企画書に盛り込む内容については、すでにのべたが、その詳細について説明していない。実は企画書を作成するタイミングや内容は、担当する業務や社内の事情に影響を受け、変化する。仮にSTAGE-GATE法やその類似手法で管理されている状況においても企画書の作成時期は戦略的に判断すべきである。上司に指示されたから作りました、ではまずいのである。
そもそも企画書を誰がどのようなタイミングで作るのかは、貢献と自己責任を意識し働いておればわかるはずで、それがわからないのは、サラリーマンとしてまずい。知識労働者は、入社したその日から企画書を作成できるような心構えでなければいけない。弊社の研究開発必勝法プログラムは単なる問題解決法ではなく、意識改革の内容も含んでいる。
「企画を実現する(12)」で書いた中間転写ベルトのコンパウンド内製化の企画については、センター長の判断が出て、品質保証部のサポートが得られることを確認してから作成し始めている。単身赴任して所属したカンパニーでは、STAGE-GATE法に似た開発管理手法が実施されており、開発の初期の企画から部長あるいはそれに準ずるクラスがデザインレビューを開催することになっていた。
最初はセンター内からスタートし、最終的には経営会議にかけられ審議される仕組みだった。しかし、コンパウンド内製化企画は、子会社でコンパウンド工場を立ち上げ、そこから購入する方針となったので、社外のコンパウンド業者と同等扱いで、新たなコンパウンドメーカーの検討を開始するデザインレビューを行えばよく、経営会議まで不要であった。
ただ新たなコンパウンド購入先が新製品開発途中から特別に増えることになるので、調達部門と品質管理部門の調整は最重要の課題となる。特に品質管理部門が責任を持てないと言われたならば、もうおしまいである。ゆえに企画前に相談することが最も重要で、企画前に企画そのものに同意してもらう必要があった。また、この部門の見解に応じて企画内容も大きく影響を受けた。
当方は、すでに写真会社で15年近く勤務していたので、その風土なり企画の扱いなど熟知していたが、カメラ会社との統合後のこともあり、初心者のつもりで丁寧に進めた。単身赴任前に、どの段階で企画書を作成し始めるのかなど、作成した戦略図と戦術図を使い決めていた。戦略図と戦術図とは、弊社の研究開発必勝法の独自ツールである。
外部のコンパウンドメーカーが当方のアイデアを受け入れ、カオス混合装置を導入してくれていたなら、最も楽な業務の進め方ができたのだが、偉大なる国の研究所から生まれたメーカーの流れの会社で科学命の技術畑出身の営業から「素人は黙っとれ」と一喝され、楽ができなくなってしまった。
企画の実現において、形式知に反する場合における調整作業の難しさである。しかし、ゴム会社で交流のあった混錬機器の中小企業の社長から最後の花道に協力すると励まされ、自ら苦労する道を選んだ(注)。
企画書をどのようなタイミングでどのような内容で書くのかは、このように状況に大きく影響を受ける場合もある。だから単純な企画の指南書は参考になっても実用にはならないような気がしている。もし企画にお困りの方は弊社にご相談ください。実践的な企画書作成術を指南いたします。
(注)この仕事に失敗しても成功しても55歳で早期退職する道を選ぶ予定でいた。しかし、中間転写ベルト開発に成功した後、2011年発売の事務機に搭載する環境対応樹脂の相談をうけて早期退職を2011年3月11日まで延期した。たまたま金曜日のその日を選んだわけだが、おかげで退職記念講演もパーティーもすべて吹っ飛び、帰宅難民となって会社に一泊することになった。忘れられない思い出となった。
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3月4日のニュース記事に「ホリエモン、28カ国58都市を巡って考えた「衰退する日本」での生きぬき方」というのがあった。「君はどこにでも行ける」(堀江貴文著)という書籍の紹介記事である。
弊社は、今月決算と新年度の開始で忙しく、まだ読んでいないが、紹介文でその内容に感銘を受けたので取り上げてみた。ホリエモンは単なる前科者ではないのだ。日本の将来を真剣に考えている事業家の一人かもしれない。時間が出来たら是非読んでみたいと思うと同時に、若い人に筆者の志を伝えたくて書いている。
「街角で〝爆買い〟する中国人観光客を横目で見た時に感じる「寂しさ」の正体はなんでしょう。出口の見えない不況の中で、気づけば日本はいつの間にか「安い」国になってしまいました。」と書かれているように、バブル崩壊後の日本は、アベノミクスでようやく衰退が一時停まったが、まだこの先どうなるか分からない状況である。
そのような日本の現状を踏まえ、筆者は、若い人たちに広い世界へ飛び出すことを勧めている。書籍のタイトルから想像できるように、この本の要旨となる提案は、グローバル経済というパラダイムでは、もっと叫ばれて良いことだと思う。
