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2017.03/31 東芝社員は転職すべきか

東芝の現在の状況について、「社員は早急に転職すべき」という記事が多い。一方で、政府の動きも含めて東芝をつぶさないように模索する流れができてきた。おそらく東芝という組織は残されるだろう。残される前提で、昨今の早急に転職すべきかどうか、転職経験者である当方の見解を述べてみたい。

 

まず、他の組織で活躍「したい」と今思っている人は、早急に転職すべきである。それから、ある記事に書かれていたが、「会社の最後を見届けたい」などと感傷的な気分になっている人も、その記事の著者の言うとおり、家族のためにも早急に勤め先を探すべきだろう。

 

十分に現在の組織運営者である中間管理職や経営者に裏切られたのである。少なくとも明らかに誠実ではない上司の下では働くべきではない。外部に公開されている情報から判断しても東芝の経営者は誠実と真摯さに明らかに欠けている。

 

何も考えられず右往左往している人はどうするか、そのような方も勤め先が見つかったなら早急に転職されることをお勧めする。また、見つからない場合には、収入額を下げてでも必死で転職された方が東芝が身軽になるから好ましい。

 

また、会社に残っていても恐らく給与は激減する。半額になる方もおられるかもしれない。身分が保障されるという甘い考えは持たない方が良い。例えば、会社を一度解散し、新会社を立ち上げる手法がとられたならば、過去の労働契約など価値が無くなる。

 

一方で、破綻しかかっている組織を立て直「したい」、という意欲のある人は、転職「してはいけない」、と申し上げたい。そのような人材が転職したら、本当に東芝は倒産してしまう。

 

今、東芝の危機を救えるのは、組織を立て直「したい」という意欲のある社員で、そのような人材がもしこの欄を読んでいたなら弊社にご相談ください。職位に合致した戦略と戦術の立案方法を御指導させていただきます。

 

新入社員のスタートはゴム配合技術者としてスタートしたが、ファインセラミックス分野進出の社長方針が出されても組織が動かなかったので、高純度SiCのテーマを掲げて起業した。苦節6年死の谷を歩き住友金属工業とJVを立ち上げ、これからというときに研究部門の不誠実さと直面し、転職した。組織と個人とのかかわりにおいて、誠実さと真摯さは重要である。

 

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2017.03/28 照ノ富士

「2度目の賜杯がするりと逃げた。本割に続き優勝決定戦でも敗れた照ノ富士の目は、風呂場から上がると真っ赤に充血していた。」

 

これは、WEBに掲載されたスポーツニュースからの引用である。このニュースには、つぎのような説明もあった。

 

「角界でも有数の酒豪だが、3月に入ってからアルコールを断った。「飲むと負ける気がする」。昨年手術した左膝は完治したかに見えるが、実はまだ回復途上。古傷の右膝痛も抱えている。「目に見えるつらさと、見えないつらさがあるんだよ」と支度部屋では本音も漏れた。」

 

春場所の千秋楽の一番では、負けた照ノ富士も怪我をおして踏ん張ったのである。また彼にとって春場所はカド番場所でもあった。このことから先日はガチの勝負で生まれたドラマであったことがわかる。

 

スポーツ観戦で視聴者が感動するのは、シナリオの無いドラマで時にはそこに自分の人生も重ねるからだろう。

 

「目に見えるつらさと、見えないつらさがあるんだよ」負けた照ノ富士のこの本音は、言い訳として取る人もいるかもしれないが、昨日の名勝負と重ね合わせると何か含蓄のある言葉に思えてくる。

 

負けたとはいえ、力一杯頑張った力士の言葉故に敗者の単なる弱音ではなく、多くの力士の代弁、あるいは人生力一杯頑張っても報われない人の代弁にも聞こえた。来場所も頑張れ、照ノ富士。そして、今度は主役として、語り継がれる名勝負を生み出して欲しい。

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2017.03/27 稀勢の里

昨日の稀勢の里の優勝には、観戦されたご両親だけでなく、日本全国の相撲ファンは感動したのではないか。予想外の優勝だけでなく、照ノ富士を本割と決定戦の二番続けて退けた相撲の内容には稀勢の里の気迫に運までも味方していた。

