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2014.08/14 感動

年をとると鈍感になると聞いた。確かに肘掛けで腕が触れあう位置に若いタレントがいても冷静でいられたのは年齢のなせる技であろう。美女数人に囲まれても動揺しない年齢である。しかし、実験結果には未だに感動する。

 

研究開発必勝法プログラムで必ず成功する技術開発法を提案しているが、必ず成功すると思っていても、期待したとおりの結果になると感動する。おそらくこのままではノーベル賞級の大発見をしたらその場で脳卒中を起こすかもしれない。

 

このような感動は、経験された方ならご理解頂けると思うが本当に気持ちが良い。おそらく薬物による興奮の上をいく最上の喜びだと思う。この成功体験は、次のチャレンジへの原動力となる。

 

これは技術指導していても同様である。中国では弊社の必勝法に基づく技術開発を指導している。オリジナルを目指す技術開発を指導し、すでに特許も出願している。

 

新技術の構築を指導している限り技術持ち出しの問題は無い。公開された文献から新技術を開発する習慣を定着させたい。研究開発必勝法プログラムは日本でビジネスにならなかったが中国でビジネスになりつつある。

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2014.08/13 盆休み

世間は盆休みであるが、今日からまた中国である。会社を始めてから休日が無くなった。もっともサラリーマン時代でも休日でもなんやかやと勉強していたので仕事をやっていたようなものだが、それでもそれは自分の時間である。

 

社長業のつらさは四六時中会社のことを考えなければいけない事だろう。イラク空爆時にアメリカ大統領がゴルフをやっているとの報道があったが、オフの時間を取ることは大切なことである。精神的にゆとりが無くなってくると、オフの感覚もなくなってくる。

 

幸い当方はまだ精神的な余裕があり、出張時の移動時間は大切なオフ時間である。7月29日9時50分発ANA-NH919便では、面白い出来事があった。左隣に元AKB48現JKT48のタレント近野莉菜嬢が座ったのである。前には若いマネージャーが座っていた。

 

搭乗時間ぎりぎりに入ってきた彼女はすっぴんに近い薄化粧であった。後日娘に話したらそのような化粧が若い人にはやっている、とのこと。顔のイメージはタレントに見えなかったが、衣装はそれなりの姿であった。

 

当方も短パンTシャツとそれなりの姿であり、二人並べば親子で、海ならぬ上海へ遊びに行く姿に周囲から見られたのかもしれない。姿形は紳士にほど遠くオタクオヤジの姿だったが、サインを求めたりせず、一応気がつかないふりをして静かに紳士的に振る舞い飛行機を降りた。

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2014.08/12 事件

この一週間書店に並ぶ週刊紙には理研副センター長の自殺の記事が掲載されていた。しかし、内容はこれまでの寄せ集めの記事ばかりで、中には死者に失礼な記事もあり執筆者の人格を疑いたくなる。

 

彼の自殺は大きな事件であるが、週刊誌ネタとして騒いではいけない事件である。彼の立場と行動を考えたときに、あまりに悲しい事件である。彼の周囲の人は彼のおかげで利益を得たにも関わらず、誰も彼の苦しみを救おうとしなかった。むしろ彼を自殺に追いやる方向へ動いていた。

 

高純度SiCの事業をゴム会社で立ち上げた時に組織という実体が人間そのものの現れであることを知った。すなわち健全な組織は、健全な精神を持った人間の集団で運営された結果である。

 

入社時のゴム会社は創業者の精神が生きている健全な組織だったが、巨額の企業買収でしだいに不健全になり、新聞沙汰になったできごとが起きるまでに至った。すでにそのキズは癒え、3年前講演者として招待されたときには昔の健全な会社になっていた。創業者の伝説を大切にする会社は、仮に一時的に風土が病んでも自己再生する力がある。

 

たまたま風土が不健全になっていたときにFDをいたずらされた。犯人が分かっていたので課内会議で他人のFDにいたずらするのはやめましょう、と提案した。会議終了後、犯人から呼び出され、謝罪があるのかと思ったら説教であった。机をばんばんと叩きながら尋常では無かった。

