのだろう。嫌味かもしれないが、この時の内容が30年も事業として続いていることを知らせたい。
 
昇進試験で企画の内容を書いたときに0点をつけていただいたおかげで企画推進意欲はますます強くなった。中途半端な点数で落とされていたなら、おそらくへこんだかもしれない。人事部長のフォローの助言もよかったし、この時の無機材質研究所のI総合研究官の意思決定も最高だった。
 
腐らず不断の努力を続ける意欲は重要で、とにかく意欲を下げないように努力しておればそれをさらに高めてくれる人が現れるという人生である。どんなことがあっても腐ってはだめだ。
 

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2016.11/27 過重労働(続)

先日年齢が近くておつきあいの長い、某大学の先生が事務所を訪問された。特に用があったわけでなく雑談だったが、その時老後の時間の過ごし方の話題になった。
 
当方の友人には出世が早く、サラリーマン双六で早くあがりとなり、60歳から退職して趣味の生活をしている友人がいると話したら、その人は今幸せか、となり、若い女性のインストラクターにビオラの弾き方を習っており毎日が青春だと言っている、と応えた。
 
今時は100歳まで生きる可能性があるので、100歳までビオラを習い続ける資金と意欲のある人はよい、となり、そもそもビオラが目的なんだろうか、などという展開になった。
 
早い話が、趣味だけの人生で100歳まで生きられるのだろうか、ということである。当方はその点が起業した理由の一つと話した。そうしたら実は、と言う話になり、先生も起業を考えている、と言うことになった。
 
その後なんやかやと話したが、当方が赤字で苦しみ、毎朝4時から夜寝るまで働いており、もちろん休日も無い、という話をしたら、それでも幸せだろうと言う。
 
5年前と比べても体格は変化しておらず、顔に悲壮感も無いので、過重労働の毎日でも幸せに見られてしまう不幸を感じた。いや、これでも死にそうな思いで毎日特許調査やら新しいビジネスやらを考えている、と話したら、たいへん楽しいでしょう、となった。
 
確かに、若い時の趣味が仕事になってしまったのだから、幸せかもしれない。しかし、当方が期待した幸せは、高純度SiCの事業化でそれなりの名を知られていることだった。
 
人生は必ずしも思い描いたとおりにゆかないものである。想定外の写真会社への転職で、写真の趣味が復活して、あるささやかな国際大会で優勝した。人生で一番になったのは後にも先にもこれが初めてである。転職しなければこの経験は、できなかったと思う。
 
過重労働の毎日の生活だが、夢があるので一応幸せなのだろう。会社がそれなりの規模になり世間に少しは注目されるようになったら、起業体験記をこの欄に書いてみたい。おそらく退職して起業したい人の参考になると思う。
 

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2016.11/26 過重労働と組織(2)

電気粘性流体用粒子設計の企画が芽をだしたおかげでパートナーが一人できた。ただ、このパートナーには申し訳ないことをした。当方がFD問題で退職を決意した時に、彼もいっしょに辞めると言い出したからだ。ただ状況が状況だけに、パートナーの転職を止めることはできなかった。
 
ゴム会社そのものは、創業者の理念が生きており大変魅力的な会社だと思う。特に役員の方たちは経営の力量の高い方が多い。12年間在職し、その方たちに指導されたことは今でも大変役に立っている。高純度SiCの事業を苦しいながらも継続できたのは、その方たちからの厳しいご指導のおかげである。
 
これは視点を変えると、過重労働の押し付けになるのかもしれないが、当方はそのように受け取らず、とにかく当方の命ある限り事業が成功することを目指した。
 
しかし、FDを壊される妨害を受け、組織が正しく機能しない現実を知った時に、転職を選択する以外に道は無かった。定年まで高純度SiCの事業化を担当する決意で業務を推進していたが、住友金属工業とゴム会社との契約もまとまりJVが佳境に入っていたので、当方でなくても業務を進められる状況だった。
 
不思議なことに、当方とパートナーが辞めると表明した時に、高純度SiCのプロジェクトを拡大する話がでて、二人は上司から引き留められることになった。しかし、そのときはもう遅かった。転職先へ当方が出社する日が1ケ月後に迫っていた。ただし当方はルール通り6ケ月以上前に退職届を提出していた。
 