弊社は創業して3年ほど国内で頑張ってみたが、累積赤字のため中国へ出稼ぎに行くことにした。約2年中国で真剣に仕事をやってみて理解できたことは、いまや国の垣根は大変低くなった、と言うことだ。中国語など話せなくても、中国で仕事が出来るのである。
「中国の仕事はリスクが高いでしょう」と時折聞かれるが、今や国内も海外もリスクの高さは同じである。例えば国内企業でも合法的に詐欺まがいのような活動をしているところがあり、3度ほど国内企業の社長や担当者に痛い目に遭った。
また、国に有益な提案で補助金申請をしても審査員は真剣に技術を考えていない(注)ので、良い技術提案でもはずれる。同じ内容で3回はずれた技術ならば日本で不要とお墨付きを頂いたようなものだから、中国へ提案しても問題ないだろうと、ローカル企業へ持ち込んだところ、すぐに大きな成果が出た。日本の補助金審査はこの程度なのだ。
さすがに当方も日本で事業をやっているので、中国企業だけにサービスをしていては、将来問題とされても仕事がやりにくいので、3月末から5月にかけて4つほど講演を行い、中国ローカルメーカーで育てた技術(日本では誰もお金を払って育てようとしてくれなかった技術)を日本で公開することにしている。
当方のこの体験も、ホリエモンの提案「世界へ飛び出して仕事」をした方がよい、という事例のような気がする。今大手の日本企業も余裕が無くなってきており、またお役人は未だにバブル期の感覚で仕事をやっているような状況なので、国内のリスクも海外のリスクもあまり大きな差は無くなっている。ホリエモンが言っているように若い人は思いきって海外へ飛び出してはいかがか。
日本では受け入れてもらえないような新しいコンセプトでも、儲かる話であれば、海外の方が意思決定が早い。国内の技術を海外へ持ち出すのは問題があるが、海外で新たな技術を創るのは、国内でそれを実現できないような国なので、生きてゆくために致し方の無いことである。
国の補助金審査は、新参者の中小企業には冷たい。海外で技術を育てるのは日本のためにならない、という人がいるが、日本に本社があれば税金や社会保険料を日本で支払うことになるので十分日本に貢献しているのである。だから弊社はもう国への提案をやめて、海外企業へ新たな技術提案を行う活動を始めた。
頭脳流出は問題ではないのである。形骸化している補助金審査を初めとした、古い仕組みの社会が問題だ。若い人はどんどん海外へ出て行き活動して欲しい。君の人生は一度しか無い。そして力をつけて成功したなら、日本を良くするように戻ってきて欲しい。
(注)審査に落ちたときなど審査に通過したテーマを恨めしげにみたりするが、なぜそれらが選ばれているのか不明な場合が多い。一方経産省のお役人が出席されるパーティーなどに出れば、審査に合格したテーマの成功率が悪い話を聞いたりする。大概は失敗したときに返還の義務が無い。税金をどぶに捨てていても学習効果が見えない。
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女子サッカーのリオ五輪出場の可能性が、アジア予選の最中に消えた。東京五輪に向けてすでに体制作りが動き出した。これまでの反省と批判がWEBの話題になっている。澤選手の話題は当然その中心になってくる。
一人のスーパーヒーローの寄与がこれだけ明確に出るのは、その選手の能力が総合的に極めて高いときである。単にサッカーのスキルの高さだけでは今回のような落差は生まれない。サッカーの様なチームワークが重要となる競技では、スーパーヒーローに集団をまとめるカリスマ性が求められる。
今回の女子サッカーを見ていると、特にひとりひとりのスキルが低下したようには見えなかった。正確なパスワークも要所で決まっていたが、チームとして攻撃する気迫がTVの画面から伝わってこなかった。
試合後、まとまりのない集団でありがちな、選手の中から個人攻撃の声が聞こえてくるのは当然である。そもそも今回のチームは集団としてまとまっていたのか、という疑問を当方は感じている。集団としてまとまるとは、チームプレーだけでなく、日々の練習における信頼関係も含めてである。
このような集団をうまくまとめる作業は、監督の重要な仕事の一つで、チームの中にスーパーヒーローがいるときには、比較的易しいこの仕事が、どんぐりの背比べの集団では途端に難しくなる。個々のスキルが高くてもチームプレーが求められるサッカーでは、集団としてまとまっていないチームの場合、接戦で力を出すことができない。
スーパーヒーローのいないチームをどのようにまとめ、集団としての能力を高めてゆくのか。ビジネスの世界では、ドラッカーの意思決定の考えかたが参考になる。彼は成果を出すためには並みの能力で十分と言っている。むしろ頭の良い人物がなかなか成果を出せない現実を指摘している。
まず、問題の多くは基本にかかわるものであり、原則や手順についての決定を通してのみ解決できる。二つ目は決定が満たすべき必要条件を明確にする。第三に決定が受け入れられるために妥協ではなく正しい答えについて徹底的に検討することである。第四に決定に基づく行動を決定のプロセスの中に組み込むことである。第五に決定の適切さを結果によって検証するためにフィードバックを行うことである。