 

その後は思わぬ方向へ推移したので、組織と個人のジレンマに陥り、自ら企画し学位までまとめ、事業として立ち上げた仕事をすべて捨てる決断をした。組織に発生したジレンマでは、個人の力で解決できない状態の時、個人は逃げ場を失う。もし組織がその個人を本当に心配しているならば、組織が問題解決に当たらない限り、最悪の場合に個人は死以外に逃げ道が無くなる。

 

転職を表明してから、組織は少し動き始めたが事態の改善には至らなかった。しかし当方の始めた事業は30年近く継続されており、喜ばしい限りだが、類似の問題が世の中で起きる度に思い出すトラウマになっている。

 

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2014.08/11 賞味期限切れ販売

格安航空会社スカイマーク社(SKY社)で賞味期限切れ商品を販売したという。カップラーメンとコンソメスープの賞味期限切れ商品なので大事には至らないだろうが、ここのところJAPANブランドの商品品質の問題記事が多い。

 

35年前にゴム会社に入社して一番感動したことは、社是「最高の品質で社会に貢献」とその社是を実行するための徹底した教育である。それでも小さな品質問題は起きる。

 

入社して間もない頃、スノータイヤのゴム部材に金具の破片が入ったかもしれない、という品質問題が発生した。品質問題のタイヤのシリアル番号は、ある範囲で分かっており、北海道へ出荷されたことまで追跡できていた。すぐに問題を起こした班の作業メンバー全員が北海道へ飛び、梱包されたタイヤを開梱し、お客様へ商品が渡る前に全品回収したという。

 

当時スパイクタイヤがスノータイヤとして使われており、スパイクの本数が現場で一本不足していたのでこの騒ぎが起きた。不足していたスパイク一本が本当にゴムの中に入ったかどうか不明である。それでもその不足した問題が関係していたタイヤをすべて回収廃棄したのである。

 

製造現場では、INPUTとOUTPUTが厳密に管理され、異常があれば徹底して対応し、品質の維持に努める。これがJAPANブランドの高い品質を支えてきた。最近その伝統が揺らぎつつあるが、品質問題を起こしているのは、限られた会社だけのようにも見える。

 

品質問題が起きてもそれを隠さず公開しているだけでもまともである、という論評が聞かれたりするが、かつてはお客様の手前で問題発生を阻止するという姿勢が基本だったはずだ。三菱自動車のリコール隠しの問題あたりから、このような論評が出てきたように思うが、品質問題について日本全体でタガが緩んできているように感じている。

 

格安航空会社のビジネスモデルは機内食などのサービスを削りコストダウンするとともに、機内販売を充実させて利益を上げるビジネスモデルだった。しかし、その機内販売される品物の品質も低グレードという評価が定着したならば、利益を上げようとしているビジネスモデルが崩れてしまう。

 

すなわち、商品の品質確保は利益を確保するために重要な活動の一つであり、そこに問題があったなら、経営者は他の活動も一緒に点検した方が良い。おそらく飛行機の点検品質にも問題が見つかるはずである。品質問題というのはそのような性質の問題である。

 

 

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2014.08/10 技術者の企画提案力(14)

知財が重要になった今日において、新事業企画を行うときに肉体労働の部分を省くことはできない。知財の調査という作業は方法を習得すれば、一人のリーダーの元で行える肉体労働の業務である。一人のリーダーの元に開発部門で貢献できなくなった人材をプールし、新事業企画部隊を編成する。

 

但しこのリーダーには企画立案から製品化まで成功体験のある管理職を任命する。決して企画経験のない管理職に担当させてはならない。該当者がいなければ弊社にご相談ください。企画立案方法から担当者のマネージメントのコツまで指南いたします。

 

会社に自ら貢献できなくなった人材だけで編成することに不安を感じるかもしれない。確かにそのような人材は自己責任の感覚も薄れているので、企画業務を担当したことに不満を持ったりモチベーションが下がったりする。しかし肉体労働部門に異動しただけでも訴訟を起こされる時代である。面接により業務内容の説明を行えばおそらく企画業務担当を納得するだろう。