転職準備は1ケ月しかなかったが、ヘッドハンティングの会社から半年前に当方が希望したセラミックスとは無関係の会社を紹介されていたので、転職はスムーズに進んだ。しかし、パートナーは、半年間職探しをすることになったので申し訳なかった。
 
当方は、転職後も一年近く高純度SiCの事業のお手伝いをできるようにゴム会社近くの写真会社を選んでいた。当時の上司からいただいたこのお手伝いの状況を書いた手紙が、最近出てきて懐かしく思い出した。一年近く転職した会社に通勤しながら、サービス残業ではなく、無給でお手伝いの過重労働をしたのである。
 
 
 

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2016.11/25 過重労働と組織(1)

ゴム会社では担当者として12年間勤務したので、残業時間を申請しなければいけない立場だった。しかし、大半はサービス残業であり、特に電気粘性流体と高純度SiCの事業化を担当していた時は、サービス残業の毎日だった。
 
電気粘性流体の仕事はプロジェクトメンバーの一員として業務を担当していたが、高純度SiCの事業化は、住友金属工業との共同開発契約が締結されても一人で進めている状態だった。そして転職したのは38歳の時である。
 
この7年ほど前、高純度SiCの事業化を行うためにファインセラミックス棟がゴム会社に建設された竣工式の日に、上司が胃がんのため入院されていた病院でお亡くなりになった。当方が31歳の時だが、その後上司がほぼ1-2年ごとに変わり、そのたびに業務説明という仕事が発生し大変だった。
 
マネージャーが毎年のように変わった背景は、経営から見て業務が迷走状態だったからだ。迷走状態になった理由は、マネージャーによりテーマの進め方やメンバーの役割が変わったことが大きい。
 
当方を邪魔者扱いにしたマネージャーもいた。このような状態を経てU本部長退任後、当方は一人で業務を担当することになるのだが、予算だけはテーマについていたのでお金に苦労することなく、一人になって気楽に感じたこともあった。
 
ただ、某会社の人事担当の友人から、その状態は当方の将来において危機的状況だ、と教えられた。この友人から酒を飲みながらいろいろ脅されても、なぜか恐怖感は無かった。当方が邪魔者扱いをされたときに、S人事部長に相談して自信を持って業務を継続するように言われたからだ。S人事部長は、当方を悪く評価する人は悪い人で、良く評価する人はいい人だと思って仕事を進めてよい、とアドバイスされた。
 
今から思えばS人事部長の言葉の真意を正しく理解できるが、当時は真正面からとらえていたので、友人がいくらテーマを終結し、職場異動申請を勧めてくれても、そのような気持ちにならなかった。S人事部長のアドバイスが無かったなら、高純度SiCの事業はとっくの昔に終結していたかもしれない。
 
U本部長からI本部長に変わった時に、電気粘性流体を主に担当することになった。きっかけは、某自動車会社に電気粘性流体を納入しなければいけない納期が迫っていたのに耐久性の問題が解決できていなかったからだ。そして、この耐久性の問題を相談されたときに当方は一晩で簡単に解決してしまったのだが、これがFD問題の原因となった。
 
しかし、業務時間の大半を電気粘性流体に使うように指示されていたので、当方の立場としては問題を早く解決し、高純度SiCの業務時間を生み出したかっただけである。ちょうどこのころに住友金属工業とのJVの仕事が忙しくなっている。JVの仕事と電気粘性流体の性能向上の仕事と二つを一人で進めねばならず、おまけにI本部長からは当方の残業時間は認めない、と言われたので、サービス残業にならざるを得なかった。
 
このような過酷な状態で、本来は精神的に追い詰められているはずだった。周囲には、そのような状態をからかう先輩社員もいた。ものすごい組織風土に変わったと内心思った。
 
ところが、弊社の問題解決法を適用したので担当した電気粘性流体の仕事が面白いように展開し、はた目には過重労働だったのだが、毎日ニコニコと業務に励むことになった。そして、電気粘性流体の性能向上のため、傾斜機能粉体や微粒子分散型粉体、コンデンサー分散型粉体などの粒子設計の企画や高誘電率ホスファゼン絶縁オイルの提案をした。

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