おもしろいことに今回のなでしこJapanの相手ゴール前におけるプレーを見ていたら、ゴールすべきところでしかゴールをしていなかったことである。これで点が入れば勝てるのだが、はたしてサッカーというゲームを考えたときに、それは正しい意思決定なのか?世界一になった時のゴール前における澤選手のつま先の残像が今でも頭に残っている。
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中間転写ベルトの開発では、コンパウンドを外部から購入し、押出成形技術の開発で製品を立ち上げるシナリオがグループリーダーに赴任する当方が説明を受けた企画の根幹だった。コンパウンドを内製化する考え方は、その企画から排除されていた。
すなわち、コンパウンド技術が0の状態でコンパウンドから開発するのはリスクが大きい、という考え方である。高分子材料技術に詳しい人であれば、これは間違った考え方であることに気がつくはずだ。
特に押出成形技術に詳しい人であれば、押出成形で得られる成形体は、コンパウンドの性質を80%以上(人によっては100%)引きずっていることを知っている。すなわち、コンパウンドの改良をしないかぎり解決がつかない問題が必ず押出成形体に存在する。
ただし、技術が分かっていない人たちにこれを理解させることは至難の技である。なぜなら、射出成形では、コンパウンド技術よりも射出成形技術が重要で、という伝統的な考え方が存在しているからである。
このような状態でコンパウンド内製化という企画をまともに提案し、合理的調整を行うのは、至難の技である。徳のあるセンター長が子会社でコンパウンド工場を立ち上げるアイデアを出した理由も、コンパウンドの内製化という企画では通らないという判断が即座にできたからである。
また、この判断をさせたのも企画の調整作業の一つである。当方の戦略では、外部のコンパウンダーで新しいカオス混合技術を立ち上げても良かったことになっているが、これは早い段階でコンパウンダーから否定された。そのため内製化の道しか無くなり、そこでセンター長の判断を仰いだのである。
豊川へ赴任して1ケ月ほどのことである。他のカンパニーから人事異動で単身赴任してきたグループリーダーがすぐにこのテーマは失敗します、と言い出したら、その上司はどうするか。当方の相談に対する回答となるセンター長の判断は、一つしか無かったのである。このような調整の仕方もある。
すぐに中古の混練機を購入し、これは工場建設を依頼することになる外部業者の工場敷地に設置された。そして、コンパウンド内製化の企画を作り始め、子会社との調整と品質保証部の調整を真っ先に行った。企画が完成する前に、品質保証部門で専従の担当者が指名され、子会社では、開発体制が整えられた。
最初のデザインレビューでは、子会社からコンパウンドを購入する企画として説明し、全社の承認も得られた。但し、コンパウンドの開発から子会社の生産まではブラックボックスのままで、これは子会社に技術があるという説明になっていた。一世一代の博打企画だった。それでも実現した。風土と調整の重要さを示す例である。
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宇都宮市議会の熊本和夫議長が、出産立ち合いのため市議会本会議を欠席するだけでなく、議長職を辞めるという。また、出産立ち合いのための欠席が現在認められていないので「事故」扱いで欠席と説明している。
まず、最初に今という時代は、仕事よりイクメンを優先すべき価値感が多い時代だから、仕事を休んで出産に立ち会うことについて、どうこう批判するつもりはない。
民間の会社員であれば、個人の働く意味における価値感の問題であり許されるが、選挙で選ばれた議員であり、さらにその選ばれた方の中ら選ばれた議長である点については、その判断と行動に問題がある、と感じているのは当方だけだろうか。
つい先日国会でイクメン議員の登場が話題になったが、あちらは国会を休んでできた暇な時間を不倫に使うつもりだったようで、誰もがおかしい、という見解の一致となった。しかし、熊本議長の場合には意見が分かれるかもしれない。
ただ、ここは民主主義のシステムを厳格に守るというのはどういうことか、すなわちそれは会社がコンプライアンスを重視して活動する、という当たり前の視点で考えてみたい。
出産立ち合いのための欠席を、まだ認められていないので「事故」扱いで欠席した、というニュースの下りをイクメン支持派は、勇気ある行動として称賛するかもしれないが、勇気ある行動ではなく、まだ市民のコンセンサスが得られていない身勝手な行動だと当方は感じた。
もし、出産立ち合いのための欠席についてすでに合意が得られており、議員の欠席に関する規定に認められていたならば、今回の行動は問題にならないが、「事故」扱いで欠席しなければいけないように、まだそれが認められていないのである。さらに、虚偽の理由を書いて欠席しているのである。市民に選ばれた議員の行動として問題は無いか?