 

あるいは企画専門の部門を設立した際に、会社に貢献できない人材に自己責任の意識が残っておれば、自ら志願してくるかもしれない。自ら志願してきた人材にはサブリーダーを任せても良い。とにかく職人化して開発現場で仕事のなくなった人材の処遇が問題になったら企画を担当させれば会社に貢献できる道ができる。

 

ドラッカーの遺作に「ネクストソサエティ」があり、そこには誰も見たことのない時代が始まる、という名言がある。弊社では30年後までの未来のシナリオを作成し、そのシナリオをもとにリケジョが活躍するサイト www.miragiken.com を運営している。過去の半導体用高純度SiCの企画をした経験から、30年後までならばおおよその予測が可能と思い、二次電池から始まり現在バイオリファイナリーについて物語を展開している。

 

ドラッカーが表現したように誰も見たことのないシナリオに展開される予定になっており、数年かけて物語を完成させるスケジュールで運営していますのでご覧ください。ここから企画のヒントを見つけて頂ければと思っています。

 

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2014.08/09 技術者の企画提案力(13)

昨日は企画書に盛り込む内容について書いてみたが、おおよそ肉体労働である。企画を頭脳労働と考えている人がいるかもしれないが、今の時代における企画とは肉体労働なのだ。

 

特許調査の経験のある方ならばこの肉体労働の意味が分かるかもしれない。新事業企画を行うときに膨大な特許の整理という作業を避けて通れない。高純度SiCの企画を上司の指導により2ケ月行ったときに、特許調査以外は1日で完了した。無機材質研究所留学中に突然決まった社長へのプレゼンテーションで、資料の下書き準備までに2ケ月しか時間がなく、その2ケ月間に行った作業の大半が特許調査だった。

 

ミカン箱10箱以上の特許が会社の特許部から筑波の借家に送られてきた。10箱まで数えていたが、後は記憶にない。部屋の中は布団を敷く場所も無くなった。昼間は研究所へ出勤し、夜特許調査を行う日々が2ケ月続いた。膨大な数の特許を調査するのは初めての経験であり、半月ほどはマジメに全部読んでいたが、次第にコツが分かって手抜きができるようになった。

 

上司は丁寧に調査してください、と言っていたが、大切なのはクレームと実施例であり、従来技術は、どれも似たようなことが書かれている。コツが分かるとスピードが上がり、特許の整理は1ケ月ほどで終わった。

 

当時もっていたパソコンはZ80Kと16BITのPC9801で、データベース用のソフトウェアーは、C-ISAMを使っていた。Lattice-Cで作った自前のデータベースである。ただこれはあまり意味のない作業だった。結局詳細を知りたいときには原紙を見るので、特許の膨大なコピーをアクセスしやすいように附箋をつけファイリングするだけで十分だった。

 

兎に角特許を整理し、プレゼンの下書きを作り終えたときには、体重が5kgほど減っていた。

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2014.08/08 技術者の企画提案力(12)

企画に盛り込む技術要素については、事業により、あるいは経営者により考え方が異なると思う。自前技術を重視する会社と企業買収を得意とする会社で考え方も異なると思う。ここでは一般的な話を説明したい。

 

技術要素として知財の問題は重要である。それで特許に関する考察は、最初にやるべきというのが当方の考え方である。基本特許を取れる可能性があれば大変強力な企画になる。高純度SiCの合成法は基本特許であり、その公開前にゴム会社で周辺技術について抑えることができた。その結果、お客を持っていた他社からJVの声をかけてもらえた。特許に関する考察がまとめられておれば、企画に盛り込まれる予定の技術について独創性の判断ができる。

 

また、独創性のみならず、他社から技術導入が必要かどうかとか、企画に盛り込む予定の技術について実現可能性やさらには企画の可能性までまとめることができる。さらに特許出願件数のトレンドから先行性や、技術の応用発展性まで考察可能である。先行性については、企業別に整理された特許のトレンドデータが重要で、競合他社についてどれだけ時間的技術的に先行できるかがわかる。