 

3日前の日馬富士との一戦で稀勢の里は赤あざも痛々しい大けがをして、二場所残し休場かと予想された。この常識的な予想をひっくり返し鶴竜との一戦に登場し、会場が割れんばかりの拍手。残念ながらケガの影響であっさり負けて二敗となり、優勝は絶望的となった。

 

しかし、千秋楽における一敗照ノ富士との一戦ではまさかの勝ちで場内は大相撲のTV中継が始まって以来の大歓声。そして決定戦では右腕と足を生かした取り組みで勝ちを納めた。この二番では得意の左おっつけを使うことなくケガをした左腕に運よく負担をかけない形になり勝つことができた。

 

相撲ファンではないので春場所を毎日見ていたわけではないが、貴乃花以来の横綱昇進初場所連続優勝が話題になっていたので金曜日からは欠かさず見てきた。けがを押しての強行出場では、2001年夏場所千秋楽における横綱・貴乃花の例があるが、優勝した代償に翌場所休場している。そして復帰3場所目で引退に追い込まれた。

 

今回の強行出場そして優勝が稀勢の里の横綱としての寿命を縮めることにならなければよいが、その優勝をあきらめない姿勢と冷静な取り組みには、久々に気持ちの良い感動を味わうことができた。

 

このケガをしても横綱としての責任感を忘れず戦う姿は、豊洲問題や東芝のようなエリートのふがいない仕事ぶりが話題となっていた社会に、与えられた「使命」を全うすることの重要性を教えてくれる。人には生まれながらに何か「使命」があるという。サラリーマンならばその職歴から「使命」が見えてくる。

 

当方はゴム会社において30年以上続く高純度SiCの事業を立ち上げた幸運や、転職の原因となった電気粘性流体の実用化実績はじめ無機機能性材料の実績、そして写真会社ではゴム会社における専門と全く異なる高分子材料技術で、カオス混合技術の発明とそれを応用した環境対応樹脂開発や半導体PPS無端ベルトの開発、帯電防止や接着、防汚性、耐擦り傷特性などの付加価値を有する薄膜開発などの実績を出すことができた。

 

有機材料から無機材料まで幅広い材料技術で実績を出すことができたのは、ドラッカーの影響が大きいが、この経験を次の世代に伝承する使命を果たすことも目標とし、この会社を起業している。稀勢の里の相撲を見て死ぬまで働く覚悟も必要と感じた。余談だが弊社は3月から翌年2月末までを会計年度とし、3月は決算で忙しく移動できないので特に公開していないが来社された方には諸々の無料相談会を実施している。

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2017.03/26 騒動

城北中央公園でカラスが約50羽死んでいるのが見つかった。鳥インフルエンザか、と騒ぎになったが、どうも犯人は**のようだ。まだ原因解明されていないが不気味な事件である。

 

我が家は城北中央公園まで徒歩1分の場所にあり、今回の事件はパトカーの集結で知った。野次馬として見に行こうかと思ったが、ウィルスの恐怖で足がすくんだ。

 

しかし、すぐに噂話で鳥インフルエンザではなかった、との話が伝わってきた。今はSNSがあるので情報の伝播は速い。ニュースでは、まだ原因不明だが、SNSでは犯人の話題で盛り上がっている。

 

近所でこのような不気味な事件が起きると女性でなくても夜道が怖くなる。昔見たヒッチコックの鳥を思い出すからだ。モノクロTVの時代にヒッチコック劇場はお化け屋敷に匹敵する恐怖ドラマだった。

 

怖いとわかっていても何故か毎週見ていたのである。とりわけ鳥は何度も再放送され、それを毎回見ていたため、今回のような騒動があるとトラウマのごとく思い出してしまう。原因解明を早くしてほしい。

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2017.03/25 プログラミング(2)

今のオフィスには一人に一台のPCが机にあるのが当たり前だが、ゴム会社から写真会社へ転職したときの1990年前後の状況は、16ビットPCから32ビットPCへの移行期で、Window3.0も登場していた。やがてこれが3.1にバージョンアップされ普及し始めるのだが、それでもPCはまだ個人に一台の時代ではなく、Windows95の普及で一気にPCが一人一台の時代になった。