最近、社会において自分の立場を忘れた行動や発言が目立つようになった。昔から一部の不謹慎な人もいたが、少なくとも社会全体がそのような人を戒めた。しかし、社会全体がユルクなったのか、国民の公僕たる人物がその役職や立場を忘れた発言や行動をしていても見過ごしているケースが目立つ。
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日常の業務では、調整作業は事態収拾的な色合いが強く、業務の遅い時点で行う行為と勘違いされているが、昨日述べたように調整とは企画も含め仕事の計画段階から行うとうまく行く。調整におけるタイミングの問題は重要で、早めに開始することを心がけるのは、企画を実現するためのツボの一つである。
調整作業のもう一つの問題として、調整の内容に関する問題がある。この調整の内容についても、昨日述べたように、合理的調整と政治的調整で問題解決に当たることになる。若いときは、政治的調整スキルが乏しいので苦労するが、そのような場合に虎の威を借りるのも一つの方法である。
ただ政治的調整を多用すると、周囲から嫌われることを知っておく必要がある。その意味で、合理的調整が最もオーソドックスで健全である。この合理的調整では、調整作業の対象を計画的に攻めることが重要で、年配者に計画について相談しておくのが賢明である。調整作業中に内容が漏れ、聞いていない症候群の人物を騒がせないようにしなければいけない。
合理的調整が、不合理な人物のへそを曲げたためにできなくなり、政治的調整で事態を収拾しなければいけないのは、調整が下手だ。合理的調整では、細かいところに配慮した計画を立てて行う必要がある。また、情報の共有化の観点から、コンセプトを説明するために企画テーマから方針との整合性の概略までをまとめた資料を携帯して進めるのは賢明な方法である。
企画をめぐって利害の対立ができたときには、政治的調整に頼りたくなるが、その問題解決に丁寧に当たることは、やはり企画を実現するための大切なツボである。すなわち問題解決的調整をスキルとして身につけておく必要がある。
このスキルのポイントは、全社的な立場に立って問題解決に当たるということだ。たいていは部門間の利害が企画を推進しようとするときに生じるので、この解決に当たり、全社的な視点で意見を求めてゆけば、たいていは適当な落としどころにすとんと落ちる。多くの期待している落としどころに落ちてゆかないときには、「怖い、怖い戦略」が有効で、これは弊社のプログラムにその方法を説明している。
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企画書は先日までの方法で書くことが可能だが、本シリーズの最初に書いたように、企画の成功を左右するのは、人間関係の要因が最も大きい。この点を強調しているのが、弊社の企画立案方法指導の特徴である。真の企画マンとは、利害の相反する問題を上手に収拾し、コンセンサス造りに努める人である。また、それは企画調整のツボである。
例えば、人間関係を気にするあまり譲歩ばかりしていては、企画は実現しない。「xxについてはおっしゃるとおりです」「しかし、○○だけは譲れません」と問題点を限定し、自分の主張をはっきり伝えることも必要である。
時には、「この点は、きちんとスジを通しておきたいと思います。」とか、「目標、方針に照らして判断するなら、この案にたどりつきます」とか合理性や全社的立場の話し方で、自分の主張を通す方法も良いかもしれない。
ニッチもさっちもならないときには、「私とあなたの仲じゃないですか」とか、「たまには僕の顔を立ててよ」とか寝技に持ち込む政治的調整技術も有効だが、相手が女性の場合には、今の時代ではセクハラと勘違いされないように言葉を選ぶ必要がある。
まだ企画書を作り始める前の段階ならば、情報収集あるいは意見聴取などの機会を利用してちゃっかりと調整も進めるやり方が有効である。
例えば、「白紙の立場で率直、忌憚のないご意見を頂きたい」といって、相手の本音を早めに聞いておき、企画途中に相談と称してアイデアを求めながら、以前聞いた本音と異なるアイデアが出たところで、「そのアイデアは是非企画に盛り込みたい」と言って、調整するやり方もある。若干だまし討ちに近いが、企画に反対しそうなキーマンの協力を得るためには有効な方法である。