 

このように特許調査から企画のネタを拾い上げることができるが、これだけでは企画として不十分である。通常の企画の指南書には市場情報あるいはユーザー情報として書かれているユーザーサイドの話をまとめなければいけない。立案中の企画を実現したときに、性能やコスト、品質面で大きな効果や他社に格差をつけることができるかどうかまとめる。

 

そして最後に量産技術や設備、周辺技術や商品化に必要な会社のリソースについて考察する。商品化に進んだときに過去のリソースをそのまま使用できるかどうかについて一番最初に技術面から考察を加えることは大切である。どれだけ会社に適合した企画であるのか(適社度)レーダーチャートでまとめてもよい。

 

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2014.08/07 技術者の企画提案力(11)

某会社の追い出し部屋の記事を読んでから、今どきの技術部門の余剰人員をどのように処遇し指導したら良いのか考えながら書いている。結局30年以上前の指導社員の思い出になってきた。当方にとっては恋人以上の存在なのかもしれない。その人から聞いた企画を考えるポイントは、1.企業性、2.市場規模、3.投資額、4.技術要素。

 

技術要素が最後になっているのは、技術者にとって易しいことだから、特に考えなくても良いかもしれない、と言っていた。市場規模や投資額は経営者から必ず尋ねられる項目であり、見落としがちなのが企業性なのでトップにくる、とのこと。

 

企業性とは、その企業でやる価値があるかどうか、という問題である。昨今の企業の社会的責任や環境問題が問われる時代では、市場規模と投資額の関係において単純な利益のみ考えていては事業継続が難しい時代である。その意味で、30年以上前に教えられた企業性をまず考える、という手順は今でもそのまま通用する。

 

さらに企業性を考えるとは、自分の勤めている会社のことを良く考える作業なので、帰属意識が高まる。また、この企業性はどのように事業に貢献すれば良いのかを考えることにつながるので、企画作業を通じて働く意味を意識することになる。

 

市場規模や投資額は、世間の情報から「決める」以外にない。よく世間の情報をそのまま市場規模にしている場合があるが、企業性をよく考察したならば、世間の情報の市場規模を見直したくなるはずだ。世間の情報はこうだが、よく考えてみるともっと小さいかもしれないとか、世間の市場規模とこの企画で生じるシナジーとで市場規模は二倍になるかもしれない、とか独自のイメージが浮かぶはずだ。また浮かばなければいけない。

 

この市場性には、企画が成功したときのシェアの推移も重要で、イメージで良いから書き加える。それは企画の目標に相当する。注意しなければいけないのは、経産省などの公的機関の発表数値を鵜呑みにする人がいる。これらの数値には、リアルなデータとフィクションが共存している。

 

投資額は、目標が決まれば、「えいや」で決めても良い。企画段階において細かいところで悩む必要は無い。経営に近い仕事をやっている人は、とんでもない、というかもしれないが、投資額は技術開発で小さくなることもあれば、天文学的数値になる場合も存在する。技術開発をしながら精度を上げてゆくべき数値で、当初は目標のイメージである。また、最初の企画段階では、細部まで議論しても時間の無駄になる項目でもある。

 

高純度SiCを社長の前でプレゼンテーションしたときには、その資料で投資額は書くな、と言われた。すなわち誤解を与える数値だからである。指導してくれた方は、夢の話を社長がどのように判断するのかを学びなさい、と言われた。高純度SiCのプレゼンテーションが終わってすぐに社長から飛んできた質問は、最初にいくら欲しい、だった。

 

プレゼンが成功したと思い、Vサインを上司に送ったら、社長から2億か、と言われた。上司は、もっと上だ、と手でサインを送ってきた。思わず指を4本にしたら、二億四千万円だな、と社長が言われて、会議は終了した。

 

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2014.08/06 生きる

昨日まで1週間中国に出張していた。空港で同伴していた中国人から理研副センター長の自殺のニュースを聞いた。中国でも朝からそのニュースを報じていたようだ。

 