 

PCのハードウェアーはすでに32ビットCPUが一般的であったが、このWindows95は16ビットで動作するOSだった。だからMS-DOS時代から使っていたLatticeCを使うこともできた。また、Windows95用のライブラリーも多数販売されていた。さらにWindows95上で動作する本格的プログラミング環境も登場した。ただしそれらは皆ハードウェアーと同様の価格であり、大変高価だったのでLatticeCをWindows2000の時代まで使い続けた。

 

ゴム会社の研究所は世間のOA化よりもスピードが速く、IBM社が16ビットパソコン(いわゆるAXパソコン)を販売しだしたころからスタッフに一人一台のPCが当たり前になっていた。当方はそのころ一人で3台使用していた。3台使用していたのは主に使用していた実験室や居室が3ケ所に分かれていたからだ。

 

ちょうど高純度SiCの事業を住友金属工業とのJVという形式で立ち上げ始めたころで、過重労働当たり前の大変忙しい頃だった。JV立ち上げさえ忙しいのに電気粘性流体の仕事も、電気粘性流体用の高性能オイルや粉体、また耐久性を上げる添加剤などを発明したのでプロジェクトから外してもらえず大変だった。

 

ゆえに自分が主に使用している部屋にPCを自分専用に1セットおいていただいた。ただ当時はLANなど気の利いた環境ではなく、データをFDで持ち歩いて作業をしなければならなかった。

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2017.03/24 質問

先日の記事に対して、亡父がどのような本を読んでいたのか知人から質問が届いた。亡くなる前の30年ほどは、仏教関係の本ばかりで、最後の10年ほどは仏教彫刻に関する本だった、と答えた。

 

回答してみてふと思った。最後の10年は絵本を読んでいた感覚ではなかったのだろうか、と。仏教彫刻の本は写真が多かった。そのため一冊の値段は、その昔一世を風靡した「サンタフェ」という写真集とほぼ同じだった。

 

観音様や仏様の彫刻の写真を見ながら亡父は何を考えていたのか知らないが、一冊一冊丁寧に手製の表紙が付けられていたのが印象に残っている。

 

当方がゴム会社から写真会社へ転職したころから仏教関係の本を読み始めており、また、転職してからは説教が線香くさい話になっていた。若いころの「ばかたれ」と叱られるよりも柔らかい説教だが、その時間が長くなっていた。

 

昔ならば、説教の後「この本を読んでおけ」と渡されたものだが、年を取ってからは推薦書が説教の後に無くなった。仏教関係の本は一冊も推薦されていない。おそらく当方が宗教関係の本など読まない、と亡父は判断していた可能性がある。

 

親子の関係は、親が亡くなるまで続く。子は親にとっていつまでも子なのである。子育ての本に親の子離れの話が載っていたりするが、亡父は最後まで親としての立場、態度をとり続けた。

 

自分に子供ができてみて父親の気持ちが少し理解できたように思う。若い頃は説教の途中で東京に帰ってしまったが、息子ができてから最後まで説教を聞けるようになった。

 

転職については猛反対であったが、転職理由については褒めてくれた。亡父の愛読書がドラッカーだったので詳細な説明は不要だった。ただ学位論文をあきらめようとしたことを伝えたら、セラミックスから高分子に仕事を変えたなら高分子で学位を取ればよい、と叱られた。

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2017.03/23 プログラミング(1)

技術者はコンピューターのプログラミングスキルがあると便利である。何か計算したいときにエクセルは便利なツールであるが、少し複雑な計算になってくるとVisual  BASIC  を使いたくなる。しかし、Visual  BASIC  をエクセルで起動するぐらいなら、Visual  C#  をマスターしたほうがよい。

 

その昔MZ-80Kを数年使用した。総額100万円近くこの環境に使い込んだので、16ビットPCが登場してもすぐにそれを購入する資金が無かった。PC9801はF2から使用し始めた。それまではFDOSが稼働していたMZ-80Kでフロッピーにプログラムをスワップしながら計算をさせていた。