企画を実現するためには人間関係が重要である点を改めて強調しておきたい。そのために、企画内容のコンセプトが決まったなら、調整作業をすぐに始めるとよい。そのとき合理的調整以外に政治的調整もあることを知っておく必要がある。
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問題形成や目標設定などの手法については、問題解決法の指南書が多数出版されているので、得意な人も多いかもしれないが、弊社では逆向きの推論を活用した独自の方法論を販売している。
ゆえにこの部分についてここでの公開は控えるが、良い企画書を書くための注意点を箇条書きにまとめておくので参考にして欲しい。みな当たり前のことなので少し恐縮するが、高純度SiCの企画をゴム会社のA部長の指導を受け作成したときに習ったことである。
1.企画書の作成に先立ち、十分に情報を収集する。その後情報を分類しておく。
2.1で分類された情報を、企画書に盛り込む情報と参考情報に分けながら、自分の考えを固めてゆく。
3.企画書に盛り込む事項(昨日までこの欄で説明した)を1枚1項目として付箋紙に書き込み、漏れの無いことを確認し、集めた情報に張ってゆく。(クリアケースを活用しても良い。(注))
4.企画書の形式が決まっていなければ、企画書のレイアウトを情報のボリュームを参考に決める。
5.記入順序を決める。
6.見栄えに気をつけてまとめる。
7.企画のコンセプト、自分の判断や意見、企画の訴求点をわかりやすくまとめる。
8.内容が一目でわかる企画書にする。最初に企画書のコンセプトと結論を持ってくるとよい。
9.飾りも重要だが、飾りすぎない。
10.当然のことになるが、数字は厳密で無ければいけない。転記ミスや計算ミスを徹底的にチェックする。曖昧な数字を使用しなければいけない場合には、出典等の根拠を明確にする。特に事業性に影響のある数値は、事業推進時に判断のよりどころとされるので、正確を期す。
11.大きな企画の場合には、分割して作成するかどうか判断すること。企画書を出すタイミングも重要であり、大きな企画書の場合には、計画を示し分割して提出する知恵も使いたい。
(注)今はコンピューターがあるので、紙情報はすべてPDF化し、電子分類する手法もあるが、詳細は弊社の機密事項である。お問い合わせください。
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企画で全社方針との整合性を重視している指南書は多いが、これは当たり前のことである。そもそも会社の方針にあっていない企画書など、方針管理が徹底しているこの時代に実行されるはずがない。
あるフィルム会社では、写真フィルムの市場が急速に縮小する時に新事業を垂直立ち上げするために、自社の技術で「できるもの」と「できそうなもの」にわけて新事業を提案するように社長方針が出されたという。ある意味で大変広い方針でありながら的確である。また、普遍性のある優れた方針だ。
全社方針との関係で重要になってくるのは、方針における企画の位置づけと役割を明確にすることである。換言すれば、方針に合っていない企画でも見かけ上方針に合っているように見せかけ立案可能であり、大切な点は、その企画でどのようなイノベーションを見込んでいるのか、方針に沿って具体化することである。
そもそも全社方針はイノベーションを期待して出される。ゆえに企画で具体化すべきイノベーションを方針との関係でどのような表現にするか、という問題になる。方針にとらわれすぎて企画を考えるとアイデアが浮かばなくても、日々の問題意識があれば自分の所属している組織で必要なイノベーションについて考えるのは容易なはずだ。
ゆえにその必要なイノベーションを方針に沿って具体化して、方針との整合性を取るように考えていった方が迫力のある内容になる。ただし、迫力を狙いすぎてこじつけになるとアウトである。方針管理の下で方針に整合しない企画は、まず通らない。
企画テーマから方針との整合性ができあがったら、一度上司に見てもらい、アドバイスをもらうと良い。この部分を後回しにして問題形成から企画立案を始めるとよい、と書いてある指南書を見かけることがある。QC関係の書籍に多いこの方法に当方は反対である。