STAP細胞の騒動では最も辛い立場と同情していたが、辛くても耐えて欲しかった。3年半前に亡くなった父は、とにかく生きることの重要性と生きることは辛いのが当たり前と言うのが口癖だった。辛いからほんのささやかな楽しいことが幸福につながると言っていた。

 

父が亡くなる3ヶ月ほど前に、写真会社を早期退職して会社を始めることを伝えた。何故65歳まで勤務しないのだ、と問われたが、単身赴任を終了し閑職にあることと、会社経営をしてみたかった夢を話した。父親に夢の話をするのは40年ぶりだった。

 

ゴム会社を転職するときと異なり、ただ静かに納得し激励してくれた。そして自然とゴム会社転職の時の話になり、ゴム会社に残っていたら高純度SiCの事業が別会社として運営され、リスクを犯さなくても社長になっていたのではないか、といわれた。

 

20年以上前の話を覚えていてくれたのだ。数え年100歳でもぼけていなかった。FDを壊されたりその他の状況で転職が辛い中での選択だった話をしたが、その辛さを我慢し留まるべきだったのではないか、と問われた。だから、今回新会社立上げという辛い道を選択した、と答えたら、そうか、という言葉以外何も言わなかった。

 

亡父は大変な読書家だった。亡くなったときに一番苦労したのが古書の処分だった。亡父の愛読書として残すのかどうか悩んだが自宅には保管する場所が無い。結局大半を廃棄することになった。本を整理していて亡くなる前の10年間仏教の本ばかり読んでいたことに気がついた。生前仏教関係の本をよく買っていたが、10年間は、全てが仏教関係だった。

 

読書が楽しみの一つ、というのが亡父の言葉だったが、生き続けることを努力しながら仏教関係の本を読んでいた姿を想像し親不孝だった自分の生き方を反省した。

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2014.08/05 技術者の企画提案力(10)

金属やセラミックス、高分子に関する材料科学は20世紀著しい進歩を遂げた。その進歩が材料技術を牽引した時代でもあった。しかし、21世紀に入り材料科学の進歩は緩やかになった。イノベーションの中心はSTAP細胞の騒動に見られるように生科学分野へ移った

 

新材料により新たな機能が見つかり、その機能を活用して新技術ができていた時代から、市場で求められる商品に対して技術者が自ら機能設計をしなくてはいけない時代を経て、いまや市場で価値を顧客とともに創り出す時代になった。そして市場で共創された価値を実現するための機能を技術者は考えなくてはいけない時代である。

 

実はこのような価値の共創という作業は20世紀にも行われていた。例えば新商品企画会議がそれである。そこでは各部門から集められた責任者が新商品の姿を討議し、その結果を各部門に持ち帰り、各部門の技術者がその責任領域で求められる機能を考える作業を行っていた。すなわち共創を行う場が社外になっただけである。

 

定まった市場をターゲットにして開発を行ってきた企業では、新機能を考えなくても従来からの機能の性能を上げるだけでよかった。しかし、今は定まった市場ではコスト競争に曝されたために機能の性能向上とともにコストダウンも行わなければならない時代である。

 

とにかく従来の延長線上で安直な企画を立てていたのでは事業の先行きが心配される。業界1位だったゴム会社でさえ、先行きを心配して新たな事業へ挑戦したのである。新たな事業へ挑戦を行いつつ世界一位まで上り詰めた。このような企業は社内で常にイノベーションを起こそうとする風土があり、研究所で技術者は事業企画ができなければ生き残っていけない厳しい風土である。すなわち研究だけ安直にやっていては給料が増えない会社であった。

 

当方が新入社員時代の指導社員は、レオロジ-の専門家であっただけでなく、シミュレーション技術者でもあり、ゴム屋でもあった。さらに優秀な企画マンというマルチな技術者だった。彼は、常に企画を考えていなければこの会社で生き残っていけない、というのが口癖だった。すなわち技術者として生きてゆくためには企画能力が必要と教えてくれた。

 

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