 

もっぱら多変量解析を8ビットのコンピューターで行っていたのだが、デジタル機器にもかかわらず第二精工舎のプリンターのアナログ機器のような動作に見とれていた。会社で実験を行い、独身寮でそのデータ解析を行うという生活だった。

 

ゴム会社ではIBM3033という大型コンピューターが解放されており、その統計パッケージを使うこともできたが、材料担当がコンピューターを動かしていると遊んでいるように思われ、実際にそのようなうわさもたっていた。だから統計パッケージにあった重回帰分析と主成分分析を真似てMZ-80Kで走るプログラムを作成し独身寮で使用していた。

 

MZ-80Kそのものは25万円ほどであったが、プリンターやフロッピー、そのOSであるFDOS、ハドソンBASICなどのシステムを揃えたところ100万円近いお金が無くなった。ただこの時の投資はその後の技術者人生でたいへん有益な投資だったと思っている。ただそのために結婚資金が無くなり独身時代が長くなった。

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2017.03/22 豊洲市場移転問題

豊洲市場移転問題についてそれを推進した責任を問う証人喚問が行われたが、明らかになったのは各責任者が具体的な実務の執行に際し、細部を管理せず印を押していた問題である。何らかの汚職が今回の証人喚問された方々によりなされたようには見えなかった。

 

かつてロッキード事件で政治と汚職の問題が問われ田中元首相逮捕まで至っているが、豊洲問題はそのような構図ではなく、天下り責任者の利用されやすい弊害が真の汚職を隠すという構図になっている可能性が高い。証人喚問の様子を見る限り、何かを隠すというよりも責任の擦り付け合いという見苦しい光景だった。

 

豊洲問題ではこのようなトップレベルの責任よりも、実務レベルにおける杜撰な手続きが一つの方向に向かって進められた大きな問題がある。ガバナンスの問題と言ってしまえばそれまでだが、民主主義の統治下ではその責任を一極集中しない。例えば豊洲問題では現在証人喚問されている責任者の組織体制以外に都民の代表と位置付けられる議会組織、とりわけ都議会自民党の責任追及が必要だ。

 

すなわち石原元都知事の責任同様に議会の責任も問う必要がある。これまで行われた証人喚問で見えてきたのは、石原元都知事以下の責任者たちが誠実真摯に職責を全うしようと努力していた姿勢ではなく、無難に仕事が流れてくれればそれでよし、という無責任な姿勢である。すなわちこの方たちは皆マネジメントというものを正しく理解されていなかっただけでなく、重職渡り鳥として生き延びることしか考えていなかったのだ。

 

このような出世だけを考えて仕事をしても出世できてしまう日本社会の問題が豊洲市場移転に伴う利権に利用された構図が今回の証人喚問で見えてきたのである。すなわち今回の証人喚問だけでは真の黒幕をあぶりだすことはできず、豊洲移転に絡むお金の流れと実務の進捗、そして議会の動きとの対応関係を明らかにすることが必要になってくる。もしかしたら、実務レベルに黒幕から接待や何か便宜をもらったふとどき者がいるのかもしれない。

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2017.03/21 地下鉄サリン事件と生きる意味

昨日「彼はどのようにして地下鉄サリンの実行犯になったか」という江川氏の記事を読んだ。そこに、サリン事件の犯人の若者たちは、生きる意味を求めてオウム真理教に入信した、との説明があった。

 

入念な取材に基づく記事であり、これを読み驚いた。いつの時代でも若者は恋愛同様に生きる意味について一時期、病気のように悩むものだ。しかし生きる意味について悩んでみても一つの真理など見つかるわけではない。

 

さらに、科学の真理でも怪しいものがあるのに、他人の語る真理を素直に信じるところは子供だ。高分子科学の世界でさえ、自分の出したデータ以外信じないという元東大教授もいるのに、自分の人生の真理について他人を頼るのは危ない。

 

働く意味でもドラッカーが「貢献と自己実現にある」と明確に示してから、それがようやく社会に定着したのである。この意味さえいまだに否定する人がいるが、ドラッカーを読むと「貢献と自己実現」に働く意味を求めない限り、世の中はよくなってゆかないことがわかる。