企画のコンセプトが決まっておれば、企画テーマから会社方針との整合性は、すぐに作成可能で、最初にこの部分を上司とすりあわせておくことが大切である。その後、情報を集めて問題を具体化していったら、コンセプトそのものも見直しが必要になり、その結果企画テーマからすべて作成し直さなければいけない事態になってもよいのである。
もし情報収集後、当初考えていたコンセプトの間違いに気がついたなら、それも重要な情報の一つとなる。なぜ最初に誤った企画テーマを立案したのかは、新たに形成するコンセプトを練るときに参考とすべき最も重要な情報である。正しい問題を捉えられなかったのだから、そこの問題についても考えておく必要がある(問題解決力が足らないだけならば重視する必要はないが、それはそれで問題である)。
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市場にイノベーションを起こす良い企画であるほど組織あるいは社会へ与える影響も大きくなる。古い話になるが、チャールズブロンソンをイメージキャラクターに用いた男性化粧品は、かっこいい男のイメージとして市場に大きなイノベーションを引き起こした。
化粧品のブランドは「マンダム」だが、会社名は古めかしい「丹頂」だった。大きなイノベーションが引き起こされブランド名が市場に深く浸透したために、会社名をブランド名に変えてしまった。当時「エロイカ」というブランドも登場していたが、チャールズブロンソンの男臭さにはかなわなかった(注)。
男の世界が高度経済成長を引き起こし、ジュリアナ東京のボディコン・イケイケ路線でバブルがはじけた、と歴史の流れを捉えると、風俗が経済に与える影響あるいは風俗と経済の相互作用の大きさに驚異を感じるのは当方だけだろうか。
この時代の流れの中で、オタク文化はひっそりと生まれており、バブル崩壊とともにオタク文化の爆発が起きている。すなわちAKB48も含め一連のオタク文化は、単一民族である日本独自の文化であるとともに事前に予測できた流れである可能性が高く、次なる風俗や文化の変化を探せば経済の変化も予測可能ではないか。
ドラッカーは、社会が経済に影響を及ぼす時代になった、と遺言を残したが、まさにこのドラッカーの遺言は正しく、文化や風俗などの社会変化が現在の経済を動かしている可能性がある。ゆえにイノベーションは市場経済だけでなく風俗、文化の分野でも考えなくてはならない。
最近AKB48を卒業するタレントが目立つようになった。AKB48のブームの終焉と捉える評論家もいるが、SMAP騒動が起き、グループブランドというものの大きさを痛感したばかりである。SMAPもAKB48もファンとの価値の共創で生まれた芸能グループであり、もしこれらのグループの人気が低下してゆくのならば、それは文化や風俗が大きな変化をおこす前兆で経済にも大きな影響が出るはずだ。
今文化や風俗がどのような変化をしてゆくのか考えることは有効なことで、AKB48の卒業ブームやSMAP騒動はイノベーションの好機を示す現象ともいえる。SMAPはアイドル氷河期に生まれたグループで、個性の異なるタレントを一束いくらで売りだす新しい方法の先鞭をつけた。すなわちアイドル育成方法にイノベーションを引き起こしたのだ。
この手法は、バナナのたたき売りへと変化して生まれたのがAKB48である。すると卒業が頻繁に行われるようになった現象は、賞味期限が切れそうなバナナを取り除く、すなわちバナナに対する品質要求が高くなった、とみることもできる。もしこのように考えると卒業だけではオタクを満足させられなくなる可能性がある。
何かイノベーションのアイデアが必要で、その新しいアイデアは経済成長のヒントになるかもしれない。今の経済は、そのまま放置すればアメリカも含め悪くなる一方である。アメリカではトランプの登場が、その歯止めを期待されている。日本では、風俗や文化にイノベーションを引き起こし経済に刺激を与える必要がある。
(注)化粧品も臭かった。そのにおいは強烈で、1階上の階段ルームの死角にいる男性の気配を感じることができた、という都市伝説がある。加齢臭など吹っ飛ぶような臭いが歓迎されていた時代もあったのだ。今は消臭がブームで人間が感じない臭いの化粧品が好まれている。加齢臭グッズは必ずヒット商品になる。
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