 

すなわちこれは人が生きてゆく世の中をよくするための働く意味なのだ。この意味で働いていない人が偉くなった結果が東芝やオリンパスの事例だろう。社長の犯罪は、その会社で働く従業員に大きく悪影響が出る。やはり、ドラッカーが言うように社長は誠実で真摯な人が務める職業だ。

 

人間は死ぬまで生きているのだから、生きる意味をそもそも深く考える意味があるのだろうか、という見解をどこかで聞いたことがあるが、亡父はもっと説得力のある言葉を残している。

 

死ぬまで生きていると同じような意味かもしれないが、「今生きている以上必死で生きなきゃしょうがない」と生きる意味など考えている暇はない、と言いながら100歳まで生きた。

 

元警察官だったので十分な年金がありのんびり過ごしてもよさそうだったのだが、必死で読書をしていた。生きるために読書をするという姿をずっと見てきたが、死後の蔵書処理が大変だった。

 

当方は必死で生きるためには働かなきゃいけない、と思っても、既存の会社では60歳になれば追い出される。65歳まであるいは70歳までおいてくれる会社もあるようだが、定年がある以上居心地は悪いだろう。

 

当方は写真会社で十分な貢献をしたにもかかわらず50歳を過ぎて居心地が悪くなったので55歳で早期退職制度を利用する予定だったが、その決心をして会社への最後の貢献(注)のため2011年3月11日を最終出勤日と決めて57歳まで勤務した。

 

最後まで十分に貢献したつもりだったが、とんでもないことが起きて出勤最後の日は帰宅難民となった。誰もいない事務所で一人考えたことは、生きる意味ではなく、これから起業する定年の無い会社を死ぬまでにどれだけ大きくできるのだろうか、という夢だった。

 

(注)カオス混合の発明により、前任者が決めたPPS/6ナイロン/カーボンの配合系のままで中間転写ベルトを実用化している。この仕事以外にリサイクルPETボトルを用いた環境対応樹脂の開発も成功させた。家族と離れた単身赴任を初めて体験してみて料理という老後の備えとなる特技が身についた。

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2017.03/20 パーコレーション転移のシミュレーション

パーコレーションについて研究を行うときに、コンピューターは大変便利な道具である。特に最近はメモリーも安くなり、なんといってもCPUが30年近く前よりもけた違いに高速になった。はじめてコンピューターに触れたのは、大学の計算機実習だが、フォートランの簡単なプログラムを動かす作業でも一日仕事だった。


プログラミング環境もRAIDが充実し、その使用方法を習得すれば、ベッドの上で寝転がって鼻歌交じりに窓の開閉が可能で見栄えのする入力デザインの計算プログラムを作成可能である。30年前は、Cの処理系をパソコンへインストールする作業から入り、エディターをセットしなければプログラミングを始めることができなかった。


苦労してプログラミング環境を立ち上げても、見栄えのしないプログラムしか作ることができなかった。当方はもっぱら入力も出力もファイルを通じて行うプログラムを作っていた。自分専用だからこれで十分だった。また、MS-DOS環境ではパイプラインを使えたので、ファイル形式さえ統一すればデータを他のプログラムで活用でき画面入力よりも便利だった。


さてパーコレーション転移のプログラムのアルゴリズムについては、シミュレーションの応用分野が高分子半導体だったので導電性微粒子を絶縁体に分散したときに生じる現象を立方体を用いたモデルにキルヒホッフの法則を応用したものである。プログラムを作成したときにまだ同様の考え方のプログラムは報告はなされていなかった。


しかし学会で報告するために文献検索を行ったら雑誌「炭素」の二か月前の号に同様の考え方の論文が投稿されていたことがわかった。学会報告はすでに申し込んでいたので発表するかどうかを迷ったが、論文に書かれていたプログラムのアルゴリズムと少し異なる部分があったので、その論文を引用してとりあえず資料を作成し発表した。しかし論文にまとめるところまでは諦めた。


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カテゴリー : 一般 電気/電子材料 高分子

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